ロシアNIS経済速報(2012年)
No.1550 | 1月15日号 | 2012年のロシアはどう動くか |
No.1551 | 1月25日号 | ロシアのWTO加盟で各地域が被る影響 |
No.1552 | 2月5日号 | 2011年の日ロ貿易 |
No.1553 | 2月15日号 | 2011年のロシア経済と鉱工業生産 |
No.1554 | 2月25日号 | ロシアビジネスにおけるソーシャルメディアの活用 |
No.1555 | 3月5日号 | 2011年のロシアの貿易と外国投資受入 |
No.1556 | 3月15日号 | プーチンはロシア経済をどこに導くのか |
No.1557 | 3月25日号 | 2011年版カザフスタン100大企業ランキング |
No.1558 | 4月5日号 | ロシア・ウリヤノフスク州の経済・投資ポテンシャル |
No.1559 | 4月15日号 | 2011年のNIS諸国の経済(上) |
No.1560 | 4月25日号 | 2011年のNIS諸国の経済(下) |
No.1561 | 5月15日号 | 動き出したプーチン新体制 |
No.1562 | 5月25日号 | ロシアのメドヴェージェフ新内閣の読み方 |
No.1563 | 6月5日号 | ロシア極東開発省の概要と役割 |
No.1564 | 6月15日号 | ロシア石油産業の最新動向 |
No.1565 | 6月25日号 | 世銀/IFCがロシアの都市別ビジネス環境発表 |
No.1566 | 7月5日号 | ロシアのテクノパークの全体像 |
No.1567 | 7月15日号 | ロシアの最新の地域総生産 |
No.1568 | 7月25日号 | ウラジオストクAPECまで1ヵ月 |
No.1569 | 8月5日号 | ロシアの自動車リサイクル税導入をめぐって |
No.1570 | 8月25日号 | 2012年1〜6月の日ロ貿易 |
No.1571 | 9月5日号 | ロシア連邦構成主体首長公選制の復活 |
No.1572 | 9月15日号 | 2012年1〜6月のロシアの貿易と外国投資受入 |
No.1573 | 9月25日号 | ロシアの「イノベーション地域クラスター」 |
No.1574 | 10月5日号 | ブリヤート国際経済会議に参加して |
No.1575 | 10月15日号 | カザフスタン政権人事異動に関する背景分析 |
No.1576 | 10月25日号 | ロシア統一地方選挙:8年ぶりの知事選挙復活 |
No.1577 | 11月5日号 | ロシア・NIS諸国のビジネス環境比較 |
No.1578 | 11月15日号 | 新刊『ロシア・ビジネスのはじめ方』のご案内 |
No.1579 | 11月25日号 | 2012年1〜9月の日ロ貿易 |
No.1580 | 12月5日号 | 2012年1〜9月のロシアの貿易と外国投資受入 |
No.1581 | 12月15日号 | 当会と実業ロシアの協力覚書 |
No.1582 | 12月25日号 | 2012年のロシア経済10大ニュース |
No.1550 2012年1月15日号
2012年のロシアはどう動くか
ロシアNIS経済研究所 次長
服部倫卓
はじめに
本稿では、年頭に当たり、2011年のロシアの政治・経済情勢を回顧するとともに、2012年の展望を試みることにする。
2011年、世界が「アラブの春」に揺れ、また米国やEUを起源とする世界経済危機の「第二波」の到来が叫ばれるなかで、ロシアは当初、それらとは一線を画し、比較的安定した動きを示していた。しかし、2012年3月の大統領選にプーチン現首相が出馬するという方針が9月に発表されたことで、その後かえってロシア情勢は流動化した感がある。かくして、大統領選挙とAPECウラジオストク・サミットという重要イベントが予定されている2012年に、ロシアは少なからぬ不透明感を抱えながら突入することになった。本稿では、ノーヴォスチ通信の発表した10大ニュース、世論調査のデータ、経済指標、専門家の論評などを手掛かりに、ロシア情勢を読み解いてみたい。
その他の記事
◎キルギス新政権発足
◎2011年1〜11月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2011年1〜11月の日ロ貿易
◎NEXIがロシア企業融資に貿易保険を適用
◎ロシア政府がJXエネと三菱商事の排出枠認定
◎キヤノンがロシア事業を拡大
◎丸紅がカザフで大型製油設備を受注
No.1551 2012年1月25日号
ロシアのWTO加盟で各地域が被る影響
―産業構造による類型化の試み―
はじめに
「エトセトラ」のコーナーでお知らせしているとおり、今般発行された『ロシアNIS調査月報』の2012年2月号では、「ついに決定したロシアのWTO加盟」と題する特集をお届けしている。今回の速報では、月報には載録しきれなかった追加情報を掲載し、月報のWTO特集を補足することを試みたい。具体的には、ロシアのWTO加盟で、ロシアの各地域(連邦構成体)が被る影響について分析した資料を、以下に紹介する。当該の資料は、社会政策独立研究所編『ロシアのWTO加盟:想定および現実の社会的影響』に掲載されたものだ。
この資料は、WTO加盟による市場開放が国際競争力の弱いロシアの諸産業に打撃を及ぼすことに着目し、各地域がどの程度の打撃を被るかを、その鉱工業生産の構造に応じて類型化したものである。影響を受けにくい産業としては、石油・ガス、冶金、木材・製紙、化学、燃料、漁業、石炭が想定されている。逆に打撃を受ける産業としては、機械、食品、軽工業が想定されている。なお、電力産業への影響は不明確という。農業やサービス産業などは考慮されていない。
その他の記事
◎カザフスタン議会下院選挙と内閣信任
◎三井物産、ロシアで鉄道車両リース事業
◎KDDIがロシア社提携の日欧間波長サービス
◎道銀・住宅関連企業がサハリン建設業と協定
◎マトヴィエンコ上院議長、野田首相を表敬
◎『調査月報』2012年2月号のご案内
No.1552 2012年2月5日号
2011年の日ロ貿易
―震災の渦中で過去最高を達成―
はじめに
日本財務省から2011年の貿易統計が発表されたことを受け、当会では2011年1〜12月の日本とロシア間の貿易に関し、米ドルに換算するとともに、輸出入商品構成をまとめた。そこで、今回の速報では、早速この資料をお届けする。なお、今回紹介する2011年のデータは、すべて速報値である。当会『ロシアNIS調査月報』5月号(4月20日発行)に、確定値を掲載する予定である。また、ロシア以外のNIS諸国との2011年の貿易額速報値を、今号の「統計速報」のコーナーに掲載しているので、あわせてご参照いただきたい。
その他の記事
◎2011年1〜12月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎日ロ外相会談で日露査証簡素化協定署名
◎ロシアがAPEC諸国とのFTAに意欲
◎ウクライナと原発事故協力協定を交渉
No.1553 2012年2月15日号
2011年のロシア経済と鉱工業生産
―不透明感のなかで4.3%の成長を記録―
はじめに
2011年のロシアの主要経済指標が概ね出揃ったので、今回の速報では2011年のロシアの経済実績をいち早くご紹介し、鉱工業生産の指標についてはとくに詳しく取り上げることにする。
ロシア連邦国家統計局の発表した速報値によれば、2011年のロシアの国内総生産(GDP)は、現行価格で54兆3,691億ルーブルとなり、インフレを考慮した実質で前年から4.3%成長した。
その他の記事
◎トルクメニスタンでベルディムハメドフ大統領再選
◎トヨタ、ロシア工場の生産工程を拡充
◎日野自動車がロシアで氷点下50度試験走行
◎JVCケンウッドロシア子会社が統合
◎外食大手のトリドールがロシアへ進出
◎2011年のロシアICT業界の動き
No.1554 2012年2月25日号
ロシアビジネスにおけるソーシャルメディアの活用
VK.com日本語版プロジェクトリーダー
豊原行宏
はじめに
ロシアでは昨年12月4日の下院選挙の投票日以降、公正で民主的な選挙の実施を要求し、プーチン政権の長期に及ぶ垂直的な統治体制に反対する大勢の人々の抗議運動が首都モスクワをはじめ全国各地で繰り返し行われており、日本国内の報道でも取り上げられ、広く一般の人々が知るところとなりました。今回の群集による抗議運動の背景として、近年ロシアにおいても急速に普及した、ツィッター、フェイスブック、フコンタクチェ、Livejournal、Ustream、YouTubeなどのいわゆるソーシャルメディアの役割があることについても、ご存知の方が多いと思います。モスクワの中心で10万人とも言われる参加者を集め、クレムリンに政策の変更を余儀なくした今回の一連のイベントは、図らずも現代のロシア社会においてこれらソーシャルメディアが相当に強い影響力を有していることを証明する結果となりました。
拙稿ではまず前半部分で私が過去2年以上に渡り日本語版のローカリゼーションに携わって来たVK.comの概要について説明します。また、後半部分ではVK.comを使ったソーシャルメディアマーケティングのロシア・NIS市場における優位性について、日系企業にとって当該マーケットにおいては常にライバルであり続ける、韓国および欧州の企業の取り組みを先行事例として挙げ、解説してみたいと思います。
その他の記事
◎ウクライナで閣僚人事、首相交代への布石か
◎タダノがロシアでOEM供給へ
◎医薬品原料の宏輝がアゼルバイジャンに工場
◎東京と京都で「日露石油ガス・セミナー」開催
◎『調査月報』2012年3月号のご案内
No.1555 2012年3月5日号
2011年のロシアの貿易と外国投資受入
はじめに
2011年のロシアの貿易と外国投資受入の統計データが発表されたので、今回の速報では恒例によりこれらのデータを図表にまとめてお届けすることにする。
ロシア中央銀行の国際収支統計によると、2011年のロシアの商品輸出総額は5,220億ドル(前年比30.4%増)、輸入総額は3,232億ドル(29.9%増)で、収支は1,988億ドルの黒字であった。輸出額、輸入額、黒字額とも、いずれも過去最高を記録した。
その他の記事
◎2012年1月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2012年1月の日ロ貿易
◎ダリキン沿海地方知事解任
◎プーチンの外交論文、日本への言及はなし
◎商品のネット販売が拡大するロシア
No.1556 2012年3月15日号
プーチンはロシア経済をどこに導くのか
―選挙前に発表された経済論文を読む―
はじめに
周知のように、ロシアでは3月4日に大統領選挙の投票が実施され、V.プーチン現首相が63.60%を得票、第1回投票で当選を決めた。投票率は65.34%だった。統領に返り咲くことになったプーチン氏は、5月7日に就任式を挙行し、6年の任期をスタートさせることになっている。
おそらく、読者の皆様のご関心はすでに、新版プーチン政権の下で、どのような政治・経済体制が構築され、ロシアが、とりわけその経済がどのような方向に進んでいくのかという点に移っているのではないか。それを占う重要な材料として、今回の速報では、プーチン氏が2012年1月30日付『ヴェードモスチ』紙上で発表した論文「我々の経済的課題について」の要旨を紹介する。
その他の記事
◎住宅建材のニチハ、モスクワに事務所
◎日産、ロシアで新型アルメーラの生産を計画
◎タダノがロシアでOEM供給へ
◎ジヤトコ、ロシアのトリヤッチに営業拠点
◎カザフでコンビニ「ミニストップ」を展開
◎ウズベキスタン向け円借款契約調印
◎ロシア・ウリヤノフスク州投資促進プレゼンテーションのご案内
No.1557 2012年3月25日号
2011年版カザフスタン100大企業ランキング
はじめに
2011年11月21日付の『エクスペルト・カザフスタン』誌に、2011年版のカザフスタン100大企業ランキングが掲載されたので、今回の速報ではこの資料を抜粋して紹介する。
『エクスペルト・カザフスタン』誌がカザフスタン大企業ランキングを制定するのは、今回が3度目ということである。本資料では、2010年の各企業の売上高にもとづいて、企業がランク付けされている(2010年の売上高にもとづく2011年版ランキングという意味なので、ご注意願いたい)。そのほか、売上高の伸び率、利潤といった指標が示されている。
その他の記事
◎ミクルシェフスキー沿海地方知事就任
◎トルクメニスタンの組閣完了
◎モルドバで約3年振りに大統領誕生
◎OKIがロシアでATM拡販
◎日本の旅行業者、モスクワ観光見本市に出展
◎『調査月報』2012年4月号のご案内
No.1558 2012年4月5日号
ロシア・ウリヤノフスク州の経済・投資ポテンシャル
はじめに
ロシアの沿ヴォルガ連邦管区に属するウリヤノフスク州よりオゼルノフ副知事を団長とするミッションが3月27〜30日にかけて来日した。それを機に当会は同月28日、東京のホテルニューオータニにおいて「ウリヤノフスク州投資促進プレゼンテーション」を開催した。同州では、2010年7月に日本の自動車安全システムを提供する専門メーカー、タカタ株式会社の欧州現地法人(TAKATA PETRI AG)が子会社TAKATA-PETRI Rusを設立し、2012年4月から生産を開始するなど、わが国の自動車部品メーカーからの注目を集めつつある。同セミナーでは「第1部 ウリヤノフスク州の経済・投資ポテンシャル」として、スメカリン・ウリヤノフスク州戦略発展・イノベーション大臣が同州経済の最新状況、ヴァシン・ウリヤノフスク州発展会社専務取締役が投資環境について報告をし、「第2部 ウリヤノフスク州自動車部品製造業への投資可能性」では、上記のヴァシン専務取締役が、同州における自動車部品製造ローカリゼーション関連ビジネスの可能性、TAKATA PETRI AGの清水博取締役がタカタの生産拠点についての報告を行った。本号ではスメカリン大臣ならびにヴァシン専務取締役の報告の概要を紹介する。
その他の記事
◎2012年1〜2月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2012年1〜2月の日ロ貿易
◎「第5回日露投資フォーラム」のご案内
◎メタルワンがロシアに現地法人を設立
◎ロシア日通トリヤッチ営業所が開設
◎双日のモスクワ拠点一本化
◎センコン物流、ロシア向けに野菜工場を輸出
◎S7の成田・ロシア極東便が就航
◎日露原子力協定、5月3日に発効
◎ロシア、世界第2位の小麦輸出国に
◎一般社団法人への移行のお知らせ
No.1559 2012年4月15日号
2011年のNIS諸国の経済(上)
はじめに
『経済速報』では毎年この時期、前年のNIS諸国(旧ソ連の新独立諸国)の経済統計を紹介し、各国の最新の経済動向について論評するという企画をお届けしている。本年も2011年のデータがほぼ出揃ったので、早速それを試みたい。
まず今号では、全12ヵ国の主要経済指標を表にまとめて掲載するとともに、NIS全般、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバについての解説をお届けする。中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)および南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア)のレビューは次号で扱う予定である。各国レビューの執筆は、当会ロシアNIS経済研究所のスタッフによるものであるが、ロシアについては本年も北海道大学スラブ研究センターの田畑伸一郎教授にとくにご寄稿いただいた。
その他の記事
◎ショイグ非常事態大臣、次期モスクワ州知事に承認
◎東芝とロシア重電大手の合弁設立
◎タムロンがロシアに現法を設立
◎日立アロカメディカル、モスクワに事務所
◎三菱東京UFJウラジオストク出張所の設立
◎ジヤトコ、AvtoVAZへのAT供給契約調印
◎プーチン首相の政府活動報告
No.1560 2012年4月25日号
2011年のNIS諸国の経済(下)
はじめに
前回に引き続き、CIS統計委員会および各国統計局発表のデータにもとづき、2011年の経済実績を中心に、NIS諸国の最新の経済情勢についてのレビューを行う。
前回は、全12ヵ国の主要経済指標を表にまとめて掲載するとともに、NIS全般、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバについての解説をお届けした。今号では中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)および南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア)を扱う。
なお、前回掲載した表1にいくつか誤りがあった。お詫び申し上げるとともに、修正およびアップデートを加えた表1を再掲載する。
その他の記事
◎日立製作所がロシア送電公社と包括協定
◎トヨタ、ロシア工場を2直化
◎ベラルーシ製放射能測定器を輸入
◎NEDOがウクライナで省エネ支援
◎日・ウクライナが原発事故協力協定に署名
◎『調査月報』2012年5月号のご案内
No.1561 2012年5月15日号
動き出したプーチン新体制
はじめに
3月4日のロシア大統領選で63.6%(公式発表)を得票し当選を果たしたV.プーチン氏は、5月7日に就任式を挙行し、正式に6年間の新たな政権をスタートさせた。そして、かねてから表明していたとおり、D.メドヴェージェフ氏を首相に指名し、8日に連邦議会の下院によってこれが承認された。
今回の経済速報では、プーチン新体制の発足に関連した動きを整理しておく。
その他の記事
◎2012年1〜3月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2012年1〜3月の日ロ貿易
◎マツダ、ロシアのソラーズ社と合弁
◎日通、ウラジオストクに営業所開設へ
◎日産・ルノー、AvtoVAZの買収を発表
◎JBICがカザフ国営企業と協力覚書締結
◎NEDOがカザフスタンとエネルギー分野等で協力
◎住商、JOGMECがレアアース開発でカザフと合意
No.1562 2012年5月25日号
ロシアのメドヴェージェフ新内閣の読み方
服部倫卓
はじめに
ロシアでは、5月21日にD.メドヴェージェフ氏を首相とする新内閣が発足した。これで、V.プーチン大統領とメドヴェージェフ首相から成る新体制が、いよいよ本格的に始動することとなった。今回の速報では、ロシア新政府の機構と人事に関し事実関係を整理してお伝えするとともに、いくつかの注目点を取り上げて論評を試みたい。
その他の記事
◎日産がロシアの生産能力倍増
◎北海道銀がロシアのズベルバンクと提携
◎矢崎総業、次世代コネクターをロシアに供給
◎ブリヂストン、ロシアタンポポでタイヤ生産
◎『調査月報』2012年6月号のご案内
No.1563 2012年6月5日号
ロシア極東開発省の概要と役割
はじめに
前回の速報では、ロシアのメドヴェージェフ新内閣の行政機構と人事についてお伝えした。新政府の体制のなかでも、極東連邦管区にかかわる部分は、本誌読者の関心がとりわけ大きいと予想される。そこで今号では、新設された極東開発省に関する情報を取りまとめてお伝えする。
その他の記事
◎2012年1〜4月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2012年1〜4月の日ロ貿易
◎東芝のロシア変圧器合弁設立手続が完了
◎横浜ゴムのロシア新タイヤ工場開所式
◎粉体機器のホソカワミクロンがロシアに販社
◎ソラーズいすゞ社の出資比率引き上げ
No.1564 2012年6月15日号
ロシア石油産業の最新動向
―2011年の生産実績と業界再編の予兆―
はじめに
当会発行の『ロシアNIS調査月報』では、毎年5月号において、前年のロシアの石油生産量を、生産企業別に詳しく紹介している。しかし、本年の5月号では紙幅の都合で同データを掲載できなかった。若干時機を逸してしまったが、この2011年のロシアの詳細な石油生産データを、今号の速報で紹介したい。また、ここに来てロシアの石油業界では、BPがロシアでの合弁「TNK-BP」から撤退する方向となり、その受け皿として国営石油会社ロスネフチが取沙汰されるなど、業界再編の予兆が生じている。そこで以下では、生産データの紹介と絡めながら、業界再編の問題にも簡単に言及したいと思う。
その他の記事
◎第5回日露投資フォーラム開催される
◎ソラーズいすゞがトラック生産開始
◎ジヤトコ、ロシア向け自動変速機の初取引
◎OKIのプリンタ、ロシアで最優秀賞受賞
◎サハリンに住宅資材輸出
No.1565 2012年6月25日号
世銀/IFCがロシアの都市別ビジネス環境発表
はじめに
6月21日から23日までの日程で、ロシアのサンクトペテルブルグで、毎年恒例の「サンクトペテルブルグ国際経済フォーラム」が開催されている。このフォーラムで昨日21日、世銀および国際金融公社(IFC)がきわめて興味深い資料を発表した。世銀/IFCが世界各国のビジネス環境の条件を調査し、毎年秋に『Doing Business』と題する報告書を発行していることは、ご存知の方も多いであろう。本速報でも、2011年11月5日号(No.1544)において、その最新版にもとづき、ロシア・NIS諸国のビジネス環境をお伝えしている。昨日、世銀/IFCが発表したのは、ロシアだけに絞った詳細な報告書『Doing Business in Russia 2012』である。注目すべきことに、この報告書では、ロシア全体のみならず、主要都市別のビジネス環境が比較検討されている。そこで、速報の今号では、『Doing Business in Russia 2012』につき紹介するとともに、主要都市別のビジネス環境の指標を表にまとめてお届けする。
その他の記事
◎ジヤトコ、ロシア営業拠点を設立
◎舞鶴・ナホトカ間コンテナ貨物トライアル輸送
◎ウラジオ航空が成田・ロシア極東線を順次再開
◎グルジア投資セミナーおよび観光セミナー
◎『調査月報』2012年7月号のご案内
No.1566 2012年7月5日号
ロシアのテクノパークの全体像
服部倫卓
はじめに
ロシアNIS貿易会では今年度、「ロシアのイノベーション促進政策とビジネスチャンス」と題する調査事業を実施している。最終的な調査成果は年度末にまとめる報告書に掲載する予定だが、調査の過程で得た有用な情報は当会の定期刊行物で随時紹介していきたいと思う。
さて、ロシアのイノベーション政策に関連し、先日興味深いニュースが報じられた。中国系のICT企業ファーウェイが、サマラ州のトリヤッチに設けられたテクノパーク「ジグレフスカヤ・ドリナ」の入居企業として認定されたということである。この事例に見られるように、今後日系を含む外資系企業がロシアでの進出地を検討する際に、テクノパークが選択肢として浮上してくる可能性もあるだろう。そこで今回の速報では、ロシアのテクノパークに関する基礎的な情報を取りまとめてお伝えし、その全体像を示すことを試みたい。
その他の記事
◎ミツトヨ、モスクワで現地法人を開設
◎NEC、ロシア携帯事業者にシステム納入
◎エーザイがロシアで初の販売承認取得
◎住友商事がロシアで携帯向け基地局リース
◎三井物産が搾油事業最大手に出資
◎JOGMECとガスプロムネフチが共同地質調査
◎NEDOがウクライナとの排出量取引
◎2012年1〜5月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2012年1〜5月の日ロ貿易
No.1567 2012年7月15日号
ロシアの最新の地域総生産
―サハリン州が最も「豊か」という逆説―
はじめに
ロシア連邦国家統計局は先頃、2010年の同国の地域総生産の統計を発表した。地域総生産は国内総生産(GDP)を地域別に(州などのレベル)ブレークダウンしたものだが、GDPよりも発表が遅いので、このほどようやく2010年の数字が発表されたというわけである。そこで今回の速報では、この最新のロシアの地域総生産を図表にまとめて紹介することにする。
その際に、注目されるのは、2010年に住民1人当たりの地域総生産という指標で、極東のサハリン州が初めてトップに立ったことだ。言ってみれば、公式統計上は、サハリン州がロシアで最も「豊か」な地域に躍り出たわけである。同州は何かと日本と縁のある地域であるだけに(北方領土もロシアの行政区分によればサハリン州所属とされている)、「サハリン州はロシアで一番豊かな地域」という事実を、頭の片隅に入れておいても損はないかもしれない。しかし、そこには大いなる逆説が見て取れ、以下ではその問題についても言及してみたい。
その他の記事
◎ロシアの第1四半期GDPは4.9%成長
◎三菱自とPSA、ロシア工場で本格生産開始
◎ロシア下院がWTO加盟を批准
◎グルジア首相交代 ―内務大臣から首相へ
No.1568 2012年7月25日号
ウラジオストクAPECまで1ヵ月
齋藤大輔
はじめに
さあ、いよいよロシア・ウラジオストクでのAPECサミットが1ヵ月後に迫ってきた。会場施設や橋などインフラの完成の遅れが心配されていたが、なんとかほぼすべて完成し、開催が確実な状況になってきた。
7月、ウラジオストクと沖合のルースキー島を結ぶ橋が完成し、「ウラジオストクの日」の2日、メドヴェージェフ首相が出席して開業式典が橋の上で行われた。高さは320mに上り、2本の主塔間の距離は1,104mと斜張橋としては世界一となる。その姿はアジア太平洋に成長の軸足を移したロシアのシンボルとなるものである。メドヴェージェフ首相は「橋は立派で、美しく、ウラジオストクのシンボルだ」と絶賛した。
そのルースキー島では、9月にAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議(サミット)が開かれる。昨年11月に米国から議長国のバトンを受けて以来、カザンでの貿易担当大臣会合(6月)、サンクトペテルブルグでのエネルギー担当大臣会合(6月)、ハバロフスクでの観光担当大臣会合(7月)など各種会合を成功に導き、議長国としての実績を積み上げてきた。ウラジオサミットはその集大成となるものである。
ロシアはAPEC開催決定以来、会場施設やホテルの建設を急ピッチで進めてきた。サミットは、目覚ましい経済成長で変貌を遂げたロシアを全世界にアピールする最高の舞台となる。と同時に、アジア太平洋地域、つまり東に戦略の舵を切ったロシアが何を見せるのかという期待もある。
その他の記事
◎矢崎総業がロシア企業を買収
◎日本貿易保険、ロシア石炭企業を支援
◎境港と韓ロを結ぶDBS貨客船が就航3周年
◎極東・東シベリアで鳥取産果物販売
◎ロシア、8月23日にWTO加盟国に
◎ロシアの新たな民営化方針
◎『調査月報』2012年8月号のご案内
No.1569 2012年8月5日号
ロシアの自動車リサイクル税導入をめぐって
坂口泉
はじめに
2011年末にロシアのWTO加盟が決定した際に、あるロシア政府の高官が、「WTO加盟後の輸入関税率の引き下げに伴い中古車の輸入量が急増するという事態を回避するための措置を検討している」という主旨の発言を行った。自動車関係者の間では、この発言が具体的に何を意味するのかという点に注目が集まっていたが、2012年春になり、輸入中古車および商用車に対し特に高い税率を適用することを想定した「リサイクル税」を導入することをロシア側が検討していることが判明した。その具体的内容や導入時期については様々な噂が出ていたが、7月末にリサイクル税に関する法案にプーチン大統領が署名し、9月1日からの導入が決定した。
肝心の税率に関してはまだ最終的な結論が出ていないが、日本の自動車関係者のこの問題に対する関心は非常に高く、お問い合わせも多いので、現時点で判明している同税の概要をご紹介することとする。
その他の記事
◎2012年1〜6月のロシア経済と鉱工業生産
◎2012年1〜6月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2012年1〜6月の日ロ貿易
◎近鉄エクスプレスの現法、トリヤッチに事務所
◎マツダが「Mazda6」をモスクワで世界初公開
◎日ウクライナ原発事故後協力合同委員会
◎ロシア・プスコフ州に経済特区
No.1570 2012年8月25日号
2012年1〜6月の日ロ貿易
はじめに
日本財務省から、2012年上半期(1〜6月期)の貿易統計が発表されたことを受け、当会では上半期の日本とロシア間の貿易に関し、輸出入商品構成をまとめたので、早速これを紹介したい。なお、ロシア以外のNIS諸国との輸出入動向も「統計速報」のコーナーに掲載しているので(すでに本誌8月5日号に掲載済みだが、再録する)、あわせてご参照いただきたい。
2012年1〜6月期の日ロ貿易をドル換算したところ、輸出入合計で171億6,818万ドルとなり、前年同期比20.6%増大した。うち、日本の輸出が67億2,786万ドル(前年同期比24.7%増)、輸入が104億ドル4,033万ドル(同18.1%増)であった。このように、日ロ貿易は引き続き拡大基調にあるものの、東日本大震災を受け日ロ貿易も2011年半ばに一時期やや足踏みした経緯があり、現時点の拡大はベースとなる昨年の水準が低かった点にも起因していることに注意する必要がある。
その他の記事
◎2012年1〜6月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎ロシア、8月22日にWTOに正式加盟
◎ロシア沿海地方、32プロジェクト提案へ
◎伊勢湾海運がペテルブルグ事務所新設
◎JBIC、カザフ製油所近代化で融資
◎ロシアビジネスセミナー in 仙台
◎『調査月報』2012年9-10月号のご案内
No.1571 2012年9月5日号
ロシア連邦構成主体首長公選制の復活
中馬瑞貴
はじめに
2011年12月の下院選挙、2012年3月の連邦大統領選挙と、ロシアでは全国規模の選挙が続いたが、いまから約1カ月後の10月14日、今度は統一地方選挙が実施される。連邦構成主体議会選挙や地方自治体議会選挙の他に、今回は約7年ぶりに5つの連邦構成主体(アムール州、ベルゴロド州、ブリャンスク州、ノヴゴロド州、リャザン州)で首長選挙が行われる予定になっている。
2004年9月に北オセチア共和国・ベスランで起きた学校占拠事件をきっかけに、当時のプーチン大統領は拡大閣僚会議を開催し、地方の統制を強化する必要性を訴えた。そしてすぐに連邦構成主体首長の公選制を廃止する内容の法案を提出し、2004年12月、事実上の大統領任命制を導入した。2005年1月の沿海地方ダリキン知事(当時)の再任を皮切りに、次々と首長の任命が行われたものの、この制度は途中でいくつかの修正が行われた。ひとつの例を挙げると、当初、大統領が任命するための候補者を選ぶのは連邦管区大統領全権代表であったが、構成主体議会の第一党、事実上、統一ロシアが独占的に候補者を選ぶことになった。また、実際の任免の結果を見ていくと、プーチン大統領とメドヴェージェフ大統領、それぞれの任命には異なった特徴が見られる(詳しくは拙著『ロシアNIS調査月報』2011年5月号「ロシア地方首長選挙制度 −プーチン・メドヴェージェフの特徴−」参照)。
こうして、約7年間に渡って連邦中央によって上から任命された首長が各地を統治する状況が続いてきたが、再び住民の選挙によって選ばれる首長が誕生することになる。任命制導入以前も公選制を適用しており、その点では「復活」となるわけであるが、一方、新しい連邦構成主体首長選出制度は任命制導入前の公選制と同じではない。そこで、本項では、連邦構成主体首長選挙制度導入に至る過程と新しい制度の内容について解説する。
その他の記事
◎2012年1〜7月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2012年1〜7月の日ロ貿易
◎ロシアの自動車リサイクル税率が発表
◎横浜ゴム、モスクワ国際自動車サロンに出展
◎住友ゴム、ダンロップがモスクワ国際自動車サロンに出展
◎マツダがロシア販売を10万台に
◎自動車部品輸送で三河・ウラジオ航路開設
◎神鋼がロシアで還元鉄プラントを受注
◎2014年に武田薬品ヤロスラヴリ工場が稼働
◎住友商事がウクライナでトヨタ製プリウス納入
◎センコーとカザフ国鉄が物流分野で業務提携
◎カネボウ化粧品、アゼルバイジャンへ進出
No.1572 2012年9月15日号
2012年1〜6月のロシアの貿易と外国投資受入
―輸出入の頭打ちと統計方式の変更―
はじめに
2012年1〜6月のロシアの貿易と外国投資受入の統計データが出揃ったので、今回の速報では恒例によりこれらのデータを図表にまとめてお届けすることにする。
ロシア中央銀行の国際収支統計によると、2012年1〜6月のロシアの商品輸出総額は2,634億ドル(前年同期比6.7%増)、輸入総額は1,542億ドル(4.1%増)で、収支は1,092億ドルの黒字であった。ロシアの貿易は、リーマン・ショックによる落ち込みから回復し、目覚ましい拡大を続けてきたが、2012年に入ってからは輸出入ともに頭打ちの傾向が見られる。4月、6月、7月の輸出、4月、5月、6月の輸入は、前年の水準を下回っている。
その他の記事
◎マツダソラーズ設立記念式典が開催
◎コマツ、ロシア極東の人材育成に協力
◎三菱東京UFJと沿海地方政府が業務提携
◎武田薬品のロシア医薬品生産工場が完成
◎明治HD系、ベトナム・ロシアで製薬販売提携
◎玄葉外相、枝野・経産相がロシア第一副首相と会談
◎ロシア極東の開発には年間3兆ルーブル以上が必要
No.1573 2012年9月25日号
ロシアの「イノベーション地域クラスター」
服部倫卓
はじめに
ロシア連邦政府は先日、政府が今後開発を支援していく「イノベーション地域クラスター」の一覧表を制定し、公表した。これまでロシアでは、各地域による自称「産業クラスター」が乱立する一方で、連邦政府がそれらを束ね、体系的な支援策を講じる動きは鈍かった。その意味で、今回の「イノベーション地域クラスター」の一覧表策定は、きわめて注目すべき動きである。
そこで今回の速報では、今般発表された「イノベーション地域クラスター」の一覧表を加工して紹介するとともに、若干の解説をお届けする。
なお、関連するレポートとして、拙稿「ロシアのテクノパークの全体像」『ロシアNIS経済速報』(2012年7月5日号、No.1566)もあわせて参照していただければ幸いである。前回レポートでも述べたように、ロシアNIS貿易会では今年度、「ロシアのイノベーション促進政策とビジネスチャンス」と題する調査事業を実施している。最終的な調査成果は年度末にまとめる報告書に掲載する予定だが、調査の過程で得た有用な情報は当会の定期刊行物で随時紹介していきたいと思う。
その他の記事
◎日本郵船、ロシア物流会社に出資
◎鳥取県、新潟市等がハバロフスク見本市出展
◎ロシア政府が北方領土の開発計画を更新
◎リサイクル税に関するロシア政府決定の掲載
No.1574 2012年10月5日号
ブリヤート国際経済会議に参加して
中居孝文
はじめに
9月13日〜15日、東シベリアのブリヤート共和国の首都ウランウデにおいて、「国際経済会議 ―新たな経済、新たなアプローチ」(以下、ブリヤート国際経済会議)が開催され、筆者はそれに参加した。
ブリヤート国際経済会議は、連邦会議(議会上院)とブリヤート共和国が共催するもので、参加人数延べ700人、連邦議会・政府からもかなりハイレベルな面々が参加する堂々たるイベントである。開催期間中に、同会議および関連イベントを通じて、シベリア・極東開発の様々な課題や新プロジェクトが多くの報告者から提起された。
そこで、今回の速報では、ブリヤート国際経済会議の概要を、それに参加した印象を含めて、お伝えすることにしたい。
その他の記事
◎カザフスタンで首相交代などの政権人事
◎キルギスでサティバルディエフ新内閣成立
◎グルジア議会選挙で与野党逆転
◎キルギス共和国投資促進ラウンドテーブルのご案内
◎2012年1〜8月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2012年1〜8月の日ロ貿易
◎ルノー・日産連合のAvtoVAZ買収に許可
◎三菱東京UFJのウラジオストク出張所が開設
◎日立ソリューションズ、ロシアでソフト発売
◎ロシアのW杯開催11都市が正式決定
No.1575 2012年10月15日号
カザフスタン政権人事異動に関する背景分析
D.サトパエフ
はじめに
ロシアNIS経済研究所は、カザフスタンの著名な政治評論家D.サトパエフ氏が主宰する民間の政治経済調査機関「Risks Assessment Group」と長期にわたる協力関係にある。前号(No.1574)でお知らせしたとおり、カザフスタンではこの9月末に大統領府長官、首相等、政権内の重要ポストにおいて異動が行われたが、これはかねてより予測されたものであったため、当研究所ではRisks Assessment Groupに予め事前の予測、および事後の背景分析に関するレポートの発注を行っていた。今号ではうち後者の抄訳をご紹介する。
その他の記事
◎郵船ロジスティクス、ナホトカ支店設立
◎マツダがウラジオストクで生産開始
◎FESCOと伏木海陸運送が定期便就航
◎サハリンからのタンカーが石狩LNG基地入港
◎日建設計などがスマートシティをロシアで整備
◎ロシア消費市場の20%は不正商品
◎ソヴィエツカヤガワニ港湾特区、廃止の危機
◎京セラ、タジクに太陽光発電システム供給
No.1576 2012年10月25日号
ロシア統一地方選挙:8年ぶりの知事選挙復活
中馬瑞貴
はじめに
速報9月5日号でお知らせしたとおり、2012年10月14日に統一地方選挙が実施された。地方自治体を合わせ、77の連邦構成主体で4,814の選挙が行われた統一地方選挙であるが、今回の注目は何といっても約8年ぶりに実施された知事選挙であった。先に結果について言及すれば、アムール州、ベルゴロド州、ブリャンスク州、ノヴゴロド州、リャザン州、全5つの連邦構成主体で、現職、統一ロシアの知事が再選を果たした。
与党統一ロシアは2011年12月の下院選挙で期待したほどの支持率を獲得することができず、その後も反政権運動が続き、2012年3月の連邦大統領選挙に向けて、支持率の回復に躍起になっていた。一部の構成主体首長はモスクワに集められて喝を入れられ、大統領選の直前に知事の交代を余儀なくされた地域さえあった。そのような選挙サイクルの流れを受けた今回の統一地方選挙の結果はどうなったのだろうか。本稿では知事選挙以外の結果も一部踏まえながら、今回の統一地方選挙の結果について報告する。
その他の記事
◎地域発展大臣いよいよ交代
◎住友電工がロシアの超伝導送電事業に参画
◎丸紅、ウクライナで排水浄化プラントを受注
◎世界ビジネス環境調査でグルジアは9位に
◎『調査月報』2012年11月号のご案内
No.1577 2012年11月5日号
ロシア・NIS諸国のビジネス環境比較
―Doing Business 2013より―
はじめに
世銀グループの国際金融公社(IFC)は先頃、報告書『Doing Business 2013』を発表した。これは、世界各国の企業活動に対する政府の規制(言い換えればビジネスのやりやすさ)をランキング形式でまとめ、毎年秋に発表しているものである。ロシアのプーチン政権が、同ランキングにおける順位を2018年までに20位以内に引き上げることを正式に目標として掲げるなど、各国の改革努力にとっても重要なメルクマールとなっている。そこで今回の速報では、この資料のなかから、当会の事業対象国であるロシア・NIS諸国のデータを抜粋してお届けする。
その他の記事
◎2012年1〜9月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2012年1〜9月の日ロ貿易
◎KDDIがロシアにデータセンター設立
◎稚内建設機械がサハリンにコンサル会社
◎伊藤忠、ウクライナで鉄道向け機器受注
◎住商合弁レアアース精製工場がカザフで完成
◎タタルスタンに新たに技術導入特区
◎ロシア経済発展省、通商代表部の改革に乗り出す
◎ベラルーシ共和国セミナー開催のご案内
No.1578 2012年11月15日号
新刊『ロシア・ビジネスのはじめ方』のご案内
芳地隆之
はじめに
当会ロシアNIS経済研究所副所長の高橋浩、同研究主任の齋藤大輔ならびに筆者の編著による『ロシア・ビジネスのはじめ方』が10月に東洋書店より発刊された。本書は、そもそも当会の独自事業として編纂された『ビジネスガイド ロシア 2004〜2005』の改訂版として作成が進められていたのだが、この間、ロシアビジネスとのつながりが薄かった産業分野においても同国市場への関心が高まっていることから、より広い読者層にロシアのビジネス環境を知ってもらおうと、一般書店における販売に至った。今号では同書発刊の背景ならびに概要について説明したい。
その他の記事
◎2012年1〜9月のロシア経済と鉱工業生産 ―成長率が鈍化―
◎EBRDが2012年版報告書を発表
◎国際石油帝石がロシア石油大手とイラク油田開発
◎OKIがATMをロシアに導入
◎不動産事業のスターツ、ロシア進出を準備
◎新潟原動機、アゼルバイジャンから受注
No.1579 2012年11月25日号
2012年1〜9月の日ロ貿易
はじめに
日本財務省から、2012年1〜9月期の貿易統計が発表されたことを受け、当会では日本とロシア間の貿易に関し、輸出入商品構成をまとめたので、早速これを紹介したい。ロシア以外のNIS諸国との輸出入動向も「統計速報」のコーナーに掲載しているので(すでに本誌11月5日号に掲載済みだが、再録する)、あわせてご参照いただきたい。
その他の記事
◎2012年1〜9月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎ロシアの2012年1〜9月GDPは3.9%増
◎ロシア都市の魅力ランキング
◎貿易経済に関する日露政府間委員会第10回会合
◎伊藤忠がロシアで火力発電プロジェクト覚書調印
◎トリヤッチ特区で80億ルーブル投資、日系の三桜社も
◎ガスプロム、日本市場を有望視
◎ロシア極東発展省、国が関与する優先プロジェクトを指定
◎『調査月報』2012年12月号のご案内
No.1580 2012年12月5日号
2012年1〜9月のロシアの貿易と外国投資受入
―輸出入の頭打ちがより鮮明に―
はじめに
2012年1〜9月のロシアの貿易と外国投資受入の統計データが出揃ったので、今回の速報では恒例によりこれらのデータを図表にまとめてお届けすることにする。
ロシア中央銀行の国際収支統計によると、2012年1〜9月のロシアの商品輸出総額は3,904億ドル(前年同期比3.5%増)、輸入総額は2,404億ドル(同3.0%増)で、収支は1,713億ドルの黒字であった。国際収支ベースの過去数年の輸出入額を、月別に跡付けたのが図表1である。ロシアの貿易は、リーマン・ショックによる落ち込みから回復し、目覚ましい拡大を続けてきたが、2012年に入ってからは輸出入ともに頭打ちの傾向が生じ、月を追うに連れてそれが鮮明になってきている。4月、6月、7月、8月の輸出、4月、5月、6月、8月、9月の輸入は、前年の水準を下回っている。
その他の記事
◎2012年1〜10月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2012年1〜10月の日ロ貿易
◎KYB、ロシアに販売会社を設立
◎三菱化学がロシア企業に植物工場販売
◎エカテリンブルグが2020年の万博開催に名乗り
No.1581 2012年12月15日号
当会と実業ロシアの協力覚書
はじめに
既報のとおり、2012年11月20日東京において、貿易経済に関する日露政府間委員会第10回会合が開催されました。その機会を利用し、私ども一般社団法人ロシアNIS貿易会(ROTOBO)は、ロシアの経済団体である「実業ロシア」との間で、協力覚書に調印いたしました。これについては、政府間の覚書の中でも、「ロシアNIS貿易会と実業ロシアとの間の協力の開始を歓迎」すると言及されています。当会としては、実業ロシアとの協力関係を足掛かりに、活動の幅をさらに広げ、日本とロシアの経済関係の促進により一層励んでいく所存です。
そこで今回の速報では、実業ロシアとの覚書のテキストを掲載いたします。また11月の政府間委員会および関連行事に関し、ロシア側の関係サイトに掲載された論評を、あわせて資料としてご紹介します。
その他の記事
◎ルノー・日産がAvtoVAZ買収、アルメーラ生産開始
◎AppleがロシアでiTunes Store立ち上げ
◎S&P、ウクライナをBに格下げ
◎トランスペアレンシー・インターナショナルの腐敗認識指数
No.1582 2012年12月25日号
2012年のロシア経済10大ニュース
はじめに
今号の速報は、2012年最後の号である。そこで今回は、先日ロシア・ノーヴォスチ通信が発表した2012年のロシア経済10大ニュースを紹介し、今年1年間のロシア経済を総括・回顧してみたい。
ノーヴォスチ通信では毎年暮れに、経済・政治・社会といったジャンルごとの10大ニュースを発表している(以前はそれらをひっくるめた総合10大ニュースも発表されていたが、現在はジャンル別だけとなっている)。各ニュースに寸評も付されるので、旧年の同国の国情を総括する上で非常に有益である。以下では、本誌読者の関心がもっとも高いであろう経済10大ニュースにフォーカスし、各ニュースについての簡単な説明も添えながらご紹介したい。それに加え、政治・社会・地方・文化・スポーツに関しても、それぞれのジャンルの10大ニュースの一覧を掲載する。これらは必ずしもビジネスのお役には立たないかもしれないが、ロシアの世情を知るためのご参考にしていただければ幸いである。
その他の記事
◎ウクライナでアザロフ首相再任
◎重工と双日、バシコルトスタン向けプラント受注
◎三菱自ロシア工場からアウトランダー出荷
◎建機向け部材販売のニッコー、ロシアで合弁設立
◎自動車ケーブルのハイレックスがロシアに工場
◎大陽日酸、東シベリアでヘリウムガス調達
◎澤田HDがロシア極東の銀行の株式取得
◎2025年までの北カフカス発展国家プログラム
◎『調査月報』2013年1月号のご案内