お薦め最新書籍

 このコーナーでは、ロシアNIS貿易会の報告書以外の一般の書籍で、当会の研究スタッフがかかわったもの、または会員の皆様にとくにお薦めしたいものをご紹介いたします。基本的に最新のものから順にご紹介しております。いずれも当会ではお取扱しておりませんので、お求めは一般の書店でお願いいたします。


蓮見雄編『拡大するEUとバルト経済圏の胎動』

昭和堂 2009年  ISBN 978-4-8122-0868-7
A5判 356頁 税込4,620円

 立正大学経済学部の蓮見雄教授(当会OB)の編による『拡大するEUとバルト経済圏の胎動』が、このほど昭和堂から刊行されました。この本は、蓮見教授を中心に2004〜06年の3年間、科研費補助金を基礎として行われた国際共同研究「ノーザンディメンション ―拡大EUとスラブ圏の域際交流の拡大によるヨーロッパ経済空間の再編」が、最終的に結実したものです。当会からは、研究所の服部倫卓次長が第4章「ロシア経済変革の試金石サンクトペテルブルグ」を執筆しているほか、元モスクワ事務所副所長のD.ヴォロンツォフ氏が第6章「カレリア共和国の経済と近隣諸国との地域協力」を寄稿しています。


高橋浩著『早わかり ロシアビジネス』

日刊工業新聞社 2008年 ISBN 978-4-526-06158-5
A5判 200頁 定価1,800円+税

 このほど日刊工業新聞社より、新刊『早わかりロシアビジネス』が刊行されました。当会の高橋浩・ロシアNIS経済研究所副所長が書き下ろしたもので、主として入門者に向けてロシアビジネスの基本を分かりやすく解説したものです。


岡田邦生・芳地隆之・中居孝文畦地裕著『ロシアビジネス成功の法則』

税務経理協会 2008年 ISBN 978-4-419-05069-6
四六判 244頁 定価1,995円(税込)

 ロシアの経済は国際石油価格の高騰を背景に好調に成長を続けています。また、個人消費はきわめて旺盛で、2000ドルを超える高級家電、1万ドルを超える乗用車が飛ぶように売れ、至る所で「メイド・イン・ジャパン」が求められているのが実情です。しかしながら、中国などに比べロシアとビジネスを行っている日本企業はまだまだ少ないといわざるを得ません。本書は、長年ロシア経済動向を見続けてきた専門家で、実際に日本企業とロシア企業のビジネスマッチングにおいても豊富な経験をもつ執筆陣が、実務的な視点からロシアでビジネスを行う道標を描き出しています。多くの方が本書を手にされ、いまだ多くの日本人が旧ソ連時代から引きずる「どこか少し怖い国」というイメージを払拭し、積極的にロシアとビジネスを展開していただければ幸甚に存じます。

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ロシア東欧貿易会監修『ロシアのことがマンガで3時間でわかる本』

明日香出版社 2005年 ISBN4-7569-0903-5
A5判 200頁 定価1,575円(税込)

 このほど、明日香出版社より、『ロシアのことがマンガで3時間でわかる本』が発行されました。ロシア東欧貿易会が監修し、同研究所のスタッフ3名が執筆に当たったものです。BRICsブーム、石油高による高成長などにより、ロシアに関心をもってくれる日本人、日本企業が増えてきたのは、うれしい限りです。しかし、ロシアは非常に個性が強い国ですので、国際感覚が豊かな日本人ビジネスマンでも、こと同国に関しては不正確なイメージをもっておられる場合が少なくありません。そこで、「マンガ」という、日本人が最も受け入れやすいメディアで、入門者向けにロシアを解説したのが本書です。「最近ロシアに興味をもった」「これから勉強したい」という方に、ぜひお気軽に手にとっていただければ幸いです。

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『中央ユーラシアを知る事典』

平凡社 2005年 ISBN4-582-12636-7
A5判 628頁 定価:6,825円(本体:6,500円)

 平凡社のエリア事典のシリーズからこのほど、『中央ユーラシアを知る事典』が発行されました。旧ソ連の中央アジア諸国および南コーカサス諸国を対象に、歴史、文化、言語、宗教、現代の政治・経済、国際関係など幅広い分野にわたって、1,017もの項目が立てられ、それぞれについて解説がなされています。中央アジア・南コーカサスが主たるテーマではありますが、ロシア、中国、西アジア、南アジアなど周辺地域との関係も視野に入れられており、この地域のダイナミズムが伝わってきます。歴史地図、系図、年表、各国便覧、文献案内、サイト案内、翻字表など、付属資料が充実しているのも本事典の特徴と言えるでしょう。中央アジア・南コーカサス地域とのビジネス、交流に携わる日本人にとって、必携の資料となりそうです。


村上隆著『北樺太石油コンセッション 1925−1944』

北海道大学出版会 2004年 ISBN4-8329-6471-2
A5判・上製 458頁 定価8,925円(税込

 当会の元調査部長で、北海道大学スラブ研究センターの教授を務めておられた村上隆さんが、7月13日ご逝去されました。その村上さんが晩年に全精力を傾注し、亡くなる直前に完成を見たのが、本書『北樺太石油コンセッション 19251944』です。ロシア経済の近代化のためには資源開発への外資導入が必須なのに、なぜそれが進まないのか? 著者はこのような問題意識に立ち、20世紀前半の北樺太石油コンセッションをめぐる顛末に焦点をあて、石油部門への外資導入に関するソ連の政策、それに対する日本の対応を総合的に考察しています。日ロ両国の未刊行史料を駆使した渾身の力作であり、歴史研究でありながらすぐれて現代的な意義をもった、きわめて価値の高い作品です。


岩崎・宇山・小松編著『現代中央アジア論 −変貌する政治・経済の深層−』

日本評論社、2004年  ISBN4-535-55318-1
A5判 328頁 定価3,150円(税込)

 日本評論社より、『現代中央アジア論 −変貌する政治・経済の深層−』が刊行されました。我が国を代表する11名の研究者が執筆に参加。ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス(クルグズスタン)、タジキスタン、トルクメニスタンの中央アジア5カ国が扱われていますが、国別に論じるのではなく横断的に比較することによって、逆に同諸国の相違点と共通点を浮き彫りにしようとしているのが本書の特徴です。中央アジアの歴史と地域に関する総論に続いて、「第T部 政治編 独立国家建設の試練」では、ソ連時代の政治体制、今日の政治制度と体制、民族、宗教、国際関係などが論じられています。さらに、「第U部 経済編 計画から市場へ」では、ソ連時代の経済建設、市場経済化、農業改革、環境問題、国際経済との関係について議論を展開。当会からは輪島実樹調査役が参加し、「第10章 世界経済への統合:扉を開く天然資源」を執筆しています。中央アジア諸国の政治と経済の諸問題が過不足なく網羅されており、同諸国を知るための格好の入門書と言えそうです。


服部倫卓著『不思議の国ベラルーシ −ナショナリズムから遠く離れて』

岩波書店 2004年 ISBN4-00-024623-2 C0026
四六判・256頁 定価 3,000円(税別)

 岩波書店より、当会研究所の服部倫卓調査役による著書『不思議の国ベラルーシ ―ナショナリズムから遠く離れて』が発行されました。在ベラルーシ大使館で専門調査員として3年間勤務した経験を踏まえ、ベラルーシという国の「不思議」に迫った作品です。この国は、何ゆえにナショナリズムを自己否定し、ロシアとの統合をめざしてきたのでしょうか? 本書は、本邦初のベラルーシに関する単行本というだけでなく、「失敗例」から考えた異色のナショナリズム論ともなっています。ビジネスのお役には立ちませんが、ビジネスの合間の息抜きに、お手にとっていただければ幸いです。


田畑伸一郎・末澤恵美編『CIS:旧ソ連空間の再構成』

国際書院 2004年 ISBN 4-87791-132-4
A5判・251頁 定価 3,200円(税別)

 国際書院より、『CIS:旧ソ連空間の再構成』が発行されました。バルト3国を除く旧ソ連12カ国によって構成される「独立国家共同体(CIS)」を、経済、国際関係、国際法、安全保障、社会など様々な角度から論じた研究論集となっています。当会からは研究所の服部調査役が執筆に参加しています。日本で初めてのCISに関する研究書であり、索引や年表も完備して資料的価値も高いものとなっています。ロシアおよびCIS諸国に関心をもつすべての皆様に、本書をお薦めいたします。


『新版 ロシアを知る事典』

平凡社 2004年 ISBN4-582-12635-9
A5判・1092頁 定価8,000円(税別)

 平凡社より、『新版 ロシアを知る事典』が発行されました。同社の「知る事典」シリーズの一環として好評だった『ロシア・ソ連を知る事典』を、全面改訂したものです。450項目を新たに加えて全2000項目を網羅、千ページを超える堂々たる出来栄えとなっています。ロシアだけでなく、旧ソ連15カ国すべての基礎データを採録。もちろん、当会の研究スタッフも執筆に参加しています。ロシアにご関心をおもちのすべての方に、本事典をお薦めいたします。


『ソ連向大径鋼管輸出史 ━1000万トン輸出の軌跡』

有楽出版社 2003年 B5判・251頁 定価2,000(税込み・送料別)

 かつてソ連向けの大径鋼管輸出に活躍したメーカーおよび商社の関係者・OB有志が中心となり、当会も協力する形で、このほど『ソ連向大径鋼管輸出史 ━1000万トン輸出の軌跡』と題する書籍が刊行されました。1,000万トンの大台という金字塔を打ち立てたソ連向け大径鋼管輸出の歴史を後世に伝えるべく企画されたもので、ソ連のパイプライン建設の歴史と時代背景、日本の歴代政権の対応、商談の内幕、関係者の寄稿文などが掲載されています。購入をご希望の方は、冊数とお名前・お送り先・お電話番号を明記のうえ、出版元の有楽出版社までファックスでご注文下さい。 蒲L楽出版社 Fax(03)3562-0673 Tel(03)3562-0671 


村上隆編著『サハリン大陸棚石油・ガス開発と環境保全』

北海道大学図書刊行会 2003年
B5判・上製・448頁 本体16,000円(税別)

 北海道大学スラブ研究センターの村上隆教授(元当会研究所調査部長)の編著による大部の研究書『サハリン大陸棚石油・ガス開発と環境保全』が、このほど北海道大学図書刊行会から発行されました。同書は、サハリン大陸棚の石油・ガス開発という将来の北東アジアのフロンティアとして注目されているプロジェクトに対して、開発の必要性を前提としながらも、自然環境を汚染から守る重要性に力点を置いて構成されています。本書の特徴は、十数名に上る自然科学、社会科学および人文科学の研究者が、サハリン石油・ガス開発に焦点を充てつつ、それぞれの研究分野から問題解決型のプロジェクト研究に取り組んでいる点にあり、きわめて意欲的な試みであるといえます。多数の図解が施されており、付属資料や索引も充実しています。


宇山智彦編著『中央アジアを知るための60章』

明石書店 2003年 四六判 328頁 本体2,000円(税別)

 本書は明石書店の「エリア・スタディーズ」シリーズの一環として、今般刊行されました。我が国を代表する中央アジア地域の専門家たちが、歴史、文化、政治、経済、社会、対日関係など、同諸国の諸問題を分かりやすく解説したものです。これまで中央アジアに関するこのようなまとまった形での解説書はほとんどなかっただけに、格好の入門書といえます。当研究所からは、輪島実樹研究員が執筆に参加しています。 


柿澤宏昭・山根正伸編著『ロシア 森林大国の内実』

日本林業調査会 2003年 定価 本体2,000円+税

 本書は、克明な現地調査と最新資料をもとに、ロシアの森林政策、環境保護政策、森林管理、林産業と木材貿易の現状について、日本と関わりの深いロシア極東を中心に論じています。その他、違法伐採や森林火災など幅広いテーマを扱っており、ロシアで木材生産や貿易に従事するビジネスマンにはとくに一読をお勧めします。 本書の主な内容は以下の通り。第1章 現代ロシアの素顔、第2章 世界最大の森林資源、第3章 改革にゆれる森林行政、第4章 森林管理活動の実態、第5章 頻発する森林火災、第6章 変革期の林産業、第7章 拡大する木材貿易、第8章 違法伐採と森林認証、第9章 環境保護への挑戦、第10章 極東ロシア先住民と森林。


小川和男・岡田邦生著『ロシア・CIS経済ハンドブック』

全日出版 2002年 定価 本体2,300円+税

小川和男著『日本・ロシア経済関係の新展開』

ジェトロ 2002年 定価 本体2,400円+税

 長年にわたり当会の調査・研究活動を支えてきた小川和男・ロシア東欧経済研究所所長が、平成14年7月19日永眠いたしました。故小川和男所長は2002年、2冊の著書を上梓しています。ひとつは『ロシア・CIS経済ハンドブック』(全日出版、共著)で、5月31日に如水会館で開かれた本書の出版記念パーティーが、故人が公の場に姿を見せた最後の機会になりました。もうひとつは『日本・ロシア経済関係の新展開』(ジェトロ)であり、本書は小川所長の逝去の直後に出版され、図らずも遺著となったものです。いずれも、小川所長がこれまで一貫して取り組んできた日本とロシア・CIS諸国の経済関係の促進という立場から、長年の経験と調査活動の蓄積を踏まえて書かれたもので、日本の実業界向けのいわば「最後のメッセージ」と言えるものです。ロシア・CIS経済にご関心をおもちの皆様に、是非ともご一読いただければ幸いです。