2006年

 

No.1351 1月15日号 プーチン大統領訪日を踏まえた今後の日ロ経済関係 ―2006年の年頭に当たっての所感―

No.1352 1月25日号 ロシア極東経済とインフラ整備の展望

No.1353 2月5日号 ロシアの乗用車および関連市場のビジネスチャンス ―見本市「インターアフト-2006」の開催に寄せて―

No.1354 2月15日号 BRICsとの比較にみるロシアの投資環境

No.1355 2月25日号 オイルマネーがロシア経済に及ぼす功罪

No.1356 3月5日号 ロシア・ウクライナ・ベラルーシ ―選挙とガスをめぐる三角関係―

No.1357 3月15日号 2005年のロシアの外国投資受入状況(速報)

No.1358 3月25日号 2005年の日ロ貿易 ―初の100億ドル突破―

No.1359 4月5日号 ロシアの自動車アフターマーケット事情

No.1360 4月15日号 2005年のCIS諸国の経済(上)

No.1361 4月25日号 2005年のCIS諸国の経済(下)

No.1362 5月15日号 ロシア外国新車市場の最新事情 ―日産の現地生産決定を受けて―

No.1363 5月25日号 拡大を続ける対ロ中古車輸出

No.1364 6月5日号 ロシア経済特区の現在と未来 ―当会訪問団の現地視察報告―

No.1365 6月15日号 ロシアの板ガラス生産分野の現状と展望

No.1366 6月25日号 2005年のロシアの貿易動向(速報)

No.1367 7月5日号 ロシアのアルコール飲料市場と日本製品の可能性

No.1368 7月15日号 ロシア極東の経済における大手資本の役割

No.1369 7月25日号 『ロシア地域要覧2006〜2007』の刊行にあたって

No.1370 8月5日号 日本・トムスク産業文化交流協会の取り組み

No.1371 8月15日号 競争が激化するロシアの液晶テレビ市場

No.1372 8月25日号 ウクライナ ―「新」ヤヌコヴィッチ内閣誕生

No.1373 9月5日号 当会の名称変更と新体制について

No.1374 9月15日号 「極東ロシア港湾・物流視察団」に参加して

No.1375 9月25日号 2006年上半期の日ロ貿易 ―輸出入がついに逆転―

No.1376 10月5日号 サハリン2をめぐる状況とロシアの投資環境

No.1377 10月15日号 ロシアの北都で「日露投資フォーラム」開催

No.1378 10月25日号 急速に普及するロシアの自動車ローン

No.1379 11月5日号 プリンタ市場から見るロシアのOA環境

No.1380 11月15日号 ロシア食品機械見本市を視察して

No.1381 11月25日号 ロシアのエネルギー資源とレント・シェアリング

No.1382 12月5日号 ウズベキスタンにおける外国企業の活動状況

No.1383 12月15日号 繁栄するモスクワとWTO加盟

No.1384 12月25日号 プーチン政権のエネルギー政策に異議あり

 


 

No.1351 2006年1月15日号

プーチン大統領訪日を踏まえた今後の日ロ経済関係

 ―2006年の年頭に当たっての所感―

(社)ロシア東欧貿易会 会長

高垣佑

はじめに

 2005年の日ロ貿易は、前年を20%ほど上回るペースで拡大し、年間100億ドルの突破も現実味を帯びてまいりました。同年11月にはプーチン大統領の5年振りの訪日が実現し、日ロ経済関係の拡大の気運がさらに高まりました。

 こうしたなか、ロシア東欧貿易会として、今後日ロ経済交流の拡大にどのように取り組んでいくか。今回の速報では、当会の高垣佑会長より、2006年の年頭に当たっての所感と抱負を申し上げます。

 

 その他の記事

「ウクライナ週報」に関するお知らせ

 


 

No.1352 2006年1月25日号

ロシア極東経済とインフラ整備の展望

(ミナキル極東経済研究所長の講演より)

ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所 所長

P.ミナキル

はじめに

 ロシア東欧貿易会では2005年12月7日、P.A.ミナキル・ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所所長を招いて、「ロシア極東経済とインフラストラクチャー整備の展望」と題し、講演会を開催した。極東経済研究の第一人者であるミナキル所長の講演は、当会としては2002年1月以来およそ4年ぶりのこととなる。今回の速報では、その講演要旨をお伝えする。

 なお、当日会場で配布したレジメをPDF化してロ東貿のHPにアップしてあるので、あわせてご利用いただければ幸いである。

 →http://www.rotobo.or.jp/activities/minakir2005.pdf

 

 その他の記事

◎カザフスタンのナザルバエフ大統領、新たな任期をスタートさせる

『調査月報』2006年2月号のご案内

◎アゼルバイジャン査証申請方式の変更

 


 

No.1353 2006年2月5日号

ロシアの乗用車および関連市場のビジネスチャンス

―見本市「インターアフト-2006」の開催に寄せて―

ロシア東欧経済研究所 調査部次長

坂口泉

はじめに

 三菱のランサーがモデル別の販売台数でトップにたつなど、2005年もロシアの外国新車市場における日本車の売行きは好調であった。日本車の売行きの好調さは、ここ数年続いており、その累積販売台数も相当なものとなっている。その関係で、アフターマーケットにおける日本車用交換部品に対するニーズが急激に高まりつつある。しかも、当会が2005年12月に実施した、自動車部品のアフターマーケットの現地調査によれば、粗悪なイミテーションではなく、品質の良い純正部品を待望する声がロシアの輸入業者や卸売り業者の間で高まっている。ところが、なかなか日本のメーカーや関係企業とのコンタクトがとれず、必要な商品を仕入れられないというのが実情のようである。日本企業サイドからみた場合、せっかくのビジネスチャンスを活かしきれていないといえる。ビジネスチャンスを具現化する方法は多数あると思うが、集客力の高い見本市に出展し、ロシア側企業とコンタクトをとるのが最良の方法のひとつであろう。

 以上のような状況を踏まえ、当会では、2006年夏にモスクワで開催予定の「インターアフト-2006」という見本市にスペースを確保し、日本企業の出展を募ることとした。

 本稿では、2005年のロシアの外国新車市場の活況ぶりと、インターアフト-2006の概要をご紹介する。

 なお、当会の会員の方々には、先日、インターアフトのより詳細な資料と出品要綱を送付させていただいた。これらの書類は、すべてロ東貿のホームページにアップしてあるので、ご利用いただければ幸いである。

 →http://www.rotobo.or.jp/jouhoukan/expo/interavto-2006.htm

 

 その他の記事

◎カザフスタンの新内閣発足

『ロシア技術ニュースレター』2005年度No.4発行のお知らせ

 


 

No.1354 2006年2月15日

BRICsとの比較にみるロシアの投資環境

ロシア東欧経済研究所 調査役

芳地隆之

はじめに

 2000年以降、高い成長を続けてきたロシア経済であるが、好調に転じた要因として挙げられる、1998年の経済危機後のプラス影響(ルーブル下落がもたらしたロシア企業の競争力の強化)、1999年以降の石油価格の高騰(エネルギー輸出の拡大)について、すでに7〜8年を経た現在、従来のような成長を支える力にはなりえないのではないかという指摘がなされている。他方、BRICsブームによる投資家のロシア市場への注目度は増しており、今号ではBRICs諸国間の比較を交えながら、最近のロシアの投資環境について論じてみたい。

 

 その他の記事

ロシアの自動車要因見本市「インターアフト−2006」への出展・参加のご案内

ICEP国際セミナー(トルクメニスタン)開催のご案内

サンクトペテルブルグにおけるロシア北西地域フォーラムのご案内

 


 

No.1355 2006年2月25日

オイルマネーがロシア経済に及ぼす功罪

ロシア東欧経済研究所 調査部次長

坂口泉

はじめに

 ロシア経済が現在、非常に好調であるという点に関しては議論の余地がない。また、その好調さを支えている主因が高い油価水準だという点についても、専門家の意見はほぼ一致している。だが、好事魔多しで、2005年に入り続いている想定外ともいえる油価の高騰を契機とするような形で、様々な歪や不安材料が散見されるようになっている。本稿では、2005年の経済実績をはじめ、ロシア経済の好調さを示す数字を紹介すると同時に、石油の国際価格に大きく依存した経済が内包する諸問題についての考察を試みる。

 

 その他の記事

『調査月報』2006年3月号のご案内

 


 

No.1356 2006年3月5日号

ロシア・ウクライナ・ベラルーシ

―選挙とガスをめぐる三角関係―

政治工学センター 副所長

A.マカルキン

はじめに

 グルジアとウクライナで相次いで政変が起きたことを受け、CIS諸国は政治の季節に突入した感がある。昨年後半のアゼルバイジャンとカザフスタンの選挙こそ波乱なく終わったものの、CIS諸国の民主化の問題は依然として国際的な関心事となっている。そうしたなか、この3月19日にはベラルーシで大統領選挙が、同26日にはウクライナで議会選挙が実施される。CISの盟主であり、この両国とあらゆる面で密接なつながりのあるロシアの出方が注目されるところだ。折しも、昨年暮れから本年の初頭にかけて、ロシアのウクライナ向け天然ガス供給をめぐるスキャンダルが、国際社会を騒がせた。この地域においては、内政・外交がエネルギーをはじめとする経済問題と切っても切れない関係にあるだけに、一連の問題を正しい文脈で理解することが肝心であろう。

 そこで、このテーマに関する卓抜したエキスパートであるロシアの「政治工学センター」のアレクセイ・マカルキン副所長に、モスクワで話を聞いた。今号では、そのインタビューの模様をお届けする。

 

 その他の記事

プーチン・ロシア大統領がG8サミットをにらみ論文発表

 


 

No.1357 2006年3月15日号

2005年のロシアの外国投資受入状況(速報)

 

はじめに

 今般ロシア連邦国家統計局のウェブサイトにおいて、2005年のロシアの外国投資受入状況に関するデータが発表された。そこで今号では、2004年までの数字も補足しつつ、早速このデータを図表にまとめてお届けすることにする。

 2005年にロシアは、前年を32.4%上回る537億ドルの外国投資を受け入れた。これで6年連続の伸びであり、また5年連続で過去最高額を記録している。20051231日現在のロシアの外国投資受入残高は、1,1183,500万ドルとなっている。残高は、1年間で33.1%、2778,600万ドル増大した。

 さて、昨年も触れたように、ロシア統計局は主要投資国を上位10カ国までしか発表しないという方針をとっている。2005年にも日本はベスト10入りを逃してしまったようで、したがって現在のところ同年の日本の投資額と投資残高は不明である。昨年同様、ロシア統計局に本件につき照会し、そのデータを含めたさらに詳しいレポートを当会『調査月報』に掲載したいと考えている。

 

 その他の記事

『ロシア技術ニュースレター』「ロシアにおけるインターネットの普及」

講演会「拡大するロシア自動車市場とアフターマーケットの現状」

 


 

No.1358 2006年3月25日号

2005年の日ロ貿易

―初の100億ドル突破―

 

はじめに

 日本財務省から2005年の貿易統計が発表されたことを受け、当会では2005年1〜12月の日本とロシア間の貿易に関し、輸出入商品構成をまとめた。そこで、今回の速報では、早速この資料をお届けする。「統計速報」のコーナーでは、2005年の日本の対CIS・中東欧諸国の輸出入額一覧を掲載しているので、あわせてご利用いただきたい。ロシア以外の諸国との輸出入商品構成については、当会『調査月報』に順次掲載していく予定である。

 2005年の日ロ貿易は、輸出入合計で106億8,962万ドルに達し、前年比21.4%増大した。日ソ/日ロ貿易の時代を通じ、史上最高額を記録するとともに、初めて100億ドルの大台を突破した。

 

 その他の記事

◎2005年の日本の対CIS・中東欧諸国輸出入通関実績

◎ベラルーシのルカシェンコ大統領三選

『調査月報』2006年4月号のご案内

「ロシア・モスクワ州投資セミナー」のご案内

 


 

No.1359 2006年4月5日号

ロシアの自動車アフターマーケット事情

ロシア東欧経済研究所 調査役

中居孝文

はじめに

 現在、ロシアでは順調な経済成長、国民の所得の上昇にともない、急速なモータリゼーションが進んでいる。外車、とくに日本車の売れ行きが好調であり、ロシアは日本車の一大有望市場となりつつある。2007年にトヨタのサンクトペテルブルグ生産工場が稼動を開始すれば、その傾向はさらに加速するものと予測される。

 また、ロシアでは、こうしたモータリゼーションに続き、スペアパーツ、潤滑油・ワックス等のケミカル品、カーアクセサリー等の関連用品の需要が増大し、いわゆる「アフターマーケット」が急速に形成されつつある。

 こうした状況を踏まえ、当会では、ロシアにおける自動車のアフターマーケットを日本企業にとっての新たなビジネスチャンスととらえ、昨年12月と本年2月末にモスクワ、サンクトペテルブルグでスペアパーツおよびオートケミカル品を中心とする卸売・小売15企業、ロシア自動車部品工業会など関係4団体を訪問し、ロシアの自動車アフターマーケットに関するヒアリング調査を実施した。本号では、その結果を報告する。

 

 その他の記事

『ロシア技術ニュースレター』「ロシアにおける情報セキュリティシステムの運用」

◎「ロシアでの法律サービスに関するセミナー

 


 

No.1360 2006年4月15日号

2005年のCIS諸国の経済(上)

 

はじめに

 CIS諸国の2005年の経済データが出揃ったので、本誌では今回と次回の2回に分けて、CIS統計委員会発表の統計データを紹介しつつ、それを踏まえながら各国の最新の経済情勢についてレビューすることにする。今号では、全12カ国の主要経済指標を表にまとめて掲載するとともに、CIS全般、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバについての解説をお届けする。中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)および南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア)のレビューは次号で扱う予定である。

 2005年のCIS経済全体の推計値は、GDP成長率が7%増、鉱工業生産が5%増、小売商品売上高13%増、固定資本投資が11%増となった。多くの国で、成長率が減少(とくにウクライナは12.1%から2.4%に急減、キルギスはマイナス成長)したが、全体として引き続き高い成長を維持している。

 

 その他の記事

◎新しいロシア大使に斎藤氏

「ロシア経済特区訪問団」参加募集のご案内

ウズベキスタンの投資環境・プロジェクトに関する資料

 


 

No.1361 2006年4月25日号

2005年のCIS諸国の経済(下)

 

はじめに

 前回に引き続き、CIS統計委員会発表の統計データにもとづき、同諸国の最新の経済情勢についてのレビューを行う。

 前回は、全12カ国の主要経済指標を表にまとめて掲載するとともに、CIS全般、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバについての解説をお届けした。今号では中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)および南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア)を扱う。

 

 その他の記事

◎ウズベキスタン、アジモフ財務相が副首相に復帰

『調査月報』2006年5月号のご案内

日露投資フォーラム希望者調査の実施

◎『海外派遣者ハンドブック ―ロシア編―』の発行

 


 

No.1362 2006年5月15日

ロシア外国新車市場の最新事情

―日産の現地生産決定を受けて―

ロシア東欧経済研究所 調査部次長

坂口泉

はじめに

 先日、日産自動車がロシアでの現地生産の意向を表明した。現地工場は、トヨタ自動車と同じサンクトペテルブルグ市(同市北西部のカメンカ)に建設される予定で(トヨタの工場は同市の南部のシュシャーリで建設中)、年間生産能力は5万台が見込まれている。

 トヨタに続き日産も現地工場の建設を決定した結果、関連の部品メーカーをはじめとする多くの日本企業のロシア進出が加速される可能性が高くなったといえる。ロシア・ビジネスに従事する者にとっては、非常に大きな朗報である。本稿では、この日産自動車の現地工場建設の朗報を受け、同社の動きを中心にロシアの外国新車市場の最新事情をご報告する。

 

 その他の記事

◎ロシア語版日本ガイド「ヤポーニヤ」第5版発行

 


 

No.1363 2006年5月25日

拡大を続ける対ロ中古車輸出

ロシア東欧経済研究所 研究員

齋藤大輔

はじめに

 近年、日本からのロシア向け中古車輸出は大きく伸びている。そこで本号では、当会ロシア東欧経済研究所の齋藤研究員によるリポートを掲載する。同研究員は2003年4月〜2006年4月にかけて在ウラジオストク日本総領事館に経済専門調査員として赴任し、現地でロシア極東の中古車市場の動向をフォローしてきた。本リポートは日本の対ロ中古車輸出の概観、ならびにCIS諸国のなかで急激に伸びているカザフスタン向け輸出について報告したものだが、日ロ両国の関係者へのヒアリングや実態調査を踏まえた、齋藤研究員のより詳細なリポートは、当会刊行物において改めて紹介する予定である。

 

 その他の記事

『調査月報』2006年6月号(900号記念号)のご案内

日露経済フォーラムのご案内

 


 

No.1364 2006年6月5日

ロシア経済特区の現在と未来

―当会訪問団の現地視察報告―

 

はじめに

 当会は2006年5月15日〜19日、タタールスタン共和国エラブーガ経済特区およびモスクワ市ゼレノグラード経済特区への視察訪問団(団長:高垣佑ロシア東欧貿易会会長・三菱東京UFJ銀行相談役)を派遣した。

 両特区は、2005年7月の連邦法「経済特区について」の成立後、連邦政府の決定により発足した6カ所の経済特区のうちの2カ所である。同特区制度導入の主たる狙いは、石油・天然ガスをはじめとする資源・素材部門に偏重した産業構造からの脱却を図り、製造業を中心とする均衡のとれた第2次産業を早急に形成することにあるが、各種のサービス産業等を含む第3次産業の育成・発展も目指している。

 今回の訪問団は、ロシア経済特区庁の全面的協力のもとに、両特区の政府関係代表者、地方政府幹部から当該特区の概要および特区進出のメリット等の説明を受けるとともに、現地の重要施設や関係企業等を視察した。そこで今号では同訪問団の報告をお届けする。

 なお、本レポートの作成には、在モスクワ日本商工会の協力を得た。記して感謝申し上げる。

 

 その他の記事

ロシア極東ビジネスセミナーのご案内

 


 

No.1365 2006年6月15日

ロシアの板ガラス生産分野の現状と展望

ロシア東欧経済研究所 調査部次長

坂口泉

はじめに

 ロシアでは現在、建設ブームが続いており、建設用の板ガラスの需要が急増している。また、多くの外国自動車メーカーがロシアでの現地生産を開始もしくは検討しており、自動車用板ガラスの需要も増加傾向にある。そのような状況を受け、外国の大手板ガラスメーカーが次々とロシアに進出している。周知のとおり、旭硝子傘下のグラバーベルが現地生産を行っている他、日本板硝子の傘下に入ることになっている英国のピルキントンも、最近、モスクワ郊外の工場の稼動を開始した。その他、米国のガーディアンやPPGもロシアへの進出を具体的に検討している。本稿では、こういった外資の動きを中心にロシアの板ガラス生産分野の現状を鳥瞰図的に紹介する。

 

 その他の記事

2006年1〜3月のロシア経済

2006年1〜3月の日本の対CIS・中東欧諸国輸出入通関実績

 


 

No.1366 2006年6月25日

2005年のロシアの貿易動向(速報)

 

はじめに

 ロシア連邦関税局が発行する通関統計集の2005年年報がこのほど刊行され、これにより2005年の同国の貿易に関する詳しいデータが明らかになった。そこで今回の速報では、他の情報源からも適宜数字を補いつつ、ロシアの最新の貿易データを図表にまとめてお伝えすることにする。なお、当会では例年どおり、『調査月報』の2006年9-10月合併号(8月20日発行予定)において、2005年のロシアの通関統計をさらに詳しく紹介することを予定しているので、そちらの方もぜひご利用いただきたい。

 2005年のロシアの商品輸出総額は2,436億ドル(前年比%32.9増)、輸入総額は1,253億ドル(同28.7%増)で、収支は1,183億ドルの黒字であった。これらの数字はすべて過去最高額である。原油高を背景に引き続き輸出が増大しただけでなく、輸入が過去最高の伸びを記録した。

 

 その他の記事

『調査月報』2006年7月号のご案内

◎2006年1〜3月のロシアの外国投資受入状況

 


 

No.1367 2006年7月5日

特別寄稿

ロシアのアルコール飲料市場と日本製品の可能性

有限会社スガハラオソシエーツ 代表

菅原信夫

 

はじめに

 日本製アルコール飲料のロシアでの販売という課題は新しく、2000年以降、寿司ブームに乗って日本酒、梅酒が輸出されるようになってからの話である。レストランでの食事を楽しみとするグルメの増加とともに、珍しい外国産アルコール飲料の売り上げも急激に伸びている。テキーラ、ラムなどはこのカテゴリーの代表的な酒であるが、日本製アルコール飲料もその範疇に入る。日本製アルコール飲料については、日本固有の酒類を探すことが難しく、清酒にしても、梅酒にしても、中国産の同種類の製品と競合する運命にある。ウィスキーに至っては、ほとんど商品として認知されていない状態にある。したがって、日本食ブームといっても日本製アルコール飲料が同時に消費されるという事態には至っていない。本稿では、ロシアのアルコール市場を文化面、物流面から観察し、日本製アルコール飲料の販売の展望を探る。

 

 その他の記事

◎新しい駐日ウクライナ大使が着任

訪モンゴル経済交流ミッションのご案内

◎世界一生活費が高い都市モスクワ

 


 

No.1368 2006年7月15日

特別寄稿

ロシア極東の経済における大手資本の役割

ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所

Ye.グトコワ

はじめに

 大資本の流入は地域の発展や雇用創出を可能にする。その大資本をロシア極東地域に引きつけるための主な魅力は貴金属、ダイヤモンド、石炭、石油などの天然資源である。しかしながら現時点では、ロシアの大手企業による極東地域への進出や地場の大手企業の規模は限定的なものにとどまっている。

 本稿では、その背景としてまずロシア極東の産業構造について説明し、さらに極東地域の行政と大手資本の協力に関する合意内容を概観した後、同地域における大手資本進出の現状を部門ごとに概観する。

 

 その他の記事

トムスクで開催される「全シベリア技術革新フォーラム」のご案内

◎世界の売上高上位500社ランキング

 


 

No.1369 2006年7月25日

『ロシア地域要覧2006〜2007』の刊行にあたって

ロシア東欧経済研究所 調査役

服部倫卓

はじめに

 ロシア東欧貿易会ではこのほど、独自の出版企画として、『ロシア地域要覧 20062007』を発行した。当会は1999年にも『ロシア地域要覧』を発行したことがあるが、本書は前回のものを踏襲しつつ、全面的に内容を刷新している。

 今回の速報では、この最新版『ロシア地域要覧』の内容を紹介しつつ、編集担当者としての気付きの点などを述べてみたい。

 『ロシア地域要覧』につき、詳しくはこちら。

 

 その他の記事

◎ウズベキスタン、ノロフ新外相就任

『調査月報』2006年8月号のご案内

第4回バイカル経済フォーラムのご案内

 


 

No.1370 2006年8月5日

日本・トムスク産業文化交流協会の取り組み

 

はじめに

 2005年9月に設立されたNPO法人日本・トムスク産業文化交流協会(以下、日本・トムスク協会)は、88のロシア連邦構成主体の1つであるトムスク州と日本とのビジネスの促進や文化交流に特化した、ユニークな活動を行っている。

 2006年1月、ロシアでは6カ所の経済特区(技術導入特区4カ所、工業生産特区2カ所)が創設された。そのうち技術導入特区の1カ所はトムスク州トムスク市に設立されたが、日本における同地域の知名度は、まだそれほど高いとはいえない。

 そこで今号では、トムスク州の概要についてお伝えするとともに、日本・トムスク協会のユニークな取り組みについてご紹介する。

 

 その他の記事

あらたに行政書士事務所のご案内

『ロシア技術ニュースレター』2006年度No.1の発行

極東国際経済フォーラムのご案内

 


 

No.1371 2006年8月15日

競争が激化するロシアの液晶テレビ市場

ロシア東欧経済研究所 調査役

服部倫卓

はじめに

 7月16日付の『日本経済新聞』は一面トップで、松下電器産業がロシアで9月から液晶テレビの生産を開始すると報じた。日本ではあまり話題にならなかったが、実はソニーの液晶テレビがロシアで現地生産されるという情報も、同じ時期に浮上している。これまで日ロの経済関係は自動車部門に極端に偏重していただけに、日本のもう一つの得意分野である家電部門で「現地生産」の動きが出てきたことは、注目に値しよう。

 そこで、今回の速報では、ロシアの液晶テレビ市場の全般的動向について紹介し、日本メーカーの動きを整理するとともに、今回報じられた現地生産の話題について検証してみることにしたい。

 

 その他の記事

◎ウクライナでヤヌコヴィチ新内閣が成立

ウズベキスタン・カザフスタン訪問団参加者募集のご案内

 


 

No.1372 2006年8月25日

特別寄稿

ウクライナ ―「新」ヤヌコヴィッチ内閣誕生

北海道大学スラブ研究センター 21世紀COE共同研究員

藤森信吉

はじめに

 2006年8月4日、ウクライナ最高会議は、V.ヤヌコヴィッチを賛成271票で首相に承認した。周知の通り、ヤヌコヴィッチは、オレンジ革命時にユーシチェンコ現大統領らと激しく対立した関係にある。そのため、1年9カ月ぶりのヤヌコヴィッチの首相返り咲き劇を「オレンジ革命」終焉と見る向きがあるが、他方で、大統領と首相が並び立つ「コアビタシオン」の実例として注目することもできる。本稿では、まずオレンジ革命以後のウクライナ政治情勢を概観した後に、この新内閣の陣容と課題、そして展望について考察してみたい。

 

 その他の記事

『調査月報』2006年9-10月号のご案内

 


 

No.1373 2006年9月5日

当会の名称変更と新体制について

 

はじめに

 このほど当会は、会の名称を「社団法人ロシア東欧貿易会」から「社団法人ロシアNIS貿易会」へと変更いたしました。これは、いわゆる「東欧諸国」を定款上の事業対象から外したことに伴うものです。そして、「東欧」に代わり、「NIS」(ロシア以外の旧ソ連の新興独立諸国)を、会の新名称に冠することとなりました。これを契機に、私どもは日本とロシアNIS諸国間の経済・貿易関係の促進という使命を全うすべく、より一層努力して参る所存です。

 今回の速報では、会の名称変更とそれに伴ういくつかの変更点につき、会員および関係各位の皆様にご案内申し上げます。

 →本号はこちらでお読みになれます。

 

 その他の記事

◎キリンビールが日本のビールメーカーとして初めてロシアで生産

◎デンソーがウラジオストクにサービスセンターを開設

日本とカザフスタンの共同声明

 


 

No.1374 2006年9月15日号

「極東ロシア港湾・物流視察団」に参加して

―当会訪問団の現地視察報告―

(社)ロシア東欧貿易会 顧問

三菱商事(株)国際戦略研究所 顧問

遠藤寿一

はじめに

 当会は、2006年7月30日〜8月5日の日程で、ロシア極東地域の港湾物流施設への視察団(団長:高垣佑ロシアNIS貿易会会長・三菱東京UFJ銀行相談役)を派遣した。同視察団は、コルサコフ・フェリー商業港、ナホトカ港、ヴォストーチヌィ港、コズミノ湾、スラビャンカ港、トロイツァ(ザルビノ)港、ポシエト港、ウラジオストク商業港などの視察を行った。そこで今号では、同視察団の現地視察報告をご紹介する。

 

 その他の記事

◎ロシア・NIS諸国の最新GNP

◎加賀電子がロシアに現地法人を設立

◎パイオニアがロシアのカーナビ市場に参入

◎チョーヤがロシアでの梅酒販売を拡大

日・ウズベキスタン共同プレス・ステートメント

 


 

No.1375 2006年9月25日号

2006年上半期の日ロ貿易

―輸出入がついに逆転―

 

はじめに

 当会では、日本財務省発表の貿易統計にもとづいて、2006年上半期(1〜6月期)の日本とロシアの貿易に関し、輸出入商品構成をまとめた。そこで、今回の速報では、早速この資料をお届けする。「統計速報」のコーナーでは、2006年1〜6月の日本の対ロシア・NIS諸国の輸出入額一覧を掲載しているので、あわせてご利用いただきたい。なお、NIS主要国との輸出入商品構成は、当会『調査月報』200611月号(1020日発行)に掲載する予定である。

 2006年1〜6月の日ロ貿易のパフォーマンスを見ると、ドルの総額で前年同期比27.1%増を記録しており、引き続き拡大基調にある。ただ、輸出と輸入では、かなりトレンドが異なっている。まず、日本側の輸出は前年同期比68.7%増と大幅に拡大し、31768万ドルに上った。これに対し、輸入は前年同期比0.3%減とわずかながら減少に転じ、279,124万ドルにとどまった。ソ連解体後、日ロ貿易では一貫して日本側の赤字が続いてきたが、このところの輸出の急増によりそれが解消され、2006年上半期にはついに輸出入が逆転した形である。

 

 その他の記事

◎2006年1〜6月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績

◎2006年1〜6月のロシア経済

◎ジダノフ連邦経済特区管理庁長官の解任

◎ロシア天然資源省がサハリン2の事業認可を取り消し

◎LGのデジタル家電工場がモスクワ州に完成

モルドバ経済・投資情報のご案内

 


 

No.1376 2006年10月5日号

サハリン2をめぐる状況とロシアの投資環境

(2006年9月29日 ロシアNIS貿易会メンバーズ・ブリーフより)

ロシアNIS経済研究所 次長 坂口泉

ロシアNIS経済研究所 次長 高橋浩

はじめに

 広く報道されているとおり、ロシア天然資源省は9月18日、サハリン沖の石油・天然ガス開発計画「サハリン2」の環境に関する承認を取り消すと発表した。サハリン2は日露間の最大の経済プロジェクトであり、ロシアの投資環境、投資リスクの問題が改めてクローズアップされている。
 そこで当会では9月29日に「サハリン2をめぐる状況とロシアの投資環境」と題するメンバーズ・ブリーフを実施し、サハリン2およびPSA(生産分与協定)をめぐる一連の動きについて事実関係を整理して報告するともに、ロシアの投資環境全般について考察を行った。今号では、その概要をご紹介する。

 

 その他の記事

◎川崎重工がモスクワに事務所開設

◎オムロンがモスクワに制御機器の販社設立

◎カルナバイオサイエンスがエナミン社と提携

◎世界競争力ランキング

◎ビジネス環境ランキング

 


 

No.1377 2006年10月15日号

ロシアの北都で「日露投資フォーラム」開催

ロシアNIS経済研究所 調査役

中居孝文

はじめに

 9月6日(水)〜8日(金)の3日間、ロシアのサンクトペテルブルグ市において、第1回「日露投資フォーラム」が開催された。ロシア経済の好調を受け、2005年には日本とロシアの貿易額がソ連時代からを通じて初めて100億ドルを突破し、また今回の開催地であるサンクトペテルブルグはトヨタと日産が相次いで進出を決めた地であることから、同フォーラムに対する関心も予想以上に高く、フォーラムへの参加総数は、当初予定の倍に当たる600名に達した(当初予定は日ロ合わせて300名)。今号では、「日露投資フォーラム」の開催概要をご紹介する。

 

 その他の記事

◎ジャストシステムがKaspersky Labs社と提携してセキュリティソフトを販売

◎三井物産がロシアのウラン鉱山開発事業化調査に参画

◎みちのく銀行がみずほコーポレート銀行にロシア現地法人を譲渡

◎ガスプロムが第1四半期決算で2倍以上の増益

◎ロシアに世界最大のアルミニウム企業が誕生

ウズベキスタンへの実務者調査団募集のご案内

 


 

No.1378 2006年10月25日号

急速に普及するロシアの自動車ローン

ロシアNIS経済研究所 研究員

山本靖子

はじめに

 近年、ロシアでは乗用車の販売台数が大幅に増加している。とりわけ外国新車の好調ぶりが目立ち、2006年上半期に販売された100万台近くの乗用車(輸入中古車を含む)のうち約42万台が外国新車(輸入車と現地生産車を含む)で、前年同期比の約60%増を記録した。その背景には、もちろん経済成長にともなう所得の増加や自動車メーカーの価格競争などがあるわけだが、もう一つの要素として、最近ロシアで自動車ローンが急速に普及していることが挙げられる。ローンが購買の牽引力になると同時に、新車購入の需要がローンの定着と多様化を促しているといえるだろう。そこで今号では、ロシアにおける自動車ローンの現状についてご紹介する。

 

 その他の記事

◎三菱東京UFJ銀行がロシアに子会社を開設

『調査月報』2006年11月号のご案内

『ロシア技術ニュースレター』2006年度No.2の発行

カザフスタン共和国投資プレゼンテーションのご案内

ロシア極東情勢を語る会のご案内

第4回日本アゼルバイジャン経済合同会議のご案内

ロシアビジネスセミナーのご案内

 


 

No.1379 2006年11月5日号

プリンタ市場から見るロシアのOA環境

ロシアNIS経済研究所 調査役

芳地隆之

はじめに

 先ごろ、日系電子機器・事務用機器メーカーの専門家の方々とともに、ロシアのプリンタ市場に関する現地調査を行った。訪問先のモスクワおよびサンクトペテルブルグでは、調査会社、ディストリビュータ、PCショップ等でヒアリングを行い、両市の日本センター所長ならびにモスクワの日本商工会メンバーの方々から、ロシア経済全般およびロシア企業におけるOA(Office Automation)環境について話を伺った。今号では、ロシアにおける当該市場の概要、そして事務用機器導入の現状を中心に報告する。

 

 その他の記事

◎NTTコムがロシアのトランステレコムと包括提携

◎テルモがモスクワに事務所開設

◎東電設計がアゼルバイジャンの火力発電所コンサル業務を受注

◎国際石油開発がアゼルバイジャン・アゼリ油田の生産を開始

◎2006年世界報道自由ランキング

 


 

No.1380 2006年11月15日号

ロシア食品機械見本市を視察して

ロシアNIS経済研究所 調査役

服部倫卓

はじめに

 筆者は最近、なるべく機会を見つけて、ロシアで開催される各種の産業見本市を視察するように心がけている。2005年2月にモスクワで開催された食品産業の国際見本市「Prodexpo-2005」を目の当たりにして、見本市というものの意義を再認識させられたからである。その時の模様については、本速報の2005年4月5日号(No.1325)において、「モスクワ食品産業見本市視察報告」と題する文章を書いている。

 そして、筆者は先日、出張でモスクワを訪れた際に、「Agroprodmash-2006」という見本市を見る機会に恵まれた。これは、食品機械をテーマとした、かなり規模の大きな国際見本市である。残念ながら、この分野において、日本企業のロシアへの進出可能性はあまり大きなものではなく、その意味では読者の関心事とはなりにくいかもしれない。しかし、たとえテーマが直接的な関心分野でないとしても、様々なヒントを提供してくれるのが見本市というものである。そこで、今回の速報では、1年半前の食品産業見本市報告のいわば続編として、食品機械見本市についてのレポートをお届けする。

 

 その他の記事

◎タジキスタンのラフモノフ大統領が3選

◎横河電機がロシア石油化学大手との戦略的パートナーシップ協定を締結

◎2006年世界「清潔度」ランキング

 


 

No.1381 2006年11月25日号

ロシアのエネルギー資源とレント・シェアリング

ブルッキングス研究所 上級研究員

クリフォード・ギャディ

 

はじめに

 当会では、10月24日、米国ブルッキングス研究所のクリフォード・ギャディ(Clifford G. Gaddy)上席研究員の来日を機に、「ロシア経済と資源のレント」と題してメンバーズ・ブリーフを開催した。
 ギャディ氏が1998年に『フォーリン・アフェアーズ』誌に発表した論文“Russia’s Virtual Economy”は、当時のバーターや債務相殺が蔓延するロシア経済を「バーチャル経済」と定義し、たいへん話題となった。最近、同氏はロシア経済を支えるエネルギー部門(とくに石油・天然ガス)に注目し、そこから稼ぎ出される富(レント)の分配メカニズムについて研究を進めている。
 今回のメンバーズ・ブリーフでは、最近の研究成果を踏まえ、石油・天然ガスが生み出す巨大な富(レント)が、ロシア社会の中でどのように分配され、その仕組みがロシアの経済や企業行動にいかなる影響を与えているかについてご講演いただいた。本稿では、その報告内容をご紹介する。
 

 その他の記事

◎ユナイテッドワールド証券が初のロシア株取引開始

◎キッコーマン、ロシア市場開拓を強化

『調査月報』2006年12月号のご案内

◎国連開発計画2006年版人間開発指数

 


 

No.1382 2006年12月5日

ウズベキスタンにおける外国企業の活動状況

ロシアNIS経済研究所 調査役

中居孝文

はじめに

 11月1日、タシケントにおいて日本の経済産業省とウズベキスタン対外経済関係省等主催の「日本ウズベキスタン・ビジネスフォーラム」が開催され、日本側からは政府・企業関係者あわせて約30名が参加した。

 同フォーラムでは、ウズベキスタン側から@同国は1996年に経済が成長に転じ、とくに過去3年間に7%を上回る経済成長を記録している、Aこうした経済の安定化を背景として外国投資も増加しており、外国企業による直接投資は過去3年間に50億ドルを上回った、B外国投資家に対しては税制面等で様々な優遇措置が設けられており、投資家の権利は法律で十分に保障されている、C対外債務の返済が順調なため金融面でのリスクはない、またカリモフ大統領のもとで独立以来の安定を享受しており、政治リスクとも無縁であるといった主旨の報告が行われた。

 貿易・投資の促進が目的の会議なので、ポジティブな側面が強調されるのは致し方ない。しかし、はたして実情はどうなのかという疑問が残る。そこで本号では、ウズベキスタンにおける外国投資の現状と外国企業の活動状況をいま一度検証してみることにした。

 

 その他の記事

◎モスクワの日本商工会の会員数が148社に

◎三井物産がモスクワで倉庫事業開始へ

ロシアITセミナーのご案内

 


 

No.1383 2006年12月15日号

繁栄するモスクワとWTO加盟

京都大学 経済研究所 教授

溝端佐登史

はじめに

 石油・ガスの価格上昇に伴い、ロシアは国際政治経済におけるスタンスを著しく高めており、ペトロポリティクス(石油による政治)が議論されている。石油価格の上昇は民主主義の低下を招いており、「プーチンは大規模なロシア石油会社、ガスプロム、さまざまな新聞社とテレビ局、ほかのビジネスと独立した機関を飲み込むために石油の恵みを利用した」(T.L.Friedman)。ロシアのGDPは2005年21.7兆ルーブル(名目8,020億ドル)、6.4%の成長で、2006年に9,000億ドルを越すと見られる。
 経済力を背景に国際舞台でロシアは重要なプレーヤーになっている。2006年11月18日の首脳会談で中国は戦略的関係にあることを確認し、EUとは11月24日にエネルギー分野の新協定を見送った。こうしたなかで、ロシアのWTO(世界貿易機関)加盟の二国間交渉の山場であるアメリカとの交渉が11月10日基本合意に至った。国際経済に及ぼすロシアの影響、逆に国内への国際経済の影響が格段に増すことは疑いない。
 そこで、ロシア経済にWTO加盟が及ぼす影響を調査するために、2006年11月26日から12月3日までモスクワを訪問した。昨年のM&Aにかんする調査に続くものである。調査結果とそれにかかわる論考は年度末の報告書にまとめられる予定である。本稿では、訪問調査において興味深く思われ、直接に報告書に記されない事柄を紹介したい。
 

 その他の記事

◎冨士製作所が即席麺製造設備をウクライナへ輸出

◎日本板硝子子会社がカザフスタンに工場の建設を計画

◎ロシア・NIS諸国の市場経済移行進展度

 


 

No.1384 2006年12月25日号

インタビュー

プーチン政権のエネルギー政策に異議あり

エネルギー政策研究所 所長

V.ミロフ

 

はじめに

 先日、モスクワに出張した際に、民間シンクタンク「エネルギー政策研究所」を訪ね、ミロフ所長に話をお聞きする機会があった。

 ミロフ所長は、ロシア政府で要職を歴任したエネルギー問題のエキスパートであり、2002年にはエネルギー省の次官にまで上り詰めている。しかし、ちょうどその頃、ロシア政府のエネルギー政策が硬直化し始め、それを承服できなかったミロフ氏は政府と決別することになる。エネルギー次官辞任後すぐに、独立シンクタンク「エネルギー政策研究所」を立ち上げ、その後はプーチン政権のエネルギー政策を批判する論陣を張っている。

 ミロフ所長の発言は、やや極端と思える部分もなくはないが、中央集権化が進むロシアにあっては貴重な少数意見であり、拝聴に値しよう。そこで今回の速報では、ミロフ所長のインタビューの模様をお届けする。

 

 その他の記事

◎2006年1〜9月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績

◎2006年1〜9月の日ロ貿易

◎KDDIが日ロ間に光海底ケーブルを共同敷設、NECが建設受注

『調査月報』2007年1月号のご案内

 


 

 

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