ロシア東欧貿易調査月報

1997年2月号

 

T.ロシアにおける銀行資本の生産資本への接近(2)

―金融・産業グループ「ロスプロム」の誕生―

U.ロシア極東と日本の経済協力の現状と展望

V.1995年のCIS諸国の外国貿易統計

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  ロシア経済の謎を解き明かす ―マクロ安定化の裏で氾濫するロシア風擬似通貨―

ロシア経済法令速報

データバンク

  ロシアの経済統計

  1996年1〜9月のロシアの国際収支

旧ソ連・東欧貿易月間商況1997年1月分)

旧ソ連・東欧諸国関係日誌1997年1月分)

CIS・東欧諸国・モンゴル輸出入通関実績(1996年1〜9月累計)

 

 


 

ロシアにおける銀行資本の生産資本への接近(2)

―金融・産業グループ「ロスプロム」の誕生―

 

1. 金融・産業グループ「ロスプロム」の全体像

2. 石油部門(ユコス)

3. 肥料部門

4.  林業・製紙部門(梶uウスチ・イリムスク林業コンツェルン」)

5. その他(繊維部門および食品部門)

 

はじめに

 前回(本『調査月報』1996年10月号)では、ロシアにおける銀行資本の生産資本への接近の具体的ケースとして金融・産業グループ「インターロス」を紹介したが、今回はその続篇として、同じく金融・産業グループに属する「ロスプロム」を取り上げる。

 2つの金融・産業グループは、石油、非鉄金属および肥料など輸出競争力が相対的に高い部門における市場シェアの獲得をめざす点で共通の特徴があるが、「インターロス」がとくに優先産業分野を定めずに有望と思われる企業を傘下に収めているのに対し、「ロスプロム」の場合は進出すべき優先産業分野を明確に打ち出し、消費財の分野まで活動分野を拡げる傾向がみられる。もっとも、両者が形成途上にある点は否定しがたく、今後の見通しも不透明なままである。

 だが、本文でも述べられているように、国全体の明確な産業政策が不在という状況にあって、今後ロシアの金融資本が産業復興の主導権を握る可能性もあり、その動向には十分注意を払う必要があろう。

 本稿は当会ロシア東欧経済研究所調査部次長坂口泉の執筆によるものである。

 


 

ロシア極東と日本の経済協力の現状と展望

 

1.  経済協力の客観的前提条件と基本的枠組

2.  ロ日関係の長期発展と極東発展の触媒としての、サハリン大陸棚石油ガス開発国際投資協力

3.  その他のロ日協力による極東の投資プロジェクト

4.  ロ日経済協力とアジア太平洋諸国との協力関係における経済特区

5. 後書きにかえて

 

はじめに

 ここに紹介するのは在日ロシア通商代表部カザコフ副首席の寄稿になる論文「ロシア極東と日本の経済協力の現状と展望」である。

 極東と日本との関係の可能性や問題点が、ロシア側の視点から指摘、分析されており、たいへん興味深い。

 サハリンプロジェクト経済特区「ナホトカ」についても具休的な指摘、提案が盛り込まれており、今後日本側が極東との関係を検討して行くうえで、地元以外のロシア側からの貴重な発言といえよう。

 原文はロシア語で、翻訳の責任は当研究所にある。

 


 

1995年のCIS諸国の外国貿易統計

 

1. アゼルバイジャン

2. アルメニア

3. ベラルーシ

4.  カザフスタン

5.  キルギス

6.  モルドバ

7.  ロシア

8.  タジキスタン

10.トルクメニスタン

11.ウズベキスタン

12.ウクライナ

 

はじめに

 当会モスクワ事務所でこの度、『1995年のCIS諸国の対外経済活動』(CIS統計委員会、モスクワ、1996年)を入手したので、ここにその一部を紹介する。本統計は、CIS各国の統計機関がCIS統計委員会に提出したデータをもとに作成されたものである。本稿のロシアに関する数値は、ロシア連邦統計国家委員会がCIS統計委員会に提出したデータであり、ロシア連邦関税国家委員会のデータにより作成した当月報1996年8月号掲載の「1995年のロシア連邦の外国貿易統計」とは若干異なる。なお、国によって提出したデータに偏りがあるため、すべての国の表の統一はとれなかった。また、グルジアに関しては1995年のデータは掲載されなかった。