ロシア極東マイクロ・ビジネス支援事業

本事業は終了いたしました。

1.ロシア極東マイクロ・ビジネス支援事業の概要

2.今後のロシアとのビジネス・チャンスの拡大について

3.ミッション参加連絡表

4.これまでのミッション派遣概要

  第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 6回 第7回

 

 

1.ロシア極東マイクロ・ビジネス支援事業の概要

 ロシア東欧貿易会と経済産業省では、ロシア極東との取引案件を小規模でも良いから、成功事例を積み重ねていくことが必要であるとの観点から、外務省および現地総領事館の協力を得て、対ロ・ビジネスに関心を持つ日本企業から成る小規模ミッション派遣を支援しています。
 人材や知識が不足しているために、これまでロシアと直接の取引きのない経営者や企業の方が、ロシア極東にミッションを派遣して、商品発掘、パートナー探し、輸出入取引、委託加工、その他の案件の掘り起こし等を行う場合、支援するものです。

対象地域:

ロシア極東

対象品目:

住宅建材、家具、水産物など。(その他機械などについても相談に応じます。)

ミッションの構成:

経済産業省ロシア・NIS室職員、ロシア・ビジネス関心企業
*ミッションの規模などによっては、ロシア東欧貿易会からも職員が同行し、サポートに当たる。

参加募集:

希望する企業については、下記にお問い合わせ下さい。

費用:

参加民間企業に係わる宿泊費、通訳や車両費の手配等に必要な費用および往復の渡航費、国内旅行費は、参加企業の負担。

商談:

具体的な商談は、各企業が行う。
*ロシア東欧貿易会会員企業については、フォローアップも行う。

実績:

経済産業省がこれまで派遣したロシア極東マイクロビジネス支援ミッションは、平成13年7月、平成14年3月、4月及び、10月、平成15年4月、平成15年9月の6回。
日本から園芸・建築資材、食肉、水産業者、貿易会社等が参加し、沿海地方(ウラジオストク、ナホトカ、ボストーチヌイ)及びハバロフスク地方を訪問し、現地企業とのビジネスミーティングや地方政府との意見交換などを行っている。
なお、これまでの成功事例として、次のようなものが上がっている。
・園芸資材(レンガ)輸入(ウラジオストク)
・自動車関連用品(タイヤ、ベルト)の輸出(ウラジオストク)
・運送用資材(パレット)の輸入(ナホトカ)

・眼科機器の輸出(ウラジオストク)

お問い合わせ先:

経済産業省 ロシア室

電話03−3501−2838

()ロシア東欧貿易会 経済協力部

電話03−3551−6216

 

2.今後のロシアとのビジネス・チャンスの拡大について
−ロシア極東マイクロ・ビジネス支援−

経済産業省通商政策局ロシア室

(1)関心は高いが実績は寂しい対ロシア・ビジネス

 我が国とロシアとの貿易は、1998年の金融危機により大きな打撃を受けたものの、2000年には輸出・輸入の合計である総額で50億ドルの大台を回復した。
とはいえ、総額が800億ドルを超える中国と比較すると大きな格差があり、日口両国が隣国という地理的な優位にあることから考えれば、そのポテンシャルは生かし切れていないと見るべきであろう。
 特に、日本勢が得意とする機械機器の輸出は大型プラント案件の成約が見られないことを反映し、1998年以前の水準を回復するに至っていない。
 原因として、ロシアが市場経済への移行過程にあり、投資環境が整備されていないことも、大きな要因として挙げられるが、1998年の金融危機により日本企業のマインドがリスク過敏となり、消極的になってきていることも一因として考えられる。
 しかし、先般の経団連による対ロシア経済使節団にはなんと250名ものメンバーが参加した。これは、ロシア以外の地域とのビジネスがやや停滞気味であり、ロシアという今や「フロンティア」と位置づけられる市場への期待感が高まっていることの現れと取ることができる。また、ロシアが市場として十分耕されていないから、ニューカマーを含めて、ロシアの現状をよく見てみようという意識が高まっていることの現れでもあると分析できよう。
 今回のミッションで非常に明確化したことの一つに、ロシア政府が100%の保証を付ける考えがないことが挙げられる。この前提では、なかなか大型案件が進むという地合にはなり難いと思ったのは我々だけではなかろう。リスクを低減し、しっかりした新しい資金回収スキームを確立することはなかなかに難しい。知恵を絞っていくことは必要だが、短期的には困難な要素があることは否定できない。
 ロシア東欧貿易会の高垣会長(対口・ミッションに副団長として参加された)のご意見でもあるが、当面は、輸出入を問わず、小さな案件であっても、成功事例を積み重ねていくことが必要であると思う。そのため、経済産業省としても、外務省及び現地領事館の協力の下で情報収集を進めるとともに、対ロシア・ビジネスに関心をもつ企業から成るミッションを派遣し、案件の掘り起こしに努めることが有力な手法であると認識している。

(2)小さいことから始めよう「ロシア極東マイクロ・ビジネス支援事業」

 このようなことから、当省では、ロシア極東を対象地域として、住宅資材分野などを対象とした小規模ミッション派遣支援を、当室、ロシア東欧貿易会、さらには外務省の協力を得て実施することとしている。
 参加企業は、ロシア東欧貿易会のホームページなどを通じて公募を行い、各企業のニーズを聴取した上で、ロシア側関係企業との接触のアレンジ、サポートを行うものである。対象地域は、日本企業の関心が高いと思われるロシア極東地域である。
 ミッションの特徴は、第1に、少数の企業グループにより編成されることである。これにより、参加企業の細かいニーズを反映したものにすることが出来る。第2に、外務省の協力を得ることである。現地での活動の円滑化を期することが出来るので、ロシアについて十分な知識や経験のない企業がロシア・ビジネスに参入することが可能となる。この2点が参加企業にとってのメリットとして指摘できるだろう。

(3)今後の展開

 大きな商社などには人も知識も備わっているが、意欲や資金はあっても人や知識が不足しているために海外取引にしり込みせざるを得ない企業、特に中小企業や地方企業は数多い。そうした企業が積極的にロシアに進出し、可能性のある商品の発掘や、具体的商談を持つことができるようになれば、意外なことに短期間で契約まで結びつく可能性は高いようだ。初めは100万円程度の取引でもよい。リスクを可能な限り避けた取引から始めればいいわけだ。
 ミッションの成果として、小さな成功事例が積み重ねられることで、それが日ロ間の経済交流の拡大、日本企業のビジネス・チャンスの拡大につながることを期待している。
 まずは小さくとも最初の一歩を踏み出してみることが肝心であり、多くの企業の参加を期待している。サクセス・ストーリーが一つまた一つと出来上がっていくことを是非望みたい。