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ロシアNIS調査月報2017年4月号特集◆激変する国際情勢の |
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特集◆激変する国際情勢の中のロシア |
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講演録 |
プーチン・ロシアと日ロ関係 |
講演録 |
ロシアの東方シフトと極東情勢 |
データバンク |
図表で見るユーラシア経済連合 |
INSIDE RUSSIA |
ロシア対外政策コンセプトに見る対欧米関係 |
エネルギー産業の話題 |
ロシア石油ガス部門に進出するアジア系企業 |
報告 |
ロシアNIS貿易会創立50周年 |
調査レポート |
2016年のロシア乗用車市場の総括 ―見え始めた底打ちの兆し― |
ビジネス最前線 |
ロシアにおけるカイゼン活動の普及 |
連載レポート |
ロシアにおける税務紛争の概要(最終回) |
研究所長随想 |
初期の日ソ貿易から継続してきた貴金属の輸入 ―日ソ貿易外史(14)― |
ウクライナ情報交差点 |
ようやく上向いたウクライナの鉱工業生産 |
中央アジア情報バザール |
カザフスタンの50大民間企業 |
モスクワ便り |
モスクワ・ジャパンクラブの活動と課題(1) |
ロシア極東羅針盤 |
日ロ経済はどう動く |
地域クローズアップ |
ロシアで統一地方選挙前に5地域の首長交代 |
ロジスティクス・ナビ |
バルク貨物とコンテナ2016 |
データの迷い道 |
注目度アップのロシア農業 |
駐在員のロシア語 |
従業員の採用手続き |
シネマ見比べ隊!! |
エイプリルフールに因んで |
蹴球よもやま話 |
10年かかったサンクトペテルブルグのスタジアム |
業界トピックス |
2017年2月の動き |
通関統計 |
2017年1月の輸出入通関実績 |
記者の「取写選択」 |
桃色の髪のジェーブシカ |
講演録
プーチン・ロシアと日ロ関係
法政大学法学部 教授
下斗米伸夫
一般社団法人 ロシアNIS貿易会は、2017年1月16日をもって、設立から50周年の節目を迎えました。それを記念して、法政大学法学部の下斗米伸夫教授をお招きし、2月2日に東京の如水会館において「プーチン・ロシアと日ロ関係」と題する記念講演会を開催いたしました。以下、講演録をお届けいたします。 (編集部)
講演録
ロシアの東方シフトと極東情勢
静岡県立大学国際関係学部 准教授
堀内賢志
ロシアNIS貿易会では1月27日に当会会議室において、「ロシアの東方シフトと極東情勢」と題する報告会を開催しました。北東アジアの国際関係とロシア極東情勢にお詳しい静岡県立大学の堀内賢志准教授を講師にお招きし、標記テーマにつきご講演をいただいたものです。以下、講演録をお届けします。(編集部)
データバンク
図表で見るユーラシア経済連合
本コーナーでは、ロシアを中心とする5ヵ国によって形成されている「ユーラシア経済連合」に着目し、その概要を図表によって示すことにする。データの出所は主に、ユーラシア経済委員会編『2016年版数字で見るユーラシア経済連合統計年鑑』で、ユーラシア経済委HP掲載情報などからもデータを補っている。
ユーラシア経済連合には、2017年3月現在で、ロシア・ベラルーシ・カザフスタン・キルギス・アルメニアの5ヵ国が加盟している。それを地図で示したのが図表1であり、連合全体と各加盟国の基礎データをまとめたのが図表3である。ただ、図表7に見るように、ユーラシア経済連合ではロシア1国の存在感があまりに突出している。図表8、9に見るように、域内貿易比率は必ずしも高くなく、思うような求心力を発揮できていない。
INSIDE RUSSIA
ロシア対外政策コンセプトに見る対欧米関係
2017年2月号の本コーナーでは、2016年11月30日付で承認された「ロシア連邦の対外政策コンセプト」という政策文書を取り上げ、その中でアジア・太平洋外交についてどのような方針が示されているのかを紹介した。今回はその続編として、「コンセプト」において対欧米関係に触れた箇所をチェックしてみることにする。(服部倫卓)
エネルギー産業の話題
ロシア石油ガス部門に進出するアジア系企業
ロシア政府が東方シフトの方針を打ち出していることや、国営石油会社「ロスネフチ」が中国への傾斜を強めていることなどもあり、最近、ロシアの石油ガス分野におけるアジア系企業のプレゼンスが顕著に強くなっています。そこで、今回は、アジア諸国の主要な石油ガス会社のロシアでの動きをご紹介することにします。(坂口泉)
報告
ロシアNIS貿易会創立50周年
一般社団法人 ロシアNIS貿易会(ROTOBO)の前身に当たるソ連東欧貿易会が1967年1月16日に設立されてから、ちょうど50年の節目を迎えました。ロシアNIS貿易会ではこれを記念して、2017年2月2日(木)東京・如水会館において、創立50周年記念講演会および平成29年新春懇親パーティを開催いたしました。下斗米伸夫法政大学教授による講演内容につきましては、今号冒頭掲載の講演録をご覧ください。
以下では、ロシアNIS貿易会の50年の歩みを、事業対象国の動きと合わせて年表形式でまとめた資料をお目にかけます。
調査レポート
2016年のロシア乗用車市場の総括
―見え始めた底打ちの兆し―
ロシアNIS経済研究所 嘱託研究員
坂口泉
本稿では、前年同様に不振が続いた2016年のロシア新車市場の概況に加え、2017年の市場の展望、新車市場の低価格セグメントにとって強力なライバルになりつつある中古車市場の状況、政府の自動車産業支援策、最近俄かに注目されているELAグロナスというシステム等についても言及する。
ビジネス最前線
ロシアにおけるカイゼン活動の普及
豊田エンジニアリング梶@代表取締役会長
堀切俊雄さん
豊田エンジニアリング鰍ヘトヨタ生産方式のようなトヨタの優れた仕組みをベースに企業の生産や経営の改善指導をするコンサルティング会社です。活動範囲は自動車産業や自動車部品産業に留まらず、ありとあらゆる分野に及びます。また、日本だけではなく、海外でのコンサルティングも行ない、ロシアでも活動をされています。豊田エンジニアリング椛纒\取締役会長の堀切俊雄さんに、ロシアでの改善指導やコンサルティングを通して見えてきたロシア企業の問題点や可能性についてお話しを伺いました。(渡邊光太郎)
連載レポート
ロシアにおける税務紛争の概要(最終回)
実地調査の結果出された税務当局の判断に合意できず、上級税務当局に異議を申し出たものの、判断が覆らなかった場合、裁判で税務当局の判断の取消しを求めることが考えられる。
2014年8月に裁判制度が改革され、現在、企業が税務当局を相手に裁判で争う場合、一般的には、下表の一番下の第一審から上にステップを踏んでいく。手続は、2002年7月24日付連邦法第95-ФЗ号商事訴訟法が定めている。企業の登記地がモスクワ市であれば、モスクワ市商事裁判所での第一審から始まる。表からは、5回も審理がありうるように思われるが、多くの訴訟は、第一審、控訴審、破毀審で終了する。第一審から破毀審まで、9〜12ヶ月ほどかかる。ただし、破毀審において、事件を差し戻して審理し直すという判断がされた場合、さらに時間がかかる。紛争額が200万ルーブル以上の場合、税務当局は争ってくる傾向にある。
(松嶋希会)
研究所長随想
初期の日ソ貿易から継続してきた貴金属の輸入
―日ソ貿易外史(14)―
混迷の中で明けた2017年も2月に入って、2016年の日ロ貿易統計の結果が報じられるようになり、輸出入合計では前年比21.5%減の数字が発表された。日本からの輸出は前年比減額してはいるが大きくはなく、それに比べ日本の輸入は前年比28.5%減であった。この背景には、日本の輸入の大宗を占める原油・LNGの国際市況が低迷している影響を受けていることも、要因の一つと考えられている。
このような時に、日経新聞のコラム欄にある記事が載っていた。(遠藤寿一)
ウクライナ情報交差点
ようやく上向いたウクライナの鉱工業生産
今回は、ウクライナ統計局の発表データにもとづき、2016年のウクライナの鉱工業生産統計を整理しておく。2016年には、ウクライナの鉱工業生産の落ち込みにようやく歯止めがかかり、プラスに転じた。鉱工業生産がプラスを記録したのは、実に5年振りのことである。 (服部倫卓)
中央アジア情報バザール
カザフスタンの50大民間企業
「Forbes Rating Kazakhstan」が2017年2月にカザフスタンの50大民間企業を発表した。ここでの「民間企業」とは、カザフスタン国民が50%以上の資本を保有し、政府および外国の法人および個人の保有率が50%以下の企業を指すと定義付けられている。同ランキングは各社の2015年の売上高で順位付けされているが、銀行、保険会社、投資会社といった金融系の機関が除外されている。
カザフスタンは中央アジアの中で最も経済発展が進み、企業活動も活発で、日本を含む世界各国が経済的に最も関心を集める国と言える。そのカザフスタンの国家経済の中心を担うのは国営企業であるが、最近では国を挙げて大規模な民営化も進められており、民間企業の育成に力を入れている。
(中馬瑞貴)
モスクワ便り
モスクワ・ジャパンクラブの活動と課題(1)
本コーナーでは、これまで欧州ビジネス協会(AEB)や在露米国商工会議所(AmCham)、在露ドイツ通商会議所といったロシアにおける各国の商工会組織の活動を紹介してきた。日本の場合、在ロシアの商工会組織は、モスクワ・ジャパンクラブがそれにあたる。そこで本コーナーでは、欧米の組織との比較を含めて、モスクワ・ジャパンクラブの活動と課題を2回に分けてとりあげる。(中居孝文)
ロシア極東羅針盤
日ロ経済はどう動く
2016年12月、日ロ両国は、首脳会談にあわせて、エネルギーや医療・保健、極東開発など8項目の協力プランに沿って、官民で80件の合意文書を交わした。政府間は12件、民間レベルは68件。投融資は3,000億円規模である。8項目別にみると、エネルギー開発23件、極東地域の産業振興と輸出基地化15件、先端技術14件、産業の多様化・生産性向上13件、医療協力6件となっている。 (齋藤大輔)
地域クローズアップ
ロシアで統一地方選挙前に5地域の首長交代
2017年2月、ロシアでは連邦構成主体の首長の交代が相次いだ。2017年に任期満了を迎えるペルミ地方、ブリヤート共和国、ノヴゴロド州、リャザン州、カレリア共和国の5リージョンで、現職首長が退任し、9月に予定されている選挙まで代行を務める人物がプーチン大統領によって任命された。今回の連載では、首長が交代となった5地域を取り上げて、新旧首長と各地域について紹介したいと思う。(中馬瑞貴)
ロジスティクス・ナビ
バルク貨物とコンテナ2016
先月号の当ページで速報値に基づきロシア港湾物流全体の傾向を紹介しました。今号は最新データによる港湾別輸送実績です。さらに変動の激しいコンテナ市場の動向を紹介します。(辻久子)
データの迷い道
注目度アップのロシア農業
ロシアの農業はソ連解体とともに、社会主義時代の国営農場のソホーズ、集団農場のコルホーズが解体、農業は疲弊し、なかなか復活しなかった。しかし、その後、穀物生産が伸びて、ソ連時代の一大穀物輸入国から、一転、一大穀物輸出国となるなど、発展の兆しがみられるようになり、農業の役割がクローズアップされつつある。(高橋浩)
駐在員のロシア語
従業員の採用手続き
9-10月号で How to recruit を紹介した。リクルートに成功したら、今度は採用手続きに入ることになる。通常ロシア人の人事担当者に全部任せることになろうが、駐在員も知っておきたいものだ。(新井滋)
シネマ見比べ隊!!
エイプリルフールに因んで
『フィンランド式残酷ショッピング・ツアー』VS『ゲーマーズ』
今や欧米を中心とした多くの国々で、新聞やTV、SNSなどを通じてあり得ないようなジョークや嘘の報道がなされ、エイプリルフールを楽しむようになりました。1509年のフランスに端を発するとされるこの慣習ですが、ロシアでは1703年のモスクワで大衆に向けた最初の四月馬鹿が実施されたそう。このたびご紹介したい作品、エイプリルフールを直接テーマにしているわけではないのですが、ストーリーの展開が、あり得ないようなブラックユーモア、ジョークのようで、かつ欺瞞や嘘に満ち満ちた世界を日常に溶け込ませながら描いているものです。まずは、『フィンランド式残酷ショッピング・ツアー』からご紹介しましょう。(佐藤千登勢)
蹴球よもやま話
10年かかったサンクトペテルブルグのスタジアム
ロシア・サンクトペテルブルグ市の消防当局は2月末、「サンクトペテルブルグ32の関連施設は、ほぼすべてが、2017年のFIFAコンフェデレーションズカップの受入準備を整えた」と発表した。コンフェデレーションズカップとは、サッカーのFIFAワールドカップの前哨戦として開催されるイベントで、ワールドカップの1年前に、その開催国に各大陸の王者が集いしのぎを削るプレ大会である。2017年大会は6月17日から7月2日にかけてロシアで開催され、モスクワ、サンクトペテルブルグ、ソチ、カザンの4都市4会場が舞台となる。サンクトペテルブルグの場合、問題は、最も重要な新スタジアムの設営作業が、まだすべて完了していないことだろう。ペテルブルグの新スタがまだお披露目されていないことに、驚かれる方も多いのではないか。なぜなら、同スタジアムの建設に向けては、10年も前から作業が進められてきたからである。(服部倫卓)
記者の「取写選択」
桃色の髪のジェーブシカ
カワイイ系、ゴージャス系にセクシー系。「日本文化」へのリスペクトだと称して、無国籍的な衣装やメークを披露するロシアのジェーブシカ(若い女性)たちを見ていると、ニッポンの文化とは一体なんなのか、よく分からなってくる。
そんな思いをよそに、モスクワの「ロシア・コスプレ全国大会」は毎年、1000人以上のマニアの熱気に包まれる。伝統芸能からサブカルチャーまで日本を多角的に紹介する日本大使館主催の「日本現代文化フェスティバル」の一環だが、あたかもメインイベントのように賑わっているのがコスプレ大会。参加者は日本アニメや漫画のキャラクターに扮し、出来栄えを競う。(小熊宏尚)