2000年を迎えるロシア経済

ロシア連邦経済省マクロ経済予測局次長

V．ヴォルコフ

１．      改革の８年を経てロシア経済は何とともに1999年末を迎えたか

２．      2000〜2005年期におけるロシアの社会・経済発展の外的条件

３．      2000〜2005年期におけるロシアの社会・経済発展の内的条件

４．      2000〜2005年期に予測されるロシアの基本的マクロ経済発展パラメータの動向

　本稿では、1999円の予想される実績を考慮しながら、2000〜2005年の機関におけるロシアの基本的マクロ経済発展パラメータの動向予測を試みる。

　もちろんこれは、なんらかの正確な予測というわけにはいかない。とりわけ、ロシアに特徴的な政治、社会、経済分野の高度の不安定性、したがって将来に対する高度の不確実性を考えれば、そうである。したがって、ここで論じることが可能なのは、国の社会・経済発展のシナリオについて、さまざまなシナリオに相応するバージョンの枠内での発展の軌道についてだけである。

　2000〜2005年期のパラメータは、まず何よりも次の諸要因によって条件付けられる。

　�@ロシア経済の現在の、すでに形成されている状態。この場合に考慮されるのは1999年の実績（今後の発展の「スタート台」としての）だけではない。ロシア経済の改革期全体にわたる成果の次のような意味づけも考慮される―経済はいかなる問題を抱えて2000年に入ったのか、これらの問題の原因は何か。このような意味づけを欠いた予測は、表面的で根拠のないものになる恐れがある（たとえば急進改革のスタート前、並びにその実施の最初の数年間の予測がそうだったように）。

　�A予測対象期間に形成されるであろう国の社会・経済発展の国外的および国内的条件の総体。将来の発展条件（何よりもまず国内的条件）は、ロシアの現状、山積した問題と部分的に関係しているとはいえ、かなり自立的な意味を持っている。社会・経済発展のパラメータは決してベースの状態によって予め規定されているわけではないからである。当然、将来が先になればなるほど、社会・経済が現実にその中で生じることになる条件はそれだけ（「ベースに対して」）自立的になり、それらの条件はそれだけ低い精度で予測することが可能である。

　これらの要因をもっと詳細に検討してみよう。

ポスト・エリツィン体制下のロシア経済

横浜市立大学名誉教授

佐藤経明

１．      「プーチン効果」と大統領選

２．      2000年代の世界秩序の枠組みをどう考えるか

３．      経済の部分的好転をどうみるか

４．      プーチン「政策綱領」

　ロシアでは1990年代の最後の年の大みそかに、エリツィン大統領が突然辞任、大統領代行にプーチン首相が任命された。政治分野での混迷とは対照的にかつてなく良好な状態にあるように見えるロシア経済をどう理解すべきか。佐藤経明・横浜市立大名誉教授にロシアの政治経済情勢についての見解を述べていただいた。

EUの東方拡大と財政問題（２）

立正大学経済学部助教授

蓮見雄

２．      EU統合の深化と拡大の結節点

３．      多様性をどのように把握するのか

ロシア貿易・産業情報

ロシアの非鉄産業の現状について

―アルミニウムとニッケル部門を中心に

当会ロシア東欧経済研究所調査部次長

坂口泉

第１部　ロシア・アルミニウム産業の現状

１．      全般的状況（ロシア・アルミニウム産業の特性）

２．      アルミナとアルミニウム新地金の生産の状況

３．      輸出入の状況

４．      トーリングについて

第２部　ロシア・アルミニウム分野で活動する主要メーカ

１．      クラスノヤルスク・アルミニウム工場

２．      ブラーツク・アルミニウム工場

３．      サヤン・アルミニウム工場

４．      シベリア・アルミニウム工場

５．      ノヴォクズネツク・アルミニウム工場

６．      ボゴスロヴォ・アルミニウム工場

７．      ヴォルゴグラード・アルミニウム工場

８．      その他

第３部　ノリリスク・ニッケルについて

１．      ノリリスク・ニッケルを構成する企業

２．      資本関係

３．      ノリリスク・ニッケルの中期計画

４．      ノリリスク・ニッケルの保有埋蔵量

５．      ニッケル・コバルト・銅の生産量および輸出量（推定値）

６．      ニッケルの世界におけるロシアのプレゼンス

７．      パラジウムとプラチナの世界市場におけるプレゼンス

８．      財務状況