ロシアNIS経済速報(2014年)

No.1616 1月15日号 ロシア・NIS経済空間の行方
No.1617 1月25日号 経済協力に関するロシア・韓国フォーラム
No.1618 2月5日号 2013年の日ロ貿易(速報値)
No.1619 2月15日号 2013年のロシア経済と鉱工業生産
No.1620 2月25日号 2013年のロシアの貿易
No.1621 3月5日号 図表で読み解くウクライナ経済の現実
No.1622 3月15日号 ロシアの石油ガス最新事情と日ロ協力
No.1623 3月25日号 ロシア市場と素形材産業
No.1624 4月5日号 クリミア経済の基礎知識
No.1625 4月15日号 2013年のNIS諸国の経済(上)
No.1626 4月25日号 2013年のNIS諸国の経済(下)
No.1627 5月15日号 ロシア工業団地協会セミナー
No.1628 5月25日号 ロシアの最新の地域総生産
No.1629 6月5日号 ロシアの最新労働市場概要
No.1630 6月15日号 ロシア貿易統計がオンラインで利用可能に
No.1631 6月25日号 新たな局面を迎えたロシアIT市場
No.1632 7月5日号 機械要素技術展とロシア企業のビジネス
No.1633 7月15日号 ロシア極東の新型特区
No.1634 7月25日号 2013年のロシアの外国投資受入統計
No.1635 8月5日号 タジキスタン投資プレゼンテーション
No.1636 8月25日号 航空機産業に見るロシアと欧米の相互依存
No.1637 9月5日号 2014年1〜6月のロシアの貿易
No.1638 9月15日号 データで見るロシアの欧米からの食料品輸入
No.1639 9月25日号 2014年上半期の日本の対NIS主要国貿易統計
No.1640 10月5日号 ウクライナの「戦略2020」
No.1641 10月15日号 ロシアの有識者に聞く
No.1642 10月25日号 アゼルバイジャンのスムガイト化学工業団地
No.1643 11月5日号 2014年1〜9月の日ロ貿易
No.1644 11月15日号 ロシア・NIS諸国のビジネス環境比較
No.1645 11月25日号 2014年1〜9月のロシア経済と鉱工業生産
No.1646 12月5日号 2014年1〜9月のロシアの貿易
No.1647 12月15日号 ロシアの50大投資プロジェクト・リスト
No.1648 12月25日号 2014年のロシア経済重大ニュース

No.1616 2014年1月15日号

ロシア・NIS経済空間の行方
―ユーラシア新秩序を占う―

ロシアNIS経済研究所 次長
服部倫卓

はじめに
 速報の新年号では例年、その年のロシア/日ロ関係の行方を占うような内容のレポートをお届けしている。2014年のロシアでは、いきなりソチ・オリンピックという大イベントが控えている。V.プーチン政権の大号令により、極東開発の動きがいよいよ本格化してきそうだ。日ロ経済関係に目を転じても、前年からの前向きな気運が持続しており、日露投資フォームの開催が計画されていることからも、より一層の進展が期待される。
 このように、ロシアに限っても話題が盛沢山なわけだが、今回の新年号ではあえて、ロシア・NIS諸国全体を俎上に載せ、その経済空間にどのような枠組みが形成されようとしているのかを考察してみたい。2013年11月28〜29日に欧州連合(EU)の東方パートナーシップ・サミットが開催され、EUと西NIS諸国およびコーカサス諸国の連合協定調印が焦点になった。これに対し、ロシアも巻き返しを図ったことから、ロシアとEUの狭間に置かれた国々には、地政学的な選択が突き付けられる形となった。一方、ロシア・ベラルーシ・カザフスタンの3国で2010年7月に発足した関税同盟は、2012年から「共通経済空間」というより深い統合レベルに到達したとされるが、そこからさらに発展して、2015年1月1日には「ユーラシア経済連合」に格上げされる予定であり、その他のNIS諸国にも参加が呼びかけられている。
 こうしたことから、2014年はロシア・NIS市場の国際的な枠組みがこれからどうなっていくのか、その輪郭が浮かび上がってくる1年になる可能性があるのだ。年頭に当たり以下本稿では、関連するデータや情報を整理して、この問題を考察してみたい。

 その他の記事
◎2013年1〜11月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2013年1〜11月の日ロ貿易
◎茂木経済産業相がロシア経済発展相らと会談
◎NECがロシア携帯電話事業者と包括契約
◎横河電機、ロシアで制御システムを受注
◎ロシアがビール消費量で世界4位


No.1617 2014年1月25日号

経済協力に関するロシア・韓国フォーラム

ロシアNIS経済研究所 嘱託研究員
鳴沢政志

はじめに
 近年、ロシアと韓国の経済関係は拡大を続けており、互いに重要な経済パートナーとして関係を強化している。そのため、両国間では首脳会談も頻繁に行われており、直近では、2013年11月13日にプーチン大統領の韓国訪問が行われている。同会合では幅広い分野で両国の経済協力を深化させていくことが決まった。その流れを受け、去る2013年12月9日に掲題の「経済協力に関するロシア・韓国フォーラム」がモスクワのロシア商工会議所にて開かれた。
 筆者は、同フォーラムが行われた時期に丁度モスクワに滞在していたため、同フォーラムに参加する機会を得ることができた。ロシアと韓国の経済フォーラムに参加する機会というのは貴重なものだと思うので、今号の速報ではその模様をご紹介する。

 その他の記事
東京新潟で日露石油ガス・セミナー
「ロシアビジネスセミナー in 石巻」のご案内
『ロシアNIS調査月報』2014年2月号のご紹介
◎日本郵船、カザフ完成車物流会社を子会社化
◎工作機械の滝澤鉄工所がロシア社と提携
「会員専用ページ」不具合に関するお知らせとお詫び


No.1618 2014年2月5日号

2013年の日ロ貿易(速報値)
―過去最高ながら自動車縮小で輸出減―

はじめに
 日本財務省から2013年の貿易統計が発表されたことを受け、当会では2013年1〜12月の日本とロシア間の貿易に関し、米ドルに換算するとともに、輸出入商品構成をまとめた。そこで、今回の速報では、早速この資料をお届けする。
 なお、今回紹介する2013年のデータは、すべて速報値である。当会『ロシアNIS調査月報』5月号(4月20日発行)に、確定値を掲載する予定である。また、ロシア以外のNIS諸国との2013年の貿易額速報値を、今号の「統計速報」のコーナーに掲載しているので、あわせてご参照いただきたい。
 2013年の日ロ貿易は、輸出入合計で348億4,048万ドルとなり、前年比4.1%増となった。ドル表示の総額は、2011年、2012年に引き続き、3年連続で過去最高額を記録した形だ。しかし、輸出入別に見ると、完全に「明暗」が分かれている。日本側の輸出は110億6,743万ドルで、前年比12.5%低下した。それに対し、日本側の輸入は237億7,305万ドルで、前年比14.1%増大している。2013年の輸入額、日本側の入超幅とも、過去最高になった。つまり、2013年の日ロ貿易は、もっぱら輸入の拡大により、過去最高額を達成したわけである。

 その他の記事
◎2013年1〜12月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
「第6回日露投資フォーラム」のご案内
「第8回日本アゼルバイジャン経済合同会議」のご案内
◎日立ハイテクがロシアに現地法人を設立
◎自動車部品のGMB、トリヤッチに生産拠点
◎旭硝子の高機能樹脂フィルムがソチで採用
◎パナソニック、ソチ冬季五輪にAV機器納入
◎JAL成田・モスクワ線が増便


No.1619 2014年2月15日号

2013年のロシア経済と鉱工業生産
―成長率は1.3%に鈍化―

はじめに
 ロシア連邦国家統計局より、2013年のロシアの主要経済指標が発表されたので、図表にまとめてお届けする。鉱工業生産については、特に詳しく紹介する。
 先日統計局が発表した速報値によれば、2013年のロシアの国内総生産(GDP)は66兆6,891億ルーブルだった。GDPは前年比で実質1.3%しか成長しておらず、経済の成長率は大きく鈍化した。2013年は所得の伸びを背景に個人消費が増加したが、輸入も増加した。そのため個人消費の伸びが経済成長に転嫁せず、加えて、輸出、投資ともに減少した。

 その他の記事
「素形材産業 ロシア投資セミナー」のご案内
◎東芝、ロシアで電力用変圧器の生産開始
◎三井物産がロシアサービス大手に出資
◎日東電工、車関連材料の現地法人をロシアに設立
◎伊藤忠丸紅鉄鋼がロスネフチと提携
◎EIZOがロシア向け医療用モニター売り込み
◎ウクライナ、カザフの通貨切り下げ
◎新刊案内『ロシアのことがマンガで3時間でわかる本 改訂版』


No.1620 2014年2月25日号

2013年のロシアの貿易
―輸出入ともほぼ横這い―

はじめに
 ロシア連邦関税局等から、2013年のロシアの貿易統計データが発表されたので、今回の速報では早速これらのデータを図表にまとめてお届けすることにする。なお、『ロシアNIS調査月報』では後日、2013年のロシアの貿易統計をより詳細にご紹介する予定である。
 ロシア中央銀行の国際収支統計によると、2013年のロシアの商品輸出総額は5,233億ドル(前年比0.9%減)、輸入総額は3,442億ドル(同2.6%増)で、収支は1,790億ドルの黒字であった。

 その他の記事
『ロシアNIS調査月報』2014年3月号のご紹介
◎ウクライナで政権崩壊、5月25日大統領選へ
◎DMG森精機グループ、ロシアに新工場を建設中
◎浜田港のロシア向け貿易が増加
◎関西広域連合・鳥取県がロシア商談会を開催
◎2013年にベラルーシの乗用車販売40%増


No.1621 2014年3月5日号

図表で読み解くウクライナ経済の現実

ロシアNIS経済研究所 次長
服部倫卓

はじめに
 ウクライナで、V.ヤヌコーヴィチ大統領/地域党の政権が崩壊する事態となった。今号の速報は別のテーマを予定していたが、会員各位からのお問い合わせも多く寄せられているので、やはりウクライナを取り上げることにした。ウクライナ情勢はまだ揺れ動いているので、この段階でレポートを出すことには、正直ためらいがある。ただ、筆者はこの間、各方面からのお問い合わせなどに対応するために、ウクライナの様々な経済指標を整理し、それを図表化する作業を続けてきた。差し当たり、それらの図表をお目にかけるだけでも、一定の意味はあるのではないかと、考え直した。そこで、本速報では、ウクライナ経済の実情に迫るために有益と思われる図表を掲載し、簡単なコメントも添えてお届けする。何分、直前に思い立った企画なので、断片的で至らぬ点が多いが、情勢理解の一助となれば幸いである。今回の政変の総括や、今後の見通しに関しては、稿を改めて論ずることとさせていただきたい。

 その他の記事
◎ウクライナでヤツェニューク新内閣発足
◎2014年1月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2014年1月の日ロ貿易
◎ルノー、ロシア事業に差し迫った脅威なし
◎関西広域連合がロシアセミナーを開催


No.1622 2014年3月15日号

ロシアの石油ガス最新事情と日ロ協力

ルスエナジー アナリスト
M.クルチヒン

はじめに
 去る2月10日(月)および12日(水)に東京と新潟において当会主催「日露石油ガス・セミナー」が開催された(新潟においては環日本海経済研究所との共同開催)。同セミナーでは「ルスエナジー」のアナリストであるミハイル・クルチヒン氏を招き、ロシアの石油ガスの最新事情、石油ガス分野に関する極東開発の現状、日ロ協力の可能性等についてお話しいただいた。ソ連時代は通信社の中東各国の特派員を務め、ソ連解体後は石油ガス分野の雑誌の編集などに携わり、常に最新の情報に精通している同氏の報告は、日本の経済界・ビジネス界の関心を喚起するものであった。また、新潟においては極東におけるガス開発への関心が高く、いずれも多くの方にご来場いただいた。今号ではクルチヒン氏の講演概要を報告する。

 その他の記事
◎道銀ウラジオストク事務所開設へ
◎ダイドードリンコがロシアに本格進出
◎JAL、S7とのコードシェアを拡大


No.1623 2014年3月25日号

ロシア市場と素形材産業
―調査団派遣報告―

 2月25日、三菱東京UFJリサーチ&コンサルティング株式会社において「素形材産業 ロシア投資セミナー 〜ロシアへの調査団報告〜」と題するセミナーが行われた(ロシアNIS貿易会後援)。今速報では同セミナーの概要を紹介する。
 去る2013年11月30日〜12月8日に日本の素形材産業を代表する企業家やロシア・ビジネスの専門家による調査団が、日本素形材企業の新たな進出先候補としてのロシア市場調査のためにサンクトペテルブルグ、カルーガ、エカテリンブルグ、チェリャビンスクにある日系企業や現地企業を訪問した。今回のセミナーでは、その報告が披露された。同調査団、および、セミナーには当会ロシアNIS経済研究所部長の岡田邦生も参加している。
 今日、日系の完成車メーカーの進出が相次ぐロシアの自動車市場は今後も成長が期待される有望な市場と考えられている。一方で、日系の自動車部品企業やそこへ材料を供給する素形材企業のロシア市場進出は遅々として進んでいない。
 同セミナーでは、ロシア市場の可能性に言及するだけでなく、今までロシアに馴染みのなかった素形材企業関係者の目にロシアがどのような国に映り、新たな投資先としてどのようなビジネス・チャンスがあるのかについても意見交換がなされた。

 その他の記事
『ロシアNIS調査月報』2014年4月号のご紹介
◎第6回日露投資フォーラム開催される
◎味の素がロシア外食市場向け冷凍餃子を販売
◎日産、ロシア向けダットサンのスケッチを公開
◎日本商社がサウスストリーム向けに鋼管供給
『ロシアNIS経済速報』と『Moscow Business News』の統合のお知らせ


No.1624 2014年4月5日号

クリミア経済の基礎知識

ロシアNIS経済研究所 次長
服部倫卓

はじめに
 ウクライナ南部のクリミア自治共和国とセヴァストポリ市で3月16日、住民投票が実施された。選挙管理委員会の公式発表によれば、83.1%の有権者が投票に参加し、投票者の96.8%がロシア連邦への加入に賛成したとされている。これを受け、ロシアは3月18日にクリミアおよびセヴァストポリと条約に調印し、両地域のロシア連邦編入を取り決めた。条約の批准は3月21日までに完了し、ロシアはこれをもってクリミアおよびセヴァストポリの編入手続が法的に完了したと主張している。
 当然のことながら、諸外国はロシアのこの動きを一斉に非難している。他方で、遺憾ながら、現実にクリミアにはウクライナの統治が及ばなくなっており、ロシアによる実効支配が着々と進んでいる。そのこと自体、両国の経済に一定の影響を及ぼすであろう。それでは、現在ウクライナが喪失の危機に直面し、またロシアが支配下に組み込もうとしているクリミアとは、経済的な観点から言えばどのような存在なのか? 本稿ではこのような関心から、クリミア経済の基礎データと、事実関係を整理してお伝えする。現在のような不正常な状態が続く限り、クリミアが日本を含む先進諸国企業のビジネスの対象となることは難しいだろうが、ウクライナ・ロシア両国の経済をウォッチする上での材料になれば幸いである。

 その他の記事
◎カザフスタンで首相交代
◎ブリヂストン、ロシアのタイヤ新工場で鍬入れ式
大阪東京でロシア工業団地セミナー
◎新サービス「ロシアNIS経済速報 プラス」のお知らせ


No.1625 2014年4月15日号

2013年のNIS諸国の経済(上)

はじめに
 『経済速報』では毎年この時期、前年のNIS諸国(旧ソ連の新独立諸国)の経済統計を紹介し、各国の最新の経済動向について論評するという企画をお届けしている。本年も2013年のデータがほぼ出揃ったので、早速それを試みたい。
 まず今号では、全12ヵ国の主要経済指標を表にまとめて掲載するとともに、NIS全般、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバについての解説をお届けする。中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)および南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア)のレビューは次号で扱う予定である。各国レビューの執筆は、当会ロシアNIS経済研究所のスタッフによるものであるが、ロシアについては本年も北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターの田畑伸一郎教授にとくにご寄稿いただいた。

 その他の記事
「ROTOBOコーカサス経済ミッション」参加募集のお知らせ
◎モスクワにラーメン屋オープン
◎2014年1〜3月のロシアのブランド別乗用車販売台数
◎カザフスタンの新内閣名簿
◎キルギスで首相交代
◎田島木材が合弁のロシア株取得
◎日本取引所、ウズベキスタンで証取支援
緊急シンポジウム「ウクライナ危機はなぜ? 世界は変わるのか?」


No.1626 2014年4月25日号

2013年のNIS諸国の経済(下)

はじめに
 前回に引き続き、CIS統計委員会および各国統計局発表のデータにもとづき、2013年の経済実績を中心に、NIS諸国の最新の経済情勢についてのレビューを行う。
 前回は、全12ヵ国の主要経済指標を表にまとめて掲載するとともに、NIS全般、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバについての解説をお届けした。今号では中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)および南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア)を扱う。

 その他の記事
『ロシアNIS調査月報』2014年5月号のご紹介
◎タウが日本製エンジンオイルをロシアへ販売
◎秋田清酒、ロシア向け輸出を開始
◎旭川とユジノ市議会、旭川家具導入の合意書を締結
◎フォード・ロシア工場が操業一時停止
◎ウクライナで自動車リサイクル税廃止
◎第4回極東ロシア・韓国フォーラム開催される


No.1627 2014年5月15日号

ロシア工業団地協会セミナー

はじめに
 4月下旬、ロシア工業団地協会の代表団が訪日した。この機会を捉え、ロシアNIS貿易会は同協会と共同で、4月22日に大阪で、24日には東京で、投資セミナー「ロシアにおける工場立地 −その可能性と課題」をそれぞれ開催した。今回の速報では、同セミナーの概要を紹介する。
 ロシアでは近年、外資系自動車メーカーの進出に続く形で、自動車部品メーカーの進出、さらには、工作機械、消費財などの工場建設が相次いでいる。そしてそれらの工場の多くは経済特区および工業団地に建設され、今日、ロシアへ進出する日本企業にとってこれらの拠点の重要性が高まっている。
 今回のセミナーでは、ロシア工業団地協会の事務局とその会員企業の代表者で構成された代表団が、ロシアの工業団地の現状や各工業団地で工場を建設する際のメリットなどを語った。また、エンジニアリング会社からも代表者が参加しており、工場建設から生産開始までがどのようなプロセスを経て行われるかについて語られた。

 その他の記事
◎クリミア産品を買おう
◎2014年1〜3月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2014年1〜3月の日ロ貿易
◎日立建機がロシア極東鉱山向けショベル受注
◎2014年の日ロ政府間漁獲交渉妥結


No.1628 2014年5月25日号

ロシアの最新の地域総生産
―自治管区の統計方式に変更点―

はじめに
 ロシア連邦国家統計局は先日、2012年の同国の地域総生産の統計を発表した。地域総生産は国内総生産(GDP)を地域別に(州などのレベル)ブレークダウンしたものだが、GDPよりも発表が遅いので、このほどようやく2012年の数字が発表されたというわけである。そこで今回の速報では、この最新データを表にまとめて紹介することにする。
 本『速報』の2013年5月25日号(No.1595)等でお伝えしてきたとおり、住民1人当たりの地域総生産という指標で、2010年、2011年と、極東のサハリン州がトップに立った。しかし、今回発表された2012年の統計では、サハリン州が4位にまで後退している。これは、サハリン州の数字が落ち込んだというよりも、以下に述べるように、統計の方式の変更に伴って生じた変化である。

 その他の記事
『ロシアNIS調査月報』2014年6月号のご紹介
◎TOYO、トルクメニスタン向けガス化学プラント受注
◎ロシア政府が地域行政効率性のランキングを発表
◎2013年のロシア最良の発明100が発表される


No.1629 2014年6月5日号

ロシアの最新労働市場概要

ロシアNIS経済研究所 研究員
鳴沢政志

はじめに
 今速報では、ロシア連邦統計局のデータを用いてロシアの労働市場概要とその特徴を紹介する。また、それに加え、リクルート会社Antalロシア、Antalカザフスタンが発表しているアンケート調査の結果を用いて、雇用される側のロシア人が転職などについてどのような意識を持っているかも併せてご紹介する。
 高い人件費、都市部での人材資源の枯渇、ロシア人は一つの企業に定着せず2〜3年で仕事を変えてしまうため中長期でみた人材マネジメントや社内教育の実施が難しいなど、ロシア労働市場の抱える問題は実に山積みである。このような現状は現地でロシア人を雇用し事業を行っている企業関係者にとっては、非常に頭の痛い問題となっている。そこで、今速報ではロシアの労働市場を統計的に把握し、その特徴について言及することによってロシア労働市場に関する基本的な情報の整理を試みたい。また、Antalロシア、Antalカザフスタンが行っているアンケート調査「ロシア・カザフスタンの労働市場と賃金概要2013〜2014」は、ロシア、カザフスタンで勤めている管理職、専門職を対象に実施されており、彼らの生の声を知るうえで有用だと思われる。特にご関心の向きは本文末に掲載してあるアドレスよりご確認いただきたい。

 その他の記事
◎2014年1〜4月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2014年1〜4月の日ロ貿易
ROTOBO月例報告会「ロシア会社法の基礎と最新動向」のご案内
◎道銀農場、ロシア極東で大豆やソバを栽培へ
◎電通がカザフスタンの広告会社買収
◎ニチバンがカザフスタンで絆創膏販売へ
◎不公正貿易報告書がロシアの高関税を課題に


No.1630 2014年6月15日号

ロシア貿易統計がオンラインで利用可能に

はじめに
 私どもロシアNIS貿易会では、ロシア連邦関税局の発表する同国の貿易統計を、定期的に紹介している。特に、『ロシアNIS調査月報』の毎年9-10月合併号において、前年の貿易データを詳しく紹介する記事を掲載している。また、当会HP上のデータベース「CEEDS」にロシアの貿易データを入力し、会員企業の皆様が検索できるサービスも提供してきた。
 しかし、今般、ロシアの貿易統計をめぐる状況に、大きな変化が生じた。ロシア連邦関税局のウェブサイト上で、貿易データが自由に閲覧できるようになったのである。本件は、読者の皆様の関心事であるはずなので、今回の速報ではロシア関税局のHP上で提供されている貿易データにつきご紹介・解説申し上げたい。

 その他の記事
◎『Moscow Navi』 創刊1周年
◎2014年1〜5月のロシアのブランド別乗用車販売台数
◎トヨタがカザフスタンで生産を開始
◎ウラジオストクで北海道ショールーム
◎TAU、ロシアでエンジンオイルの販売を開始


No.1631 2014年6月25日号

新たな局面を迎えたロシアIT市場
―数値で見る市場の最新動向―

ロシアNIS経済研究所 研究員
鳴沢政志

はじめに
 今速報では、各調査会社などが発表しているデータを基に最近のロシアIT市場について、全体的な状況をまとめてみる。IT市場といっても非常に広範になってしまうため、今速報ではロシアにおける「通信の利用状況」、「移動体通信事業者の状況」、「通信端末市場の状況」を中心にまとめることで、ロシアのIT市場の基本的な部分をご紹介する。
 近年、ロシアにおけるインターネットの利用者数は順調に増加してきたが、最近はその増加率が減速してきている。これは、従来大都市を中心に拡大してきたインターネット市場がすでに飽和しつつあり、利用者数が頭打ち状態にあるためにおきているといえる。
 しかし地方都市のインターネット利用者が増加傾向にあり、全体的に見れば、ロシアの潜在的なインターネット利用者はいまだ多く、今後も拡大していくと考えられる。加えて、スマートフォンやタブレット端末の普及、クラウド・サービスをはじめとするインターネットを利用した様々なサービスも市場に登場しており、ロシアのIT市場が今後もさらに成長していく可能性は大いにあるといえる。

 その他の記事
『ロシアNIS調査月報』2014年7月号のご紹介
◎横河とロスネフチが戦略的パートナーシップ
◎東洋ゴムがロシアにおいてタイヤ増販
◎計量や包装機のイシダがモスクワに拠点
◎ミニストップ、カザフから撤退を発表


No.1632 2014年7月5日号

機械要素技術展とロシア企業のビジネス
―現状と将来の可能性―

ロシアNIS経済研究所 研究員
渡邊光太郎

はじめに
 6月25日から27日まで東京ビックサイトで機械要素技術展が開催された。同展は素材、加工、部品、機器など製造業を支える技術をテーマとする日本最大規模の展示会で、製造業における取引先開拓、技術動向の情報収集のための展示会として名高く、多くの技術者、購買担当者が訪れる。出展業者としては、実際の発注を左右する担当者が訪れるので絶好の売り込みの場となる。例年6月に開催され今年は6月25日から27日まで開催された。チタン製造の世界最大手として知られるロシアのVSMPO-AVISMA社も機械要素技術展に出展しており、機械要素技術展をロシア企業もビジネスに活用するようになった。とはいえ、ロシアからの出展は同社に留まり、アジア諸国の出展者と比べ存在感がないのも事実である。今回は機械要素技術展の性質、ロシア企業の出展の少ない要因と今後の可能性に関する考査、最後に機械要素技術展と同展で聞いたVSMPO-AVISMAの日本ビジネスについて紹介する。

 その他の記事
◎2014年1〜5月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2014年1〜5月の日ロ貿易
ROTOBO月例報告会「ロシア税法と日本企業の直面する問題」
西岡会長がロシア政府から感謝状授与される
◎グルジア・ビジネスセミナーのご案内
◎日立建機のロシア建機工場稼働
◎ニッコーのロシア子会社が本稼働を開始
◎ルノー/日産、AvtoVAZの経営権取得を完了
◎豊田通商、カザフ農業法人に資本参加


No.1633 2014年7月15日号

ロシア極東の新型特区
―最終候補地と優遇支援の内容―

ロシアNIS経済研究所 主任
齋藤大輔

はじめに
 ロシア極東発展省は、地域を絞って大胆な優遇税制と規制緩和を導入して国内外から投資を呼び込み、アジア太平洋への輸出拡大によって経済成長に結びつける新型特区(先進経済発展区)について、沿海地方のザルビノやアムール州のベロゴルスクなど14ヵ所に絞り込んだ。今回は最終候補地14ヵ所と検討中の新規参入企業に対する優遇税制・規制緩和の内容について紹介する。

 その他の記事
◎『Japan’s Brand Book : Icons of Japan』の刊行
◎2014年1〜6月のロシアのブランド別乗用車販売台数
「カザフスタン原子力ミニ・プレゼンテーション」のご案内
「タジキスタン投資プレゼンテーション」のご案内
◎ポーラがロシアで抗加齢化粧品発売へ
◎商船三井、砕氷船でロシア産LNG輸送
◎近鉄エクスプレスのペテルブルグ倉庫が開設
◎ダイドードリンコの自動販売機がモスクワに


No.1634 2014年7月25日号

2013年のロシアの外国投資受入統計

はじめに
 本速報ではロシア連邦国家統計局が提供する外国投資統計データベースを基に2013年の同国の外国投資の受入状況についてご紹介する。今回はロシアの全世界からの投資受入に関するデータとロシアの日本からの投資受入に関するデータをそれぞれにまとめている。

 その他の記事
『ロシアNIS調査月報』2014年8月号のご紹介
◎丸紅、ロシア極東港で石炭搬出設備を納入
◎住友電装とルスエレクトロニクスの合弁設立
◎ダットサンがロシアで生産開始
◎東洋ゴム、ロシア極東向けタイヤ輸出
◎富士通テン、欧ロで緊急通報システム実証
◎センコン物流がロシア向け野菜輸出
◎米政府がロシア制裁対象を拡大、ロスネフチも


No.1635 2014年8月5日号

タジキスタン投資プレゼンテーション

はじめに
 去る7月24日、東京の如水会館において当会主催の「タジキスタン投資プレゼンテーション」が開催された。そこで本速報ではこのプレゼンテーションの様子をご紹介する。
 ロシアNIS貿易会では7月22〜27日の日程でタジキスタンの玄武岩繊維およびバイオ肥料製造などの企業グループ3社を日本へ招聘し、日本企業などとのビジネスマッチングを実施した。本プレゼンテーションはその一環として開催された。これら3社が来日した目的は、潤沢な水資源を利用した水力発電、豊富な埋蔵量の鉱物資源採掘、優れた気候を利用した農業などが経済の中心産業となっているタジキスタンにおいて、よりイノベイティヴな産業を国内市場に確立するため、日本において潜在的なパートナーを見つけるためである。また、プレゼンテーションには駐日タジキスタン大使館からボボゾダ大使が参加され、タジキスタンの経済状況全般について発表を行った。

 その他の記事
◎2014年1〜6月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2014年1〜6月の日ロ貿易
◎東洋ゴム、秋田港からロシアへタイヤ輸出
◎カザフスタンに日本の医療サービスを輸出
◎EUが対ロシア追加制裁を正式決定


No.1636 2014年8月25日号

航空機産業に見るロシアと欧米の相互依存
―経済制裁の応酬はどこに行き着くのか―

ロシアNIS経済研究所 研究員
渡邊光太郎

はじめに
 ウクライナ上空でのマレーシア航空機撃墜後、対ロシア制裁強化の影響でアエロフロート航空傘下の航空会社ドブロリョート航空が運行不能になるなど、目に見える影響が出た。経済制裁はロシア経済に打撃を与えるだけでなく、自ら市場を放棄するということを意味するので、制裁を科した国の経済への悪影響もある。更にロシアが制裁に対する報復に出た場合、報復による被害も予想される。本稿では、より破壊力のある制裁がされるようになった場合、双方にどのような悪影響が出るかについて、“たられば”の話しであるが、具体例で予想してみることにする。具体例としては、ロシア製部材の供給ストップになった場合に影響が出る分野であり、利用する技術や市場でのプレーヤーの重複から、制裁対象になりやすい軍事分野との距離が近いとされる旅客機製造分野を検討してみたい。

 その他の記事
◎カザフスタンで政府組織の大掛かりな改編
◎大使館公認のモルドバ料理レストラン
◎2014年1〜6月のロシア経済と鉱工業生産
◎2014年1〜7月のロシアのブランド別乗用車販売台数
『ロシアNIS調査月報』2014年9-10月号のご紹介
◎三菱商事がトルクメン肥料プラントを共同受注
◎茂木経済産業大臣がウクライナ他に出張
◎日本政府、対ロシア追加制裁を発動


No.1637 2014年9月5日号

2014年1〜6月のロシアの貿易

はじめに
 毎年の恒例となっているが、ロシア連邦関税局より、2014年1〜6月ロシアの対外貿易高の速報値が発表されたので、早速、今速報においてご紹介する。
 ロシア連邦関税局の発表によれば、2014年1〜6月のロシアの輸出額は2,546億ドル(前年同期比0.3%増)、輸入額は1,416億ドル(前年同期比6.0%減)、輸出入の総額は3,962億ドル(2.1%減)となった。以下の図表では、連邦関税局のデータに基づき、2014年1〜6月のロシアの輸出入商品構成(図表1、2)、主要品目の輸出入動向(図表3、4)、相手国別貿易高(図表5、6)を示している。なお、図表1〜6にて用いている2013年1〜6月の貿易データは前年の速報値となっている点にご留意いただきたい。
 参考までにロシア中央銀行が発表しているロシアの対外貿易統計を見てみると、2014年1〜6月ロシアの輸出総額は2,556億ドル(前年同期比1.3%増)、輸入総額は1,528億ドル(5.1%減少)、貿易収支は1,028億ドル(12.5%増)の黒字となっている。そして図表7はロシア中央銀行が発表している貿易高の推移を表したものである。

 その他の記事
◎2014年1〜7月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2014年1〜7月の日ロ貿易
「ユーラシア経済連合プレゼンテーション」のご案内
◎川重がトルクメンで世界最大級のGTGプラント受注
◎三菱自動車がモスクワモーターショーへ出品
◎神鋼メタル、連鋳用モールドをロシアで拡販


No.1638 2014年9月15日号

データで見るロシアの欧米諸国の食料品輸入

ロシアNIS経済研究所 研究員
鳴沢政志

はじめに
 ウクライナ問題に端を発するロシアと欧米諸国の対立が続く中、欧米諸国の対ロシア経済制裁の報復措置として、2014年8月6日プーチン・ロシア連邦大統領は1年間のそれら制裁国からの食料品の輸入禁止に署名した(発動は8月7日より)。今速報では、農水産品が欧米諸国からどの程度ロシアに輸入されているか、発動から1ヵ月経った食料品の輸入禁止措置がロシアの経済にどのような影響を与えたかについて基礎的なデータを各報道機関、出版物、政府機関の発表する統計などから引用しご紹介する。

 その他の記事
◎2014年1〜8月のロシアのブランド別乗用車販売台数
「第5回日本カザフスタン経済官民合同協議会」のご案内
「スムガイト化学インダストリアルパーク投資プレゼンテーション」のご案内
「極東新型特区説明・視察会」のご案内
ROTOBO月例報告会「ロシア・ウクライナ情勢の新段階」のご案内
◎モスクワで日本・ロシアフォーラム開催
◎ユニプレス・ペテルブルグ工場の建設が開始
◎宮城の大永商店が納豆をロシアに初出荷


No.1639 2014年9月25日号

2014年上半期の日本の対NIS主要国貿易統計

はじめに
 今速報では日本財務省が発表している貿易統計にもとづいて、2014年上半期(1〜6月期)の日本とNIS諸国の輸出入商品構成に関するデータをご紹介する。今回対象として取り上げる国は、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャンの7カ国である。なお、日本の対ロシア貿易に関するデータは『ロシアNIS経済速報』(2014年9月5日号)と『ロシアNIS調査月報』(9-10月号)にて別途紹介しているのでご参照いただきたい。

 その他の記事
◎黄金の秋、モスクワに雀士集結!
◎日本政府が対ロシア制裁発表
◎日本の花がモスクワに初出展
◎保温性肌着のワシオ、来秋からロシアで販売
◎ロシアが2015年にも品質保証マークを導入へ


No.1640 2014年10月5日号

ウクライナの「戦略2020」

はじめに
 ウクライナでは今般、「戦略2020」と題する国家プログラムが策定され、9月25日にP.ポロシェンコ大統領がそれを披露する記者会見をキエフで開いた。もう1年も危機に揺れ続けているウクライナであるが、果たして「戦略2020」はウクライナを安定と成長の軌道に乗せるための処方箋となりうるのだろうか? 今回の速報では、報道で伝えられている「戦略2020」の骨子をご紹介する。

 その他の記事
◎2014年1〜8月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2014年1〜8月の日ロ貿易
◎古き良きモスクワの散策(1) ニコーリスカヤ通り
「ロシア・ロスナノ新発展戦略プレゼンテーション」のご案内
◎日通がロシア向け複合一貫輸送サービスを強化
◎JICAがタジキスタン向け無償資金協力


No.1641 2014年10月15日号

ロシアの有識者に聞く
―国際情勢の変化とロシア経済―

ロシアNIS経済研究所 研究員
中馬瑞貴

はじめに
 ロシアNIS貿易会では、経済産業省の助成を得て、日本企業のロシア市場への進出のための新たなビジネスチャンスを模索すべく「ロシア新規市場開拓可能性調査」を実施している。特に、ウクライナ問題やそれに端を発する欧米による経済制裁発動など、ロシアをめぐる国際情勢の変化がロシア経済にどのような影響を与えているのかという点に注目している。本事業の一環として、筆者は2014年9月にモスクワを訪問し、ロシアの経済分野の専門家と面談を行い、情報収集・ヒアリング調査を実施した。これらの調査結果については年度末に報告書を作成して紹介するが、刻一刻と状況が変化しているため、一足早くその一部をお知らせしたいと思う。
 1週間で10名以上の専門家に話を聞くことができたが、紙幅の関係から本稿では、特に3人の専門家の話を紹介する。まず、高等経済院のボリス・クズネツォフ教授にはロシアのマクロ経済の現状を中心に話を聞いた。続いて、独立系社会政策研究所でロシアの地域政策がご専門のナタリヤ・ズヴァレヴィチ・プログラムリーダーの地方の経済状況を交えたインタビューを紹介する。最後に、元ロシア連邦財務大臣アレクセイ・クドリンが組織する「民間イニシアチヴ委員会」の下部組織である「クドリン基金」のエヴゲニー・ゴントマヘル氏の制裁による社会への影響を含めた話を紹介する。

 その他の記事
◎念願のバラブリカ
◎2014年1〜9月のロシアのブランド別乗用車販売台数
ROTOBO月例報告会「ベラルーシの投資誘致とハイテクパーク」
◎エネ庁がウクライナ火力発電所支援に着手
◎飯田GHD、沿海地方で新会社設立を計画


No.1642 2014年10月25日号

アゼルバイジャンのスムガイト化学工業団地

はじめに
 去る9月30日、東京の如水会館において当会主催の「アゼルバイジャン・スムガイト化学インダストリアルパーク投資プレゼンテーション」が開催された。そこで本速報ではその様子をご紹介する。
 プレゼンテーションではこの度訪日した専門家2人がスムガイト化学インダストリアルパーク(以後、SCIP)の概要やそこでの投資プロジェクトについて発表を行い、日本企業関係者など潜在的な投資家に対してその魅力をアピールした。また、その後の名詞交換も盛んに行われ、会場は活気に溢れていた。

 その他の記事
◎痒い!深夜の薬局珍道中
『ロシアNIS調査月報』2014年11月号のご紹介
◎日通が舞鶴国際埠頭倉庫を竣工
◎杏林製薬、ロシアでOABに関する基本契約
◎双日と川重がトルクメン最大の肥料プラントを完工


No.1643 2014年11月5日号

2014年1〜9月の日ロ貿易
―輸出の不振が続く―

はじめに
 日本財務省から、2014年1〜9月期の貿易統計が発表されたことを受け、当会では1〜9月の日本とロシア間の貿易に関し、輸出入商品構成をまとめたので、早速これを紹介したい。ロシア以外のNIS諸国との輸出入動向も本速報の「統計速報」のコーナーに掲載しているので、あわせてご参照いただきたい。
 2014年1〜9月期の日ロ貿易は、輸出入合計が264億1,758万ドルと前年同期比3.5%増加した。その内、輸出は76億1,971万ドルで前年同期比12.1%減少した。その主因は前年から続くロシア自動車市場の低迷である。2014年1〜9月期の日本からの新車輸出は前年同期比12.6%減少し、中古車輸出も同19.9%減少した。前年から続くロシアの自動車市場の不調の影響を受ける形で日本の自動車輸出は減少しており、この傾向にいまだ回復の兆しは見られない。他方、ロシアから日本への輸入は187億9,788万ドルに達し、前年同期比で11.5%増加した。

 その他の記事
◎2014年1〜9月の日本のロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎古代ルーシ風レストラン「キーテジ・グラード」
「プスコフ州投資プレゼンテーション」のご案内
「第12回日本ウズベキスタン経済合同会議」のご案内
◎あいおいニッセイ同和、ロシアとカザフで事業会社設立
◎いすゞがロシア合弁会社で「フォワード」生産開始
◎DMF森精機のロシア工場が来夏にオープン
◎北大病院がロシア極東の大学病院と連携
◎理研、ロシア・カザン大学などと医療・ゲノムで協力
◎JBICがトルクメン肥料設備建設に融資
◎宏輝がカザフに甘草加工工場を新設


No.1644 2014年11月15日号

ロシア・NIS諸国のビジネス環境比較
―Doing Business 2015より―

はじめに
 2014年10月末、世銀グループの国際金融公社より『Doing Business 2015』が発表されたので、今速報では同報告書から、当会の事業対象国であるロシア・NIS諸国のデータを抜粋し、各国の最近のビジネス環境、同ランキングにおける順位の推移などをお知らせする。
 報告書『Doing Business』は世銀グループより毎年秋に発表されており、今回で12回目となる。同報告書では世界各国の政府の企業活動に対する規制、つまりビジネスのやりやすさを10項目で評価しランキングとして発表している。ランキング上位にある国ほど、政府からの企業活動への規制が少ない、ビジネスをしやすい国であるといえる。今年は前年に引き続き189カ国が調査対象となったが、当会の事業対象国であるトルクメニスタンは調査の対象外であった。
 なお、報告書『Doing Business』では2014年6月1日までの各国のビジネス環境を比較したものを『Doing Business 2015』として発表している。そのため本速報でも2014年に発表された本報告書を「2015」、2013年に発表されたものを「2014」と表記している。

 その他の記事
◎大使館隣接のキルギス料理レストラン
ROTOBO月例報告会「ロシア極東経済と新型特区」のご案内
◎三菱電機がロシア現地法人設立
◎神栄がバクー事務所を開設


No.1645 2014年11月25日号

2014年1〜9月のロシア経済と鉱工業生産

はじめに
 ロシア連邦国家統計局より2014年1〜9月のロシアの主要経済指標が発表されたので。本速報ではそれらを図表にまとめてお届けする。鉱工業生産については特に詳しく紹介する。なお、すでに国家統計局より、1〜10月の鉱工業生産が発表されているため、図表4のロシア主要鉱工業製品生産動向では2014年1〜10月の数値を用いている点にご注意いただきたい。

 その他の記事
◎2014年1〜10月のロシアのブランド別乗用車販売台数
『ロシアNIS調査月報』2014年12月号のご紹介
◎喫煙者天国はいずこへ・・・
◎JICAがウズベキスタン向け円借款


No.1646 2014年12月5日号

2014年1〜9月のロシアの貿易

はじめに
 ロシア連邦関税局より2014年1〜9月のロシアの対外貿易高が発表されたので、今速報ではこれらデータを図表にまとめてご紹介する。関税当局の発表によれば、2014年1〜9月のロシアの輸出額は3,813.2億ドルとなり、前年同期比で1.1%減少した。また、輸入額は2,165.9億ドルで、6.5%減少した。

 その他の記事
◎ロシア政府、2015年はマイナス成長見込む
◎2014年1〜10月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2014年1〜10月の日ロ貿易
◎モスクワの冬の風物詩「クリスマス・フェスティバル」
「ロシア極東水ビジネス展示会」企業説明会のご案内
ROTOBO月例報告会「ロシア沿ヴォルガ地域の経済動向」
◎ロシア、サウスストリームの建設中止を表明


No.1647 2014年12月15日号

ロシアの50大投資プロジェクト・リスト
―岐路に立つメガプロジェクト主義―

はじめに
 ロシアの経済誌『エクスペルト』は、2014年10月20〜26日号(No.43)で、2014年版のロシア400大企業ランキングを発表した。この最新版の大企業ランキングについては、当会でも『ロシアNIS調査月報』2014年12月号において抜粋のうえ紹介している。
 さて、今回の『エクスペルト』の400大企業ランキングには、興味深い一覧表が掲載されていた。「2025年までのロシア50大投資プロジェクト」と称するリストである。ロシア経済の行方を占い、ビジネスを開拓するうえでも有益な資料と思われるので、今回の速報ではこの50大投資プロジェクトを紹介することにする。また、リストで2位に載っているサウスストリームの問題についても、簡単にコメントする。

 その他の記事
◎2014年1〜11月のロシアのブランド別乗用車販売台数
◎ロシアのニューイヤーレセプション
「第12回日本ウズベキスタン経済合同会議」のご案内
「ロシア極東水ビジネス展示会」のご案内
東京新潟で日露石油ガス・セミナー
◎味の素ロシアがえだまめ販売を開始
◎日ロ漁獲割当量12%減


No.1648 2014年12月25日号

2014年のロシア経済重大ニュース

はじめに
 今号の速報は、2014年最後の号である。そこで恒例により、先日ロシア・ノーヴォスチ通信が発表した2014年のロシア経済重大ニュースを紹介し、今年1年間のロシア経済を総括・回顧してみたい。一般に「10大ニュース」として括られることが多いが、ノーヴォスチ通信のそれは10本になっていないので(本年の経済ニュースの場合は11本)、「重大ニュース」としてお届けする次第である。
 ノーヴォスチ通信では例年この時期に、経済・政治・社会といったジャンルの重大ニュースを発表している。各記事には寸評が付され、同国の1年間の国情を回顧するうえで非常に有益である。
 以下では、本誌読者の関心がもっとも高いと思われる経済のニュースにフォーカスし、各ニュースについての簡単な説明も添えながらご紹介したい。それに加え、国際関係・社会・スポーツに関しても、それぞれの重大ニュースの一覧を掲載する(意外にも「政治」というジャンルはない)。これらは必ずしもビジネスのお役には立たないかもしれないが、ロシアの世情を知るためのご参考にしていただければ幸いである。

 その他の記事
◎『ロシアNIS調査月報』2015年1月号のご紹介
◎再び!モスクワに雀士集結!
「第2回カザフスタン経済特区視察団」参加者募集のお知らせ
◎労働許可取得のためのロシア語能力試験に関する説明会
◎日産など3社がロシアに合同購買組織設立へ
◎パナソニック、スコルコヴォに進出へ
◎東横インがハバロフスクで開業を検討か