ロシア東欧貿易調査月報 1995年3月号 |
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ロシアと中国との経済・貿易関係
―急速な拡大の調整期―
1.政治関係の安定化と経済関係の拡大
2.ロ中貿易の商品構造―顕著な相互補完性
3.ロシアと中国との合弁企業の展開
4.ロ中国境貿易の急増と地域経済
5.1994年のロ中貿易激減と問題点
6.地域間経済交流から多国間経済協力へ
はじめに
旧ソ連・ロシアと中国との経済・貿易関係は1980年代後以降文字通り急速に拡大し、1993年のロ中貿易は往復77億ドルを記録した。ロシアにとって、中国はドイツに次ぐ世界第2位の貿易相手国に浮上した。ロ中貿易の約半分は国境貿易であり、約70%はバーター取引である。
中国における建設ラッシュを背景に、1993年にはロシアから中国に対して約500万tの鉄鋼が輸出され、約20億ドルに達した。
しかし、1994年の口中貿易は一転して大幅な減少となり、前年に比べ約半減となった。減少の直接かつ最大の要因は、 ロシア側におけるビザ制度導入による両国間人的往来の激減とそれがもたらした主としてバーター取引の激減にある。
しかしながら、急激な貿易拡大のかげになっていた基本的問題点の多くが顕在化したことこそ、大きな難題であり、ロ中貿易はいま、調整期に入っているようにみえる。
とはいえ、両国間の政治関係の好転と安定化、貿易の相互補完性、両国政府の相互貿易拡大に対する積極的姿勢等々、ロ中貿易の拡大ファクターは変わらず、地域間経済交流から国際経済協力への発展も期待できることから、調製期は比較的短期間で克服され、近い将来、両国間経済関係は再び拡大方向をたどるとみられる。
本稿は、小川和男ロシア東欧経済研究所所長の執筆によるものである。
カザフスタンの外国投資法
1.一般規定
2.外国参加企業の設立と解散
3.外国法人の支社および代表部の登記と活動
4.外国参加企業の活動形態及び活動条件
資料紹介
カザフスタン共和国では、1994年末に最高会議において外国投資法が採択された。内容は、詳細なものではなく、概括的な規定ではあるが、「法律の変更および政治状況の変化に対する保証」などが盛り込まれ、外資側の不安に答える内容になっている。しかし。その後、この法律を採択したカザフスタンの最高会議自体が選挙無効として、解散された。そのために、新たな採択の手続がとられており。法律の施行が宙に浮いた状況となっている。ただし、法律の内容自体は変更されない予定であるので、ここに、その全訳を紹介する。