ロシアNIS調査月報2019年9-10月号特集◆資源依存脱却を図る |
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特集◆資源依存脱却を図るロシアの貿易 |
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調査レポート |
2018年のロシアの貿易統計 |
データバンク |
データで見るロシアの非原料・非エネルギー輸出 |
データバンク |
2019年上半期の日ロ貿易 |
INSIDE RUSSIA |
上半期ロシア経済:成長は鈍化し貿易は縮小 |
中央アジア情報バザール |
2018年のカザフスタンの貿易 |
イベント・レポート |
第15回日本ウズベキスタン経済合同会議 |
調査レポート |
ロシア医薬品市場と外資系メーカー ―2018年の動きを中心に― |
ミニ・レポート |
ヤマロ・ネネツ自治管区訪問記 ―サレハルドとノーヴィウレンゴイ― |
ロシア極東羅針盤 |
迷走を続けたウラジオホテル |
地域クローズアップ |
財政赤字と腐敗脱却を目指すマリ・エル共和国 |
エネルギー産業の話題 |
アンチピノ製油所の凋落 |
自動車産業時評 |
2019年春時点のロシアの中古車市場 |
ロジスティクス・ナビ |
ロシア鉄道の現況と未来 |
デジタルITラボ |
ロシア通信会社が提供する様々なITサービス |
産業・技術トレンド |
ロシアのフッ化水素は韓国半導体産業を救うか |
ウクライナ情報交差点 |
ウクライナ議会選で大統領与党が記録的大勝 |
ロシアメディア最新事情 |
ロシアのLGBT人権問題と2件の殺人事件 |
ロシアと日本・ 出会いの風景 |
東京お茶の水に鳴り響く正教会の鐘の音 |
ロシア音楽の世界 |
ロシア国立響来日公演でチャイコフスキー3連発 |
シネマ見比べ隊!! |
ソ連へのノスタルジー |
駐在員のロシア語 |
タクシー内での会話 |
業界トピックス |
2019年7月の動き |
通関統計 |
2019年1〜6月の輸出入通関実績 |
おいしい生活 |
ロシアと言えばカニ |
記者の「取写選択」 |
ロシアマニアのパリ散歩 |
調査レポート
2018年のロシアの貿易統計
ロシアNIS経済研究所 副所長
服部倫卓
ロシア連邦関税局が発行する『ロシア連邦外国貿易通関統計』の2018年年報が刊行され、2018年の同国の貿易動向に関する詳しいデータが明らかになった。そこで本稿では恒例により、『ロシア通関統計』およびその他の資料を利用し、同国の最新の貿易統計を図表にまとめて紹介し、あわせて解説をお届けする。
データバンク
データで見るロシアの非原料・非エネルギー輸出
小誌では、ロシアのプーチン政権が「非原料・非エネルギー商品」の輸出を拡大するという目標を掲げていることを、再三お伝えしている(2019年2月号の「プーチン政権のロシアが描く輸出拡大の青写真」など)。今回は、その政策を推進する国策会社「ロシア輸出センター」が発表しているデータをもとに、非原料・非エネルギー輸出について改めて概観する。
INSIDE RUSSIA
上半期ロシア経済:成長は鈍化し貿易は縮小
2019年もすでに折り返し地点を過ぎ、上半期のロシア経済パフォーマンスを診断するのに必要な統計データもそれなりに揃いつつある。今回は、それらのデータを整理しながら、ロシア経済の現況を概観してみたい。(服部倫卓)
中央アジア情報バザール
2018年のカザフスタンの貿易
本誌はロシアの貿易特集となっているので、本連載でも中央アジアの貿易についても触れておきたい。紙幅の関係上、すべての国を扱うことは難しいので、本稿では域内最大の経済規模を誇るカザフスタンについて取り上げることにする。(中馬瑞貴)
イベント・レポート
第15回日本ウズベキスタン経済合同会議
2019年7月10日(水)ホテルオークラ東京にて「第15回日本ウズベキスタン経済合同会議」が開催された。前回(2018年10月25日)から1年足らずの、しかも2年連続で東京開催と些か異例とも言えるが、Sh.ミルジヨエフ・ウズベキスタン大統領の初来日が年内にも期待されるなか、このほどウズベキスタン側経済委員会会長に就任したE.ガニエフ・ウズベキスタン共和国副首相が日本での合同会議の早期実施を強く希望したことから、日本ウズベキスタン経済委員会もこれ容れ、開催の運びとなった。以下、第15回日本ウズベキスタン経済合同会議の概要について報告する。(大内悠)
調査レポート
ロシア医薬品市場と外資系メーカー
―2018年の動きを中心に―
ロシアNIS経済研究所 嘱託研究員
坂口泉
ロシアの医薬品市場には多くの外資系医薬品メーカーが参入しているが、最近になり、それらのメーカーを困惑させる事象が目立ち始めている。にもかかわらず、外資系医薬品メーカーの多くが、いつかロシア政府が医薬品の国家買い付けを大幅に強化する日がくることに期待をかけ、果敢に逆風に立ち向かい市場でのプレゼンス強化のための努力を続けている。本稿では、ロシアの医薬品市場の特殊性に苦慮しながらも前進を試みる外資系メーカーの動きに注目しながら、ロシアの医薬品市場の現状を見ていく。
ミニ・レポート
ヤマロ・ネネツ自治管区訪問記
―サレハルドとノーヴィウレンゴイ―
当会では、6月30日〜7月5日の日程でヤマロ・ネネツ自治管区(サレハルド及びノーヴィウレンゴイ)を訪問し、昨今日本でも注目されるロシアの北極圏開発に関して各所からその現状と展望について意見聴取したところ、本稿ではその概要と所感を紹介することとしたい。(長谷直哉)
ロシア極東羅針盤
迷走を続けたウラジオホテル
ロシアの東端に位置し、日本に一番近いヨーロッパであるロシア極東。北方領土が存在し、日本にとって重要な戦略拠点ということもあって、ロシア極東の経済開発は、ロシアとの関係の中でも特別にクローズアップされてきた。ロシア極東の代表的な経済開発といえば、2012年のAPECサミットに向けての「ウラジオストク大開発」。あれから7年。ウラジオストクは見違えるように変貌し、「アジア太平洋への玄関口」としての姿を誇っている。ところが、いまだに完成しないプロジェクトがある。背景には、ロシアの構造的な体質が影響しているようだ。(齋藤大輔)
地域クローズアップ
財政赤字と腐敗脱却を目指すマリ・エル共和国
フィン・ウゴル系マリ人の国を意味するマリ・エル共和国はヴォルガ川の中流域に広がる。経済発展が進み、製造業が集積している沿ヴォルガ連邦管区に属しているが、経済規模が小さく、財政赤字に悩まされる地域だ。しかし、日本企業の関心が比較的高いニジェゴロド州とタタルスタン共和国に挟まれた地域という地理的利点はある。そこで、マリ・エル共和国とは一体どんな地域なのか。本稿で紹介してみることにしよう。(中馬瑞貴)
エネルギー産業の話題
アンチピノ製油所の凋落
チュメニ州に所在するアンチピノ製油所の周辺が慌ただしくなっています。同製油所は2000年代の半ばにゼロの状態から民間の力で建設された大規模製油所で、一時は「チュメニの奇跡」としてマスコミの賞賛を浴びたこともあります。ところが、2〜3年前から急激に状況が悪化し、現在事実上の破綻状態に陥っています。さらに、2019年7月には前オーナーのドミトリー・マズロフが横領の容疑で逮捕され、前社長にも逮捕状が出るという事態も生じています。今回は「チュメニの奇跡」の栄枯盛衰を振り返ってみます。(坂口泉)
自動車産業時評
2019年春時点のロシアの中古車市場
ロシアの調査会社「Autostat」より、2019年1〜5月期のロシアの中古車市場に関する情報を入手できましたので、今回は、同期の中古車市場の概況と、中古車のブランド・モデル別販売状況をご紹介します。(坂口泉)
ロジスティクス・ナビ
ロシア鉄道の現況と未来
ロシア鉄道にベロジョーロフ社長が就任して4年になります。同鉄道の近年の活動実績及び2025年までのヴィジョンを、同社年次報告書2018に基づき紹介します。(辻久子)
デジタルITラボ
ロシア通信会社が提供する様々なITサービス
『ロシアNIS調査月報』2019年6月号の中で、ロシア人の恋愛観、パートナーとの出会い方について書かれている。同コラムは、ロシア人女性の生々しい婚活事情が伝えられており、非常に興味深い。そんな中、ロシアの大手通信会社の一つメガフォンが、米デートアプリ「Tinder」との提携を発表した。通信会社とデートアプリの提携は意外だったので、これら通信会社が提供するモバイル通信に付随する各種サービスや、関連ビジネスを調べてみた。(牧野寛)
産業・技術トレンド
ロシアのフッ化水素は韓国半導体産業を救うか
日本による韓国に対する半導体材料の輸出管理強化により、韓国で自国産業への影響に対する懸念が強まっている。そんな中、輸出管理強化の対象になった高純度フッ化水素の供給を、ロシアが提案したことが報道された。その後、韓国産業界側の微妙な反応が報道された。そして、韓国の材料調達不安がロシアのフッ化水素で解消されたという話は聞かない。本稿では、そもそも韓国の半導体産業がロシアからフッ化水素を調達して、材料調達懸念を解消するということに成立性があったかについて検討する。(渡邊光太郎)
ウクライナ情報交差点
ウクライナ議会選で大統領与党が記録的大勝
7月21日、ウクライナの国会に当たる「最高会議」の議員を選出する選挙が実施された。本来、任期満了に伴う議会選は本年10月27日に予定されていたが、5月20日に大統領に就任したV.ゼレンスキーが、就任演説の中で突然、議会の解散と前倒し選挙の実施を宣言したものである。投票の結果、投票率は49.8%と振るわなかったものの、大統領与党の公僕党は予想以上の大勝を収めた。(服部倫卓)
ロシアメディア最新事情
ロシアのLGBT人権問題と2件の殺人事件
ロシアにいると、性的マイノリティに対する社会の目はまだまだ冷たいなと感じます。普段何事にも寛容な人が、ふとした瞬間にゲイ(特に男性の同性愛者への風当たりが強い)への差別意識をあらわにしたりすると「この人さえも?」とびっくりしてしまいます。ただし、社会がそういう状態だからといって性的マイノリティが特別に少ないというわけではなく、ロシアにおける権利向上のため戦っている人たちもいます。今回は、LGBTに関連する2つのニュースについてご紹介します。(徳山あすか)
ロシアと日本・出会いの風景
東京お茶の水に鳴り響く正教会の鐘の音
私は宗教には詳しくないし、非常にデリケートなテーマゆえ、今まで日本語どころかロシア語でも宗教について一行たりとも書いたことがない。周知のとおり、ロシアには様々な民族が住んでいると同時に多数の宗教の信者がいる。憲法上、全ての宗教に平等の権利が保障されていることをここで指摘しておく。なお、国家(政治)と宗教は切り離されている。統計的にはロシア正教(ロシア正教は正教会の一教派である)の信者が一番多いはずだ。ここでは、宗教というよりも、日本とロシアを結ぶ一つの柱である(ロシア)正教についての私見をお伝えしたいと思う。(D.ヴォロンツォフ)
ロシア音楽の世界
ロシア国立響来日公演でチャイコフスキー3連発
ヴァレリー・ポリャンスキー指揮のロシア国立交響楽団の来日公演を横浜のみなとみらいホールで聴いた。曲目は、チャイコフスキーの三大交響曲、第4番、第5番、第6番「悲愴」。13時開演で、20分の休憩が2回入り、終演は16時過ぎ。アンコール曲は無し。演奏する側も疲れたであろうが、140分間近く集中して聴いた側もなかなか大変であった。(ヒロ・ミヒャエル小倉)
シネマ見比べ隊!!
ソ連へのノスタルジー
宇宙空間では、地球上の我々の安穏としたさまをよそに、「宇宙ステーションのドッキングに失敗」したり、「ステーション内が凍結したと思ったら、水浸しになって果ては火事までおこる大惨事!」となったりするようなSFを軽く超えてくる史実があったら嫌ですよね。しかし、このたびは、そんな史実を映画化して、随所に笑いや脚色、コメディタッチを織り込みながらも、それぞれの事件に立ち会った人々やその家族に畏敬の念を抱かずにはいられない佳作をご紹介いたします(今回は2本の見比べではなく1本のご紹介)。(佐藤千登勢)
駐在員のロシア語
タクシー内での会話
ロシア国内では、いまやスマホのアプリで タクシーが簡単に呼べるようになった。その普及度はすさまじく、日本より進んでいる感じがする。アプリに行き先を打ち込めば良く、タクシードライバーにあえて行き先を告げることもなく、カードをアプリに登録してさえおけば、財布を出す必要もない。しかもドライバーがロシア語ネイティブでないケースが多くなり、挨拶するだけで話が済んでしまう、あるいは話があまり続かなくなる。以前は、筆者にとってタクシーの車内が会話の練習場であったし、一般のロシア人の本音を聞ける場所でもあったものだ。(新井滋)
おいしい生活
ロシアと言えばカニ
ロシアと言えばカニだ。カニの中でも、とりわけタラバガニだ。もっとも、モスクワでカニを食べるとなると、案外、選択肢は限られる。そこでお勧めの店をひとつ紹介しよう。ピヤンヌィ・クラプ・イ・シャスリヴァヤ・クリツァ(酔っぱらいの蟹と幸せな鶏)というシーフードレストランだ。(中居孝文)
記者の「取写選択」
ロシアマニアのパリ散歩
ヴェルサイユを訪れ、ロシアの貴族にフランス語を学ばせたピョートル大帝の例を出すまでもなく、ロシアとフランスのつながりは深い。パリを歩くと、ロマノフ王朝から現代ロシアまで、歴史の息吹を意外な場所で感じられる。(小熊宏尚)