ロシア東欧貿易調査月報 2005年6月号 |
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2004年のCIS諸国の経済トレンド
ロシア東欧経済研究所
はじめに
CIS全般:持続的成長に向けた正念場の時期の到来
ロシア:高成長に潜む強さと弱さ
ウクライナ:政変をよそに経済は急成長
ベラルーシ:政悪経良? 存外に堅調な経済パフォーマンス
モルドバ:対ロ関係の悪化は経済的なマイナス要因
カザフスタン:CIS優等生の地位は揺るがず
キルギス:政変を読む鍵も経済の根本問題も貧困にあり
ウズベキスタン:IMFが「独立以来最大の経済成長」を評価? 不透明感増す漸進改革
トルクメニスタン:天然ガス輸出は高原状態に達するも、驚異の20%成長は続く
タジキスタン:遠のく民主化とロシアの影響力の拡大
アゼルバイジャン:BTC開通もあり石油による発展は続くが、貧困対策が安定の鍵
アルメニア:経済に深く浸透する外国資本、貧困削減が最重要課題
グルジア:経済浮沈の鍵を握るBTCパイプライン
はじめに
CIS(独立国家共同体)諸国の2004年の経済データが概ね出揃った。CIS統計委員会の発表によると、2004年のCIS経済は全体で実質8%の成長を遂げたとされている。詳しい数字は、本号の「データバンク」のコーナーを参照していただければ幸いである。以下では、ロシア東欧経済研究所のスタッフが、それらの統計データを踏まえながら、CIS12カ国の最新の経済情勢についてレビューすることにする。
CIS諸国の最新基礎データ
はじめに
1.ロシア
2.ウクライナ
3.ベラルーシ
4.モルドバ
5.カザフスタン
6.キルギス
7.ウズベキスタン
8.トルクメニスタン
9.タジキスタン
10.アゼルバイジャン
11.アルメニア
12.グルジア
はじめに
CIS経済が全体として持続的成長への正念場を迎えているなかで、各国の政策的舵取りの違いや経済格差もまた顕著になってきている。また、近年、政変によって長期政権が倒れる国も出てきており、各国の指導部に新しい顔ぶれも登場している。そこで、このコーナーではCIS12カ国の政治・経済の最新基礎データをとりまとめてお届けすることにする。
ビジネス最前線
Interview 日本とコーカサスの架け橋として
アゼルバイジャン・レスプブリカ銀行 国際関係部 部長 篠原建仁さん
はじめに
今回は、CIS経済の特集号ということで、アゼルバイジャンの首都バクーから一時帰国中の篠原建仁さんにお話を伺いました。東京銀行(現東京三菱銀行)勤務、在アゼルバイジャン日本大使館専門調査員(経済担当)を経て、2004年10月よりアゼルバイジャン・レスプブリカ銀行国際関係部部長として現地に赴任した篠原さんは、アゼルバイジャンとコーカサスの秘めた可能性を日本企業の方々に伝えるべく、バクーと東京を往復する生活です。私たちの同国への関心はエネルギーに偏りがちですが、耐久消費財、機械機器の分野でも大いにチャンスはある、そして、ビジネスを考える際にはアゼルバイジャン1国だけでなく、グルジアやアルメニアも含めたコーカサス全体をみるべきという篠原さんは、日本とコーカサスとのビジネスの架け橋となるべく奮闘中です。