ロシアNIS経済速報(2011年)

No.1517 1月15日号 変貌するロシアの対外経済地図 ―2011年の年頭に当たって
No.1518 1月25日号 ロシア経済特区の新展開
No.1519 2月5日号 2010年のロシア経済と鉱工業生産
No.1520 2月15日号 独ロ商工会議所のロシア進出企業支援
No.1521 2月25日号 2010年の日ロ貿易 ―総額は前年比でほぼ2倍増
No.1522 3月5日号 2010年版ロシア都市ビジネス環境ランキング
No.1523 3月15日号 2010年のロシアの貿易統計(速報)
No.1524 3月25日号 ロシア医療ビジネスセミナー報告
No.1525 4月5日号 カザフスタン臨時大統領選挙実施
No.1526 4月15日号 2010年のNIS諸国の経済(上)
No.1527 4月25日号 2010年のNIS諸国の経済(下)
No.1528 5月15日号 政府活動報告でプーチンは何を語ったのか
No.1529 5月25日号 ベラルーシの民営化・外資政策の急転換
No.1530 6月5日号 ロシアの製薬・医療機器産業政策の動向
No.1531 6月15日号 明らかになった日本の対ロシア投資統計の詳細
No.1532 6月25日号 ROTOBOヴォルガ・ミッションに関する現地報道振り
No.1533 7月5日号 サンクトペテルブルグ国際経済フォーラム2011の成果
No.1534 7月15日号 4ヵ国首都の職種別賃金比較
No.1535 7月25日号 2011年1〜6月のロシアの鉱工業生産
No.1536 8月5日号 2011年1〜6月の日ロ貿易
No.1537 8月25日号 ロシア・北朝鮮関係の20年
No.1538 9月5日号 ロシアで連邦管区投資オンブズマンを設置
No.1539 9月15日号 2011年1〜6月のロシアの貿易と外国投資受入
No.1540 9月25日号 外資チェーンが牽引するロシア外食産業
No.1541 10月5日号 プーチンの大統領復帰「確定」をめぐって
No.1542 10月15日号 『世界投資報告書 2011』を読む
No.1543 10月25日号 被災地企業が描く今後のロシアビジネスビジョン
No.1544 11月5日号 ロシア・NIS諸国のビジネス環境比較
No.1545 11月15日号 ロシア極東の経済情勢と2012年APEC後の展望
No.1546 11月25日号 2011年1〜9月のロシア経済と鉱工業生産
No.1547 12月5日号 プーチン復活後のロシアビジネス
No.1548 12月15日号 スマホでロシア・NISのニュースをチェックする
No.1549 12月25日号 2011年1〜9月のロシアの貿易と外国投資受入

No.1517 2011年1月15日号

変貌するロシアの対外経済地図
―2011年の年頭に当たって―

ロシアNIS経済研究所 所長
遠藤寿一

はじめに
 BRICsの中で、リーマンショックの影響が大きかったのはロシアで、回復も遅れていた。
 2010年11月12日東京で開催された「第4回日ロ投資フォーラム」で基調講演を行ったナビウリナ・ロシア経済発展相は、ロシア経済の現状を次のように述べている。「経済危機の影響はあったが、ロシア経済の現状はマクロ指標・財政指標ともに基本的には良好な数値を示している。ロシアの今後数年間の経済成長は年率約4%と予測している。またロシアは長期間にわたって国家債務を低水準に抑え、2010年は対GDP比約11%であり、財政赤字は2010年は5%強(12月29日クドリン副首相兼財務相が4.1〜4.2%に修正)、2011年は3.6%を見込んでいるが、今後5年でゼロにする努力を続けるつもりである。外貨準備高は、対GDP比約33%に当たる5,000億ドルを維持している。」
 1998年ロシアを襲った金融危機の影響を受けて、この年マイナス成長となったが、1999年以降のロシア経済は高成長を謳歌してきた。しかし2009年はリーマンショックの影響もあって、再びマイナス(7.9%)を記録し、ロシア経済は回復が不安視されていた。2010年は記録的な猛暑による農産物への被害が拡大したが、2010年は3.8%とプラス成長を維持することができて、ロシア経済は回復し再び成長基調に戻ってきたということができる。

 その他の記事
◎2010年1〜11月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2010年1〜11月の日ロ貿易
◎ウズベキスタンで人事交代
◎ルカシェンコ・ベラルーシ大統領再選、首相をすげ替え
◎新潟・ロシア線の運航が再開
◎太平洋パイプラインからの輸出は日本向けが首位
◎日産のロシア工場でムラーノ生産
◎日立建機、ウクライナで運行管理システム受注
◎理想科学がカザフに販社


No.1518 2011年1月25日号

ロシア経済特区の新展開
―サマラ州とスヴェルドロフスク州に工業生産特区―

ロシアNIS経済研究所
服部倫卓

はじめに
 当会では今年度、ロシアの産業クラスターに関する調査事業を実施しているが、同国においてクラスターという観点からも重要性が高いのが経済特区である。
 ロシアの現行の経済特区制度は2005年の特区法によって形作られているが、必ずしも思うような成果を挙げられていなかったことから、2009年末にかなり大きな修正が加えられた。これによる規制緩和を受け、2010年には新たな特区が4つ設置された。このうち、サマラ州のトリヤッチ特区、スヴェルドロフスク州の「チタンバレー」という2つの工業生産特区は、産業クラスターという観点からもとくに注目度が高い。また、ムルマンスク港湾特区も、運輸・港湾クラスター形成の試みとして見逃せない。
 以上にかんがみ、本稿では、2009年の特区法の改定につき改めて整理し、2010年の特区の成果を総括するとともに、トリヤッチ特区、チタンバレー、ムルマンスク港湾特区の概要とその諸問題につき、産業クラスター的な観点を軸に論じることとする。

 その他の記事
◎ヤヌコヴィチ・ウクライナ大統領訪日に関連した動き
◎NECのロシア事業が統合
◎JXエネルギーと三菱商事、ロシア初の排出枠取得
◎三井物産がロシア決済大手に出資
◎経産省とガスプロム、LNG事業化調査で合意
◎沿海地方知事がマツダ代表団と会談
◎ロシア大統領、日ロ原子力協定の批准法案署名
第10回日本ウズベキスタン経済合同会議のご案内
『調査月報』2011年2月号のご案内


No.1519 2011年2月5日号

2010年のロシア経済と鉱工業生産
―GDP成長率は4.0%―

はじめに
 ロシア連邦国家統計局は1月31日、2010年のロシアの国内総生産(GDP)の速報値を発表した。この速報値によれば、2010年のロシアの実質経済成長率は4.0%であった。そこで今回の『経済速報』では、統計局の発表にもとづき2010年のロシアの経済実績を表にまとめてお伝えするとともに、鉱工業生産の実績も併せてご紹介する。
 なお、「統計速報」のコーナーでは、2010年の日ロ貿易の速報値も掲載しているので、そちらもご参照いただきたい。

 その他の記事
◎2010年の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績(速報)
◎2010年の日ロ貿易(速報) ―前年比でほぼ2倍増―
◎TECがアゼルバイジャン火力発電所受注
◎ココカラファイン、ロシアで卸売事業強化
東京大阪でロシア石油ガス技術戦略セミナー


No.1520 2011年2月15日号

独ロ商工会議所のロシア進出企業支援

ロシアNIS経済研究所
芳地隆之

はじめに
 ドイツはロシアにとって最大の貿易相手国である。しかしながら2008年秋の経済危機の影響を受けて、2009年の対ロ貿易は激減。2010年には持ち直したものの、同年は中国にトップの座を譲ると予測されている。とはいえ、ドイツ経済界の対ロ貿易・投資の今後に対する見方はポジティブだ。ロシアに進出するドイツ企業を側面支援する在モスクワ独ロ商工会議所が2009年秋に会員企業向けに行ったアンケートによると、自社のロシア事業の将来を「楽観的に見ている」(16%)、「やや楽観的に見ている」(30%)と「先行き不透明」(22%)、「悲観的に見ている」(24%)が拮抗し、2010年に同様のアンケートをとったところ、前者が後者を上回った。今号では2010年12月に在モスクワ独ロ会議所において行ったヒアリングを基に、同会議所の活動内容ならびにロシアにおけるドイツ企業の動向を紹介したい。

 その他の記事
◎ロシアの地域別の2010年鉱工業生産指数
◎東芝が濃縮ウラン販売でロシア社と合弁検討
◎ウズベクとの貿易投資拡大に向け文書署名
◎JOGMECがウズベクでウラン・希少金属探査へ
◎JOGMECがウズベクネフチェガスと追加基本合意書
◎伊藤忠、ウズベクでウラン精鉱売買契約に合意
◎三井住友銀、ウズベク国営銀と提携
◎ウズベキスタンとの経済合同会議
ミニ講演会「タジキスタン経済の現状と外国投資環境」のご案内


No.1521 2011年2月25日号

2010年の日ロ貿易
―総額は前年比でほぼ2倍増―

はじめに
 日本財務省から2010年の貿易統計が発表されたことを受け、当会では2010年1〜12月の日本とロシア間の貿易に関し、輸出入商品構成をまとめた。そこで、今回の速報では、早速この資料をお届けする。
 なお、今回紹介する2010年のデータは、すべて速報値である。当会『調査月報』5月号(4月20日発行)において、確定値を掲載するとともに、より詳しい解説をお送りする予定である。また、ロシア以外のNIS諸国との貿易額は前号に掲載済みだが、NISとの輸出入商品構成は『調査月報』6月号(5月20日発行)に掲載予定だ。

 その他の記事
◎資生堂がモスクワでイベント計画
◎伏木富山港・ウラジオ港輸送物流実験
◎日・ウズベク首脳会談、投資強化で合意
「ロシア医療ビジネスセミナー」のご案内
『調査月報』2011年3月号のご案内


No.1522 2011年3月5日号

2010年版ロシア都市ビジネス環境ランキング

はじめに
 やや紹介が遅くなって恐縮だが、ロシアの『月刊RBC』誌の2010年11月号に、ロシア主要都市のビジネス環境をランキング形式で比較している記事が掲載されているので、今回の速報ではこれを抜粋して紹介したい。
 『月刊RBC』がロシアの都市ビジネス環境ランキング(正確には「ビジネスにとって良好な都市のランキング」)を作成するのは、今回が4度目である。この資料は、別格のモスクワ市とサンクトペテルブルグ市を除いた、ローカル都市のみのランキングとなっている。今回対象となっているのは64都市であり、主に州都であるが、そうでない地方都市も含まれる。なお、重要都市では今回ニジニノヴゴロドが欠落しているが、原因は不明。なお、下表では、それぞれの都市が所在している連邦構成体をカッコ内に記したが、「クラスノダル地方・クラスノダル市」のように、連邦構成体名と州都名が一致する場合には、わずらわしいので省略している。各都市の人口は小誌で独自に付した。

 その他の記事
◎2011年1月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2011年1月の日ロ貿易
◎2010年のロシアの外国投資受入状況
◎トヨタ、ロシア極東での現地組立に基本合意
◎札幌ホンダがサハリンに現法
「ロシア極東経済セミナー」のご案内


No.1523 2011年3月15日号

2010年のロシアの貿易統計(速報)
―中国が相手国として初めて首位に―

はじめに
 2010年1〜12月のロシアの貿易統計が明らかになった。そこで今回の速報では、ロシア中央銀行、ロシア連邦関税局のウェブサイトに掲載された関連統計を表にまとめてお伝えするとともに、データに関する解説をお届けする。なお、2010年のロシアの貿易統計については、例年どおり『ロシアNIS調査月報』においてさらに詳細に紹介する予定である。
 経済危機に揺れた2009年から一転して、2010年はそこからの回復の年となったので、同年にはロシアの貿易も大幅な拡大を達成した。国際収支統計によれば、2010年のロシアの輸出は4,000億ドル(前年比31.9%増)、輸入は2,484億ドル(同29.5%増)であった。2010年には中国が初めて、ロシアにとっての最大の貿易相手国となった。日本の順位は前年から2つ上がって9位であった。

 その他の記事
◎東北地方太平洋沖地震に関連して
◎ロシア、日本へのエネルギー供給拡大へ
◎マツダ、ロシアにおける生産拠点を検討
◎資生堂が2011年内にロシアで1000店体制
「ロシア極東経済セミナー」中止のお知らせ


No.1524 2011年3月25日号

ロシア医療ビジネスセミナー報告
―医療分野への投資の可能性―

元フジフイルムロシア社長 花田修一
極東国立医科大学准教授・インターメディコム社長 N.ボグダノフ

はじめに
 ロシアNIS貿易会では去る3月9日、東京の鉄鋼会館において「医療ビジネスセミナー」を開催した。ロシアではほとんどの医療機関は公営で民間医療機関は非常に少ないが、現在進められている医療制度改革により、今後民間医療機関が増加していくと見られている。現在ロシアは日本にとって医療機器の重要な輸出先となっているが、ロシアの医療市場の維持・拡大を図るためには、医療機器や医薬品の現地生産やロシアの医療機関の運営に直接携わることが必要になってくる。そこで今回のセミナーでは、昨年12月までモスクワのフジフイルムロシアで社長を務められ、医療機関向け商品の販売において陣頭指揮をとってこられた花田修一氏と、ハバロフスクにおいて民間医療機関の設立にかかわるプロジェクトを進めているニコライ・ボグダノフ極東国立医科大学准教授のお2人を講師にお招きして、ロシアの医療の状況、そしてロシアの医療分野への投資の可能性について講演いただいた。今号ではその内容を報告する。

 その他の記事
◎ロシア大使に原田氏
◎ロシアが日本向けLNGの供給を拡大
アゼルバイジャン再生代替エネルギー分野の入札公示
『調査月報』2011年4月号のご案内


No.1525 2011年4月5日号

カザフスタン臨時大統領選挙実施

ロシアNIS経済研究所 研究員
中馬瑞貴

はじめに
 2011年4月3日、カザフスタン共和国で任期満了前開催の臨時大統領選挙が実施された。共和国中央選挙管理委員会による最終的な選挙結果はまだ公表されていないが、主要な調査・研究機関による出口調査の結果、ナザルバエフ大統領の再選は確実である。正式には次の大統領選挙は2012年に実施される予定であったが、1年以上前倒しで行われた。臨時選挙の決定からわずか2ヵ月という短期間で実施された選挙であるので、なぜこの時期にこのような形で選挙が実施されたのか、日本では特に情報が少なかった。そこで、今回の大統領選までの経緯を明らかにするとともに、今後の政治的・経済的影響を考えてみたい。

 その他の記事
◎2011年1〜2月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2011年1〜2月の日ロ貿易
◎サンクトペテルブルグの日本車工場、当面問題なし
◎ロシアが1都6県産の食品禁輸措置
◎外務省ロシア支援室が日露経済室に改組
◎日本カザフスタン投資環境整備ネットワークのウェブサイト
◎JICA日本センターがウズベクでの人材を募集


No.1526 2011年4月15日号

2010年のNIS諸国の経済(上)

はじめに
 『経済速報』では毎年この時期、前年のNIS諸国(旧ソ連の新独立諸国)の経済統計を紹介し、各国の最新の経済動向について論評するという企画をお届けしている。本年も2010年のデータがほぼ出揃ったので、早速それを試みたい。まず今号では、全12ヵ国の主要経済指標を表にまとめて掲載するとともに、NIS全般、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバについての解説をお届けする。中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)および南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア)のレビューは次号で扱う予定である。各国レビューの執筆は、当会ロシアNIS経済研究所のスタッフによるものであるが、ロシアについては本年も北海道大学スラブ研究センターの田畑伸一郎教授にとくにご寄稿いただいた。

 その他の記事
◎重工、アゼルバイジャン向け発電設備を受注
◎サンヨー食品がロシア即席麺大手に出資
◎極東で輸入保留の日本車は過去3週間に47台
◎東日本大震災に関するロシアの報道振り


No.1527 2011年4月25日号

2010年のNIS諸国の経済(下)

はじめに
 前回に引き続き、CIS統計委員会および各国統計局発表のデータにもとづき、2010年の経済実績を中心に、NIS諸国の最新の経済情勢についてのレビューを行う。前回は、全12カ国の主要経済指標を表にまとめて掲載するとともに、NIS全般、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバについての解説をお届けした。今号では中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)および南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア)を扱う。

 その他の記事
◎シスメックスがロシア現法を設立
◎KDDIがロシアに現法設立
◎ロシアからLNGが日本に到着
◎東日本大震災に関するロシアの報道振り
「ロシア・沿ヴォルガ経済ミッション」参加募集のお知らせ
『調査月報』2011年5月号のご案内


No.1528 2011年5月15日号

政府活動報告でプーチンは何を語ったのか

はじめに
 やや紹介が遅れたが、ロシアのプーチン首相は4月20日、連邦議会の下院で政府活動報告を行った。これは憲法で実施が定められており、毎年この時期に前年の政府の活動実績に関して首相が議会に報告を行っているものである。今回の速報では、同報告におけるプーチン首相の演説のなかから、読者の関心のありそうな部分に絞り、発言要旨を紹介したい。なお、小見出しは小誌で付したものであり、発言の順序などは適宜入れ替えてて示している。
 今回プーチン首相は、2時間20分にもわたって演説を行っており、前年よりも1時間も長い大演説だったということもあって、内外で話題となっている。また、ロシアでは首相の任期は大統領のそれに連動しており、制度上はプーチン首相はメドヴェージェフ大統領の任期が切れる2012年をもっていったん退任しなければならないのだが、今回の政府報告は今後10年、数十年単位のビジョンを語った箇所が多く、首相としての実績を誇示する語り口と相まって、巷間言われている大統領職への復帰の意欲を裏付けているかのようである。演説中に、メドヴェージェフ大統領への言及がまったくないことも、そうした憶測を強める結果となっている。

 その他の記事
◎2011年1〜3月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2011年1〜3月の日ロ貿易
◎東日本大震災に関するロシアの報道振り
◎伊藤忠、丸紅など、日ロLNG事業化調査
◎ロゴスホームが極東にモデルハウス


No.1529 2011年5月25日号

ベラルーシの民営化・外資政策の急転換

ロシアNIS経済研究所 次長
服部倫卓

はじめに
 周知のように、ベラルーシのルカシェンコ政権は国家主導の経済体制を構築し、市場経済化にはどちらかと言うと後ろ向きな姿勢をとってきた。しかし、ルカシェンコ大統領は2010年12月の選挙で再選を果たすと、その直後に経済自由化の方針を発表している。その前後から、民営化をめぐる動きがにわかに慌ただしくなっている。そして、国内資本が非力な当国における当然の帰結として、同時に外資導入の話題も盛り上がっている。
 ベラルーシが国営企業を身売りしたところで、その買収に名乗りを上げる日本企業が出てくるとは考えにくい。しかし、ベラルーシ大企業の経営主体が代われば、たとえば日本からのプラント輸出といったビジネスチャンスが拡大するかもしれない。また、ロシアの大資本がベラルーシ企業を傘下に収めるシナリオは大いに考えられるので、ロシア経済・企業をウォッチするうえでも、ベラルーシの民営化問題を視野に入れておいて損はないであろう。そこで本稿では、ベラルーシの民営化政策の概要と経緯を整理するとともに、話題になっているいくつかの事例を紹介してみたい。

 その他の記事
◎東日本大震災に関するロシアの報道振り
経済産業省がロシア極東で日本製品の安全性をPR
◎住商がロシアに鉱山機械販売・サービス拠点
◎コマツのケメロヴォ州拠点
◎KDDI、ロシア大手と共同で国際回線増強
◎ロシア中小企業団体が北九州市に事務所
『調査月報』2011年6月号のご案内


No.1530 2011年6月5日号

ロシアの製薬・医療機器産業政策の動向
―輸入代替戦略は現実的か―

ロシアNIS経済研究所 主任
山本靖子

はじめに
 メドヴェージェフ大統領を中心に、ロシア政府が推進する経済近代化、イノベーション型経済への移行。その5つの優先分野として掲げられているのが、IT、省エネ、原子力、通信・宇宙技術、そして製薬・医療機器である。
 その一環として、政府は、2009年10月に「2020年までの製薬業発展戦略(Pharma2020)」、今年2月に「2020年までの期間および将来にわたる製薬・医療機器産業発展」連邦目的別プログラムを承認したほか、現在は「2020年までの医療機器産業発展戦略(Medprom2020)」を策定している。国産医薬品の市場シェアを現在の約23%から2020年までに50%に、国産医療機器のシェアを現在の約20%から2020年までに40%にすることなどが目標だ。
 野心的ともいえる国産化・輸入代替政策、そして関連する薬事法制の動向について、ロシアの専門家はどうみているのか。今年2月にモスクワで行ったヒアリングの概要をご紹介する(なお、産業と政策の動向に関して、より詳しくは、当会『新経済環境下のロシア市場 ―製薬・医療機器産業と政策の動向』(2011年3月)をご参照いただきたい)。

 その他の記事
◎東日本大震災に関するロシアの報道振り
◎2011年1〜4月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2011年1〜4月の日ロ貿易
◎ロシアNIS貿易会の新役員名簿
◎新潟〜ウラジオ定期コンテナ航路が開設
◎三菱ふそう、ロシアでのトラック生産1,000台達成
◎北海道の牧場、ロシア極東で飼料試験栽培


No.1531 2011年6月15日号

明らかになった日本の対ロシア投資統計の詳細
―ロシア統計局のデータベースより―

ロシアNIS経済研究所 次長
服部倫卓

はじめに
 ロシア連邦国家統計局は最近になり、同国の外国投資受入状況に関する統計を、ウェブサイト上のデータベースで公開するようになった。これにより、従来は総額くらいしか明らかでなかった日本の対ロシア投資についても、具体的な中味を詳細に把握できるようになった。そこで今回の速報では、このデータベースによって得られた日本の対ロシア投資のデータを図表にまとめて紹介するとともに、解説をお届けしたい。

 その他の記事
◎東日本大震災に関するロシアの報道振り
◎2011年第1四半期のロシア経済は4.1%成長
◎日産がロシア政府と部品優遇税制で合意
◎SBI、ロシア商銀に出資
◎新潟・ウラジオ便が再開へ
◎アイレップ、ロシア検索大手の広告取扱い
◎清水建設がアルメニアで排出権を獲得


No.1532 2011年6月25日号

ROTOBOヴォルガ・ミッションに関する現地報道振り


はじめに
 ロシアNIS貿易会では6月12日から19日にかけて、西岡喬会長を団長とする総勢28名の経済ミッションをロシア沿ヴォルガ地域のタタルスタン共和国カザン市(13〜15日)およびバシコルトスタン共和国ウファ市(15〜18日)に派遣した。共和国大統領との会談や主要企業の視察、さらに日本と両共和国の貿易投資セミナーがそれぞれ開催され、日本と両共和国とのビジネス協力の可能性について、広く意見交換が行われた。
 両共和国とも共和国大統領がかかわる行事となったこともあり、今回のミッションについては大統領HP、新聞、テレビなど現地のメディアが素早くその様子を取り上げた。そこで今回の速報では、ROTOBOヴォルガ・ミッションに関する現地の報道振りを取りまとめ、抄訳してご紹介する。一部、事実関係等で若干不正確な部分も散見されるようだが、現地の報道振りを紹介するという趣旨なので、ご理解願いたい。
 なお、今回のミッションの成果につきより詳しくは、『ロシアNIS調査月報』8月号(7月20日発行)にレポートを掲載する予定なので、そちらをご覧いただきたい。

 その他の記事
◎いすゞがロシアの生産拠点を極東に移転
◎マツダ、ロシア極東で乗用車生産へ
◎JBIC等、対ロ過去最大の輸出信用供与
◎タウのサンクトペテルブルグ・オフィス開設
◎秋田大学、カザフの大学と交流協定
広報映像「ありがとうロシア、よみがえれ日本!」
◎第8回極東地域会議「人間と医療」
『調査月報』2011年7月号のご案内


No.1533 2011年7月5日号

サンクトペテルブルグ国際経済フォーラム2011の成果


はじめに
 ロシアでは国際的な経済・投資フォーラムの類が多数開催されているが、そのなかでも最もプレステージが高いのはサンクトペテルブルグ国際経済フォーラムであろう。内外の政財界の重鎮が参加して議論が交わされるほか、近年では投資プロジェクトのお披露目の場としても重要性を増している。本年も、6月16日から18日にかけて、サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムが開催された。
 そこで今回の速報では、この第15回サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムにおけるメドヴェージェフ大統領の演説の要旨と、同フォーラムにおいて署名式が行われた投資プロジェクトの一覧表を掲載する。
 なお、(社)ロシアNIS貿易会の西岡喬会長は今回のサンクトペテルブルグ国際経済フォーラムに出席し、「Economists’ Workshop: Identifying the Known Unknowns」と題する分科会において東日本大震災後の日本経済復興の課題と見通しについて報告を行った。

 その他の記事
◎豊田通商、ロシア政府系ファンドと相互協力
◎2011年1〜5月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2011年1〜5月の日ロ貿易
メンバーズ・ブリーフ「日ロビジネスの現状と今後」
◎経済産業省ヘルスケア産業課:医療国際化のカタログ
◎第5回極東国際経済フォーラムのご案内


No.1534 2011年7月15日号

4ヵ国首都の職種別賃金比較
―モスクワ・キエフ・ミンスク・アスタナ―


はじめに
 ロシア・NIS圏で事業を展開しているAncorという人材会社がある。このほどそのAncor社が、ロシア・ウクライナ・ベラルーシ・カザフスタン各国の首都、すなわちモスクワ・キエフ・ミンスク・アスタナの職種別の賃金相場を比較した資料を発表したので、今回の速報ではこれを紹介してみたい。資料は、ウクライナの経済紙『ジェーラ』のウェブサイトに掲載された。
 当然のことながら、ロシア・NIS各国の統計局は、産業部門別の平均賃金といった統計データを発表している。しかし、そうした公式統計は、同諸国に進出している外資系企業が人事・賃金政策を決定するうえで、ほとんど参考にならない。その点、今回のAncor社の資料は、人材会社が把握している現実の相場を反映しているうえに、具体的な職種ごとに分かれており、さらには4ヵ国のデータが対比可能な形で示されているという点でも、きわめて興味深いものだ。
 データは、税引き後の手取りの月額賃金を、米ドルで示したものである。「モスクワのこの職種であれば、5,000ドルから10,000ドルの範囲」といった形で示されている。なお、本速報では、原典で端数のあるデータを四捨五入して示している箇所もあることをお断りしておく。原典では28の職種のデータが示されているが、本速報ではそのうち24を紹介する。原典の図は理解しづらいので、本速報ではデータをより見やすい図に加工した。

 その他の記事
◎キリン一番搾りのロシアでの販売を強化
◎JBICがロシア商業銀向け輸出クレジットライン
◎石州瓦メーカーがロシア社幹部に技術指導


No.1535 2011年7月25日号

2011年1〜6月のロシアの鉱工業生産
―自動車部門が全体を牽引―


はじめに
 ロシア連邦国家統計局は今般、2011年上半期(1〜6月期)の鉱工業生産実績を発表した。2011年1〜6月期のロシアの鉱工業生産は、前年比5.3%増大した。ロシアの最重要産業である石油生産はそれほど振るわなかったが、自動車産業が大幅な増産を記録しており、これが全体を牽引している。
 今回の速報では、統計局発表の2011年上半期のロシアの鉱工業生産動向を、図表にまとめて掲載するとともに、若干の解説をお届けする。

 その他の記事
◎新潟・ウラジオストク線が運航を再開
◎新潟東港・ザルビノ港の新航路8月から
◎JA全農とっとり、県産果実をロシアで販売
◎アゼルバイジャンにおける国家検疫庁の入札公示
『調査月報』2011年8月号のご案内


No.1536 2011年8月5日号

2011年1〜6月の日ロ貿易
―震災にもかかわらず拡大―


はじめに
 日本財務省から、2011年上半期(1〜6月期)の貿易統計が発表されたことを受け、当会では上半期の日本とロシア間の貿易に関し、輸出入商品構成をまとめたので、早速これを紹介したい。なお、ロシア以外のNIS諸国との輸出入動向も「統計速報」のコーナーに掲載しているので、あわせてご参照いただきたい。
 2011年1〜6月期の日ロ貿易をドル換算したところ、輸出入合計で141億9,927万ドルとなり、前年同期比40.2%増大した。うち、日本の輸出が53億9,762万ドル(前年同期比61.8%増)、輸入が88億ドル164万ドル(同29.6%増)であった。ただし、円高の関係で、円表示で見ると、伸びはやや小幅となる。

 その他の記事
◎2011年1〜6月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2011年1〜6月のロシア地域別の鉱工業生産指数
◎医療機器大手のニプロがロシアで合弁
◎ロシア三井住友銀が増資
◎日ロ間エネルギー協力の強化で一致
◎京都府がナホトカと経済交流拡大


No.1537 2011年8月25日号

ロシア・北朝鮮関係の20年

ロシアNIS経済研究所 主任
齋藤大輔

はじめに
 北朝鮮の金正日総書記が20日、9年ぶりとなるロシア訪問を開始した。24日には東シベリアのブリャート共和国ウランウデで金総書記とメドヴェージェフ大統領の首脳会談が行われる予定という。首脳会談の結果については報道に任せるとして、ここでは、両国関係の20年を振り返ってみよう。

 その他の記事
◎道銀、ロシア向け貿易保険付保
◎道銀、ガスプロム銀と連携
◎TMバイカルが木材乾燥機を増設
◎シャープがウクライナに販社
◎サードウェーブ、ウクライナ製放射線測定器販売
「第3回日本カザフスタン経済官民合同協議会」のご案内
『調査月報』2011年9-10月号のご案内


No.1538 2011年9月5日号

ロシアで連邦管区投資オンブズマンを設置

ロシアNIS経済研究所 主任
中馬瑞貴

はじめに
 2011年8月2日、メドヴェージェフ・ロシア大統領は地方の投資環境改善を目的として、8つの連邦管区に「投資担当全権代表(通称:投資オンブズマン)」制度を導入することについての大統領決定に署名した。これは、2011年3月30日にチェリャビンスク州マグニトゴルスクで行われた第22回ロシア経済近代化・技術発展委員会の会合の中で大統領が言及したロシアの投資環境改善のための10の優先課題の1つを実現させた制度である。
 ちょうど1年前の2010年8月にプーチン首相によって連邦レベルの投資オンブズマンの制度が導入され、イーゴリ・シュヴァロフ第一副首相にその権限が委譲された。今回導入された制度はその地方版ともいえるものであり、連邦レベルでは対応しきれない地方が抱える投資環境の問題に取り組むことが地方版オンブズマン導入の目的であると考えられる。本稿では、この各連邦管区に新たに設置された「投資担当全権代表」について解説する。

 その他の記事
◎2011年1〜7月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2011年1〜7月の日ロ貿易
◎サンクトペテルブルグ市の知事交代
◎モンゴルに新大使
◎三菱自がカルーガ州と環境負荷低減に向け覚書
◎第6回北海道・サハリン州市民交流会議


No.1539 2011年9月15日号

2011年1〜6月のロシアの貿易と外国投資受入

 2011年1〜6月のロシアの貿易と外国投資受入の統計データがほぼ出揃ったので、今回の速報では恒例によりこれらのデータを図表にまとめてお届けすることにする。
 ロシア中央銀行の国際収支統計によると、2011年1〜6月のロシアの商品輸出総額は2,498億ドル(前年同期比31.5%増)、輸入総額は1,473億ドル(41.8%増)で、収支は1,025億ドルの黒字であった。国際収支ベースの過去数年の輸出入額を、月別に跡付けたのが図1である。これを見ると、ロシアの貿易はリーマン・ショック後の落ち込みを脱し、最盛期の2008年前半の水準にまで回復してきていることが分かる。

 その他の記事
◎ロシアの3つの連邦管区で全権代表の交代
◎ウクライナに新大使
◎横河がタタルスタンにテクニカルセンター開設
◎横浜ゴム、ロシアに追加投資へ
◎オプテックスがモスクワに防犯関連販社設立
◎楽天、ロシア電子商取引最大手に出資
◎JTBがモスクワで展示会開催
◎東京・富山におけるロシア極東関連セミナー開催のご案内


No.1540 2011年9月25日号

外資チェーンが牽引するロシア外食産業

 ロシア政府機関紙『ロシア新聞』(2011年7月26日号ビジネス版)に、ロシアの外食産業の市場動向に関する記事が掲載された。今回の速報では、これを抄訳して紹介したい。また、Intesco Research Groupという調査会社からロシア外食産業に関する調査レポートが出ているので、そこからも情報を補うこととする。

 その他の記事
◎三井物産、セヴェルスターリと合弁設立
◎東芝がロシア重電大手と合弁契約
◎みずほコーポとロシア商業銀行が業務協定
◎ホンダ、ロシアでの生産を検討
◎大王製紙、ロシアで輸入差し止め認可
◎鳥取産果実のロシア向け輸出事業
◎サハリン初の北海道産品フェア
◎被ばく測定器でベラルーシ社と提携
◎日本の漢方薬メーカーのタジク合弁会社
◎日ウクライナ、投資自由化へ交渉開始
◎再生可能エネルギー投資シンポジウムのご案内


No.1541 2011年10月5日号

プーチンの大統領復帰「確定」をめぐって

ロシアNIS経済研究所 次長
服部 倫卓

はじめに
 ロシアで9月24日、政権与党「統一ロシア」の党大会が開かれた。大会で演壇に立ったメドヴェージェフ大統領は、2012年3月の大統領選挙に同党からプーチン現首相を擁立することを提案した。むろん、形式論から言えば国民が選挙で大統領を選ぶわけだが、現体制を代表して戦う候補者が確定したことで、ロシアを悩ませてきた「2012年問題」には実質的に終止符が打たれた。かねてから可能性を指摘されていたプーチン氏の大統領復帰というシナリオが実現することが、確実となったわけである。現大統領のメドヴェージェフ氏は、「統一ロシア」の候補者名簿の筆頭で本年12月の下院選挙を戦ったのちに、プーチン大統領の下で首相に就任することになった。今回の速報では、現地専門家の分析に依拠しながら、今回の動きにつき簡単に整理・考察を試みる。なお、付属コラムとして著名なオリガルヒであるプロホロフ氏に関する小文も掲載するので、そちらもご参照いただきたい。

 その他の記事
◎政治家に転身したオリガルヒ・プロホロフ氏
◎2011年1〜8月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2011年1〜8月の日ロ貿易
◎三菱東京UFJ、ロシア大手銀と提携/
◎NECが情報通信などでロスナノと協定
◎日ロ証券保管振替機構が相互協力で覚書
◎富士フイルム、ウクライナに現法設立
◎NEDOがウクライナで省エネプロジェクト
◎東芝、レアメタル販売でカザフ国営企業と合弁


No.1542 2011年10月15日号

『世界投資報告書 2011』を読む

はじめに
 国連貿易開発会議(UNCTAD)は先ごろ、『世界投資報告書』の2011年版を発表した。これは同機関が全世界の直接投資(FDI)、M&Aおよび多国籍企業の動向を分析して毎年刊行しているもので、本年は全般的な分析に加え、非エクイティ形態による外国パートナーとの協業が特集テーマとなっている。そこで、今回の速報では、『世界投資報告書 2011』のなかから、ロシア・NIS諸国に関連した部分のデータを表にまとめて掲載するとともに、解説の抄訳をお届けすることにする。その際に、ロシアやカザフといった国は、もはや資本の輸入国としてだけでなく輸出国としてもプレゼンスを高めつつあるので、以下ではロシア・NIS諸国のFDI受入だけでなく、同諸国による対外投資についても視野に入れることにする。

 その他の記事
◎上半期のロシア経済は3.7%成長
◎三井物産、ロシアに建材向け鋼材加工センター
◎丸紅、カザフの化学会社と覚書締結


No.1543 2011年10月25日号

被災地企業が描く今後のロシアビジネスビジョン

宮城県経済商工観光部
海外ビジネス支援室海外ビジネス支援班
主事 熊谷大樹

はじめに
 宮城県では、去る9月27日(火)、モスクワ日本センターにおいて、ロシアNIS貿易会および宮城県の共同主催による宮城県震災復興支援セミナーとして、「日露貿易促進セミナーfrom宮城〜被災地企業が描く今後のロシアビジネスビジョン〜」を開催し、県内企業2社および県から、日本企業とのビジネスに関心をもつロシア企業担当者に対してプレゼンテーションを行った。今回は、開催したセミナーと、それに付随して現地で実施した参加県内企業の商談や現地視察について、その概要を報告したい。

 その他の記事
◎コマツ、ロシア極東の大学と提携
◎山形県がハバロフスクで商談会
◎北海道でロシアビジネス支援組織が発足
『調査月報』2011年11月号のご案内


No.1544 2011年11月5日号

ロシア・NIS諸国のビジネス環境比較
―Doing Business 2012より―

はじめに
 世銀グループの国際金融公社(IFC)は先頃、報告書『Doing Business 2012』を発表した。これは、世界各国の企業活動に対する政府の規制(言い換えればビジネスのやりやすさ)をランキング形式でまとめ、毎年秋に発表しているものである。今回の速報では、この資料のなかから、当会の事業対象国であるロシア・NIS諸国のデータを抜粋してお届けする。

 その他の記事
◎2011年1〜9月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2011年1〜9月の日ロ貿易
◎NEC、ロシアでマイクロ派通信システム受注
◎スター精密がモスクワに印刷機販売拠点
◎三菱化学、ロシア企業にライセンスを供与
◎舞鶴・ナホトカ航路、コンテナ輸送開始へ


No.1545 2011年11月15日号

講演録
ロシア極東の経済情勢と2012年APEC後の展望

ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所 所長
P.ミナキル

はじめに
 ロシアNIS貿易会では、ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所のP.A.ミナキル所長を招聘し、2011年9月27日、東京・如水会館において極東経済セミナー「ロシア極東の経済情勢と2012年APEC後の展望」を開催した。以下では、その内容を紹介する。

 その他の記事
◎第3四半期のロシア経済は4.8%成長
◎2011年1〜9月の日ロ貿易
◎経済産業省がロシア経済発展省と覚書を締結
◎サンギ、薬用歯磨きをロシアで販売
◎カシオがロシアの腕時計専門店拡大へ


No.1546 2011年11月25日号

2011年1〜9月のロシア経済と鉱工業生産
―成長継続するも鈍化の兆しも―

はじめに
 2011年1〜9月のロシアの主要経済指標が出揃ったので、今回の速報では鉱工業生産を中心にロシアの経済動向を図表にまとめて掲載するとともに、若干の解説をお届けする。貿易および外国投資の受入に関しては、後日より詳しくお伝えする予定である。
 ロシア経済は、引き続き成長基調にある。鉱工業生産では、自動車部門が全体を牽引している。ただ、ここに来て鉱工業生産が鈍化する傾向も見られる。

 その他の記事
◎日露エネルギー・環境対話イン新潟
◎国交省が日本海側拠点港に19港を選定
日ロ間の経済近代化分野の協力に関する覚書
『調査月報』2011年12月号のご案内


No.1547 2011年12月5日号

講演録
プーチン復活後のロシアビジネス

スガハラアソシエーツ代表取締役 菅原信夫
ミナト国際コンサルティンググループ代表 上村雅幸

はじめに
 日系自動車メーカーのロシア極東進出をはじめ、大手商社や家電メーカー、飲料品メーカーなどの現地法人・駐在員事務所の設立のニュースが相次ぐなど、東日本大震災から半年を経て再びロシアビジネスが活況を呈している。そうしたなか、プーチン首相が2012年3月の次期大統領選に立候補する考えを表明、ロシアの次期大統領が事実上ここで決定した。プーチン復活後のロシアビジネス環境はどう変わるのか? なかんずく日本企業にとっての影響はあるのか? に関心が集まるなか、当会は11月7日、スガハラアソシエーツ代表取締役の菅原信夫氏、ミナト国際コンサルティンググループ代表・公認会計士・税理士の上村雅幸氏を招き、「プーチン復活後のロシアビジネスと極東における拠点設立・運営の留意点」と題したメンバーズ・ブリーフを開催した。両氏にはここ数年、定期的に報告をしていただいており、今回、菅原氏からはプーチン大統領復活後のロシア経済の行方や日ロ関係についての予測を、上村氏からはモスクワと比べて手続き面がいろいろと異なるロシア極東での拠点設立や運営管理について、マクロとミクロの両面からロシアビジネスを巡る変化についてお話いただいた。いずれも、今後、起こりうるロシアのビジネス環境の変化へ対応するために有益な情報といえる。今号ではその概要を紹介したい。

 その他の記事
◎2011年1〜10月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2011年1〜10月の日ロ貿易
◎マツダがロシア極東で合弁設立を協議
◎月桂冠、ロシア向けに出荷
◎ロイズコンフェクトがサハリン進出
◎自動車用ロックのユーシンがロシアに工場


No.1548 2011年12月15日号

スマホでロシア・NISのニュースをチェックする

ロシアNIS経済研究所 次長
服部倫卓

はじめに
 世は空前のスマートフォン・ブームである。今回の速報では、スマホを利用してロシア・NIS諸国のニュースを収集する意義とノウハウについて語り、そのために有用なアプリを色々と紹介してみたい。

 その他の記事
◎日本板硝子、ロシアでのガラス事業を拡大
◎アムール州から境港へチタン鉱石初輸入


No.1549 2011年12月25日号

2011年1〜9月のロシアの貿易と外国投資受入

はじめに
 2011年1〜9月のロシアの貿易と外国投資受入の統計データが出揃ったので、今回の速報では恒例によりこれらのデータを図表にまとめてお届けすることにする。

 その他の記事
◎ロシアの食品小売業
『調査月報』2012年1月号のご案内
◎ロシア下院選結果と関連人事
◎モルドバで大統領の不在が続く
◎2012年のロシア・NIS選挙スケジュール
◎伊藤忠丸紅鉄鋼がモスクワに販社設立
◎伏木富山港新ルート研究会が対ロ定期便誘致