ロシア東欧貿易調査月報

2001年10月号

 

特集◆ロシア極東の経済と対外関係

T.成長段階に入ったロシア経済:その現状と見通し

U.ロシア極東では危機が克服されたか?

V.ロシア極東における市場の形成と対外経済関係

W.ロシア極東における対内直接投資

X.数字で見るロシア極東(2001年版)

 


 

成長段階に入ったロシア経済:その現状と見通し
—日ロ経済専門家会議帰国報告—

(社)日本経済研究センター顧問
金森久雄

当会ロシア東欧経済研究所所長
小川和男

はじめに

 本年で第24回を迎えた当会主催の日ロ経済専門家会議は2001年9月16日 〜9月22日にかけて代表団をモスクワ市とトヴェーリ州に派遣した。本稿では10月12日に東京証券会館で開催された帰国報告会における金森久雄団長(ロシア東欧貿易会顧問、日本経済研究センター顧問)と小川和男副団長(当会ロシア東欧経済研究所所長)の報告を掲載する。

 


 

ロシア極東では危機が克服されたか? 
−グラフで見る極東経済−

当会ロシア東欧経済研究所 研究員
中居孝文

はじめに
1.ソ連解体後のロシア極東経済
2.金融危機後の生産動向
3.企業の財務状況の改善
4.雇用事情の好転
5.所得と消費の回復水準
おわりに

 

はじめに

 1998年8月に発生した通貨・金融危機後、ロシア経済は回復に転じている。本稿では、日本に隣接する、しかしロシアの中で開発の遅れた地域といわれているロシア極東地域が、金融危機後、ロシア経済と同じように回復基調にあるのか、あるいは否か、もし回復基調にあるのならばロシア平均と比べてどうなのか、といった点を生産、投資、輸出入、所得、消費、雇用、企業財務などの指標(グラフ)をもとに明らかにしていく。その際、日本ととくにかかわりの深い極東南部3州(沿海地方、ハバロフスク地方、サハリン州)を中心にみていく。本稿で用いたグラフは、基本的にロシア統計国家委員会の公式数字をもとに作成したが、輸出入、投資などのデータの一部は極東各地の行政府発表の統計を使用している。

 


 

ロシア極東における市場の形成と対外経済関係

ロシア経済発展貿易省付属極東市場研究所
V.K.ザウサーエフ
S.P.ブィストリツキー

はじめに
1.ロシアおよび極東地域発展の自然、気候、経済地理的要因の評価
2.極東地域の天然資源面のポテンシャルとその分布
3.極東地域とザバイカル地方の経済発展の現状とその傾向
4.極東の貿易活動
5.地域産業の主要な発展方向
6.統合プロセスと対外経済活動発展の展望

 


 

ロシア極東における対内直接投資

ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所
A.G.アドミージン
E.I.デヴァーエヴァ

1.ロシア極東における対内直接投資の動向
2.ロシア極東における直接投資の法的基盤
おわりに

 


 

数字で見るロシア極東(2001年)

はじめに

 本資料では、一昨年(本誌1999年7月号)、昨年(2000年7月)と同様に、ロシア極東地域の統計データを紹介する。本年度は、新たに「企業活動」の項目を加えたほか、地域総生産(GRP)、固定資本投資、建設、都市別のデータの充実を図った。

 なお、本資料の作成にあたっては、在ハバロフスクのロシア科学アカデミー極東支部経済研究所(ミナキル所長)より多大な協力を得た。記して感謝する次第である。