ロシア東欧貿易調査月報

2004年2月号

 

T.ロシアにおけるリース業の興隆

U.変貌するロシアの消費市場

  −市場拡大と新小売形態を牽引する主要プレーヤー−

V.ロシア沿海地方の水産業と林業・木材加工業

W.ロシア下院議員名簿

◇◇◇

ロシア企業クローズアップ

 1.ノリリスクニッケル

 2.アクロン

データバンク

 ロシアの地域別の投資メリット

CIS・中東欧ビジネストレンド(2003年12月分)

CIS・中東欧諸国関係日誌(2003年12月分)

 


 

ロシアにおけるリース業の興隆

ロシア東欧貿易会 モスクワ事務所 副所長

D.ヴォロンツォフ

はじめに

1.リース市場の発展経緯

2.リース取引に関する法制度

3.リース取引の利点

4.リース取引のスキーム

5.リースのいくつかの形態

6.部門別・地域別の概況

7.ロシアで活動する主なリース会社

8.自動車のリース

9.市場の特性と展望

 

はじめに

 ロシアでリース業が興隆している。ある推計によれば、その総額はすでに年間20億ドルを超えており、2003年には設備投資の5.1%がリースを利用したものだったという。本稿では、ロシアにおけるリース業の概要、法制度、データ、主なリース会社などについて報告する。

 


 

変貌するロシアの消費市場

−市場拡大と新小売形態を牽引する主要プレーヤー−

ロシア東欧経済研究所 調査部次長

坂口泉

はじめに

1.小売業界の全般的状況および特徴

2.主なスーパーマーケット・チェーンおよび大型店

3.地方の消費市場の状況

まとめにかえて

 

はじめに

 現在、ロシアの消費市場はかつてない活況を呈している。1997年前後にも似たような状況が観察されたが、今回の活況ぶりの方が、より安定的でインパクトの強いものである。本稿では、小売市場の全般的状況を紹介すると同時に、今回の消費ブームの主役の一人であるといえる主要な大手スーパーマーケット・チェーンや大型ショッピングセンターの現状、および、その戦略等についても紹介する。

 


 

◆講演録◆

ロシア沿海地方の水産業と林業・木材加工業

沿海地方行政府第一副知事 F.ノヴィコフ

沿海地方行政府木材部長 P.カルチャーギン

 

はじめに

1.ノヴィコフ第一副知事講演

2.カルチャーギン部長講演

 

はじめに

 ロシア東欧貿易会では20031128日に、沿海地方行政府のF.ノヴィコフ第一副知事(水産他担当)とP.カルチャーギン木材部長の訪日の機会をとらえ、両氏を講師としてロシア沿海地方における水産業と林業・木材加工業をテーマとする講演会を開催した。以下、講演録をお届けする。

 


 

◆資料紹介◆

ロシア下院議員名簿

 

はじめに

(第1表)ロシア下院選挙結果(200312月7日投票)

[第1図]ロシア下院の会派別構成(2004年2月現在)

(第2表)ロシア下院各会派の会長

(第3表)ロシア下院の議長および副議長一覧

(第4表)ロシア下院各委員会の委員長

(第5表)ロシア下院議員名簿(2004年2月現在、五十音順)

 

はじめに

 ロシアでは、200312月7日に連邦議会の国家院(下院)の選挙が行われた。新生ロシアになってから4回目の下院選挙である。その結果、プーチン与党というべき「統一ロシア」が圧勝を収めたことは、周知のとおりである(第1表参照)。下院は2003年暮れに招集されてすでに活動を開始しているが、新議会では「統一ロシア」会派が全議席の3分の2強を占め、プーチン大統領としては3月の大統領選挙に向けて弾みをつけた形となった。

 以下では、発足した新しいロシア下院の勢力図、幹部人事を整理してお伝えするとともに、全447議員(現在欠員3)を網羅した議員名簿をお届けする。

 


 

ロシア企業クローズアップ

 

1.ノリリスクニッケル

 非鉄金属と貴金属の世界的な生産者。パラジウム生産の世界シェアは約60%に達する。業績は関連商品市況に直接左右され変動が激しい。このため長期契約による安定的供給を目指す。近年は金の生産にも本格的に乗り出す。支配株主はインターロス・グループ。

 

2.アクロン

 ロシアの代表的な化学肥料メーカー。化学製品のほとんどが輸出向けで、とくに中国が主要な需要家。スカンジナビア諸国の企業との合弁を通じて、CIS市場への浸透を目指す。原料の安定的な入手が今後の課題。

 


 

データバンク

ロシアの地域別の投資メリット

 ロシア統計国家委員会の発行した最新の統計集『ロシアにおける投資 2003』に、ロシアの地域別の投資メリットに関するデータが掲載されているので、今回はこの資料を抜粋して紹介することにしよう。

 ここで掲げられているのは、基本的に2002年のデータである。ただし、1人当たり地域総生産のみ2001年の数字なので、ご注意いただきたい。現地通貨では読者に分かりにくいと思われるので、本誌では米ドルに換算して掲載する。使用したレートは、2002年の年平均レート、1ドル=31.35ルーブルである(同様に2001年は1ドル=29.17ルーブル)。

 表を見れば一目瞭然のように、1人当たり地域総生産や所得額では、やはりモスクワ市と産油地域が全国平均の数倍のレベルとなっている。