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ロシアNIS調査月報2021年1月号特集◆政情不安に揺れる |
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特集◆政情不安に揺れるNIS諸国 |
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調査レポート |
2020年ベラルーシ大統領選挙の顛末 ―人々は恐がることを止めた― |
調査レポート |
モルドバ大統領選挙の争点とロシアの影響力 |
調査レポート |
第2次ナゴルノ・カラバフ紛争 ―凍結された紛争の再燃― |
調査レポート |
2020年ジョージア総選挙 ―コロナ禍・米大統領選・カラバフ戦争の嵐の中で― |
調査レポート |
混迷極めるキルギス第3次革命 |
ロシアの二国間関係 |
ロシアとの関係強化を模索するウズベキスタン |
中央アジア情報バザール |
タジキスタンの盤石な政治体制と脆弱な経済 |
ウクライナ情報交差点 |
ウクライナで実施された奇妙な国民意識調査 |
INSIDE RUSSIA |
ロシア国民は周辺国の事件をどう見ているか |
おいしい生活 |
サンタ・ブレモルはルカシェンコの味方か敵か |
記者の「取写選択」 |
ナゴルノカラバフ、見えない未来 |
調査レポート |
活況を呈すロシア石油ガス化学産業 ―動き出す大規模プロジェクト― |
キーパーソンに訊く |
投資はリャザン州経済発展の原動力 |
デジタルITラボ |
デジタル人材育成のSkillbox |
ロシア極東羅針盤 |
動き出したナホトカ肥料工場 |
シベリア・北極圏便り |
万感こもる原子力砕氷船建造 |
地域クローズアップ |
新生カルーガ州は第2の奇跡を起こせるか |
データリテラシー |
水産物貿易から見えるロ中経済関係 |
シリーズ 工業団地探訪 |
先駆的なリペツクの工業生産特区 |
HOW TO ビジネス実務 |
ロシア会計:損益計算書 |
エネルギー産業の話題 |
ロシア石油分野における増税の動き |
自動車産業時評 |
2020年秋時点のロシア中古車市場 |
ロジスティクス・ナビ |
ユーラシア鉄道網のコンテナ輸送-2020 |
ロシアメディア最新事情 |
ブラックフライデーでだまされない方法 |
駐在員のロシア語 |
支払いのタイミング |
業界トピックス |
2020年11月の動き |
通関統計 |
2020年1〜10月の輸出入通関実績 |
調査レポート
2020年ベラルーシ大統領選挙の顛末
―人々は恐がることを止めた―
元在ベラルーシ大使館専門調査員
友繁弥寿志
2020年は、ベラルーシにとって大きな転換の年として歴史に記されることになる。26年にわたって同国に君臨したA.ルカシェンコ大統領がコロナ禍を受けていよいよ手詰まりに陥り、投票を通じて引退を迫る自国民に対し、かつてない規模の暴力を行使してまで権力の座にしがみつこうとして断末魔の叫びを上げた年であった、と。2020年の大統領選挙は、様々な点でこれまでの選挙と大きく異なっている。本稿では、大統領選挙の前と後の時期に大きく時間を区分し、それぞれの時期の国内外の動きを概観し、今後を予想してみたい。
調査レポート
モルドバ大統領選挙の争点とロシアの影響力
霞山会理事、静岡県立大学名誉教授
六鹿茂夫
2020年11月に、旧ソ連南西部に位置すモルドバで大統領選挙が行われた。ベラルーシやジョージアでは選挙結果をめぐって抗議デモが起き、アルメニアとアゼルバイジャンがナゴルノ・カラバフをめぐって戦闘を再開するなど、旧ソ連地域の情勢が不安定化する中での選挙となった。同地域は、ロシア、EU、米国、中国など大国の利益に加え、トルコやイランなど地域大国の国益が絡む戦略的重要地域である。選挙に先立ち、米国とロシアが内政干渉を控えるよう声明を出し、相互に牽制しあうなど、情勢は緊迫していた。欧米の専門家の中には、ロシアが国内で働くモルドバ人労働者を選挙に動員したり、彼らのデータを使って架空の不正投票を行ったりして、選挙に介入するのではないかと警鐘を鳴らす者さえ現れた。そうなれば、野党の大統領選候補者筆頭であったマイア・サンドゥが、ドドンの勝利は不正選挙でしか実現せず、不正が行われた場合は抗議デモを組織して徹底的に糾弾すると警告していただけに、モルドバが第2のベラルーシになる可能性も否定できなかった。
ところが、選挙はロシアによる介入もなく概ね正常に行われ、決選投票でサンドゥ候補が現職大統領のイーゴル・ドドンに15ポイント以上の差をつけて勝利した。一部のマスメディアはこの選挙結果を親欧米派の親露派に対する勝利と位置づけ、親露的国家アルメニアの敗北に続いてモルドバで親露派大統領が敗れたことで、旧ソ連地域におけるロシアの影響力がさらに後退したと論評した。果たしてそうなのであろうか。小論では、モルドバ大統領選挙を有権者の投票動向、世論調査結果、国内政治動向から分析し、サンドゥの勝因とドドンの敗因を明らかにすることで、選挙の争点が親欧米派と親露派の地政学的対立にあったのかどうかを検証する。また、懸念されたロシアの選挙介入がなぜ行われなかったのか、ロシアの影響力が後退したのかどうかについて考察し、最後にモルドバ政治の今後の見通しについて簡潔に述べる。
調査レポート
第2次ナゴルノ・カラバフ紛争
―凍結された紛争の再燃―
北海道大学高等教育推進機構高等教育研修センター 特任助教
立花優
2020年9月27日にアゼルバイジャン共和国において発生した大規模な軍事衝突は、44日間にわたって継続し、11月10日にロシアの仲介によってアゼルバイジャン・アルメニア・ロシアの3者間で停戦が成立した。
今回の大規模な軍事衝突は、1988年以来続いている「ナゴルノ・カラバフ紛争」が再燃したものである。同紛争は1994年5月の停戦合意後、和平合意に至らぬまま概ね現状が維持されてきたことから、「凍結された紛争」とも呼ばれてきた。今回の軍事衝突はそれまで曲がりなりにも維持されてきた現状が武力で大きく変更された点で画期となるものであり、その規模の大きさから「第2次ナゴルノ・カラバフ紛争」と呼ばれることも多い。本稿では、1988年から1994年5月の停戦合意までを第1次紛争、1994年停戦合意から2020年9月までを紛争凍結期、2020年9月27日から11月10日までを第2次紛争と区分する。ただし、紛争凍結期においても小規模な軍事衝突は頻発していたのであり、四半世紀ぶりに軍事衝突が再発したわけではない。2016年4月には比較的大規模な軍事衝突、いわゆる「4日間戦争」が発生していた。本稿ではこの「4日間戦争」以降2020年9月までを凍結された紛争の融解期として考えたい。
調査レポート
2020年ジョージア総選挙
―コロナ禍・米大統領選・カラバフ戦争の嵐の中で―
東京都立大学 人文社会学部 教授
前田弘毅
2020年10月31日、ジョージア(グルジア)で4年ぶりの総選挙が行われた。前回2016年の選挙では2012年以来政権を握る与党ジョージアの夢党が圧勝した。しかし、2019年6月には激しい反政府暴動が発生し、2020年に入ってからは新型コロナウイルスの蔓延を防いだことで一時的に支持率は持ち直したものの、選挙直前にはふたたび与党支持率の下降が世論調査から指摘されていた。9月にはカラバフで戦争が勃発し、コーカサス地域情勢が大きく揺れ動いた上に、米国大統領選挙(11月3日)直前の投票となり、さまざまな影響も懸念された。結果として選挙は大きな混乱もなく行われ、与党は今回も大きな勝利を収めたが、野党は一致して選挙結果を認めておらず、新議会をボイコットする姿勢を見せている。現在、ベラルーシなどの旧ソ連諸国やシリアなどの中東地域において、様々な国際情勢上の変動要因が存在する。その意味でもジョージアの国内状況に関する正確な理解が求められている。本稿では、はじめに2012年の政権交代から今日に至るジョージア政局を概観し、2019年の混乱についても触れ、その上で2020年10月31日の総選挙とその結果を示し、最後に2020年11月末の情勢について触れていく。
調査レポート
混迷極めるキルギス第3次革命
ロシアNIS経済研究所 研究員
中馬瑞貴
2020年10月、過去に2度の革命を経験しているキルギスでまたもや政変が起きた。2010年4月に制定された新憲法の下で、キルギスは中央アジアで初となる議会制民主主義の実現を目指してきた。強権政治で腐敗を常態化してきた大統領の権限を大幅に縮小し、議会や政党に大きな権限が与えられるようになったのである。しかし、今回の政変の結果として首相に就任したサディル・ジャパロフは、憲法改正によって大統領権限の拡大を実現しようとしている。一時的に大統領代行も兼任していたジャパロフだが、2021年1月10日に予定されている大統領選挙に出馬するため、大統領代行を辞任した。本来、国政の中心を担うべき議会は、選挙結果が無効となった後に旧議会が継続しているが、やり直し選挙の日程はまだ決定していない。そこで、本稿では未だに混迷が続くキルギスの情勢をまとめておくことにしたい。
ロシアの二国間関係
ロシアとの関係強化を模索するウズベキスタン
基本的に、旧ソ連諸国の中にはウクライナ、ジョージアなどロシアと一定の距離を置いている国とカザフスタンやキルギス、アルメニアのようにロシアとの協調関係を重視し続けている国とに分けることができる。こうした中、ロシアとつかず離れずのあいまいな関係を続けてきた国がウズベキスタンだ。(中馬瑞貴)
中央アジア情報バザール
タジキスタンの盤石な政治体制と脆弱な経済
2020年10月11日、タジキスタンで大統領選挙が行われ、現職のラフモン大統領が90.92%の得票率で5期目の再選を果たした(投票率85.44%)。2016年9月にウズベキスタンでカリモフが逝去し、2019年3月にはカザフスタンでナザルバエフが大統領職を辞任した今、今期(2027年まで)を全うすれば中央アジアで最長の大統領就任記録となる。
盤石な政治的安定を維持するタジキスタンだが、経済は課題が山積みだ。世界的に見ても最貧国に位置づけられ、特に中国依存が強まる対外債務は深刻だ。安定した体制とは裏腹の脆弱な経済に悩まされるタジキスタンの最新情勢をお伝えする。(中馬瑞貴)
ウクライナ情報交差点
ウクライナで実施された奇妙な国民意識調査
ウクライナのゼレンスキー大統領は、2019年5月20日に就任したので、政権成立から1年半ほどが経過したことになる。今回は、ゼレンスキー政権の現在地を、主に10月25日の統一地方選挙と同日に実施された国民意識調査に焦点をあてながら、見ていくことにする。(服部倫卓)
INSIDE RUSSIA
ロシア国民は周辺国の事件をどう見ているか
2020年には、旧ソ連の新興独立諸国(NIS)で、大きな政治的事件が相次いだ。今回は、ロシア国民が周辺のNIS諸国についてどのような意識を抱いているのかを、ロシアの定評ある世論調査機関「レヴァダ・センター」の調査結果をもとに、概観したい。(服部倫卓)
おいしい生活
サンタ・ブレモルはルカシェンコの味方か敵か
サンタ・ブレモルはベラルーシを代表する食品企業グループ。その魚製品はロシアのスーパーなどでも広く売られており、お世話になっているという日本人駐在員の皆さんも多いのではないか。お目にかける写真はミンスクのスーパーで撮ったもので、さすが地元だけあって品揃えが豊富だった。(服部倫卓)
記者の「取写選択」
ナゴルノカラバフ、見えない未来
在外アルメニア人の援助で整備された道路が、山々を縫うように延びる。首都エレヴァンを出て数時間で国境に。峠の向こうはアゼルバイジャン西部に広がるアルメニア人の未承認国家「アルツァフ(ナゴルノカラバフ)共和国」。振り返ると、トルコ東端にそびえる名峰アララト山が優美な姿を見せていた。(小熊宏尚)
調査レポート
活況を呈すロシア石油ガス化学産業
―動き出す大規模プロジェクト―
ロシアNIS経済研究所 名誉研究員
坂口泉
コロナ禍に伴う油価の低迷や協調減産の影響で沈滞ムードが漂う石油生産分野と異なり、下流サイドの石油ガス化学分野では活発な動きが観察されている。ザプシブネフチェヒムというシブールが取り組んでいた巨大プロジェクトが2019年春に完成し2020年に入り生産が本格化した他、イルクーツク石油会社が取り組んでいるウスチクトに年間生産能力65万tのポリエチレン工場を建設するという計画も順調に進展している。さらに、サハ共和国のチャヤンダというガス鉱床を起点に中国に向かうシベリアの力というガスパイプラインが2019年末に完成し、同パイプラインのロシア区間の終点に位置するアムール州にガス精製工場とガス化学プラントを建設するという壮大なプロジェクトも具体化しつつある。ガス精製工場の方はガスプロムの手ですでに建設が開始されており、ガス化学プラントの建設も2020年夏よりシブールの手で建設が開始された。その他、ロシア北西部のウスチルガではガスプロムとルスガズドブィチャの合弁企業であるルスヒムアリヤンスが、ガス精製工場、LNGプラント、ならびに、ガス化学工場で構成されるガス化学コンプレクスを建設することを念頭に置いた壮大なプロジェクトに取り組んでいる。
本稿では、合成樹脂部門を中心にロシアの石油ガス化学分野の現状をご紹介した後に、列挙した新しい大規模プロジェクトを取り上げ、その実現性や問題点についての考察を試みる。
キーパーソンに訊く
投資はリャザン州経済発展の原動力
ロシア連邦リャザン州 州知事
N.リュビーモフ
ロシアの経済発展において、地域の行政は大きな役割を果たすことが期待されています。ロシアの各地域は、現代的な技術の導入、科学集約型産業の創出、投資の誘致に最大限に努力しています。格付機関(National Rating Agency)の調査結果によると、リャザン州は、2020年のビジネスサポートの種類の数でロシアの上位15地域に入っています。リャザン州の2019年の外国貿易取引高は約20億ドルに達し、2018年と比較して66.3%増加しました。州がどのように経済指標を改善し、経済の非資源部門を発展させようとしているか、ニコライ・リュビーモフ知事にお話を伺いました。(編集部)
デジタルITラボ
デジタル人材育成のSkillbox
11月1日、ロシア南部のリゾート地ソチで、ある若手起業家が午前3時にその消息を絶った。彼の名前はイーゴリ・コロポフ。飛ぶ鳥を落とす勢いのオンライン学習プラットフォーム「Skillbox」の創業者である。休暇で友人たちとソチを訪れたコロポフは、1日未明にキックボードで宿泊先のホテルを出、その後、行方がわからなくなった。関係者の努力も虚しく、コロポフは帰らぬ人となってしまった。消息不明から5日後、彼の遺体は岸から300m離れた海上で見つかっている。今回はコロポフの冥福を祈るとともに、彼の功績やコロナ禍で大きく業績を伸ばす「Skillbox」について取り上げたいと思う。(牧野寛)
ロシア極東羅針盤
動き出したナホトカ肥料工場
沿海地方のナホトカに肥料工場をつくる計画がようやく進み始めた。プロジェクトの進展を伝えるニュースが伝えられるようになった。計画が持ち上がってから約8年。きっと何かあるのだろうと思いつつ、プロジェクトの成り行きをウォッチしてきた者からすると、ついにという思いである。2020年10月、ナホトカとヴォストーチヌィの港を視察した次いで、プロジェクトサイトを見た。(齋藤大輔)
シベリア・北極圏便り
万感こもる原子力砕氷船建造
この連載は、シベリア及び北極圏に対象地域を限定し、ビジネスを始めとするそこでのニュース内容を、筆者の雑感を交えてお知らせする隔月連載企画です。その第1回として、ロシアが強い積極性を持って取り組み、北極海航路への就航が予定される原子力砕氷船の建造についてご紹介してみようと思います。(長谷直哉)
地域クローズアップ
新生カルーガ州は第2の奇跡を起こせるか
ロシアで地域行政府が投資環境整備に取り組む際に手本として注目する地域がある。2000年代、特に外国企業の投資誘致をいち早く成功させたカルーガ州だ。同州は州政府主導で積極的に投資環境整備を進め、自動車、製薬、鉄鋼など様々な製造業分野で国内外の名だたる企業の投資プロジェクトを誘致し、州の経済発展を実現した。
しかし、時代は移り変わるものである。2020年2月、「カルーガの奇跡」の立役者であったアルタモノフ知事が辞任した。アルタモノフの後任としてカルーガ州第2の都市オブニンスクのシャプシャ市長が知事代行任命された。9月に行われた選挙に勝利し、正式に知事に就任したシャプシャ政権は州のさらなる経済発展を目指して始動。新生カルーガはアルタモノフ時代のような「奇跡」を起こすことができるだろうか。新たな門出を切ったカルーガ州を紹介する。(中馬瑞貴)
データリテラシー
水産物貿易から見えるロ中経済関係
コロナ禍に振り回された2020年もあっという間に年末です。気づけばお鍋のおいしい季節になりました。今年は忘年会で鍋をつついたりすることは難しいかもしれませんが、それでも家庭で鍋を囲む機会は増えるかと思います。さて、近年、こうしたお鍋の主役となるカニや鮭などの海産物について、スーパーなどで「ロシア産」のラベルを見ることは珍しいことではなくなりました。今回はこのロシア産水産物をめぐる数字について考えてみたいと思います。(長谷直哉)
シリーズ 工業団地探訪
先駆的なリペツクの工業生産特区
今回はロシアにおける最初の工業生産型経済特区で先駆的な工業団地でもあるリペツク経済特区(グリャジ地区)を探訪したい。現在のリペツク経済特区は最初に整備された州都リペツク市郊外のグリャジ地区と州第2の都市エレーツ市郊外のエレーツ地区の2か所に分かれているが、今回はグリャジ地区の経済特区を概観しよう。(大橋巌)
HOW TO ビジネス実務
ロシア会計:損益計算書
これまでロシア会計や財務諸表の概要といった全体像についてお話しいたしました。今回は財務諸表のひとつである損益計算書をテーマに、より具体的・実践的な内容をご紹介したいと思います。
損益計算書は、「収益から費用を差し引いた金額を利益として表示する報告書であり、一定期間における経営成績を明らかにする。収益は、企業の経済活動の成果であり、費用は、成果を得るための努力をいう。」などと定義される、非常に重要な情報を持つ会計報告書類です。そのため、日本側(本社)としてもロシアにある拠点の損益計算書はとても気になるところです。(小川弘美)
エネルギー産業の話題
ロシア石油分野における増税の動き
数年前よりロシアの石油分野では石油と石油製品の輸出関税率の引き下げと石油採掘税率の引き上げを軸とする税制改革が行われていますが、それと並行して追加収入税という新しい税金の試験導入が2019年から開始されました。ただ、この新しい税金の試験導入の結果に財務省が強い不満を抱いており、2020年秋に同省の主張をほぼ全面的に反映した(増税を念頭に置いた)法改正が実施されました。今回は、まず、数年前より開始されている税制改革の概要に言及した後、2020年秋の法改正の具体的内容を説明します。(坂口泉)
自動車産業時評
2020年秋時点のロシア中古車市場
ロシアの調査会社「Autostat」より、2020年1〜9月期のロシアの中古車市場の状況に関する情報を入手できましたので、今回は、同期の中古車市場の概況と、中古車のブランド・モデル別販売状況をご紹介します。その他、地域別の中古車の販売状況についてもご紹介します。(坂口泉)
ロジスティクス・ナビ
ユーラシア鉄道網のコンテナ輸送-2020
ユーラシア大陸に大きく羽を広げてゆくコンテナ鉄道網の現状について、ユーラシア横断鉄道調整評議会(CCTT)の年次総会(2020年11月5〜6日)の議事録を用い紹介します。(辻久子)
ロシアメディア最新事情
ブラックフライデーでだまされない方法
米国発の文化とも言うべきブラックフライデー。この大セールがロシアで始まったのは8年前のことでした。ここ数年で、この風習はかなり定着した感があります。ただ、複数のメディアが報じた「ズベルインデックス」の発表によると、2020年のブラックフライデーの消費額は、2019年と比べて約4割ダウンとなりました。特に服や靴、アクセサリーの売り上げ減が目立ちます。コロナ禍で新年パーティーも軒並みキャンセル、年越しも自宅で過ごすとなると、この結果も頷けます。(徳山あすか)