ロシア東欧貿易調査月報

2004年12月号

 

T. 外資も動き出したロシアのタイヤ部門

 

U.日ロ木材貿易の現状と課題

 

V.インタビュー:カザフスタンはどのように発展を遂げていくのか

◇◇◇

ロシア企業クローズアップ

 1.ヴィクサ冶金工場

 2.サターン

データバンク

 1.2004年1〜6月のCIS諸国の経済

 2.特集:ロシア大企業ランキング

  ●ロシア主要企業五十音順一覧

  ●A.ロシア企業売上高ランキング

  ●B.ロシア企業株式時価総額ランキング

CIS・中東欧ビジネストレンド(2004年9月分)

CIS・中東欧諸国関係日誌(2004年9月分)

 


 

外資も動き出したロシアのタイヤ部門

ロシア東欧経済研究所 調査部次長

坂口泉

 

はじめに

1.タイヤ市場の状況

2.生産の状況

3.輸入の状況

4.輸出の状況

5.主要国産メーカー

6.外資による現地生産の動き

まとめにかえて

 

はじめに

 最近、ロシアの乗用車市場の活況ぶりに呼応するかのように、複数の外国タイヤメーカーがロシアでの現地生産に向けての動きを活発化させている。

本稿では、そのような状況を踏まえ、ロシアのタイヤ市場の全般的状況、国産メーカーの現状、現地生産を実施もしくは検討している外国メーカーの動向を紹介する。

 


 

日ロ木材貿易の現状と課題

潟gライアード 代表取締役

梅宮創治

はじめに

1.日本の木材需要

2.日本のロシアからの輸入状況

3.ロシア側の課題

 

はじめに

 ロシア東欧貿易会は2004年9月13日から16日にかけて、平成16年度国庫補助事業「ロシア地域経済改革支援専門家派遣」事業の一環として、ロシアのハバロフスクで「ハバロフスク地方の林業・製材業・木材加工業のための技術・機械セミナー」を開催した。日本の専門家をハバロフスク地方に派遣し、日本の製材および木材加工の最新技術・設備の状況を紹介することにより、ハバロフスク地方の企業における製材・木材製品の品質向上、高付加価値化を支援するのがその目的である。

 セミナーでは、日ロ双方の専門家による報告が行われた。ここではそのなかから、潟gライアードの梅宮創治代表取締役によるロシア側参加者向けの報告「日ロ木材貿易の現状と課題」を掲載する。

 


 

◆インタビュー◆

カザフスタンはどのように発展を遂げていくのか

駐日カザフスタン共和国大使

B.ヌルガリエフ

はじめに

1.カザフスタン経済の現状

2.石油・ガス依存軽減のために

3.ロシア資本の進出

4.地域協力の将来

5.日本と中央アジア

 

はじめに

 油価の高騰を追い風に、ロシアとともに旧ソ連トップクラスの経済成長を謳歌するカザフスタン。現状の繁栄を長期的発展につなげるべく、目下、脱資源依 存・経済多角化へ向けた様々な取り組みを実施中です。このたび、当会では昨年末に赴任されたヌルガリエフ在日カザフスタン大使に、そうした同国の現状について、詳しくご解説いただく機会を得ました。以下にインタビューの内容をご紹介いたします。

 


 

ロシア企業クローズアップ

 

1.ヴィクサ冶金工場

 ロシア最大の大口径鋼管と鉄道車輪のメーカー。現在は、管理会社「統一冶金会社」の傘下にあり、長期的に安定した取引関係の構築を目指している。

 

2.サターン

 民間機・軍用機に搭載されるジェットエンジンの開発・生産を主力業務とする。民間機の機体の老朽化が進む中で、航空機用エンジンに対する需要の高まりを期待。ガスプロムとの長期協力関係を結ぶことにより、ガス産業用の機械・設備の生産にも力を入れる。

 


 

データバンク

1.2004年1〜6月のCIS諸国の経済

2.特集:ロシア大企業ランキング

 

●ロシア主要企業五十音順一覧

●A.ロシア企業売上高ランキング

●B.ロシア企業株式時価総額ランキング

 

 ロシアの経済週刊誌『エクスペルト』(2004.10.4-10, No.37)に、毎年恒例のロシア大企業ランキングが掲載されているので、早速これを抜粋して紹介する。

 『エクスペルト』誌の大企業ランキングは今回が10回目となるが、節目ということもあり、注目すべき新機軸が打ち出されている。同誌のランキングは、売上高にもとづくランキングと、株式時価総額にもとづくランキングの2本建てとなっているが、これまでは前者に含まれるのは製造業だけで、サービス企業は「対比不能」として対象外になっていた。しかし、ロシア経済におけるサービス・セクターの重要性がますます高まっていることなどにかんがみ、今回から非製造業企業も売上高のランキングの対象に加えられたのである。さらに、売上高ランキングが、これまでの全200社から、倍の400社となり、より一層網羅的になった。

 以下では、まず本月報独自の企画として、売上高および株式時価総額の2つのランキングに登場するすべての企業を日本語の五十音順に並べ替えて、それに各企業のインターネット・アドレスを加えた資料「ロシア主要企業五十音順一覧」を作成した。全521企業を網羅した本資料を、総合索引としてご活用いただければ幸いである。

 「A.ロシア企業売上高ランキング」は、2003年の売上高にもとづいたベスト400である。企業グループの扱いについては、重複を避けるため、持ち株会社たる親会社のみを掲載している。表中で「*」の印が付いている企業がそうした持ち株会社であり、グループ全体の連結データが示されている。このほかにも、原典には細かい注釈がいくつか付されているが、本誌では割愛する。なお、ロシア400大企業の2003年の売上高合計は、8兆5,376億ルーブル(2,780億ドル)であった。1社当たりの平均で、前年比25.8%の伸びであった。

 「B.ロシア企業株式時価総額ランキング」は、2004年9月1日現在のデータで、株価×発行済株式総数で計算された時価総額にもとづく。こちらは前年までと同様、全200社となっている。2004年9月1日現在、ロシア200大企業の株式時価総額の合計は、6兆9,348億ルーブル(2,370億万ドル)であった。