ロシアNIS調査月報
2016年5月号
特集◆日ロ経済関係の
再活性化を目指して
特集◆日ロ経済関係の再活性化を目指して
イベント・レポート
「日ロ貿易・産業対話」開催される
調査レポート
2015年のロシアの石油ガス産業
―色濃い油価急落の影響―
調査レポート
縮小するロシア経済:2015年マクロ実績の分析
ビジネス最前線
日本発の国際カードブランドをロシアへ
データバンク
2015年の日ロ貿易
―ロシアの経済危機に翻弄された1年―
講演録
ロシアの石油ガス産業:発展の現状と展望
講演録
ロシア経済危機下の極東経済
モスクワ便り
在ロ米国商工会議所:制裁応酬下の舵取り
産業・技術トレンド
自動車部品現地調達に本当に合理性はあるか
自動車産業時評
景気悪化に直撃されたロシアの商用車市場
ロジスティクス・ナビ
ロシア極東港湾の明と暗
デジタルITラボ
ロシアのネットバンキング事情
地域クローズアップ
二大都市の中継点トヴェリ州

研究所長随想
カトリック教会と東方正教会の歴史的和解
ウクライナ情報交差点
2015年のウクライナの鉱工業生産
中央アジア情報バザール
中央アジアに世界中が熱い視線!?
駐在員のロシア語
自己紹介
データの迷い道
ロシアの統計と季節性
シネマ見比べ隊!!
独ソ戦への眼差し
蹴球よもやま話
アルメニアの英雄ムヒタリアン
ドーム・クニーギ
中村逸郎著
『シベリア最深紀行 ―知られざる大地への七つの旅』
業界トピックス
2016年3月の動き
現地企業と共にロシアで塗料を展開する
通関統計
2016年1〜2月の輸出入通関実績
記者の「取写選択」
氷海の“海賊”


イベント・レポート
「日ロ貿易・産業対話」開催される

 2016年2月29日〜3月1日、マントゥロフ・ロシア産業・商業大臣が来日し、ロシア産業・商業省、(一社)ロシアNIS貿易会(ROTOBO)、(独)日本貿易振興機構(JETRO)、経団連の共催で、東京において「日ロ貿易・産業対話」が開催されました。
 最初に行われた4分科会では、「日ロ間における共同プロジェクト:新たな機会と展望」、「製造分野におけるイノベーション:日本企業の経験」、「医療・製薬分野における協力」、「インフラ近代化分野における日ロ協力」というテーマで日本とロシア両国代表から報告が行われました。後半の全体会合では、冒頭にマントゥロフ大臣が出席し、開会挨拶と併せてロシアの産業政策の現状について報告が行われ、今後の日ロの新たな協力分野の可能性について期待が表明されました。続いて「協力における優先課題」をテーマとしたパネルディスカッションが行われ、日ロ協力の発展に向けて活発な議論が展開されました。本会議は日ロ両国の官民代表約600名が参加し、盛況に終えることができました。
 以下、日ロ貿易・産業対話の概要についてご報告致します。なお、紙幅の関係から3月1日に開催されたロシア工業団地協会特別分科会「ロシアにおける日本企業の生産現地化:新たなトレンドと諸制度」については本稿では割愛させていただいております。(中居孝文・中馬瑞貴・長谷直哉)


調査レポート
2015年のロシアの石油ガス産業
―色濃い油価急落の影響―

ロシアNIS経済研究所 嘱託研究員
坂口泉

 2011年から2014年までロシアの主要油種であるUralsの平均価格はバレル100ドル前後の水準で推移していたが、2014年秋ごろから急落し始め、2015年の平均値は前年のほぼ半分のバレル51ドルとなった。本稿では、油価の低迷が日本との関係が深いロシアの石油ガス会社やプロジェクトにどのような影響を及ぼしたのかという点などに留意しながら2015年のロシアの石油ガス分野を回顧する。さらに、それと同時に、その中で垣間見えてくる石油ガス分野の近未来像についても言及したい。


調査レポート
縮小するロシア経済: 2015年マクロ実績の分析

北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター センター長
田畑伸一郎

 2014年には辛うじてプラス成長に留まったロシア経済であるが、油価がほぼ半減した2015年は3.7%のマイナス成長となった。ロシア経済が石油・ガスに依存することを想起するならば、油価が半減した際にマイナス成長となることは、驚くに値しない。ロシア経済の石油・ガス依存が続く限り、むしろこれはノーマルな現象であると見なすべきであろう。経済が大きく縮小した2009年と比べた場合の2015年の特徴は、家計消費が投資以上に大幅に減少したことである。家計を中心とする需要の減退が経済全体を覆っている状況である。油価の下落はルーブル・レートの大幅な下落をもたらし、それが12.9%という高いインフレをもたらした。この高インフレも、需要減退の一因となっている。継続されている経済制裁は、投資の減少には間接的に影響したと考えられるが、GDP縮小の大半は油価の下落で説明されよう。一方、対外経済関係においては、輸出入が大きく縮小したことに加えて、経済制裁の影響で外国との資本取引が大幅に縮小し、国際収支表の様相はこれまでと一変した。財政については、石油・ガス収入の減少により、一般政府予算の赤字が対GDP比3.5%となったが、予備基金の取崩しによるやりくりが続けられている。


ビジネス最前線
日本発の国際カードブランドをロシアへ

JCB International Eurasia LLC
社長 末次崇さん

 JCBは、日本発の国際カードブランドとして、1981年以来、積極的な海外展開を図っています。ロシアでは、2014年1月に現地法人JCB International Eurasia LLCを立ち上げ、ロシアでJCBブランドを普及するため、カードの発行母体となる銀行との提携を着実に進めています。今回は、JCB International Eurasia LLCの末次崇社長に、同社のロシアでの事業内容やロシアのペイメントカード市場の状況などについてお話しをお聞きしました。(中居孝文)


データバンク
2015年の日ロ貿易
―ロシアの経済危機に翻弄された1年―

 例年どおり、日本財務省の貿易統計にもとづいて、2015年の日本とロシアの貿易に関し、データをとりまとめて紹介する。当会ではすでに、『ロシアNIS経済速報』2016年2月5日号(No.1684)において、2015年の日ロ貿易を速報値で紹介済みだが、本レポートでは確定値を掲載する。(服部倫卓)


講演録
ロシアの石油ガス産業:発展の現状と展望

エネルギー・金融研究所 副所長
A.ベロゴリエフ

 ロシアNIS貿易会では、経済産業省の補助を受け、ロシアよりエネルギー・金融研究所のA.ベロゴリエフ副所長を日本に招へいし、2016年2月2日、3日にそれぞれ東京と新潟で「日露石油ガス交流セミナー」を開催した。ベロゴリエフ氏は「ロシアの石油ガス産業:発展の現状と展望」というテーマでロシアの石油ガス分野の最新事情、昨今の経済情勢を踏まえた同分野の中長期的展望、さらに日ロ協力の可能性について報告した。以下では2日間のセミナーの内容をご紹介する。


講演録
ロシア経済危機下の極東経済

ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所
所長 P.ミナキル
副所長 A.ゴリュノフ

 ロシアNIS貿易会では2月24、25、26日に、東京、富山、京都において、ロシアを代表するエコノミストで、ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所所長のパーヴェル・ミナキル氏と、同研究所副所長で極東の交通インフラ問題に詳しいアレクサンドル・ゴリュノフ氏を講師に招き、「ロシア極東経済セミナー」と題する講演会を開催した。
 ミナキル氏より「ロシア極東経済と新極東政策の行方」と題し、ロシア専門家の視点から極東経済の現状と展望、プーチン政権の新極東政策の行方について、またゴリュノフ氏からは、極東の交通インフラ整備と中国の新シルクロード経済圏構想のロシア極東への影響についてそれぞれ報告がなされた。以下ではその内容を抜粋してご紹介する。


モスクワ便り
在ロ米国商工会議所:制裁応酬下の舵取り

 現在、ロシアには、エクソンモービルやシェブロン、アップルやGE、フォードといった名だたる会社ほか多数の米国企業が事務所を構えている。ロシアにおいて、これら米国企業の利益を代表する団体として活動しているのが、在ロ米国商工会議所である。同会議所は会員数こそ欧州ビジネス協会(AEB)や独ロ通商会議所に及ばないものの、天下の米国の団体ということもあってメディアでの注目度も高く、存在感の大きな組織である。クリミア・ウクライナ問題の発生以降、対ロ経済制裁を主導する米国と、反米感情を露にするロシアの間に挟まれて在ロ米国商工会議所は難しい舵取りを強いられている。本号では、その組織と活動、経済制裁への対応をご紹介したい。(中居孝文)


産業・技術トレンド
自動車部品現地調達に本当に合理性はあるか

 ロシアでは以前から自動車部品の現地調達が困難であることが問題とされており、前々回は、どのような品目をロシアで生産することができないのかを紹介した。品目が十分特定されていないことが問題の解決を妨げているとの考えでまとめたものだが、現地調達ができなかった理由はこれだけではない。むしろ品目の特定は問題解決の最初の一歩に過ぎず、特定された部品毎にロシアでの生産が困難な個別の事情が存在する。この個別の事情を一つ一つ潰さなければ、結局、現地調達はうまくいかないし、問題を解決しないままに設備投資などしてしまえば巨額の損失を発生させるリスクもある。自動車部品は数量が多く動く金額も大きいため、設備投資による売上増が期待できる設備メーカーを中心にロシアにおける現地調達の推進の期待が多い。一方、設備投資をする部品サプライヤーにとっては、失敗した場合に設備投資を損失として被ることになるため危険も大きい。これは、日本企業が進出する場合でも、ロシアの部品サプライヤーの場合でも程度の差こそあれ同じである。失敗とは具体的には利益の出る価格で十分な数の納入ができないことだが、ロシアで生産することの合理性が存在しない場合、無理やり作りはじめてもすぐにそのような状態に陥ることは明らかである。今回は、そもそも自動車部品現調化の合理性そのものがない品目も多いのではないかという疑問を提起してみたい。(渡邊光太郎)


自動車産業時評
景気悪化に直撃されたロシアの商用車市場

 ロシアの調査会社「ASMホールディング」より、2015年のロシアの商用車(トラック、バス、小型商用車)の生産、販売、輸入に関するデータを入手することができましたので、今回は、それらのデータをもとに2015年のロシアの商用車市場の状況をご紹介することにします。(坂口泉)


ロジスティクス・ナビ
ロシア極東港湾の明と暗

 先月号で2015年のロシア全国の港湾動態を紹介したのに続き、今月号では日本の対岸に位置するロシア極東港湾の動向を紹介します。(辻久子)


デジタルITラボ
ロシアのネットバンキング事情

 ロシアのシンクタンク、Markswebb Rank & Report社が2015年4月に発表した調査結果によると、ロシア国内主要都市に居住するネットバンキングユーザー数は、2014年に同社が実施した同様の調査と比べ、51%増となった。(大渡 耕三)


地域クローズアップ
二大都市の中継点トヴェリ州

 モスクワ市を中心に比較的小さい面積の中にたくさんの人口が密集するイメージのある中央連邦管区の中で最大の面積を誇るのが今回紹介するトヴェリ州だ。トヴェリ州は、モスクワの北西に位置し、ロシアの母なる大河ヴォルガ川の源流がある。モスクワ(167km)とサンクトペテルブルグ(485km)を結ぶ鉄道および高速道路(M10)が通過する国内の主要輸送路の中継地であるトヴェリ州は、半径250km圏(モスクワ市含む)に人口が1,800万人、サンクトペテルブルグを含む半径500km圏に広げると人口3,600万人と巨大な市場を見込むことのできる地理的位置にあり、恵まれた投資環境を持つ。
 トヴェリ州には、2014年8月から日立建機の工場が稼動し、現地で中型油圧ショベルを生産しているため、日本でも知られつつある地名となりつつある。しかし、他の連邦構成主体同様、モスクワ市を中心とする大都市圏の一部として単独での存在感は霞みがちである。
 そこで、本稿では、大都市圏に隣接し、交通の便が極めてよいといえるトヴェリ州について、経済・産業分野を中心似紹介してみようと思う。(中馬瑞貴)


研究所長随想
カトリック教会と東方正教会の歴史的和解

 ローマ法王フランシスコ(79)とロシア正教会キリル総主教(69)との世紀の会談は、2月12日キューバの首都ハバナ空港の旧ターミナルにある貴賓室で行われた。会見場所となった貴賓室では、フランシスコ法王とキリル総主教は、それぞれ別の入口より同時に入り、部屋の中央に歩み寄ると「おお兄弟」と呼び合って近づき固く抱擁した。2人が相対した時間は予定を越えて約2時間に及んだ。その後、キューバのラウル・カストロ国家会議議長が入って、共同メッセージの署名式が行われた。共同メッセージは13ページに及んだと言われている。(遠藤寿一)


ウクライナ情報交差点
2015年のウクライナの鉱工業生産

 2015年もウクライナの鉱工業生産の落ち込みは続き、2014年の10%減から、2015年の13.4%減へとマイナス幅が広がった。今回は、ウクライナ統計局の発表データにもとづき、2015年のウクライナの鉱工業生産統計を整理しておく。鉱工業部門別の生産指数、地域別の生産指数、主要品目の生産量を図表にまとめてお届けする。


中央アジア情報バザール
中央アジアに世界中が熱い視線!?

 2016年3月14日、経済誌「エクスペルト・カザフスタン」は「レゴ遊び:周辺および地域大国が中央アジアを独自の型にはめようとしている」と題した記事を掲載した。背景には、日本の安倍総理を含め、世界の主要国首脳および政府高官が相次いで中央アジアを訪問し、各国が積極的にこの地域に関心を拡大していることがある。
 従来、中央アジアはロシアの「裏庭」として、その影響下にある地域とみなされ、独立以来、欧米諸国はロシアの顔色を伺いながら、限定的な関係構築にとどまっていた。しかし、1990年代後半に上海ファイブの枠組みで中国がこの地域との国境画定や安全保障協力への関心を強め、最近ではエネルギーや経済分野に関心を拡大している。そのため、中央アジアはロシアと中国の影響力争いの舞台として描かれることが増えた。昨今でも、ロシアはユーラシア経済連合、中国はシルクロード経済圏の枠組みで中央アジアに積極的に関与している。こうした2つの地域大国の動きについて域外の主要国も黙ってはいられないとの勢いで中央アジアに熱い視線を送る。
 そこで、今月は前述の「エクスペルト・カザフスタン」の記事を中心に、最近の世界各国の中央アジア地域にとの関係についてまとめてみたい。(中馬瑞貴)


駐在員のロシア語
自己紹介

 今号よりコラム「駐在員のロシア語」の連載を私、新井滋が担当することになった。調査月報には初登場ではなく、以前ロシアの放送事情や労務問題について拙文を寄稿したことがある。本コラムでは想定主人公をロシア語圏に赴任した駐在員とした。筆者が連続23年のモスクワ駐在でロシア語漬けの日々を送ったなかで学ばせてもらったこと、仕事には無駄かもしれないが面白い話等を読者と共有したいという思いからだ。駐在員の関心は仕事だけに限定されない。ビジネスパーソンだけでなく生活者として遭遇するであろう事象・事柄について筆者の経験を交え、ロシア語での表現をご紹介させていただきたい。また筆者はメーカー勤務前にソ連との文化交流事業に関わった経験もあり、文化や歴史にも触れてみたい。ロシア語をやっていない方には読み物として、あるいはロシア語を始めるきっかけになれば、既にロシア語に親しんでいる方には何がしか参考になることがあればと思う。さらに駐在員のみならず、居場所を問わず、ロシア語圏のビジネスに関わっている、そして関心をもっているすべての方に何か役に立つことが書ければ幸いである。それではまず専門職としての駐在員?になるまでの経歴をロシア語交じり文でご紹介したい。(新井滋)


データの迷い道
ロシアの統計と季節性

 筆者は定年まで残り1年を切った。最後に何か残るものをと考え、連載ものを執筆しようと考えた次第である。統計やデータなどについて、自由に思うところを書いていきたいと考えている。タイトルの「迷い道」の趣旨は、統計やデータについての疑問やもやもやしたところを提示することが多くなるということと、それを誰かに解消してくれることを期待してということもある。
 構成としては、基本的な統計データの紹介をしながら、ひとつのテーマを取り上げるということにしたい。今回はロシアの統計データの季節性の話である。(高橋浩)


シネマ見比べ隊!!
独ソ戦への眼差し
『炎628』VS『遥かなる勝利へ』

 昨年5月のこのコーナーでも、ロシアの対独戦勝記念日(5月9日)に因んで2本の戦争映画をご紹介しました。フルシチョフの「雪解け」の時代に制作、公開された『鶴は翔んでゆく』(ミハイル・カラトーゾフ監督/1957)と『僕の村は戦場だった』(アンドレイ・タルコフスキー監督/1962)です。女性や子供といった弱者の立場から、戦争が国民から奪ったものの大きさを描き出し、いずれも戦争を批判する眼差しを打ち出した作品でした。
 このたびは、戦争批判を打ち出したなどという括りではもはや語ることのできない、さながら私たち観る者までもが敵軍に占領された村に居合わせて戦争の恐怖を共有しているかの錯覚を覚えるドキュメンタリー・タッチの傑作『炎628』(1985)、そして、現代ロシアの時代より、さらに新たな観点を加えつつ独ソ戦を背景として描出した『遥かなる勝利へ』(2011)をご紹介したいのです。ネタばれについては、いつものごとく、ご容赦ください。まずは、戦勝記念40周年に寄せて制作され、ゴルバチョフの登場によりソ連に変革がもたらされようという時機を待っていたかのように公開された『炎628』から。(佐藤千登勢)


蹴球よもやま話
アルメニアの英雄ムヒタリアン

 2015年9月に現地調査でアルメニアの首都エレヴァンを訪問した際に、面談相手がサッカーの試合に連れて行ってくれた。私の滞在時に、ユーロ(欧州選手権)2016の出場をかけた予選の一戦、アルメニアVSデンマーク戦があり、それを一緒に観に行こうと誘ってくれたのである。(服部倫卓)


記者の「取写選択」
氷海の“海賊”

 「ロシア当局からひどい扱いを受けたことはなかったね」。彼はそう振り返るが、百戦錬磨の猛者ゆえ、普通の人より心が広いのかも知れない。
 今年3月下旬、横浜に1隻の帆船が入港した。環境保護団体グリーンピースの「虹の戦士(Rainbow Warrior)」だ。1985年、南太平洋でのフランスの核実験に対する抗議に向かう際、ニュージーランドで仏軍特殊部隊に爆破された同名の船の後継船である。船長は当時も今も米国人のピーター・ウィルコックス。冒頭の発言は、横浜で彼が私に語ったものだ。(小熊宏尚)