ロシア東欧貿易調査月報

2003年2月号

 

T.ロシアの林業分野の現状と課題

U.2002年のロシアの金融市場

V.カスピ海地域における投資リスクと日本

W.カザフスタンの新しい投資法

X.ロシア極東の対外経済関係

  (「2002年版数字で見るロシア極東」の補足)

◇◇◇

モスクワ直送情報

 インタビュー 田村嘉浩さん(在ロシア日本大使館参事官)

 インタビュー 樫尾譲さん(鰍ンちのく銀行(モスクワ)社長) 鳴海義仁さん(同業務渉外部長)

データバンク

 特集 2002年のロシア経済統計

CIS・中東欧ビジネストレンド(2002年12月分)

CIS・中東欧諸国関係日誌(2002年12月分)

 


 

ロシアの林業分野の現状と課題

ロシア東欧経済研究所 調査部次長

坂口泉

はじめに

1. 森林資源

2. 伐採部門の現状

3. 木材加工分野

4. 紙パルプ部門

5. ロシア林業分野の主要企業グループ

6. 業界再編(企業乗っ取り)の動きについて

まとめにかえて

 

はじめに

 ロシアの林業分野(本稿では、木材加工・紙パルプ部門も含めて「林業分野」と称する)は、最近、脚光を浴びることが多くなっている。その理由は大きくわけて2つある。ひとつは、2002年春ごろより、低付加価値商品(丸太等)の輸出税の引き上げ、高付加価値商品(家具、紙パルプ製品等)の輸入税の引き上げと輸出税の引き下げ、加工用設備の輸入税の引き下げ、森林区画の貸出し期間の長期化等を視野に入れた同分野の改革案の検討をロシア政府が本格的に開始したためである(現時点でも検討が続けられている模様)。もうひとつは、最近、新興財閥間で林業関連企業の乗っ取り合戦が激化し、その結果、民営化された企業の再国有化という由々しき事態まで生じているからである。

 換言すれば、政府レベルでも民間レベルでも、林業分野の重要性が再認識されはじめていると言えよう。本稿では、注目度が高まりつつあるロシア林業分野の現状を鳥瞰図的に紹介する。

 


 

2002年のロシアの金融市場

ロシア東欧貿易会 モスクワ事務所 副所長

D.ヴォロンツォフ

はじめに

1.マクロ経済指標

2.外為市場

3.金外貨準備

4.銀行システム・信用市場

5.国家有価証券

6.株式市場

7.ロシアの外債市場

おわりに

 

はじめに

 毎年恒例となっているロシア金融市場レポートの2002年最新版をお届けする。ロシアの金融諸市場は、1998年夏の危機的状況からすっかり立ち直り、好調なマクロ経済状況と旺盛な輸出を背景に、いずれも健全な動向を示している。

 


 

カスピ海地域における投資リスクと日本

アセスメント・リスク・グループ代表

D.サトパエフ

はじめに

1.地政学的観点から見たカスピ海地域

2.カスピ海地域における政治的リスクの度合い

3.カスピ海地域に対する日本企業の関心

 

はじめに

 このほど、当研究所と交流のある「アセスメント・リスク・グループ」のドスィム・サトパエフ代表に、カスピ海地域における投資リスクに関するレポートを寄稿してもらったので、以下のとおり紹介する。

 「アセスメント・リスク・グループ(ARG)」はカザフスタンのアルマトィを拠点とした非政府の分析専門組織で、中央アジアおよびカスピ海地域諸国の政治・経済分析、カントリーリスク評価、その関連のコンサルティングなどを手がけている。Kazakhstan:Risks Reviewという月刊の分析レポートを英文で発行しており、これはこの種の刊行物としては中央アジア諸国で初のものであるという。

 


 

◆資料紹介◆

カザフスタンの新しい投資法

 

はじめに

 2003年1月8日付でカザフスタンの新しい「投資法」が成立した。当会では、1月11日付の『カザフスタンスカヤ・プラウダ』に掲載された法律の全文を翻訳(仮訳)したので、ここに紹介する。

 従来カザフスタンでは、1994年の外国投資法、1997年の直接投資国家支援法により、外資を優遇する体制がとられてきた。それに対し、今般成立した投資法は、国内・国外の投資家の活動を律する法律を一本化し、同じ待遇を与えている点に特徴がある。本法律の成立に伴い、94年の外資法、97年の直接投資支援法は廃止となった。今回の投資法についての評価は、本月報に掲載されている「カスピ海地域における投資リスクと日本」のなかでも触れられているので、あわせて参照していただきたい。

 


 

◆統計データ◆

ロシア極東の対外経済関係

(「2002年版数字で見るロシア極東」の補足)

 

 ロシア極東地域の最新の対外経済関係の統計データを紹介する。ロシア極東地域の最新統計は本誌2002年11月号の『数字で見るロシア極東(2002年版)』で掲載済であるが、データ入手の遅れから、対外経済関係に関する2001年分の数字を掲載できなかった。今号において、補足して掲載する。

 

(第1表)極東地域の貿易高

(第2表)極東地域の国別貿易高・構成

(第3表)極東地域の輸出品構成

(第4表)極東地域の輸入品構成

(第5表)サハ共和国(ヤクーチヤ)の国別貿易高・構成

(第6表)サハ共和国(ヤクーチヤ)の輸出品構成

(第7表)サハ共和国(ヤクーチヤ)の輸入品構成

(第8表)ユダヤ自治州の国別貿易高・構成

(第9表)沿海地方の国別貿易高・構成

(第10表)沿海地方の輸出品構成

(第11表)沿海地方の輸入品構成

(第12表)ハバロフスク地方の国別貿易高・構成

(第13表)ハバロフスク地方の輸出品構成

(第14表)ハバロフスク地方の輸入品構成

(第15表)アムール州の国別貿易高・構成

(第16表)アムール州の輸出品構成

(第17表)アムール州の輸入品構成

(第18表)カムチャッカ州の国別貿易高・構成

(第19表)カムチャッカ州の輸出品構成

(第20表)カムチャッカ州の輸入品構成

(第21表)マガダン州の国別貿易高・構成

(第22表)マガダン州の輸出品構成

(第23表)マガダン州の輸入品構成

(第24表)サハリン州の国別貿易高・構成

(第25表)サハリン州の輸出品構成

(第26表)サハリン州の輸入品構成