ロシアNIS調査月報2015年2月号特集◆ロシアの地域経済と沿ヴォルガ |
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特集◆ロシアの地域経済と沿ヴォルガ |
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イントロダクション |
沿ヴォルガ連邦管区の経済概況 |
調査レポート |
ロシア極東・東シベリアの石油ガス開発と輸送 |
データバンク |
ロシアの最新地域統計 |
データバンク |
2013〜2014年版ロシア地域別投資環境ランキング |
ミニ・レポート |
ニジェゴロド州経済の概要と発展動向 |
ミニ・レポート |
サマラ州:多様なポテンシャルを活かせるか? |
ミニ・レポート |
ヴォルガ上流のトヴェリ州を訪問して |
ミニ・レポート |
復活を目指す沿海地方の水産業 |
INSIDE RUSSIA |
不思議な発展を遂げるモルドヴィア共和国 |
モスクワ便り |
ウドムルト共和国:カラシニコフと自動車 |
ロシア極東羅針盤 |
極東新型特区と日本企業 |
地域クローズアップ |
「ミニ・ロシア」のタタルスタン共和国 |
産業・技術トレンド |
ウリヤノフスクの港湾特区 ―抜群の企画力― |
エネルギー産業の話題 |
オレンブルグ州の石油ガス産業 |
自動車産業時評 |
カリーニングラード州自動車産業の特異性 |
ロジスティクス・ナビ |
2014年の北極海航路 |
イベント・レポート |
プスコフ州投資プレゼンテーション |
イベント・レポート |
モスクワ市プレゼンテーション |
キーパーソンに訊く |
ベラルーシの安定は寛容さの賜物 |
ビジネス最前線 |
日ロ交流が生んだ奇跡のショッピングセンター |
ビジネス最前線 |
逆境下のレアメタル・ビジネスチャンス |
研究所長随想 |
ソ連ガス工業省と深い絆で結ばれて ―日ソ貿易外史(2)― |
ウクライナ情報交差点 |
ウクライナ鉄道車両産業の苦境 |
中央アジア情報バザール |
2014年カザフスタン地域別投資環境ランキング |
シネマ見比べ隊!! |
国の独立と不条理劇 |
業界トピックス |
2014年12月の動き ◆ロシア製ビールのワールドカップ効果に期待 |
通関統計 |
2014年1〜11月の通関実績 |
INTRODUCTON
沿ヴォルガ連邦管区の経済概況
ロシアNIS経済研究所 部長
服部倫卓
はじめに
この月報では、ロシアの地域経済情勢に関する特集をたびたび組んでいる。今号はその最新版ということになるが、今回はロシアの地域経済全般を扱いつつ、特に沿ヴォルガ連邦管区を重点的に取り上げることにした。
沿ヴォルガ連邦管区は、ロシアのハートランドとも言える重要エリアで、とりわけ加工産業の集積度が高く、そこに日本企業との接点も生まれる。内陸に位置しているため、港から遠く、外国企業が現地生産を行う上で、若干不利な面もある。それでも、このエリアがロシア随一の製造業集積地であることを、押さえておいて損はないだろう。
ロシアNIS貿易会では、対ロシアビジネスにかかわる様々な調査・交流事業を実施しているが、今年度は特に沿ヴォルガ連邦管区を対象とした事業が多く、最近も当会スタッフが沿ヴォルガ各地に出向いて情報収集や聞き取り調査を実施している。
当会では、会員企業の皆様向けの情報提供サービスの一環として、「ROTOBO月例報告会」を定期開催しており、12月18日には「ロシア沿ヴォルガ地域の経済動向」と題する報告会を催した。各種の事業に取り組む中で得られた知見を、会員の皆様に共有していただくべく、企画したものだった。
月報の今号の特集「ロシアの地域経済と沿ヴォルガ」では、12月の月例報告会での報告内容を含め、沿ヴォルガ全体と、各地域につき、様々な角度から論じていきたい。まず、本稿では沿ヴォルガ連邦管区の経済について概況を解説する。
ロシア極東・東シベリアの石油ガス開発と輸送
ロシアNIS経済研究所 部長
坂口泉
はじめに
ロシア極東および東シベリアでは多くの石油ガス関連プロジェクトが動いているが、本稿では、太平洋石油パイプライン、サハリン沖開発プロジェクト、中国向けガス輸出プロジェクトの3つを取り上げ、それらが日本に及ぼす影響や実現性などに着目しながら、その現状を紹介する。
より具体的に言えば、太平洋石油PLについては、同PL経由での石油(油種“ESPO”)の日本への輸出の展望に着目しながら、その概要ならびに増強プロジェクトの現状を紹介する。また、同PLの石油供給源となっている極東・東シベリアの鉱床の開発状況やそれらの新鉱床と太平洋石油PLを結ぶ新PLの建設状況などについても紹介する。
サハリン沖開発プロジェクトについては、日本へのサハリン産の石油およびLNGの輸出の展望に着目しながら、サハリン1〜3の現状と今後の展望を紹介する。
中国向けガス輸出プロジェクトに関しては、その実現性に着目しながら、その現状と今後の展望を紹介する。
データバンク
ロシアの最新地域統計
はじめに
ロシア連邦統計局より、『2014年ロシア地域統計年鑑』が刊行された。2013年までのデータを採録した最新統計である(地域総生産のみ2012年)。本コーナーでは、この統計集の中から、最も重要と思われるデータを抜粋・編集してお届けする。以下の4つの表を掲載する。表4は、編集部で算出の上で作成した。
データバンク
2013〜2014年版ロシア地域別投資環境ランキング
はじめに
ロシアの経済週刊誌『エクスペルト』(2014. 12.15-21, No.51)が、毎年恒例のロシアの地域別投資環境ランキングの最新版(2013〜2014年版)を発表したので、この資料を抜粋して紹介する。
ミニ・レポート
ニジェゴロド州経済の概要と発展動向
はじめに
沿ヴォルガ連邦管区の重要地域の一つであり、管区の大統領代表部も置かれているのがニジェゴロド州(州都:ニジニノヴゴロド市)である。2014年11月、筆者はニジニノヴゴロドを訪問して現地調査を行う機会があったので、その際に収集した情報を中心に、ニジェゴロド州経済の概要と発展動向についてお伝えする。(服部倫卓)
ミニ・レポート
サマラ州:多様なポテンシャルを活かせるか?
はじめに
ロシア最大の自動車メーカー「AvtoVAZ」が拠点を置くトリヤッチ市とその経済特区、ヨーロッパ向けパイプライン「ドルージバ」の供給油田、ロシア最大の石油会社「ロスネフチ」の大規模製油所などが域内に位置し、すでに国内外の投資が進んでいる沿ヴォルガのサマラ州。
大規模な投資と税収によって、「ドナー地域」として連邦有数の経済発展地域に名を連ねるサマラを2014年11月に初めて訪問した。数字の上では安定した社会・経済発展を実現しているように見えるが、実情は必ずしもそうではないようだ。
今回の訪問で面談したA.コベンコ・サマラ州副知事兼経済発展・投資・貿易大臣も発展が進む地域とは思えない謙虚な姿勢が印象的で、今後の経済発展に日本との協力が必要と語ってくれた。
本稿では、2014年11月の現地調査で得た情報や個人的な印象・感想なども取り入れながら、サマラ州について紹介する。(中馬瑞貴)
ミニ・レポート
ヴォルガ上流のトヴェリ州を訪問して
はじめに
2014年10月12日〜13日にモスクワ州の北隣のトヴェリ州を訪問した。州の行政府を訪問し、現地にある日立建機の工場を視察したので、同州の印象記をまとめてみた。(高橋浩)
ミニ・レポート
復活を目指す沿海地方の水産業
はじめに
日本海、オホーツク海などに囲まれる極東地域はロシアの水産業において重要な役割を果たしてきた。しかしソ連崩壊後は国からの支援が途絶え、凋落の一途をたどった。
最近になって水産業がロシア、とくに極東地域で有望産業であると認識されるにようになると、再び漁獲量が増え始めた。しかし、いまだ全盛期の半分程度までしか回復していない。
その構造をみれば、漁獲された水産物の大半は未加工のままアジア太平洋諸国などへ輸出される一方で、ロシア中西部にはEU諸国からの輸入品が出回るなどいびつな形となっている。
本レポートでは、極東水産業において中心的な役割を果たす沿海地方水産業の現状と抱える問題を概観した上で、水産業復活のための最近の取組みについて言及する。(鳴沢政志)
INSIDE RUSSIA
不思議な発展を遂げるモルドヴィア共和国
はじめに
今回は、ロシアの沿ヴォルガ連邦管区に所属するモルドヴィア共和国について語りたい。なお、その基幹民族たるモルドヴィア人はフィン・ウゴル系の少数民族である。ウクライナとルーマニアに挟まれた独立国家のモルドバ(モルドバ人はラテン系民族)とは別物である。
モルドヴィアは、人口81万人の小さな共和国である。これといった鉱物資源も、全国にその名が轟くような大企業もない。それでも、別稿「沿ヴォルガ連邦管区の経済概況」の図表4に示したように、モルドヴィアは近年、全国平均を上回る成長を遂げてきた。しかも、人口30万足らずの首都サランスクが、2018年FIFAワールドカップの開催都市の1つに選ばれている。
筆者は2014年11月にモルドヴィアのサランスクで現地調査を行う機会を持ったので、本稿ではその際の見聞も踏まえながら、モルドヴィアの実情を探ってみたい。(服部倫卓)
モスクワ便り
ウドムルト共和国:カラシニコフと自動車
はじめに
昨年11月末、ウドムルト共和国のイジェフスク市を訪れた。1995年以来となる訪問で、その時は経済の混乱と軍需発注の激減、そして民需転換の困難に苦しむ軍需企業の実情を調査した。体制転換不況の直撃を受けたこの地域において、日本との協力の可能性があるとは当時想像できなかった。それから19年、軍需企業から分離した自動車分野で日本企業との協力が始まろうとしている。(中居孝文)
ロシア極東羅針盤
極東新型特区と日本企業
日本企業に進出を呼びかけようと、ロシアが極東開発を進めるために計画している新型の経済特区構想の説明会が2014年10月20日、日本の企業関係者などを招いてウラジオストクで開かれた。この説明会は、中国や東南アジアを中心に世界各国との投資誘致競争が激しさを増すなか、プーチン政権が極東開発の新たな柱として打ち出してきた新型の経済特区構想への関心を持ってもらおうと、当会が極東発展省と共催で開いたもので、日ロ双方合わせておよそ50人が出席した。翌21日には特区候補地を視察した。(齋藤大輔)
地域クローズアップ
「ミニ・ロシア」のタタルスタン共和国
はじめに
今号ではロシアの地域、特に沿ヴォルガ地域を特集している。そこで、本稿では名実ともに沿ヴォルガ最重要地域であるタタルスタンをピックアップする。
タタルスタンについてはすでに何度も月報で取り上げてきたが、やはり、タタルスタンなしで、この地域を語ることはできない。今回はタタルスタンの発展の秘密を政治、経済、文化という3つの側面から探ることにする。(中馬瑞貴)
産業・技術トレンド
ウリヤノフスクの港湾特区
―抜群の企画力―
はじめに
ロシアにおけるプロジェクトに対し、マーケティング力不足という指摘が入ることは少なくないと思う。投資誘致の評価の高い地方においても、進出企業側ビジネスプランに対する行政的なサポートや、インフラ整備が優れているに留まり、自らビジネスを構築したり、提案したりすることはなかなか見られない。そのような中、今回紹介するウリヤノフスク・ヴォストーチヌィ港湾型経済特区は、ウリヤノフスクの特性を生かした産業を根付かせる戦略を持ち、誘致する産業のバリューチェーンを分析した上で、経済特区内で入居企業がシナジー効果を発揮し、個々の企業の集まりではなく、工業団地として価値を提供でるような投資呼び込み活動をしている。ウリヤノフスクは良好な投資環境で知られているが、同地の投資環境の良さとヴォストーチヌィ経済特区の高い戦略性の組み合わせから、将来の発展が非常に楽しみな経済特区と言える。今回は、高い戦略性で経済特区の発展を進めるヴォストーチヌィ港湾型経済特区について紹介する。(渡邊光太郎)
エネルギー産業の話題
オレンブルグ州の石油ガス産業
オレンブルグ州はロシア最古の石油ガス産地のひとつで、石油に関しては1937年より、ガスに関しては1970年代よりそれぞれ生産が開始されています。また、同州にはオルスクネフチェオルグシンテズという製油所やオルスク・ガス精製コンプレクスといった下流サイドの施設も存在します。本稿では、長い歴史を有する同州の石油ガス分野の現状を紹介します。(坂口泉)
自動車産業時評
カリーニングラード州自動車産業の特異性
カリーニングラード州は自由経済ゾーンとなっており、保税状態で部品や素材を持ち込むことが可能になっています。そして、それらの部品・素材を利用して生産した完成品は(付加価値をつけたことが認められると)、内貨と認定されることになっています。換言すれば、部品や素材を結果的に無関税で輸入することが可能となっています。この利点を活用し、同州ではAvtotorというロシア資本の会社が自動車生産を行っており、2013年には24万台以上の乗用車を生産することに成功しました。本稿では、Avtotorの小史、現状、および、今後の展望をご紹介します。(坂口泉)
ロジスティクス・ナビ
2014年の北極海航路
北極圏における資源開発熱の高まりに呼応して北極海航路への注目度が高まっています。本稿では2014年の北極海航路の実績を回顧し、同航路の課題や将来性に関する国際的議論も併せて紹介します。(辻久子)
イベント・レポート
プスコフ州投資プレゼンテーション
はじめに
11月13日、ロシア連邦プスコフ州代表団の来日を機に、東京のホテルニューオータニにおいて、「プスコフ州投資プレゼンテーション」が開催された(ロシアNIS貿易会とプスコフ州行政府の共催)。以下、団長のS.ペルニコフ副知事による「プスコフ州の投資ポテンシャル〜工業生産特区“モグリノ”におけるビジネスチャンス〜」と題する講演の概要を紹介する。(芳地隆之)
イベント・レポート
モスクワ市プレゼンテーション
はじめに
10月27日、モスクワ市行政府代表団が来日し、東京のザ・リッツ・カールトンにおいてモスクワ市プレゼンテーション「Doing business in Moscow」が開催された。ロシアNIS貿易会も同プレゼンテーションを後援した。同プレゼンテーションにはA.ヴァレトフ・モスクワ市対外経済・国際関係局次長、Ye.ドリゼ同次長、I.チトフ・ルノー・ロシア副社長が出席し報告を行った。以下では各報告の要旨を紹介する。(鳴沢政志)
キーパーソンに訊く
ベラルーシの安定は寛容さの賜物
駐日ベラルーシ共和国特命全権大使
S.ラフモノフ
前々号では、グリヤノフ・ベラルーシ外務次官へのインタビューをご紹介しましたが、今号では、ラフモノフ・ベラルーシ大使のお話をお届けします。ラフモノフ大使は、既に3年間、日本に勤務されていますが、残念ながら、その間に日本からベラルーシへの直接投資が大幅に増えたわけではありません。なかなか、日本ではベラルーシの認知度が上がらないのが現状とのことです。大使には、穏やかなベラルーシ人の性格の由来はどこにあるのか、国内紛争が激化する隣国ウクライナとの関係は今後どうなるのか、そして、日本とはどのような経済協力が可能であるのかなどを中心にお話しを伺いました。(岡田邦生)
ビジネス最前線
日ロ交流が生んだ奇跡のショッピングセンター
賛栄商事株式会社 代表取締役社長
西川昌伸さん
はじめに
大阪に本社を置く賛栄商事株式会社は現在、大阪にショッピングセンター、食品スーパー、メディカルセンター、マンション・テナントビル等の小規模不動産、駐車場等を所有・経営している他、子会社として第一航空を持ち、八尾空港、広島空港、那覇空港を拠点として、遊覧飛行や那覇〜徳之島、沖永良部島路線の運航などの航空事業にも参画しています。同社のロシア現地法人(サンエイ・モスクワ)を通した、日系企業初となるモスクワでの大型ショッピングセンターの展開は、1990年代に遡ります。小売分野における日系企業の進出が少ないなか、同社が成功した理由は何か。賛栄商事の西川昌伸代表取締役社長にお話を伺いました。また、本インタビューに加えて、サンエイ・モスクワで、アレクサンドル・I・ヴィノグラドフ同社副社長にお聞きした話も合わせてご紹介します。(芳地隆之)
ビジネス最前線
逆境下のレアメタル・ビジネスチャンス
アドバンストマテリアルジャパン
代表取締役社長 中村繁夫さん
はじめに
アドバンストマテリアルジャパンはレアメタルを扱う商社として知られています。リーマンショック前のレアメタル供給不安が問題になった時、日本の産業界が必要とするレアメタル確保に活躍する同社は大きく話題になりました。
資源に恵まれるロシアは、レアメタルの供給地としても重要です。中村社長はアドバンストマテリアルジャパンの創業前から、ロシア、中央アジアにおいてビジネスを手がけてきました。現在、ウクライナ危機による制裁、原油下落、ルーブル下落により、ロシア経済の先行きに不透明感があります。そんな中、中村社長は、ロシアビジネスの豊富な経験から、今こそがロシアビジネス拡大のチャンスと言います。今回は逆説的とも思える今こそがチャンスという真意についてお話を伺いました。(渡邊光太郎)
研究所長随想
ソ連ガス工業省と深い絆で結ばれて
―日ソ貿易外史(2)―
アゼルバイジャンのバクー南西地域に、世界で最初の油井が掘られたのは1847年であった。その3年後に石油が産出した。帝政ロシア歴代の皇帝は、石油産業を育成し厚く保護する政策を推し進めた結果、ロシアにおける石油産業は急速に発展して、帝政ロシアの財政を支えることになった。大英帝国は、当時イランに権益を持っていたが、バクー石油獲得を狙ってドイツやトルコも加わった石油争奪戦が展開された。ラジャード・キプリンの「グレート・ゲーム」の始まりである。1941年6月ソ連に侵攻したナチスドイツは、バクー石油を目指してまずクリミア半島を占領し、次に北コーカサスのチェチェン・イングーシの油田を傘下に収めたが、バクー油田には到達出来ず、スターリングラード攻防戦から世界最強の独ソ戦車が激突したクルスク戦を経て、欧露部からの撤退を余儀なくされた。(遠藤寿一)
ウクライナ情報交差点
ウクライナ鉄道車両産業の苦境
はじめに
ウクライナの重要産業の一つである鉄道車両産業が、苦境に立っている。現在この国が直面している困難の端的な例なので、今回は鉄道車両産業、特に貨車に着目して、現状を報告する。(服部倫卓)
中央アジア情報バザール
2014年カザフスタン地域別投資環境ランキング
はじめに
本稿では、カザフスタンの地域別投資環境ランキングを紹介する。本誌では毎年、ロシアの経済誌『エクスペルト』が定期的に発表しているロシア地域別投資環境ランキングを掲載している。その姉妹誌にあたる『エクスペルト・カザフスタン』が2014年12月22-29日号においてロシアと同じ方法に基づいて調査したカザフスタンの地域別投資環境ランキングを発表している。(中馬瑞貴)
シネマ見比べ隊!!
国の独立と不条理劇
『ゼロシティ』VS『ルナ・パパ』
今月のシネマ見比べポイントは、ソ連邦の社会体制から独立を果たし、自立しようとする人々の動きをファンタジックな寓話、あるいはシュールな不条理劇で喜劇的に描く方法についてです。ご存知のとおり、ソ連邦崩壊に伴う15のソビエト社会主義共和国の独立は、それぞれの共和国・民族にとって、社会的にも個人の生活のレベルでも大変な痛みと混乱を伴うものでした。新たな国家として自立することは、どの共和国にとっても困難極まりなく、なかには、内戦にもつれこんでさらに悲惨な状況を生み出した国もあります。(佐藤千登勢)