ロシア東欧貿易調査月報

2004年8−9月号

 

T.統計特集:2003年のロシアの貿易統計

◇◇◇

第34回ロシア東欧貿易会定時総会報告

 

◇◇◇

ロシア企業クローズアップ

 SUALグループ

 

データバンク

 ウクライナの直接投資受入状況

 

CIS・中東欧ビジネストレンド(2004年6月分)

CIS・中東欧諸国関係日誌(2004年6月分)

 


 

統計特集:2003年のロシアの貿易統計

 

はじめに

(第1表)ロシアの貿易高の推移(国際収支ベース)

(第2表)ロシアの貿易高の推移(通関統計ベース)

(第3表)ロシアの輸出商品構成の推移

(第4表)ロシアの輸入商品構成の推移

(第5表)ロシアの相手地域別貿易高

(第6表)2003年のロシアの相手国別貿易高(地域別、五十音順)

(第7表)2003年のロシアの相手国別貿易高(上位80カ国)

(第8表)20022003年の主要貿易相手国との商品グループ別輸出入高(五十音順)

(第9表)2003年の主要品目の相手国別輸出高

(第10表)2003年の主要品目の相手国別輸入高

 

はじめに

 ロシア国家関税委員会(現在は正式には連邦関税局)が発行する通関統計集の2003年年報がこのほど刊行され、これにより2003年の同国の貿易動向に関する詳しいデータが明らかになった。すでに、当会『ロシア東欧経済速報』(2004年7月15日号、No.1300)でその概要を紹介したが、本月報では特集の形でさらに詳細にお伝えすることにする。通関統計集だけでなく、ロシア統計国家委員会の刊行物からもデータを補いつつ、網羅的なデータの提供をめざしたい。

 『経済速報』でも解説したとおり、ロシアの貿易統計には大別して2種類がある。ひとつは国際収支ベースのもの、もうひとつは通関統計ベースのものだ。マクロ経済的な分析を行ううえでは前者の方が有益だが、商品別や相手国別の中身を知ることができるのは後者である。今回の資料では、第1表が国際収支ベース、それ以外はすべて通関統計ベースとなっている。通関統計では、輸出がFOB、輸入がCIFとなる。

 国際収支統計によれば、2003年のロシアの商品輸出総額は1,359億ドル(前年比26.7%増)、輸入総額は754億ドル(同23.7%増)で、収支は605億ドルと過去最高の黒字であった。通関統計によれば、輸出の57.3%が鉱物製品であり、そのほとんどが燃料・エネルギー商品によって占められている(56.7%)。

 第6表では、ロシアの相手地域および相手国別の貿易高を示してある。相手国の掲載順は、日本語の五十音順とした。なお、「ヨーロッパ」「アジア」などの地域の合計額は、本誌が独自に算出した便宜的なものである。全地域を合計しても完全に100%にはならないので、ご留意願いたい。

 第7表は、上位の相手国80カ国をピックアップして作成したものである。これによれば、日本はロシアの貿易相手国として第16位となっている。ただし、ロシアの通関統計には魚介類の輸出が一部しか反映されておらず、それによる漏れが10億ドル近くあると見られるので、日本の実際の順位はもう少し上であると考えられる。

 第8表は、主要相手国との貿易を、国際的な商品分類の「類」レベルにブレイクダウンしたものである。まず凡例として「類」の項目名が一覧表に示されており、それにもとづいて、主要相手国との貿易内容に関するデータが掲げられている。なお、第77類は欠番である。また、ロシアは第71類、第88類、第93類については相手国別データを開示していない。

 第9表は、ロシアの主要輸出品目をピックアップし、それぞれの品目について主要輸出相手国を見たものだ。第10表はロシアの輸入についての同様のデータである。基本的に、取引額が総額の1%以上の国までを採録してある(一部例外もある)。ただし、日本との取引額が原典に示されている場合は、額の多寡にかかわらず必ず入れるようにした。

 実は、今回からロシアの通関統計集は非常に詳細かつ網羅的なものになり、その結果上下2巻の大部の編成となっている。データが詳しくなったのは歓迎すべきなのだが、逆に細かくなりすぎて、中間レベルの数字を把握するのが困難になった。従来は4桁レベルの「項」のデータが基本になっていたのに対し、今回の統計集では6桁レベルの「号」にまで細分化されているのだ。以前であれば、「72.02 フェロアロイ」という「項」の合計額が示されていたが、今回の場合はそれがなく、72.02.1172.02.1972.02.21……と、延々と細かい分類が続くのである。

 「号」のレベルになると、商品名自体が非常に込み入って長々しいものになり、我々も今回、第9、10表をまとめるのにかなり苦慮した次第だ。貿易統計品目というものは、ヒエラルキーを把握せずに個々の「号」だけを見ても、ほとんど理解不能である。財務省の税関ホームページ(http://www.customs.go.jp)で、貿易統計品目表を閲覧することが可能なので、第9、10表は、同品目表を参照しつつご利用いただければ幸いである。

 ロシアの統計が詳細化した分、紙媒体でそれをお伝えすることには自ずと限界が出てきた。そこで当会では、ロシアの通関統計をデータベース化し、会員の皆様向けにホームページ上で提供することを企画している。現在鋭意準備を進めているので、ぜひご期待いただきたい。

 


 

ロシア企業クローズアップ

 

SUALグループ

 ロシア第2位のアルミニウム企業。ロシア産ボーキサイトの約90%を採掘。株主構成、財務諸表では不透明な部分が多く、海外での資金調達に困難も。レニングラード州やコミ共和国の政府との共同プロジェクトに力を入れている。

 


 

データバンク

 

ウクライナの直接投資受入状況

 Interfax Statistical Report2004.6.16-25, No.26)に、2004年4月1日現在のウクライナの外国直接投資受入状況に関する統計が掲載されている。そこで本コーナーではこの記事をもとに、一部ウクライナ統計国家委員会のウェブサイト(http://www.ukrstat.gov.ua)からも情報を補いつつ、ウクライナの外資受入状況に関するデータを図表にまとめてお届けする。

 

 [第1図]ウクライナの外国直接投資受入残高の推移

 [第2図]ウクライナの直接投資受入残高の投資国別内訳

 (第1表)ウクライナの産業部門別の直接投資受入高

 (第2表)主な投資国の産業部門別内訳