ロシア東欧貿易調査月報 2000年9月号 |
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ロシアをめぐる鉄道輸送と構造改革の現状
岡田安彦
はじめに
1. アクショネンコ鉄道相の1999年末の現状報告
2. 鉄道網の欠陥と困難
3. シベリア鉄道とバム鉄道
(1)シベリア鉄道
(2)バム鉄道
4.構造改革構想ができるまで
(1)構造改革はいつ、なぜ生まれたか?
(2)各種の改革案
(3)経済と国家の機構を分離
(4)実施の方法
5.鉄道運輸の構造改革発展構想
(1)鉄道省会議で承認
(2)承認された改革構想テキスト
(3)構造改革の結果、予想される成果
はじめに
ソ連邦が解体して独立国家共同体(CIS)と沿バルト海諸国となったが、鉄道運輸の形態はソ連時代とほぼ同じで、ロシア連邦鉄道省が中心となって広大な地域に鉄道輸送網が形成されている。
ソ連時代(1990年当時)における鉄道網の組織は32鉄道局だったが、その後の改革などにより15鉄道局減少して現在は17鉄道局である。1997年、鉄道相にはエリツィン大統領によりニコライ・アクショネンコが任命されたが、1999年5月29日には西シベリア鉄道局長ウラジミル・イワノビチ・スタロスチェンコが鉄道相となったものの4ヶ月弱で交代し、プーチン大統領のもとで、ふたたびアクショネンコ鉄道相となり現在まで続いている。アクショネンコ鉄道庄の体制下、鉄道部門が現在もなおかかえっている最大の問題は構造改革である。具体的な内容は、構造改革発展構想として、2000年9月に発表され、新世紀を迎えるに当たり、内外で大きな波紋を呼んでいる。ロシアを中心とする鉄道の現状と構造改革の諸問題を概観してみる。
ロシアが世界貿易機構(WTO)に加盟するプロセス
ロシア連邦経済発展貿易省顧問
アレクサンドル・A・パホモフ
1. WTO加盟の目的と課題
2. 加盟プロセス発展の歩み
3. ロシアのWTOへの加盟の歩み
4. 市場への進出に関する二国間交渉
5. WTO問題に係るロ日交渉の概要
6. WTO問題に関する旧ソ連邦の共和国との共同行動
7. ロシア加盟のプロセスに係る国内作業の組織化
8. WTO問題ロシア連邦政府委員会の主な権限
9. ロシアの国会とWTOへの加盟問題
10.会議の開催と海外諸国の支援
11.ロシアのWTO加盟交渉が迎えた現代の段階
12.交渉プロセスの当面の課題と展望