ロシア東欧貿易調査月報

2003年6月号

 

T.ロシアの農業分野は立ち直ったのか

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第33回ロシア東欧貿易会定時総会報告

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モスクワ直送情報

 インタビュー V.G.パラスケボフさん(AGRI社長) 倉橋修さん(AGRI副社長)

 インタビュー 野村一成大使(駐ロシア連邦日本国特命全権大使)

データバンク

 1.ロシア極東の貿易と外資受入に関する最新データ

 2.ロシアの200大銀行ランキング

CIS・中東欧ビジネストレンド(2003年4月分)

CIS・中東欧諸国関係日誌(2003年4月分)

 


 

ロシアの農業分野は立ち直ったのか

ロシア東欧経済研究所 調査部次長

坂口泉

はじめに

1.概況

2.個別作物(穀物、砂糖用甜菜)の生産等の状況

3.畜産

4.主要な農業企業グループ

5.農業機械の生産と普及等の状況

6.化学肥料の生産と施用等の状況

まとめにかえて

 

はじめに

農業分野は、かつて「ロシア経済のブラックホール」とも呼ばれ、不況産業の代名詞であった。ところが、最近、そのようなイメージを覆す事象が生じている。1998年の経済危機以降、ロシア国内の食品産業が活性化したのを契機に、農業分野でも状況が好転し、インターロスやシブネフチ(正確には、シブネフチのオーナー達が所有するプラネータという会社)といったロシアを代表する金融産業グループが同分野に進出しはじめた。その他、従来から農業分野に進出している大手資本も最近になり活動を活発化させており、同分野を牽引する原動力のひとつとなっている。その結果、農業分野では、1999年より生産指標が顕著に好転している。

しかし、生産指標が好転したとはいえ、農業分野の財務状況は依然として厳しい。たとえば、2002年には2年連続の穀物豊作の結果、価格が低迷し、財務状況が悪化する農業企業の数が増加した。また、2001年より一時減少していた食肉の輸入量が再び増加傾向に転じ、畜産部門でも財務状況が悪化する企業が相次いでいる。さらに、先に述べた大手資本の資金も、当然ながら、経済効率の高い地域、部門、企業にしか流入せず、農業分野の企業間の体力格差の拡大傾向が顕著となりつつある。

本稿では、以上のような明と暗が交差するロシアの農業分野の現状を、穀物部門、畜産部門、大手農業ホールディングの動向等を中心に紹介する。その他、本稿では、農業分野と密接な関係を有する農業機械部門および化学肥料部門の現状も紹介する。

 


 

33回ロシア東欧貿易会定時総会報告

                

はじめに

社団法人ロシア東欧貿易会は平成15年5月20日に如水会館にて第33回通常総会を開催いたしました。ここでは総会において承認された平成14年度事業報告、平成15年度事業計画をご紹介し、また同日の理事会において再任された高垣会長および来賓としてご出席いただいた小林健二経済産業省大臣官房審議官の挨拶、新役員及び顧問名簿をあわせてご紹介いたします。

 

 1.平成14年度事業報告

 2.平成15年度事業計画

 3役員名簿

 4.第33回通常総会での高垣会長挨拶

 5.第33回通常総会での小林健二経済産業省大臣官房審議官ご挨拶

 


 

◆お知らせ◆

 

 昨年6月号以来、約1年間にわたり、当会モスクワ事務所のメール・マガジン『ROTOBO Moscow News』からインタビュー記事を転載する形で、「モスクワ直送情報」のコーナーをお送りしてまいりました。しかし、今般『ROTOBO Moscow News』の独立の情報媒体としての位置付けをより一層明確化することとなり、それに伴い本コーナーは今回をもって終了させていただくこととなりました。何卒ご了承ください。