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ロシアNIS調査月報2018年12月号特集◆ROTOBO会長ミッション |
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特集◆ROTOBO会長ミッションとベラルーシ経済 |
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イベント・レポート |
ベラルーシ・ペテルブルグ経済ミッション報告 |
調査レポート |
エネルギー・電力から見るベラルーシ経済の特徴 |
調査レポート |
ベラルーシの通商・産業概論 ―東西架橋型加工貿易という戦略― |
ビジネス最前線 |
ベラルーシ・ロシアのレーザー・光化学技術を活用 |
特別寄稿 |
ベラルーシと日本のビジネスパートナーシップ |
シネマ見比べ隊!! |
ベラルーシをめぐる物語 |
ドーム・クニーギ |
ベラルーシを学ぶ書籍 |
調査レポート |
ロシア石油ガス化学分野の新プロジェクトの行方 |
ビジネス最前線 |
ロシアIT人材の来日就業を支援 |
データバンク |
2018年1〜9月の日ロ貿易 |
INSIDE RUSSIA |
ブリヤート共和国とザバイカル地方が極東転籍 |
地域クローズアップ |
統一地方選挙で注目を集めたハカス共和国 |
エネルギー産業の話題 |
ノヴァク発言の背後に潜む現実 |
自動車産業時評 |
2018年秋時点のロシア中古車市場 |
ロジスティクス・ナビ |
中ロ蜜月のユーラシア鉄道網 |
産業・技術トレンド |
ペルミ地方製造業の有力企業 |
ロシアメディア最新事情 |
日露メディアフォーラム初開催 |
中央アジア情報バザール |
タジキスタン大統領訪日 |
ウクライナ情報交差点 |
ウクライナの地名表記に関する雑記 |
デジタルITラボ |
ロシアのスタートアップイベント |
ロシアと日本・ 出会いの風景 |
ロシア人から見た日本観光のメリット |
ロシア音楽の世界 |
ヴィクトリア・ムローヴァ ヴァイオリンリサイタル |
駐在員のロシア語 |
数字に強くなろう |
ドーム・クニーギ |
加藤学著『ビジネスマン・プーチン ―見方を変えるロシア入門』 |
業界トピックス |
2018年10月の動き |
通関統計 |
2018年1〜9月の輸出入通関実績 |
ユーラシア珍百景 |
モスクワ地下鉄に誕生した「物語駅」 |
記者の「取写選択」 |
ロシアと欧州の境界線 |
イベント・レポート
ベラルーシ・ペテルブルグ経済ミッション報告
2018年10月2日〜7日、ロシアNIS貿易会は、ベラルーシ共和国とロシア連邦サンクトペテルブルグ市へ村山滋会長を団長とするROTOBO経済ミッションを派遣した。
ROTOBO経済ミッションは、当会対象国(ロシアNIS諸国及びモンゴル)の経済の実情や日本とのビジネス発展の可能性を実地に視察・確認するために、当会会長を団長として1〜2年に1回の頻度で実施するもので、これまでロシア各地(モスクワ、カルーガ、ヤロスラヴリ、ウラル、沿ヴォルガ、極東等)、ウクライナ、中央アジア諸国(カザフスタン、ウズベキスタン)、コーカサス諸国(アゼルバイジャン、ジョージア)へ派遣してきた。ベラルーシとサンクトペテルブルグへの派遣は、ROTOBO経済ミッションとしては今回が初めてとなる。
ROTOBOベラルーシ・ペテルブルグ経済ミッションには、村山滋会長(川崎重工業会長)、吉村利治副会長(双日副社長)、目黒祐志副会長(三井物産執行役員)、小杉俊行副会長代理(伊藤忠商事顧問)をはじめ商社、メーカー、銀行等から総勢24名が参加した。
ベラルーシでは、リャシェンコ副首相など同国の政府要人を表敬したほか、日本ベラルーシ・ビジネス対話を開催し、日本とベラルーシとの経済交流促進に向けて意見交換を行った。またサンクトペテルブルグでは、サンクトペテルブルグ工科大学とトヨタ自動車サンクトペテルブルグ工場を訪問し、視察を行った。以下では、今回の経済ミッションの結果概要を紹介することにしたい。(中居孝文)
調査レポート
エネルギー・電力から見るベラルーシ経済の特徴
在ベラルーシ大使館 専門調査員
友繁弥寿志
ベラルーシの経済にはどのような特徴があるのか。それを知るためのキーワードとして、本稿ではエネルギー、電力、電気に注目してみたい。これらのキーワードから、ベラルーシが隣国ロシアに経済的に大きく依存していること、ロシアに依存しつつも同国が進める統合への参加を見返りにしたたかな交渉を繰り広げていること、中国が積極的に進出していること、情報通信技術の分野で独自の発展を遂げていること等が見えてくる。
調査レポート
ベラルーシの通商・産業概論
―東西架橋型加工貿易という戦略―
ロシアNIS経済研究所 副所長
服部倫卓
旧ソ連の独立国家共同体(CIS)の領域、とりわけその西部においては、2000年代の後半から2010年代の前半にかけて、ロシアを中核にユーラシア統合を推進しようとする潮流と、欧州連合(EU)が近隣諸国を対象に推し進める政策に呼応して欧州統合への合流を目指そうとする潮流との間で軋轢が生じ、結果的にウクライナ危機という世界を揺るがす地政学的な危機に発展した。
本稿の対象であるベラルーシは、ユーラシア経済連合に加盟し、EUとは慎重に距離を置き続けている。ベラルーシは親ロシア的な国と位置付けられることが多く、ユーラシア統合への参加という同国の選択は、その一般的なイメージに合致している。
しかし、ベラルーシの通商と産業のありようをつぶさに観察すると、同国が決してロシア一辺倒でEUとは没交渉の国ではない現実が浮かび上がってくる。本稿では、ロシアと欧州の狭間でベラルーシがどのように立ち回っているのかという観点から、ベラルーシの通商と産業の実情に迫ってみたい。とりわけ、ベラルーシが「東西架橋型加工貿易」、すなわちロシア市場とEU市場を橋渡しするような形での加工貿易に従事していることに着目する。
ビジネス最前線
ベラルーシ・ロシアのレーザー・光化学技術を活用
鞄結档Cンスツルメンツ
河村賢一さん 川辺常孝さん
増田俊彦さん 栗林文雄さん
理科学機器輸入販売・製造販売を行う東京インスツルメンツは、旧ソ連崩壊直後の1990年代、ベラルーシに合弁企業を作りレーザー発振器の製造に着手しました。ベラルーシから、レーザー発振機のみならず、光化学分野で使われる分光器などの装置も日本に輸入しています。同社が1996年に設立したLOTIS TII社は、ベラルーシにおける日系合弁企業の第1号であり、優良な部品サプライヤーです。ベラルーシでは外資系企業の合弁の成功例として、高く評価されています。今回は、東京インスツルメンツの河村さん、川辺さん、増田さん、栗林さんに東京インスツルメンツのベラルーシとの合弁企業やロシアでのビジネスについて、お話を伺いました。(渡邊光太郎)
特別寄稿
ベラルーシと日本のビジネスパートナーシップ
まずはじめに、ベラルーシの経済状況について少しお話したい。2018年1〜7月のベラルーシ経済成長率は前年同期比4.4%増であった。バランスのとれた財政政策と金融政策、適切な為替レート政策、そして、いくつもの構造的措置が経済成長を促した。全ての主要分野がプラス成長となっている。これまで通り、鉱工業(伸び率は7.5%、GDP成長に対する寄与率は1.8%)が主要な牽引役である。機械および設備、その他の加工製品、輸送機関、木材および紙製品、化学および医薬品の製造業が最も急速に成長した。(R.イエシン)
シネマ見比べ隊!!
ベラルーシをめぐる物語
『ナージャの村』VS『カリーナの林檎』
このたびは本誌の「ベラルーシ特集」に寄せて、この国をめぐる二つの作品を見比べてみたいのです。ヨーロッパ最後の独裁国家の異名をとる謎の多い国ベラルーシ。歴史的に見ても、中世よりリトアニア大公国、ポーランド、ロシア、ソ連の支配を受け、第2次世界大戦時にはナチス・ドイツ軍に占拠されて激戦区となり人口の25パーセントを失ったと言われます。そしてチェルノブイリ原発事故により甚大な被害を受けた地域でもあります。そのためか、この国をめぐる映画作品には戦争映画(『炎628』エレム・クリモフ監督、1985年、『ブレスト要塞大攻防戦』エヴゲニイ・アイジコヴィチ監督、2010年はお薦め)や原発事故の影響をテーマにしたものが強い印象を残します。このたびは、日本人の監督が現地で取材、撮影をおこなった二つの原発事故作品をご紹介しましょう。(佐藤千登勢)
ドーム・クニーギ
ベラルーシを学ぶ書籍
「ドーム・クニーギ」のコーナーでは、注目の新刊を1冊取り上げてレビューするのが通例だが、今回はベラルーシ特集に合わせて、本邦で出版されたベラルーシ関連の書籍を一気に紹介する。筆者自身の著作を宣伝する色合いが強くなってしまうが、ご容赦を。(服部倫卓)
調査レポート
ロシア石油ガス化学分野の新プロジェクトの行方
ロシアNIS経済研究所 嘱託研究員
坂口泉
輸入代替の促進、あるいは、原材料の生産から高付加価値製品の生産へのシフトを標榜するロシアにとって石油ガス化学分野は非常に重要な意味を持つ。そのような事情もあり、ロシアの石油ガス化学分野では今、複数の大規模プロジェクトが動き始めているが、全般的に苦戦を強いられているとの印象が強い。いずれも極東地方のプロジェクトであるが、アムール州で進められているガス精製工場建設プロジェクトとガス化学工場建設プロジェクト、沿海地方でロスネフチが取り組んでいる東部石油化学会社建設プロジェクトなどがその典型であろう。
本稿では、合成樹脂部門を中心にロシアの石油ガス化学分野の現状をご紹介した後に、現在、同分野で浮上しているいくつかの新プロジェクトを取り上げ、その実現性等についての考察を試みる。
ビジネス最前線
ロシアIT人材の来日就業を支援
TalentEx Pte.Ltd. CEO
越陽二カさん
今夏タタルスタン共和国のカザン市で、越(こし)陽二カCEO(34)率いる人材ビジネス企業TalentEx Pte.Ltd.の現地法人が立ち上がりました。同社はシンガポールに本社を置きながら、主にタイ・バンコクで事業を展開してきたベンチャー企業です。東南アジアからロシアに進出してどんなビジネスをやっていくのか、越CEOにお聞きしました。(吉村慎司)
INSIDE RUSSIA
ブリヤート共和国とザバイカル地方が極東転籍
このコーナーは基本的に前の月のロシアの動きを整理した上で、その中からトピックを取り上げることを旨としているのだが、今回は11月に入って早々に重要な動きがあったので、早速その話題をピックアップすることにしよう。11月3日にプーチン大統領が署名した大統領令により、これまでシベリア連邦管区に属していたブリヤート共和国とザバイカル地方が、極東連邦管区へと所属替えになったものである。(服部倫卓)
地域クローズアップ
統一地方選挙で注目を集めたハカス共和国
2018年9月に行われた統一地方選挙で決選投票へともつれ込んだ地域の1つ、ハカス共和国。極東の有力地域である沿海地方やハバロフスク地方と比べると、聞き慣れない地域なせいか、あまり注目されていない。しかし、候補者の出馬辞退によって決選投票が繰り返し延期され、最終的に候補者1名での決選投票が行われることになった。決選投票は単純多数決で当選者が確定するが、1人の場合には過半数を獲得しなければならない。過半数を獲得できなければ、沿海地方と同様に選挙のやり直しとなる。
11月11日に行われた投票の結果、大方の予想で当選は難しいだろうと思われていた単独候補のヴァレンチン・コノヴァロフ(共産党)が当選を果たした。首長選挙から約2カ月、政治的に揺れてきたハカス共和国について紹介する。(中馬瑞貴)
エネルギー産業の話題
ノヴァク発言の背後に潜む現実
2018年9月中旬のロシア政府閣僚会議において、ノヴァク・エネルギー大臣が、「ロシアの石油生産量は2021年に5億7,000万tというピークの数字を達成した後に減少に転じ、現在のような政策が続けば、2035年までに3億1,000万tにまで落ち込むであろう」という主旨の発言をしました。この発言には財務省に対する牽制のニュアンスも含まれているのですが、示された数字は決して荒唐無稽なものではありません。今回は、ロシアの複数の大手石油会社の生産の現状を参考に、その点について検証してみたいと思います。(坂口泉)
自動車産業時評
2018年秋時点のロシア中古車市場
ロシアの調査会社「Autostat」より、2018年1〜9月期のロシアの中古車市場の状況に関する情報を入手できましたので、今回は、同期の中古車市場の概況と、中古車のブランド・モデル別販売状況をご紹介します。その他、1〜8月期の数字となりますが、中古車市場におけるセグメント別、地域別の販売状況などについてもご紹介します。(坂口泉)
ロジスティクス・ナビ
中ロ蜜月のユーラシア鉄道網
「一帯一路」のスローガンの下で驚異的発展を続ける中欧鉄道がシベリア鉄道と結合し、広大なユーラシア鉄道網を形成しつつあります。ソチで開催されたシベリア鉄道の国際会議の発表資料を用い、最近の動向を紹介します。(辻久子)
産業・技術トレンド
ペルミ地方製造業の有力企業
ウラル山脈の西側に位置するペルミは、地質時代“ペルム紀”の語源になった都市であるが、現在では、ロシアの中でも有力な工業都市である。今回はその代表企業の3社を紹介する。(渡邊光太郎)
ロシアメディア最新事情
日露メディアフォーラム初開催
10月25日、マスコミ関係者を対象にした「日露メディアフォーラム」がモスクワで初めて開催され、私も参加しました。そもそもメディア界の日露交流はほとんどないので、このようなフォーラムが開催されたこと自体、驚きでした。フォーラム開催の発案はデジタル発展通信・マスコミ省のコンスタンチン・ノスコフ大臣で、今年の夏に当時の総務大臣だった野田聖子さんがロシアを初訪問したとき、「やりましょう」と提案していたのでした。(徳山あすか)
中央アジア情報バザール
タジキスタン大統領訪日
2018年10月3〜5日にかけて、タジキスタン共和国のエモマリ・ラフモン大統領が訪日した。日本滞在中、ラフモン大統領は天皇陛下や安倍総理大臣との会談、外務省と当会が共同で主催した企業関係者との昼食会、広島訪問などを行った。
ラフモン大統領はカザフスタンのナザルバエフ大統領やウズベキスタンのカリモフ前大統領と同様に、長期政権を築いている大統領である。両者に比べると若いラフモン大統領だが、日本滞在中に66歳の誕生日を迎えた。
(中馬瑞貴)
ウクライナ情報交差点
ウクライナの地名表記に関する雑記
手前味噌で恐縮だが、このほど服部倫卓・原田義也(編著)『ウクライナを知るための65章(エリア・スタディーズ169)』(明石書店、2018年)が刊行された。古代から現代まで、また文化から政治・経済まで、ウクライナのすべてを網羅した入門書は本邦初であり、2,000円+税とお手頃なので、ぜひご利用いただければ幸いである。
ところで、筆者はこれまでもウクライナの固有名詞(地名・人名)を表記する際に、ロシア語ではなくウクライナ語読みでカタカナ化する原則をとってきた。ただし、その際に、ウクライナ語の綴りを多分に機械的にカタカナに変換するという翻字的な方式をとってきた。しかし、今回『ウクライナを知るための65章』を編集するに当たって、言語学に明るい共編者の原田義也さんと協議を重ね、より柔軟で日本の読者も受け入れやすいカタカナ読みを採用することとした。この機会に、筆者自身も今後は、本月報等においてウクライナ情報を発信する際に、今回『ウクライナを知るための65章』で用いた柔軟な地名表記を踏襲することにしたい。(服部倫卓)
デジタルITラボ
ロシアのスタートアップイベント
先日、モスクワ郊外にあり、ロシアのイノベーションの中心地であるスコルコヴォにて、スタートアップ関係の大きなイベントに参加してきた。イベントの名前を「オープンイノベーション」という。毎年秋にスコルコヴォにて行われているイベントだが、今年は日本企業も多く参加した。また、同じ敷地内でロ中イノベーション投資フォーラムが開催されていたこともあり、多くの中国人がロシアのスタートアップに関心を寄せていた。
現在、ヨーロッパ諸国をはじめとして、多くの国がロシアのスタートアップ、イノベーションプロジェクトに関心を寄せている。関連イベントには、世界中から多くの企業関係者や投資家が訪れている。今回は、ロシアの主要なスタートアップ・イノベーション関連のイベントをご紹介する。(牧野寛)
ロシアと日本・出会いの風景
ロシア人から見た日本観光のメリット
日本国内旅行が大好きだ。個人的なことで申し訳ないが、多くの友人や仕事の同僚の皆さんがよくご存じのとおり、ここ10年近く日本国内旅行が私の最大の趣味となった。47の都道府県をすべて歩き回ったが、行けば行くほどさらに行きたくなって日本の隅の隅をさらに深く分け入って行こうとしている。そして、ロシア語ながら、自分のホームページを作って日本の観光資源についての情報を発信したり、日本の地方ごと、テーマごとのエッセイと写真を掲載していて、それで儲けているわけではないが、一定のPR活動はしている。(D.ヴォロンツォフ)
ロシア音楽の世界
ヴィクトリア・ムローヴァ ヴァイオリンリサイタル
本年から来年2019年にかけて、「日本におけるロシア年」、「ロシアにおける日本年」が始まっています。ただ、それとは全く関係なく、ロシア音楽、ロシアの芸術家たちに半世紀以上も熱愛・陶酔してきたのが、音楽ジャーナリスト、ヒロ・ミヒャエル小倉氏です。小誌では今号から、同氏による音楽評をお届けいたします。
ヒロ・ミヒャエル小倉氏は、昨年2017年3月には、英国在住時代から旧知である、巨匠ヴァレリー・ゲルギエフ氏と交渉の上、マリインスキー劇場極東ステージを無償で借りて、極東国立芸術大学・大ホールでのレクチャーコンサートも含めた、「日露文化交流コンサート」2公演のツアーを企画・運営した音楽プロデューサーでもいらっしゃいます。ウィーン、ロンドン在住時代からフルーティストとしても活動し、昨年のウラジオストク公演では、日露両国の作曲家、ラフマニノフと宮城道雄の作品を自ら吹いて出演しておられます。(編集部)
駐在員のロシア語
数字に強くなろう
概して、ある程度大人になってから学び始めた外国語で数を数える、あるいはネイティブが言う数を聞き取るのは難しいような気がする。みなさんはどうであろうか? 私は大学に入ってロシア語を始めて以来、かれこれ40年もロシア語に接しない日はない生活を送ってきたにもかかわらず、電話番号や住所の番地、アパートの番号をロシア人から聞き取る時には未だに緊張する始末だ。(新井滋)
ユーラシア珍百景
モスクワ地下鉄に誕生した「物語駅」
筆者は8月の下旬にモスクワに滞在していたのだが、テレビのニュースで「本日、モスクワ地下鉄のソンツェフスカヤ線で、新しい駅が一気に7つも誕生」という話題が伝えられていた。翌日、偶然にもその線に乗る機会があったので、少し足を伸ばして、新しく出来た駅を見に行くことにした。(服部倫卓)
記者の「取写選択」
ロシアと欧州の境界線
銃を抱えた兵士がにらみ合い、周囲に緊張が漂う―。欧州連合(EU)及び北大西洋条約機構(NATO)とロシアの境界にあるエストニアの小都市、ナルヴァ。2017年秋に現地を訪れるまでは、多分そんな雰囲気だろうと思い込んでいた。
この町とロシア・レニングラード州イヴァンゴロドを隔てる国境の川は幅100m程度。両岸では胴長姿の男たちが水に入って釣り糸を垂らす。釣り人に扮して国家的任務を遂行する者が混じっている可能性はあるものの、軍服も銃も見えず、一見のどかな風景が広がっていた。(小熊宏尚)