ロシア東欧貿易調査月報

2002年2月号

 

T.2001年のロシア極東経済と極東長期発展計画の行方

U.2000〜2001年におけるロシアの高い経済成長率

  −その原因解明の試み−

V.ロシアの証券市場と企業投資の現状

W.改革に挑むロシア電力分野

◇◇◇

データバンク

 2001年のCIS諸国の経済

CIS・中東欧ビジネストレンド(2002年1月分)

CIS・中東欧諸国関係日誌(2002年1月分)

 


 

◆講演録◆

2001年のロシア極東経済と極東長期発展計画の行方

ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所所長
P.ミナキル

はじめに

 当会では、ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所のP.ミナキル所長を招き、1月31日に「2001年のロシア極東経済と極東長期発展計画の行方」と題して、東京の証券会館にて講演会を開催した。以下はその主な内容である。

 このなかでミナキル所長は、具体的データを挙げながら、極東経済の現状について解説した。ミナキル所長の経済研究所は新しい極東発展計画の策定にかかわった当事者でもあり、今回の講演ではこの新プログラムをめぐる関係者間の攻防の内幕についても触れられている。

 


 

2000〜2001年におけるロシアの高い経済成長率
―その原因解明の試み―

ロシア経済発展・貿易省副局長
V.ヴォルコフ

はじめに
1.危機後の経済発展の基本的傾向
2.危機後の経済成長の原因とファクター
3.
2002年の経済成長予測

 

はじめに

 1998年8月のロシア経済危機の後、原則的には(それまでとは)異なる状況が生まれた。本稿ではこれに関連して以下の解明を試みる。

 第1に、危機直前および危機の状況とは原則的に異なる現在の経済発展の最も重要な特質を、経済成長が長期にわたる景気後退にとって代わったことを含め特徴づける(言い換えれば、危機以降、とくにこの2年間に経済に何が起こったか)。

 第2に、実質経済成長率が予想を顕著に上回っていることが、どのようなファクターの作用によって解明されるのかを含め、如何なる要素と原因が危機後の経済状況において目覚しい変化をもたらしたのか(つまり、簡単に言うと、何故このことが起きたのか)ということ。

 第3に、何よりもまず、経済成長が続く可能性があるという観点から、事象発展の異なるシナリオのもとでの最も近い将来の展望(2002年に何が起こりうるか)は如何なるものか。

 


 

ロシアの証券市場と企業投資の現状

株式会社パイオニア・ファースト チーフ・インベストメント・オフィサー
A.M.ウスペンスキー

はじめに
1.ロシアの経済事情
2.ロシアの証券市場
3.ロシア企業に対する直接投資状況
4.当社のロシアにおける活動とロシアの投信ファンドの状況

おわりに

 

はじめに

 2001年11月7日、当会では、ロシアの証券会社Pioneer Firstのチュラーエワ社長、ウスペンスキー・チーフインベストメントオフィサー、パブレンコ販売マーケティング部長の来日を機に、標題のテーマで講演会を開催した。本稿では、その講演内容を紹介する。

 


 

改革に挑むロシア電力分野

当会ロシア東欧経済研究所 調査部次長
坂口泉

はじめに
第1部 ロシア電力分野の現状
 
1.ロシア電力分野の現状を示す主要指標
 
2.ロシア電力分野の業界地図
 
3.電力市場
第2部 電力分野の構造改革の行方
 
1.ロシア電力分野が抱える問題点(なぜ構造改革が必要なのか)
 
2.構造改革の現状
 
3.ロシア電力分野の改革の行方についての考察(まとめかえて)

 

はじめに

 ロシアでは、現在、電力分野の改革が実施されようとしており、同分野をめぐる状況が大きく変化する可能性がでてきている。そこで、本稿では、ロシアの電力分野の現状の分析と構造改革の行方についての考察を試みた。