ロシアNIS調査月報
2020年1月号
特集◆ROTOBOが切り開く
ロシアの新ビジネス
 
特集◆ROTOBOが切り開くロシアの新ビジネス
イベント・レポート
オープンイノベーションフォーラム2019
イベント・レポート
ビューティー・フェア・ジャパンを開催
イベント・レポート
日ロ医療セミナーinモスクワ・ウファ
イベント・レポート
日ロピッチセッション@CEATEC
イベント・レポート
ヤロスラヴリ州投資プレゼンテーション
特別寄稿
ロシア産業発展基金の挑戦
―産業プロジェクトへの国家支援―
ミニ・レポート
ノヴォシビルスクとオムスクにデジタルミッション
ミニ・レポート
ロシアのパルプモウルド・メーカーを指導してみて

調査レポート
ロシア商用車市場でいかに商機を見出すか
データバンク
2019年版ロシア大企業ランキング
INSIDE RUSSIA
ユーラシア統合と一帯一路の「結合」は後退
ロシア極東羅針盤
観光ブームに沸くウラジオストク
地域クローズアップ
安定した発展を続けるネネツ自治管区
エネルギー産業の話題
動き出す「シベリアの力」
ロジスティクス・ナビ
日ロ間コンテナ流動の実態
中央アジア情報バザール
中央アジアの貿易最新事情
ウクライナ情報交差点
深まるウクライナの出稼ぎ依存
ドーム・クニーギ
小泉悠著『「帝国」ロシアの地政学
―「勢力圏」で読むユーラシア戦略』
ロシア音楽の世界
ストラヴィンスキー・バレエ音楽「春の祭典」
ロシアメディア最新事情
進化するロシアのフードデリバリー
デジタルITラボ
ロシアにおける人材採用とテクノロジー
ロシアと日本・
出会いの風景
ロシアと日本ではゴミの文化が違う
駐在員のロシア語
雑談力2 ―皇室の話題
業界トピックス
2019年11月の動き
通関統計
2019年1〜10月の輸出入通関実績
おいしい生活
サハのフローズンサラダ「インディギルカ」
記者の「取写選択」
社会主義の飴紙


イベント・レポート
オープンイノベーションフォーラム

 2019 2019年10月21日(月)〜23日(水)の日程でロシア連邦・モスクワ市郊外のスコルコヴォ・テクノパークにて、オープンイノベーションフォーラム2019が開催された。このオープンイノベーションフォーラムは、メドヴェージェフ・ロシア連邦首相が参加、また直接指揮する会議であり、ロシアのデジタル部門に関する最先端のトレンドに即して650以上のビジネスセッションが開催された他、ロシアのスタートアップや大手企業の取組みを多数の展示も実施された。当会は、経済産業省、総務省、IoT推進コンソーシアムの支援の下、本フォーラムに企業・団体パートナー(ジェネラルパートナー)として参画した。以下、オープンイノベーションフォーラム2019の枠内で実施した日本関連のビジネスプログラム、また代表団が参加したその他プログラムについて、報告する。(長谷直哉)


イベント・レポート
ビューティー・フェア・ジャパンを開催

 経済産業省の補助を受け、日本の化粧品・美容関連製品の海外販路開拓・拡大に資することを目的に「ビューティー・フェア・ジャパン(以下BFJ)」を2019年10月にロシアで実施した。モスクワで毎年開催されているロシア最大の美容展示会「インターチャーム秋」にジャパンブースを出展したほか、モスクワとサンクトペテルブルグで化粧品市場視察を実施した。インターチャームのジャパンブースには 16社が参加し、市場視察はモスクワが18名、サンクトペテルブルグが10名の参加であった。(斉藤いづみ)


イベント・レポート
日ロ医療セミナーinモスクワ・ウファ

 ロシアNIS貿易会は2019年11月10日(日)〜15日(金)の日程で日本の医療関係者から成るミッションをロシアへ派遣し、モスクワおよびウファ(バシコルトスタン共和国)にて日ロ医療セミナーを開催した。
 今回は「循環器」と「がん放射線医療」をセミナーのテーマとし、日本の医師や放射線技師、医療機器メーカーの関係者らが講師として登壇、我が国における症例と医療検査・治療技術を紹介した。また今回の訪ロの機会を利用して、現地の医療機関の現状・実態を把握すべく、モスクワでは国立循環器センターを、ウファではバシコルトスタン共和国循環器センターおよびがん予防診療センターをそれぞれ視察した。そこで本稿では、日ロ医療セミナーの概要と医療機関の訪問・視察の様子についてレポートする。(大内悠)


イベント・レポート
日ロピッチセッション@CEATEC

 2019年10月15日〜18日、千葉・幕張メッセにてCEATEC2019が開催された。CEATECは、IT・エレクトロニクス関連の企業・団体が最新技術や製品の発表及びデモンストレーションを行う国際展示会で、IT・エレクトロニクス分野の展示会としてはアジア最大の規模を誇る。
 ロシアNIS貿易会では、10月16日(水)、幕張メッセ内で今回訪日した11社のロシア・スタートアップ企業を対象とした「日ロピッチセッション@CEATEC:IT新興国ロシアのイノベーション企業」を開催し、ピッチセッション終了後にはロシア企業と日本企業とのビジネスマッチング(10件)を組織した。以下では、ロシア企業11社のプレゼン内容の抄訳を紹介したい。(中居孝文)


イベント・レポート
ヤロスラヴリ州投資プレゼンテーション

 2019年11月7日、ロシアNIS貿易会では、ロシア中央連邦管区のヤロスラヴリ州からミロノフ知事をトップとする代表団(同行した企業関係者を含めて総勢27名)が訪日したのを機に、東京都内にて「ヤロスラヴリ州投資プレゼンテーション」を開催した。同プレゼンテーションには、日ロ双方合わせて約80名が参加し、ヤロスラヴリ州側から同州のビジネス環境と投資ポテンシャルが紹介されたほか、同州に進出している日本企業(コマツ、武田薬品工業)から事例報告があった。また、プレゼンテーションの冒頭で当会とヤロスラヴリ州の協力覚書が調印された。プレゼンテーション終了後には、今回の訪日代表団に参加したヤロスラヴリ州企業と日本企業の間で16件の個別面談(ビジネスマッチング)も行われた。以下では、プレゼンテーションの概要を紹介することにしたい。(中居孝文)


特別寄稿
ロシア産業発展基金の挑戦
―産業プロジェクトへの国家支援―

 ロシアでの現地生産化(ローカリゼーション)の支援、輸入代替政策の実現、生産企業の外国市場への進出。これらは、今日のロシアの産業政策の柱となっています。同時に、投資家はこれらの要請と取り組むべき課題に直面しています。投資決定を下し産業プロジェクトを実現する過程において、決定的要因となるのが、企業の事業活動の安定性、課税条件の安定性、低金利での資金調達の可能性など、ビジネス環境です。例えば、産業発展基金は国の産業支援制度において、重要な位置を占めています。(ロシア産業発展基金)


ミニ・レポート
ノヴォシビルスクとオムスクにデジタルミッション

 当会では、過去数年間にわたり、ノヴォシビルスク市をはじめとするシベリア地域で様々なビジネスイベントを開催してきたが、今回はデジタル・IT分野に焦点を絞った初めての試みとなった。ノヴォシビルスクには学術都市「アカデムゴロドク」(ノヴォシビルスク市郊外にある学術・研究機関集積地区のことである。同地区はソ連時代の1957年に開かれ、つくばの研究学園都市のモデルとなったとも言われている)があり、またその近隣のシベリアの諸都市にも高い研究開発能力を有する工科大学や研究所が設けられていることから、シベリアは優秀な理系人材の輩出元となっている。近年の日ロデジタル分野協力の展開に触発され、日本の地方自治体や企業が、デジタル・IT分野、またそれら人材やスタートアップの発掘という観点で、ロシア、そしてロシアの地方に向ける関心を高めている。
 今回事業では、本年11月16日〜22日(オムスクでのプログラムに参加した場合は25日)の期間で、ノヴォシビルスク市の姉妹都市である札幌市、そして北海道経済産業局の協力を得て、北海道と東京の中堅・中小企業が主体となる派遣代表団を編成した。(長谷直哉)


ミニ・レポート
ロシアのパルプモウルド・メーカーを指導してみて

 2017年度から経済産業省より、ROTOBOが業務委託を受けて実施している「ロシア企業生産性診断および改善指導事業」は、日本の専門家をロシア企業に派遣して現地指導を行うアウトバウンドと、ロシア企業を日本に招聘するインバウンドがある。ロシア側の産業・商業省との共同事業で、本年度で3回目となる。
 インバウンドは毎年100名以上のロシア研修生を受け入れており、アウトバウンドは毎年10社のロシア企業を選定し、現地指導を行っている。
 アウトバウンドの内、筆者が昨年度最初に担当したSOEMZ社は、現在でも日本企業との交流を続けているユニークなリサイクル企業なので、本稿では同社を紹介したい。(桜井正徳)


調査レポート
ロシア商用車市場でいかに商機を見出すか

ロシアNIS経済研究所 嘱託研究員
坂口泉

 これまでロシアの乗用車市場に関しては定期的に詳しいレポートを執筆してきたが、商用車に関してはごく簡単なレポートしか書いたことがなかった。ロシアの商用車市場、特にトラック市場に関する質問を受けることは以前から結構な頻度であり、より突っ込んだ内容のレポートの作成の必要性は認識していたが、まとまった情報の入手が難しくこれまで踏ん切りがつかなかった。ただ、近頃日本企業のロシアの商用車市場に対する関心がさらに高まっていることを肌で感じるようになったので、詳しいレポートの執筆にトライすることにした。
 執筆にあたりどのような情報を盛り込めばよいのか迷ったが、トラックとバスの生産と販売に関する基本的な情報の他に、ロシアの運輸部門におけるトラック輸送のプレゼンス、商用車の平均車齢、ロシアにおけるトラックの主要な需要家の概要等についての情報を集めレポートにまとめることにした。需要家に関しては、運輸会社や実店舗型の食品スーパー・チェーンの他に、今後ロシアのトラック市場の拡大をけん引する可能性を秘めたネット販売会社のロジスティック部門の状況も紹介している。初めて本格的に取り上げるテーマなので不備な点が多いと思うが、本レポートが会員の皆様のビジネスに何らかの貢献ができれば幸いである。


データバンク
2019年版ロシア大企業ランキング

 小誌では折に触れてロシアの大企業ランキングをお届けしているが、今回は『コメルサント』紙のサイトに掲載された2019年版のそれを紹介してみたい(2018年の売上高にもとづいて2019年に発表されたランキングという意味なので、ご注意いただきたい)。同種のランキングが何種類か存在する中で、『コメルサント』に掲載されたそれは企業数が600社と多い点が有益である。ただし、以下では紙幅の都合により上位100社までを掲載する。


INSIDE RUSSIA
ユーラシア統合と一帯一路の「結合」は後退

 今号の「エネルギー産業の話題」コーナーでも取り上げられているように、近年ロシア・中国間で最大の経済協力案件となってきたのが、天然ガスパイプライン「シベリアの力」の敷設であった。「シベリアの力」は、12月2日に両国首脳も参加してセレモニーが行われ、稼働の運びとなった。だが、言うまでもなく、ロ中間の経済協力の構想がすべて順調に進展しているわけではない。ロシアが率いる「ユーラシア経済連合」と、中国主導の一帯一路を「結合」させるという構想は、今のところ掛け声倒れに留まっている。本稿では、あえてその進展していない方の協力枠組みに着目することにする。(服部倫卓)


ロシア極東羅針盤
観光ブームに沸くウラジオストク

 「2時間半で行けるヨーロッパ。JALウラジオストクへ。」
 2019年11月、首都圏の電車に掲げられた中吊り広告のキャッチコピーです。
 2020年春、日本の航空会社が東京(成田)とロシア極東・ウラジオストクとの間に直行便を開設します。「日本に一番近いヨーロッパ」として近年注目を集めています。シベリア鉄道の終着駅や、そして知られざる日本との深い歴史と見どころいっぱいです。そのウラジオストクの観光ブームについて紹介します。(齋藤大輔)


地域クローズアップ
安定した発展を続けるネネツ自治管区

 国の経済規模を示す指標の1つ国内総生産(GDP)に対して、国内各地の経済規模を示す地域総生産(GRP)。いずれも、人口規模が大きければ必然的に大きな数字になることから、本来の豊かさを測るために「1人あたり」に換算されることも多い。GDPトップ3は米国、中国、日本だが、1人あたりGDPの高い国と言うと、ルクセンブルク、スイス、マカオなど全く異なる国名が挙がってくる。では、ロシア国内でGRPが高いのは当然、モスクワやサンクトペテルブルグだが、1人あたりGRPが最も高い地域はと言うと、ネネツ自治管区だ。
 ネネツ自治管区は全構成主体の中で最も人口が少ない。一方で、1人あたりGRPや1人あたり固定資本投資はロシアでトップだ。また、住民の収入の高さもヤマロ・ネネツ自治管区に次ぐ第2位を誇る。これらの指標は果たして人口が少ないことだけが理由なのか、それとも他の要因もあるのだろうか。あまり知られていないネネツ自治管区について紹介することにしよう。(中馬瑞貴)


エネルギー産業の話題
動き出す「シベリアの力」

 シベリアの力とは、サハ共和国のチャヤンダ鉱床を起点にアムール州の中国との国境付近に至るガスPLで、2019年12月から稼働を開始することになっています。ロ中関係の良好さを誇示する意味合いの強いプロジェクトで、非常に大きな地政学的な意義を有していますが、経済的合理性の観点からみると不透明感が極めて強くなっています。今回は、その点も念頭に置きながら、シベリアの力の概要をご紹介します。(坂口泉)


ロジスティクス・ナビ
日ロ間コンテナ流動の実態

 日ロ間貿易でコンテナは、どんな品目を詰めてどのルートで運んでいるのでしょうか。2018年11月に実施された国土交通省の調査データに基づき、日ロ間コンテナ流動を発着港湾別、ルート別、品目別に解明します。(辻久子)


中央アジア情報バザール
中央アジアの貿易最新事情

 2019年10月、ユーラシアの政治や歴史に関する研究の世界的権威の1つである米国コロンビア大学ハリマン研究所に拠点を置く情報分析サイトEurasianet.orgが中央アジアの貿易の現状について興味深い記事を2本掲載した。2019年10月2日付の記事によると、ウズベキスタンの他の中央アジア諸国との貿易高が急成長している。一方、2019年10月25日付の記事では、カザフスタンとキルギスが加盟するユーラシア経済連合の域内貿易高は連合成立前の方が高かったと伝えている。政権交代によって経済の転換期を迎えるウズベキスタンとそのウズベキスタンの加盟の可能性も示唆されるようになったユーラシア経済連合。これらの動向が中央アジアの経済全体に与える影響は無視できない。そこで、本稿で簡単に紹介する。(中馬瑞貴)


ウクライナ情報交差点
深まるウクライナの出稼ぎ依存

 ウクライナ経済の窮状が続き、国民が国外での出稼ぎ収入に依存する度合いが年々強まっている。今や、ウクライナの最も重要な経済統計は、外国から本国への個人送金額のデータと言えるかもしれない。しばらく前に、ウクライナ中央銀行が2015〜2018年の個人送金額の統計を発表したので、このデータを抜粋の上、グラフにまとめて紹介する。(服部倫卓)


ロシア音楽の世界
ストラヴィンスキー・バレエ音楽「春の祭典」

 「春の祭典」(以後、愛称の「春祭」:ハルサイと書かせて頂く)は、20世紀最大の問題作である。原始主義、野蛮主義、異教情緒、破壊性・・・色んな表現で紹介される曲だが、毎年必ずプロで一度、アマチュアで一度、合計2回は聴く機会のある、私の大好きなバレエ音楽である。雑誌の好きな曲ランキングの管弦楽曲部門や20世紀音楽部門では、近年では首位をキープしている。(ヒロ・ミヒャエル小倉)


ロシアメディア最新事情
進化するロシアのフードデリバリー

 つい最近までは全く見かけなかったのに、瞬く間にロシアでメジャーになったサービス、それは何と言ってもフードデリバリーでしょう。ここ1年以内にロシアの大都市に来た人なら誰でも、路上や地下鉄やバスで、緑または黄色のユニフォームに身を包み、フードデリバリー用の大きな四角いリュックを背負った配達人を見たことがあると思います。緑は「デリバリー・クラブ」、黄色は「ヤンデックス・イダー(食べ物、の意)」と、それぞれ別の会社が運営しています。今では「緑の人」「黄色の人」と言うだけで、配達人のことだと通じます。この2社は猛烈にしのぎを削っており、市場におけるシェアも互角です。両者とも平均配達時間は約30分、約9,000のレストランやカフェと提携しています。ヤンデックスは特に配達人の黄色い「制服」をブランド化しており、11月下旬には、ヤンデックス・イダーのアプリ上で、料理の注文を受け付けるだけでなく、服やアクセサリーの販売まで始めました。(徳山あすか)


デジタルITラボ
ロシアにおける人材採用とテクノロジー

 先日、モスクワで行われたHR(ヒューマン・リソース)テックカンファレンスに参加してきた。チャットボットやAI画像解析などの最先端技術を使って、企業の人材採用プロセスを効率化するクラウドソリューションを提供している「VCV」というスタートアップ主催のビジネスカンファレンスである。
 キーノートスピーチでは、オープンソースのAIプラットフォームで最もホットなスタートアップ「H2O.ai」のデータサイエンティストが、人材採用におけるAI技術の導入について登壇し、HR領域でもAI技術の応用が注目されているが、「HR領域の課題は、現状のAI技術では早晩解決できないほど複雑である」と言っていったのが印象的であった。
 今回はロシアの人材採用とテクノロジーについて考えてみたいと思う。(牧野寛)


ロシアと日本・出会いの風景
ロシアと日本ではゴミの文化が違う

 周知のように、ゴミ収集とリサイクルの文化は、日本では市民の責任の観点からも、経済的および組織的観点からも高いレベルにある。廃棄物の管理、収集およびリサイクルは、政府、地方自治体、そして企業、家庭、公私を問わず本当にそれぞれの主体の一定の活動でもあり、日本人の価値観の重要な要素になっている。(D.ヴォロンツォフ)


駐在員のロシア語
雑談力2 ―皇室の話題

 ロシア語を学習した日本人は、ロシア人と交流する際に、たとえばモスクワのクレムリンのことをロシア語で説明する必要は基本的にはない。その代わり、東京の皇居や皇室について尋ねられる。外国語と関わるうえで、自国・自身を語ることにもっと注意を向けるべきだ。(新井滋)


おいしい生活
サハのフローズンサラダ「インディギルカ」

 10月にロシア極東のサハ共和国に出張し、ヤクーツク市内の「マフタル」というレストランで食事をした。ウェイターに、「典型的なサハ料理はどれか?」と尋ねたところ、「『インディギルカ』というサラダがサハの名刺代わり」ということだったので、勧められるがままにそれを注文してみた。(服部倫卓)


記者の「取写選択」
社会主義の飴紙

 ターニャの瞳に小さな光が灯った。2014年秋、長年の知り合いである彼女への近況報告として、「ソ連の飴紙展」に行った話を私が始めた時だ。日本暮らしが長い彼女の琴線に触れたらしい。(小熊宏尚)