ロシアNIS経済速報(2009年)
No.1451 | 1月15日号 | 2009年の日ロ経済関係を展望する |
No.1452 | 1月25日号 | ウクライナから見た「天然ガス戦争」 |
No.1453 | 2月5日号 | ロシア極東と2012年APEC関連の開発の展望 |
No.1454 | 2月15日号 | 2008年の日ロ貿易 ―終盤の失速で300億ドルには届かず― |
No.1455 | 2月25日号 | ヨーロッパのエネルギー安全保障とロシア |
No.1456 | 3月5日号 | 2008年のロシアの貿易と外国投資受入 |
No.1457 | 3月15日号 | ロシアのインスタントラーメン市場 |
No.1458 | 3月25日号 | カスピ海沖で進む2つの油田開発とBTCパイプライン |
No.1459 | 4月5日号 | ロシア沿海地方の内陸ターミナル構想 |
No.1460 | 4月15日号 | 2008年のCIS諸国の経済(上) |
No.1461 | 4月25日号 | 2008年のCIS諸国の経済(下) |
No.1462 | 5月15日号 | 日ロ経済フォーラムでのプーチン首相発言要旨 |
No.1463 | 5月25日号 | 経済危機後のロシア化学工業 |
No.1464 | 6月5日号 | ロシア側提案のプロジェクトリスト |
No.1465 | 6月15日号 | 極東ロシア経済ミッションに関する現地報道振り |
No.1466 | 6月25日号 | ロシアにおける外国車生産プロジェクトの明暗 |
No.1467 | 7月5日号 | もう1つのガス紛争 ―ベラルーシの瀬戸際戦術― |
No.1468 | 7月15日号 | タジキスタン経済セミナー開催 |
No.1469 | 7月25日号 | ロシアの鉱工業生産は底入れしたのか? |
No.1470 | 8月5日号 | 2009年1〜6月の日ロ貿易 ―自動車輸出の低迷が響く― |
No.1471 | 8月25日号 | ロシアにおける事業拠点の見直し戦略 |
No.1472 | 9月5日号 | 2009年上半期のロシアの貿易と外国投資受入 |
No.1473 | 9月15日号 | 「日ロ沿岸ビジネスフォーラム」の開催 |
No.1474 | 9月25日号 | 『世界投資報告書 2009』を読む |
No.1475 | 10月5日号 | 当会HPにおける会員専用ページ開設と新サービス |
No.1476 | 10月15日号 | 経済危機以降のロシア・アパレル市場 |
No.1477 | 10月25日号 | ウクライナの製油所をめぐる状況 ―奨励されない国内生産 |
No.1478 | 11月5日号 | 2009年1〜9月の日ロ貿易 ―遅々とした回復の歩み |
No.1479 | 11月15日号 | 2009年1〜9月のロシア経済 ―回復は本物か?― |
No.1480 | 11月25日号 | ロシア「地域開発」と「宇宙開発」の交点 |
No.1481 | 12月5日号 | 2009年1〜9月のロシアの貿易と外国投資受入 |
No.1482 | 12月15日号 | 初めて発表されたカザフスタン大企業ランキング |
No.1483 | 12月25日号 | 大統領選前夜のキエフを訪問して |
No.1451 2009年1月15日号
2009年の日ロ経済関係を展望する
ロシアNIS経済研究所 所長
遠藤寿一
はじめに
1990年代も後半になると、21世紀はどのような世紀になるかを予言するような論文が多くなり、資本主義の未来はあるかなど活発な議論が高まっていた。
冷戦構造の崩壊、ソ連邦の解体から米国の一極支配が続いてきたが、この先どうなるか、先進国に代わって新興国の勢力が21世紀の世界の実質的リーダーになるといった話題が俎上にのっていた。21世紀もスタートして8年が過ぎ、今回の金融危機から始まった世界同時不況は100年に一度と言われているように、過去の常識を覆すような未知の世界に人類を導く大転換期となる予兆なのかもしれない。
本稿では、世界経済のこのような厳しい環境を踏まえながら、ロシア経済の現状と見通しについて概観し、そのうえで2009年の日ロ経済関係を展望することとする。
その他の記事
◎2008年1〜11月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎日清食品がロシア最大手に出資
◎横浜ゴムがロシアにタイヤ工場建設へ
◎INAXがロシアに販売代理店を新設
◎ユニ・チャームがロシアの新工場建設を開始
◎『調査月報』2009年2月号特別先行配信のお知らせ
◎「日本キルギス・ビジネスフォーラム」のご案内
◎メンバーズ・ブリーフ「APEC2012年に向けた沿海地方の開発展望」
◎「ロシア極東ビジネスセミナー(浜松)」のご案内
No.1452 2009年1月25日号
ウクライナから見た「天然ガス戦争」
北海学園大学 非常勤講師
北海道大学スラブ研究センター 共同研究員
藤森信吉
はじめに
2009年1月1日、ロシア・ガスプロムは2009年度供給契約の未締結と債務不履行を理由にウクライナへの天然ガス供給を停止し、さらに数日後には同地経由のヨーロッパ向け天然ガス供給も停止した。長期化した対立は1月18日に両国首相が合意し、19日にガスプロム・ナフトハス社が調印した「天然ガス売買契約およびウクライナ領経由天然ガス輸送契約」により解消されることになった。本稿では、19日契約を紹介すると同時に、我が国で紹介されることが少ないウクライナ側のソースを用いて問題の背景、対立軸を整理したい。なお、天然ガスをめぐるウクライナ・ロシア関係の概説・詳細については、ロシアNIS経済研究所編『ウクライナ・ベラルーシ経済ガイドブック』および拙稿「ウクライナとロシア」田畑伸一郎編著『石油・ガスとロシア経済』北海道大学出版会を参照いただきたい。
その他の記事
◎日通がロシアにおける航空輸送を強化
◎富士フイルムがロシア代理店を子会社化
◎北海道中小5社がウラジオでインフラ整備
◎北海道銀行がロシアVTB銀行と提携
◎東京と鹿児島でロシア・ビジネスセミナー
◎ロシア語版日本観光ガイド第6版発行される
No.1453 2009年2月5日号
講演録
ロシア極東と2012年APEC関連の開発の展望
ロシア科学アカデミー極東支部太平洋地理学研究所
所長 P.バクラノフ
はじめに
当会は、財団法人JKAが実施する平成20年度の競輪補助事業を活用して、ロシア科学アカデミー極東支部太平洋地理学研究所のP.A.バクラノフ所長を招聘した。補助事業によって浜松市で1月20日に「ロシア極東ビジネスセミナー」を実施し、ロシア極東開発とウラジオストクで開催される2012のAPEC首脳会議関連の開発状況について講演をしていただいた。本速報では、その前日に東京で実施された当会のメンバーズブリーフで話された内容も盛り込み、以下に講演内容をまとめた。当日の配布資料(英文および一部はロシア語によるプレゼンテーション資料)を、当会ホームページにアップしたので、あわせてご覧いただきたい。
なお、当会『ロシアNIS調査月報』3月号(2月20日発行予定)では、沿海地方の大特集をお届けすることになっているので、そちらもぜひお楽しみにしていただきたい。
その他の記事
◎明らかになったロシア・ウクライナのガス契約
◎2008年1〜12月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2008年の月別の日本の対ロシア輸出入通関実績
◎2008年のロシアの成長率は5.6%
◎各港海運がモスクワ駐在員事務所を開設
◎ロシア産丸太の輸出関税上げが延期
◎「ロシア石油技術セミナー開催のご案内(京都および東京)
◎講演会「ロシア・ウクライナ天然ガス紛争をめぐって」のご案内
No.1454 2009年2月15日号
2008年の日ロ貿易
―終盤の失速で300億ドルには届かず―
はじめに
日本財務省から2008年の貿易統計が発表されたことを受け、当会では2008年1〜12月の日本とロシア間の貿易に関し、輸出入商品構成をまとめた。そこで、今回の速報では、早速この資料をお届けする。「統計速報」のコーナーでは、2008年の日本の対ロシア・NIS諸国の輸出入額一覧を掲載しているので(前回も掲載したが再録する)、あわせてご利用いただきたい。
2008年の日ロ貿易は、輸出入合計で296億1,632万ドルとなり、前年比39.1%増大した。もちろんこれは、日ソ/日ロ貿易の時代を通じ、史上最高額である。しかし、業界としては、「達成感」よりも、「惜しくも300億ドルに届かなかった」というムードの方が強いであろう。夏頃までは、このままの勢いで行けば300億ドル突破は確実と見られていたが、秋以降の世界経済危機の影響を受け、年の終盤に失速、結局「大台」にわずかに届かない形となった。
その他の記事
◎2008年1〜12月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎日通がロシア向け複合一貫サービス
◎原子力機構がカザフスタンと研究開発協力
◎ロシア大使に河野氏
◎『調査月報』2009年3月号特別先行配信のお知らせ
No.1455 2009年2月25日号
講演録
ヨーロッパのエネルギー安全保障とロシア
立正大学経済学部 教授
ユーラシア研究所事務局長
蓮見雄
はじめに
当会は2月9日、ユーラシア研究所との共催により、講演会「ロシア・ウクライナ天然ガス紛争をめぐって」(於:立正大学大崎キャンパス)を開催した。「ヨーロッパのエネルギー安全保障とロシア」(蓮見雄・立正大学経済学部教授)および「ガス値上げ後のウクライナの行方」(服部倫卓・ロシアNIS経済研究所次長)と題するテーマで、ロシア・ウクライナ天然ガス紛争の経緯を跡付け、新合意の概要を分析するとともに、一連の経緯がヨーロッパのエネルギー安全保障に及ぼす影響について考えるという試みである。今号では、そのうち「ヨーロッパのエネルギー安全保障とロシア」の講演概要をご紹介する。
その他の記事
◎サハリン2のLNG工場が完成
◎ココカラファインがロシア進出へ
◎IHIがウラジオストク橋建設を受注
◎北海道銀行サハリン事務所認可
◎北海道経産局がロシアビジネス支援窓口
◎『調査月報』2009年3月号のご案内
◎ナザルバエフ大統領の著書を送呈
No.1456 2009年3月5日号
2008年のロシアの貿易と外国投資受入
はじめに
ロシア連邦国家統計局が、2008年のロシアの貿易および外国投資受入状況の統計を発表したので、今回の速報では早速これらのデータを整理して紹介することにする。
国際収支ベースの統計によれば、2008年にもロシアの貿易はダイナミックな発展を遂げ、輸出は4,718億ドル(前年比33.1%増)、輸入は2,920億ドル(前年比30.6%増)、収支は1,798億ドルの黒字という結果に終わった。だが、好調だったのは第3四半期までであり、第4四半期には世界金融・経済危機の影響を受け、貿易も急激に縮小に向かっている。
外国投資受入状況でも、変調が見て取れる。2008年のロシアの外国投資受入総額は、前年比14.2%減の、1,038億ドルにとどまった。受入額が縮小したのは、9年振りのことである。ただ、久し振りに日本が投資国としてベスト10に顔を出したのは、朗報かもしれない。
今回の速報では概況をお伝えするにとどめるが、当会『調査月報』では例年どおり、準備ができ次第、ロシアの貿易および外国投資の詳細な統計と解説を掲載する予定である。
その他の記事
◎2009年1月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎日本の対ロシア月別輸出入通関実績
◎ポーラがロシア事業を拡大
◎三菱ふそうがカザフなど3カ国に新規参入
No.1457 2009年3月15日号
ロシアのインスタントラーメン市場
ロシアNIS経済研究所 次長
坂口泉
はじめに
2008年12月下旬に日清食品が「アングルサイド社との資本業務提携に関するお知らせ」というプレスリリースを発表した。それによると、同社はロシアのインスタントラーメン市場でトップシェアを誇るマルベンフード・セントラル社の持ち株会社であるアングルサイド社(キプロス企業)への出資を通しロシア市場に参入するとされている。出資は段階的に実施される予定で、2009年1月に既存株式の購入および第三者割当増資の引き受けにより14.99%を取得し、最終的には33.5%に相当する株式を取得することになっている模様である。日清食品の投資額は、初回出資金額が約93億円で、最終的には合計約268億円になる見込みとなっている。また、同社は、インスタントラーメンの製造等に関する技術の指導、援助を行うことも視野に入れているようである。
個人的な見解だが、これは非常に興味深い動きだと考えている。インスタントラーメンは一般に不況に強い商品といわれており、ロシアでもその市場規模が今後さらに拡大する可能性が高いと判断されるからだ。今回は、このニュースに触発され、ロシアのインスタントラーメン市場に関する情報を簡単にではあるが紹介することとする。
その他の記事
◎大阪ガスがサハリン2からLNG購入
◎千代田化工建設が国交大臣賞を受賞
◎「日本・キルギス・ビジネスフォーラム」開催概要
◎「日本ウズベキスタン・投資ビジネスセミナー2009」のご案内
◎『調査月報』2009年4月号特別先行配信のお知らせ
No.1458 2009年3月25日号
カスピ海沖で進む2つの油田開発とBTCパイプライン
鞄本政策金融公庫 国際協力銀行
麻生憲一さん 伊藤雄介さん
はじめに
国際協力銀行(JBIC)は世界各地の油田開発や権益取得などに取り組む日本企業を積極的に支援している。そのなかでもカスピ海沖の油田開発、すなわちアゼルバイジャンのアゼリ・チラグ・グナシリ(ACG)油田開発およびBTCパイプライン(バクー〔アゼルバイジャン〕〜トビリシ〔グルジア〕〜ジェイハン〔トルコ〕にいたる1,768kmの石油パイプライン)敷設、そしてカザフスタンのカシャガン油田開発事業は、「原油自主開発比率を現状の15%から2030年には40%に拡大する」との数値目標を定めた経済産業省「新・国家エネルギー戦略」の重要なプロジェクトとして位置づけられている。しかしながら、2008年には、カザフスタン政府の後押しによって、同国国営石油会社がカシャガン油田事業の他の筆頭権益保有コントラクターと同じ権益を有するようになったり、ロシア・グルジア紛争がBTCパイプラインの安定的な原油輸送に疑問符を投げかけたりなど、懸念材料も聞かれる。そこで今回は、JBICの担当者の方々から、上記プロジェクトの現状と課題についてうかがった。
その他の記事
◎清水建設がバイカル湖底ガス回収に成功
◎日本車両製造がロシアから貨車製造設備を受注
◎東芝がロシアと原子力協力で合意
◎日本がウクライナの排出枠を購入
◎日本コンサルティング・エンジニヤ協会がウズベクと覚書
◎新刊案内『拡大するEUとバルト経済圏の胎動』
◎『調査月報』2009年4月号のご案内
No.1459 2009年4月5日号
ロシア沿海地方の内陸ターミナル構想
ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所
A.バルダリ
はじめに
近年、ロシアでは港湾貨物量の増大にともない、貨物量の分散による港湾での負荷軽減、港湾と鉄道・トラック輸送の連携強化を目的とした内陸ターミナル(とくにコンテナターミナル)の創設の動きがみられる。例えば、サンクトペテルブルグでは、2件の内陸コンテナターミナル(シュシャリ、ヤニノ)が建設中で稼動間近の状況にある。他方、ロシア極東の物流ゲートウェイであるウラジオストクとナホトカでも、まだ着工には至っていないが、同様の内陸ターミナルの建設が検討されている。
この度、沿海地方における2つの内陸ターミナル構想に関して、ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所のバルダリ研究員より情報提供があったので、今号ではそれを抄訳の形でご紹介することとしたい。
その他の記事
◎サハリン2からのLNG出荷
◎北海道銀のサハリン事務所開設される
◎新日鐵がロシア向け高級レールを受注
◎日本貿易保険がウクライナ輸銀と覚書
◎ロシアNIS貿易会モスクワ事務所移転のお知らせ
◎「極東ロシア経済ミッション」参加者募集のご案内
◎2009年1〜2月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎日本の対ロシア月別輸出入通関実績 ―乗用車輸出が急減―
No.1460 2009年4月15日号
2008年のCIS諸国の経済(上)
はじめに
CIS諸国の2008年の経済データが概ね出揃ったので、本誌では今回と次回の2回に分けて、CIS統計委員会および各国統計局発表の統計データを紹介しつつ、それを踏まえながら各国の最新の経済情勢について解説することにする。毎年恒例の企画であるが、当然のことながら本年は、世界金融・経済危機がCIS諸国の経済に及ぼしている影響に重点を置きながら論じることにする。
まず今号では、全12ヵ国の主要経済指標を表にまとめて掲載するとともに、CIS全般、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバについての解説をお届けする。中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)および南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア)のレビューは次号で扱う予定である。各国レビューの執筆は、当会ロシアNIS経済研究所のスタッフによるものであるが、ロシアについては北海道大学スラブ研究センターの田畑伸一郎教授にとくにご寄稿いただいた。
その他の記事
◎サハリン2のLNG初入港
◎ロシア向け中古車輸出が急減
◎ウラジオ航空が成田・サハリン便を運航
◎平成20年度発行の『日露技術ニュース』のご案内
◎ユーラシア研究所20周年記念シンポジウム
◎イルクーツク州観光経済特区に関するお知らせ
No.1461 2009年4月25日号
2008年のCIS諸国の経済(下)
はじめに
前回に引き続き、CIS統計委員会および各国統計局発表のデータにもとづき、同諸国の最新の経済情勢についてのレビューを行う。
前回は、全12カ国の主要経済指標を表にまとめて掲載するとともに、CIS全般、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバについての解説をお届けした。今号では中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)および南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア)を扱う。
その他の記事
◎マテハン機器のキトーがモスクワ見本市に出展
◎三菱自動車がロシア向け輸出を再開
◎『調査月報』2009年5月号のご案内
No.1462 2009年5月15日号
日ロ経済フォーラムでのプーチン首相発言要旨
はじめに
プーチン・ロシア首相の訪日に合わせ、5月12日、都内にて「日本ロシア経済フォーラム」が開催された。日本経団連が主催したもので、日ロ双方から多数の出席があり、エネルギー、資源開発、インフラ整備、輸送機器製造、金融の5つのテーマで両国側からプレゼンテーションが披露された。経済危機下にあっても、中期・長期的な視野に立ち、両国の経済協力を密にしていきたいとの声が多数あがった。
フォーラムにおける講演でプーチン首相は、エネルギー分野や極東地域での日本との協力関係に強い期待を述べた。首相訪日の成果や関連情報については、今後随時お伝えしていく予定であるが、今回の速報ではフォーラムにおけるプーチン首相の発言要旨をいち早くお伝えすることにする。
その他の記事
◎当会西岡会長がプーチン首相と個別会談
◎JOGMECがイルクーツク州で探鉱調査事業
◎東芝がロシア原子燃料分野での協力を検討
◎経済産業省とロスアトムが共同声明
◎財務省がロシア政府と税関協定締結
◎日本貿易保険がロシア開銀と協力強化
◎三菱重工、日本郵船、三井物産がロシアでFS
◎2009年1〜3月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎日本の対ロシア月別輸出入通関実績
No.1463 2009年5月25日号
経済危機後のロシア化学工業
ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所 主任研究員
V.シュヴィトコ
はじめに
2008年9月のリーマン・ショック以降、ロシア経済は全般に落ち込みを余儀なくされているが、当然のことながら産業部門ごとの状況の差も小さくない。そのなかで化学工業は、ロシアにおいても重要セクターではあるが、エネルギー産業などと異なり情報が豊富でなく、なかなか実情が伝わってこない。
そこで、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所のV.シュヴィトコ主任研究員に、ロシア化学工業の最新の概況をまとめてもらったので、今回の速報ではこれをお届けする。付属資料として、主要化学品の月別生産動向の表も作成したので、あわせてご利用いただきたい。(編集部)
その他の記事
◎2009年1〜3月のロシア経済
◎丸紅、ガスプロムM&Tと排出権契約
◎モスクワ省エネビル実現に向けた調査
◎日ロ省エネ協力覚書締結
◎JBICがロシア開発対外経済銀行と覚書
◎Jパワー、三井物産がウラジオ風力発電に協力
◎ペテルブルク日本商工会設立
◎『調査月報』2009年6月号のご案内
No.1464 2009年6月5日号
ロシア側提案のプロジェクトリスト
はじめに
新聞等でも報道されているように、5月中旬にプーチン・ロシア首相が訪日した際に、ロシア政府から日本側に対し、日ロ間での実施が期待される投資プロジェクトリストの提示があった。今回の速報では、このプロジェクトリストに関しご案内を申し上げる。
その他の記事
◎2009年1〜4月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎日本の対ロシア月別輸出入通関実績
◎三菱重工業ウクライナ事務所が開設
◎ロシア人旅行客の獲得を目指すJTB沖縄
◎JICAとアゼルバイジャン、円借款契約に調印
No.1465 2009年6月15日号
極東ロシア経済ミッションに関する現地報道振り
はじめに
ロシアNIS貿易会では、経済産業省との共催により、当会西岡喬会長(三菱重工業椛樺k役 兼 三菱自動車工業且謦役会長)を団長とし、5月31日〜6月6日の日程で、「極東ロシア経済ミッション」を派遣した。
同ミッションに関しては、ロシア側の関心も高かったようで、現地のマスコミでも大きく取り上げられた。そこで今回の速報では、極東ロシア経済ミッションに関する現地報道振りを、抄訳のうえ取りまとめて紹介することにする。
なお、当会では近く、極東ロシア経済ミッションの帰国報告会を開催することにしており、これについては正式に決まり次第ご案内申し上げる予定である。また、『ロシアNIS調査月報』8月号(7月20日発行)でも、ミッションの成果につき特集でお届けすることになっているので、そちらの方もぜひご利用いただきたい。
その他の記事
◎第1四半期のロシア経済は9.8%のマイナス成長
◎日産ペテルブルグ工場、生産開始
◎中部電力とロスアトムの濃縮ウラン提供契約
◎「タジキスタン経済セミナー」のご案内
No.1466 2009年6月25日号
ロシアにおける外国車生産プロジェクトの明暗
ロシアNIS経済研究所 次長
坂口泉
はじめに
世界的経済危機の直撃を受け、外国自動車メーカーのロシア工場の多くで低迷が続いている。そのような状況のなか、フォルクスワーゲン(VW)の現地工場だけが好調さを維持している。
本稿では、経済危機の直撃を受けているいくつかの現地工場の現状を紹介すると同時に、VWの現地工場の好調さの背景にある事情についての考察を試みる。その他、6月2日にオープンした日産のロシア工場をめぐる状況についても紹介する。
その他の記事
◎三井住友銀のロシア現法が銀行免許取得
◎森精機、GOST認証を包括取得
◎日本・韓国・ロシア定期貨客船就航
◎JOGMECがウズベクでウラン探鉱
◎2009年発行の特別報告書のご案内
No.1467 2009年7月5日号
もう1つのガス紛争
―ベラルーシの瀬戸際戦術―
ロシアNIS経済研究所 研究員
齋藤大輔
はじめに
兄弟国のベラルーシとロシアがいがみ合っている。隣国ウクライナのガス紛争で目立たないものの、両国もまた、ガス価格で対立を続けている。経済危機が余裕のなくなった両国の対立に拍車をかける。ガス価格問題をきっかけに、つもり積もった「不満」を吐き出してくるロシアに、嫌がる欧米への接近をちらつかせて、大国相手に一歩も引かないベラルーシ。その構図からは、ロシア・欧米諸国の大国の狭間で生きる小国の絶妙なバランス感覚がみえてくる。ガス価格問題を中心に両国関係の最近の動きをまとめた。
その他の記事
◎2009年1〜5月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎日本の対ロシア月別輸出入通関実績
◎ロシア日通、モスクワ近郊の新倉庫稼動
◎みずほコーポ銀とロシア政府系銀の協定
◎北東アジアフェリーが日・韓・ロを運航
◎境・東海・ウラジオ定期貨客船就航
◎「極東ロシア経済ミッション」報告会のご案内
◎日ロ沿岸ビジネスフォーラムのご案内
◎『調査月報』2009年7月号のご案内
No.1468 2009年7月15日号
タジキスタン経済セミナー開催
はじめに
7月1日、(社)ロシアNIS貿易会は、経済産業省および駐日タジキスタン共和国大使館との共催で、「タジキスタン経済セミナー」を開催した。本セミナーは、サイドフ駐日タジキスタン共和国大使からの要請を受け実施されたもので、同国経済の現状と外国投資環境、有望投資プロジェクトの紹介、タジキスタンとの合弁企業設立の実例や日本の対中央アジア支援政策等をテーマとしたプレゼンテーションが行われた。
そこで今回の速報では、タジキスタン経済セミナーの開催概要と、主な講演・報告の内容をお伝えする。
その他の記事
◎ウクライナ、20%を超えるマイナス成長
◎新潟県のウラジオストク事務所開設
◎広告ADKがモスクワに事務所
◎九州電力、サハリン2LNG初受入
◎鳥取産スイカ、ロシアに初輸出
No.1469 2009年7月25日号
ロシアの鉱工業生産は底入れしたのか?
はじめに
ロシア連邦国家統計局は7月15日、2009年上半期(1〜6月期)の鉱工業生産統計を発表した。それによれば、2009年上半期のロシアの鉱工業生産は、前年同期比14.8%減であった。
言うまでもなく、ロシアの鉱工業生産は2008年秋以降の世界金融・経済危機の打撃を受けて大幅な下落に見舞われているが、ここに来て減産の度合いは鈍化している。こうしたことから一部では、ロシアの鉱工業生産は底入れをしたのではないかという観測も出ている。
そこで、今回の速報では、ロシアの鉱工業生産統計を図表に整理して掲載するとともに、若干の解説をお届けする。
その他の記事
◎『調査月報』2009年8月号のご案内
◎浜田港ロシア貿易促進プロジェクト
◎NEDO、ウズベクで初の省エネモデル事業
No.1470 2009年8月5日号
2009年1〜6月の日ロ貿易
―自動車輸出の低迷が響く―
はじめに
日本財務省発表の貿易統計により、2009年上半期(1〜6月期)の日本とロシアの貿易動向が明らかになったので、当会では早速それをドル換算するとともに、表にまとめた。以下でその資料をお届けする。「統計速報」のコーナーでは、ロシア以外のNIS諸国との上半期の輸出入高も掲載されているので、あわせてご利用いただきたい。
2009年1〜6月の日ロ貿易は輸出入合計で52億2,505万ドルとなり、前年同期比マイナス64.6%という大幅減となった。昨年秋以降の金融・経済危機の打撃を受け、急激に不振に陥った形である。とくに輸出の落ち込みが大きく、実に前年同期比81.1%減を記録している。昨年まで輸出を牽引してきた自動車の不振により、大幅減となった。輸入の縮小はそれよりは小さく、前年同期比44.2%減であった。
その他の記事
◎2009年1〜6月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎古河電工のロシア新工場稼働
◎大陸トラベル主催日本産品アンテナショップツアー
◎第8回国際投資フォーラム「ソチ2009」のご案内
No.1471 2009年8月25日号
ロシアにおける事業拠点の見直し戦略
はじめに
当会は7月14日、モスクワに事業会社Business Eurasiaを設立し、アパート・事務所移転業務などを手がけるスガハラアソシエーツ代表の菅原信夫氏、ならびに、今春までPricewaterhouse Coopers Moscowでコンサルティングをされ、現在ミナト国際コンサルティング代表取締役を務める上村雅幸氏による「経済情勢激変下のロシアにおける事業拠点の見直し戦略」と題したメンバーズ・ブリーフを開催した。今号では、同ブリーフで行なわれた講演の概要を報告する。
2008年に米国で始まった経済危機は、その後、ロシア独自の問題と相乗的に結びついた結果、年明け当時とは違った形での変化をロシア経済に生じさせている。同国経済はいつ回復するのかについては様々な見通しが語られているが、現地に進出している日系企業にとっては、事務所、アパートの好条件物件への移転・住み替え、労働市場の流動化による最適人材の獲得、不採算法人の清算など、コスト削減を含む戦略の見直しの機会にもなっている。また、ロシアへの進出を検討する企業にとっても、従来とは異なる戦略が求められるだろう。
その他の記事
◎2009年第2四半期のロシアの経済成長率
◎伊藤忠が横浜ゴムのロシア現地生産に参加
◎ドラッグストアのセイジョーがロシアで合弁設立
◎TEC、ロシア向け生産設備を受注
◎古河電工がロシア社に技術支援
◎住商がカザフでレアアース回収事業
◎日本キルギス投資環境整備ネットワーク
◎『調査月報』2009年9-10月号のご案内
No.1472 2009年9月5日号
2009年上半期のロシアの貿易と外国投資受入
はじめに
当会では、昨年秋の経済危機発生以降、従来にも増して、経済統計を迅速かつ適時に紹介することに努めている。今般、2009年上半期(1〜6月期)のロシアの貿易および外国投資受入の統計が明らかになったので、今回の速報では早速これを図表にまとめてお伝えすることにする。
上半期のロシアの貿易と外国投資の統計には、金融・経済危機の影響が色濃く反映している。国際収支統計によれば、2009年1〜6月のロシアの輸出は前年同期比46.8%減、輸入は同39.3%減であった。また、2009年1〜6月のロシアの外国投資受入総額は、前年同期比30.9%減であった。
その他の記事
◎2009年1〜7月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎日本の対ロシア月別輸出入通関実績
◎カネボウのロシア販社、営業を開始
◎花王がロシアでおむつを販売
◎JA全農鳥取、二十世紀ナシをロシア出荷
◎伏木海陸運送がロシア向け貨物輸送を促進
◎日ウズベク投資協定が発効へ
No.1473 2009年9月15日号
「日ロ沿岸ビジネスフォーラム」の開催
ロシアNIS経済研究所 調査役
中居孝文
はじめに
8月19日〜20日、函館市において「第22回日ロ沿岸市長会議・日ロ沿岸ビジネスフォーラム」(主催:日ロ沿岸市長会、ロ日極東シベリア友好協会、ロシアNIS貿易会、環日本海経済研究所)が開催され、日本側18市及びロシア側10市の市長・副市長のほか、北海道、秋田、山形、新潟、富山、東京、福岡などの企業・経済団体等から合わせて約180名(日本側150名、ロシア側30名)が参加した。
「日ロ沿岸市長会議」は、日本側からは日本海沿岸の諸都市(本年8月時点で18市、事務局:新潟市)、ロシア側からは極東・東シベリア地域の諸都市(同18市、事務局:ハバロフスク市)の首長が参加し、両地域の友好促進、文化・経済関係の強化について意見交換を行うことを目的に隔年で開かれている。第1回会議は1970年に開催され、これまで日ソ・日ロ間の自治体交流の貴重な場として続いてきた(詳しくはhttp://www.nichienkai.jp)。
従来、同会議の参加者は主として自治体関係者に限られていた。だが今回は日本側のイニシアティブにより、ビジネス面における協力強化を図るため、「日ロ沿岸ビジネスフォーラム」を併催し、貿易・物流・観光の実務関係者にも広く参加を呼びかけることとなった。
今回の速報では、「経済」を主要テーマとした第1日目(8月19日)の要旨をご紹介することとしたい。
その他の記事
◎2009年1〜6月のロシア・NIS諸国の経済
◎マツダが対ロシア輸出を再開
◎ロシア社製のソフト新版を発売
◎ジャパンクラブ法人会員187社
No.1474 2009年9月25日号
『世界投資報告書 2009』を読む
はじめに
国連貿易開発会議(UNCTAD)は9月17日、『世界投資報告書』の2009年版を発表した(UNCTAD, World Investment Report 2009: Transnational Corporations, Agricultural Production and Development)。これは同機関が全世界の直接投資(FDI)、M&Aおよび多国籍企業の動向を分析して毎年この時期に刊行しているもので、本年は全般的な分析に加え、農業分野が特集テーマとなっている。
『世界投資報告書』は、国際的な投資活動を把握するうえでのバイブル的な出版物として広く利用されているが、昨年秋以降、金融・経済危機の影響が拡大しているだけに、2009年版の報告書がどんな分析を示しているか、注目されるところである。
そこで、今回の速報では、『世界投資報告書 2009』のなかから、ロシア・NIS諸国に関連した部分のデータと分析を、抜粋してお届けすることにする。
その他の記事
◎帝人グループ、ロシア化学見本市に出展
◎JAとっとり、ロシア極東で梨を試販
◎ウラジオに島根ビジネスサポートセンター
No.1475 2009年10月5日号
■重要なお知らせ■
当会HPにおける会員専用ページ開設と新サービス
はじめに
(社)ロシアNIS貿易会はこのほど、ホームページをリニューアルし、「会員専用ページ」を新たに開設いたしました。
今後は、「会員専用ページ」を通じた情報提供サービスが、当会の会員サービスの柱の一つとなります。
そこで、今回の速報では、「会員専用ページ」のご利用方法について案内させていただくとともに、その中味をご紹介いたします。
その他の記事
◎2009年1〜8月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎日本の対ロシア月別輸出入通関実績
◎「第3回日本ウズベキスタン・ビジネスフォーラム」のご案内
◎ロシア経済講演会「金融経済危機の中のロシア」のご案内
◎三菱ふそうがロシアに新規参入
◎デンソーがロシア販社を設立
◎アネスト岩田のモスクワ駐在員事務所
No.1476 2009年10月15日号
経済危機以降のロシア・アパレル市場
芳地 隆之
はじめに
カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開する株式会社ファーストリテイリングが、2010年春にロシア1号店をモスクワにオープンする準備を進めている。モスクワ最大のアパレル・チェーン目指すというユニクロは、アパレル分野への進出というだけに留まらず、ロシアにおける日本企業の本格的な小売事業として注目されている。2008年秋の経済危機以降、高級ブランドの売上が低迷しているといわれるなか、日本のカジュアル衣品への期待はロシア国内で非常に高い。そこで今号では、ロシアのアパレル市場の現状と今後の見通し、そして日本の繊維関連企業のロシア市場進出の可能性について述べてみたい。
◎三井物産と三菱商事、サハリン2向け融資
◎住電スチールワイヤーがロシア認証取得
◎道銀がサハリンでセミナー開催
◎日ロ間の4島安全操業妥結
No.1477 2009年10月25日号
ウクライナの製油所をめぐる状況
―奨励されない国内生産―
服部倫卓
はじめに
ウクライナにおいても、石油精製部門は、重要な基幹産業である。と同時に、同部門は、ウクライナでロシア資本のプレゼンスが最も高いセクターの一つでもある。
ソ連解体後、瀕死の状態にあったウクライナの製油所は、ロシア資本を受け入れた結果、顕著に業績を回復した。しかし、2004年のいわゆる「オレンジ革命」後、国内生産を圧迫する政策が採られたことにより、現在ウクライナの石油精製産業は再び危機に立たされている。
本稿では、ウクライナの石油精製産業および製油所に関する基礎的情報を整理してお伝えするとともに、この問題を通してウクライナの産業政策のあり方、ロシア・ウクライナ経済関係の動向について考察することを試みたい。
◎双日と川重、ウラジオAPEC向け設備を受注
◎東芝とカザフ企業がレアメタル分野で覚書
◎資生堂、アゼルバイジャンで化粧品販売
◎観光庁がモスクワに拠点設置へ
◎2009日露エネルギー・環境対話イン新潟
◎『調査月報』2009年11月号のご案内
No.1478 2009年11月5日号
2009年1〜9月の日ロ貿易
―遅々とした回復の歩み―
はじめに
日本財務省発表の貿易統計により、2009年1〜9月期の日本とロシアの貿易動向が明らかになったので、当会では早速それをドル換算するとともに、表にまとめた。以下でその資料をお届けする。「統計速報」のコーナーでは、ロシア以外のNIS諸国との1〜9月の輸出入高も掲載されているので、あわせてご利用いただきたい。
2009年1〜9月の日ロ貿易は輸出入合計で85億903万ドルとなり、前年同期比マイナス63.7%という大幅減となった。昨年秋以降の金融・経済危機の打撃を受け、急激に不振に陥った形である。回復の兆しも若干見られるものの、その歩みは遅々としている。とくに輸出の落ち込みが大きく、実に前年同期比82.2%減を記録している。昨年まで輸出を牽引してきた自動車の不振により、大幅減となった。輸入の縮小はそれよりは小さく、前年同期比40.4%減であった。
◎2009年1〜9月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎ロシア・NIS諸国の最新GNP
◎丸紅がベラルーシで化繊プラント受注
◎「ユーラシア・中央アジアフォーラム」開催のご案内
No.1479 2009年11月15日号
2009年1〜9月のロシア経済
―回復は本物か?―
はじめに
本誌7月25日号(No.1469)では、鉱工業部門の統計データを手掛かりに、ロシア経済の「底入れ」に関する観測をお伝えした。その後、ロシアの統計指標はさらに改善の方向に向かっており、11月12日に発表された第3四半期のGDPは前期比で13.9%増(季節調整値では0.6%増)を示している。はたして、ロシア経済の回復は本物だろうか?
そこで今回の速報では、ロシアの最新のマクロ経済統計を取りまとめて紹介し、若干のコメントをお届けする。また、後半部分では鉱工業生産の統計を詳しく取り上げる。
◎TOAのロシア販売拠点
◎三菱商事がロシア自動車輸入卸売会社に出資
◎ポーラ、サンクトペテルブルグに進出
◎メドヴェージェフ大統領が教書演説
◎「サハリン州プレゼンテーション」中止のお知らせ
◎メールの送信ミスに関するお詫び
No.1480 2009年11月25日号
講演録
ロシア「地域開発」と「宇宙開発」の交点
はじめに
当会では10月22日、ANAクラウンプラザ広島において、ロシアの「国際地域開発センター」代表であるI.メラメド氏を講師として、「ロシア・ビジネスセミナー(広島)―金融経済危機の中のロシア経済:地域経済の視点から」と題する講演会を開催した。今回の速報では、その講演要旨を紹介する。
本講演は、「金融経済危機の中のロシア経済:地域経済の視点から」と銘打ってはいたものの、講師側の強い希望もあり、ロシアの金融経済危機の話題よりも地域経済、とくにロシア極東および大規模開発、そのなかでも宇宙発射基地計画が主となった。
講演の際に使用されたプレゼンテーション資料は、当会ウェブサイトにアップしてあるので、あわせてご参照いただきたい。
なお、本セミナーは、財団法人JKAの競輪の補助事業のもとに実施された。
ここに関係者に改めて感謝の意を示したい。
◎双日がロシア穀物協会と提携
◎光学レンズのタムロンがモスクワに事務所
◎製本機の太陽精機がウクライナ販社
◎三菱重工、ウズベク発電所向け設備を受注
◎ユーラシア研究所の講演会とシンポジウム
◎『調査月報』2009年12月号のご案内
No.1481 2009年12月5日号
2009年1〜9月のロシアの貿易と外国投資受入
はじめに
2009年1〜9月期のロシアの貿易および外国投資受入の統計が明らかになった。そこで今回の速報では早速、ロシア連邦国家統計局、ロシア中央銀行、ロシア連邦関税局のウェブサイトに掲載された関連統計を、図表にまとめてお伝えすることにする。
2009年1〜9月のロシアの貿易および外国投資の統計には、引き続き金融・経済危機の影響が色濃く反映している。国際収支統計によれば、2009年1〜9月のロシアの輸出は前年同期比44.3%減、輸入は同39.8%減であった。また、2009年1〜9月のロシアの外国投資受入総額は、前年同期比27.8%減であった。ただ、貿易も外資受入も第3四半期(7〜9月期)の減少幅は上半期に比べれば小さくなっており、改善の兆しも見え始めている。
◎2009年1〜10月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎日本の対ロシア月別輸出入通関実績
◎ロシア・NIS諸国の市場経済移行進展度
◎三菱ふそうのロシア合弁会社が発足
◎ユニクロのロシア1号店オープンへ
◎三井住友ロシア現法が業務開始
◎名古屋大学がウズベキスタンに事務所
◎第3回日ロ極東地域間経済協力促進会議
No.1482 2009年12月15日号
初めて発表されたカザフスタン大企業ランキング
はじめに
『ロシアNIS調査月報』2009年12月号では、ロシア『エクスペルト』誌が発表したロシアの最新の大企業ランキングを、抜粋して紹介した。実は同誌には『エクスペルト・カザフスタン』という姉妹誌があり、その11月23日号(No.45)に今般、カザフスタンの100大企業ランキングが掲載された。エクスペルトによるカザフ版の大企業ランキングは今回が初であり、きわめて注目される資料なので、早速これを整理して紹介することにしたい。
◎三菱UFJとロシア政府系銀の業務提携
◎SBI証券がロシア株式取引を提供開始
◎第8回日本トルクメニスタン経済合同会議開催のご案内
No.1483 2009年12月25日号
大統領選前夜のキエフを訪問して
服部倫卓
はじめに
2010年1月17日、ウクライナ大統領選挙の投票が実施される。それを1ヵ月後に控えた12月16日から19日にかけて、首都キエフで現地調査を実施する機会を得た。ごく短い滞在ではあったが、日本大使館や現地日系企業の方々と懇談する機会も得られ、現地の様子や雰囲気は掴めたと思う。
思えばウクライナの2009年は、年初のロシアとの「ガス戦争」、深刻な経済不振、そして大統領選を前にした政局の混迷と、慌しく過ぎ去った1年であった。激動の2009年を終え、首都キエフはどのような表情を見せているのか。そして、来たる選挙で国民は何を選択し、ウクライナはどこに向かうのか? キエフでの見聞を中心に、報告する。
◎JOGMEC、ロシア石油会社と経済性評価
◎日本・カザフ租税条約が発効
◎川重がトルクメンで肥料設備を受注
◎グルジアに対する円借款の供与
◎シンガポールにおける「ロシア穀物セミナー」のご案内
◎『調査月報』2010年1月号のご案内