ロシアNIS経済速報(2010年)

No.1484 1月15日号 2010年の日露経済協力を展望する
No.1485 1月25日号 太平洋沿岸への石油パイプライン開業
No.1486 2月5日号 2009年のロシアの経済実績(速報)
No.1487 2月15日号 2009年の日ロ貿易 ―過去最大の縮小に見舞われる
No.1488 2月25日号 2009年のロシアの鉱工業生産
No.1489 3月5日号 ロシア極東における中ロ経済関係の新動向
No.1490 3月15日号 2009年のロシアの貿易と外国投資受入
No.1491 3月25日号 2010年ウクライナ大統領選と新政権
No.1492 4月5日号 カザフスタンの省庁改編と閣僚人事
No.1493 4月15日号 2009年のNIS諸国の経済(上)
No.1494 4月25日号 2009年のNIS諸国の経済(下)
No.1495 5月15日号 2009年の極東発展プログラム実施概況
No.1496 5月25日号 ガスプロムの困難 ―非在来型ガスという「黒船」
No.1497 6月5日号 2009年のロシア極東を振り返って
No.1498 6月15日号 ロシアの工業生産特区入居企業詳報
No.1499 6月25日号 ロシア原子力産業におけるBank Rossiya人脈
No.1500 7月5日号 新時代のロシアNIS貿易会の刊行物のあり方
No.1501 7月15日号 マガダン州プレゼンテーション
No.1502 7月25日号 ロシア経済の未来像
No.1503 8月5日号 ウラル国際フェア&フォーラムに参加して
No.1504 8月25日号 ロシアの穀物輸出禁止がもたらすもの
No.1505 9月5日号 ロシア向け日本産果実輸出の可能性
No.1506 9月15日号 ウズベキスタン大企業ランキング
No.1507 9月25日号 世界政策フォーラムと千年祭に沸くヤロスラヴリ
No.1508 10月5日号 ゼレノグラード経済特区の挑戦
No.1509 10月15日号 ロシアビジネス戦略の新展開 ―代理店および駐在の諸問題
No.1510 10月25日号 モスクワ市長の交代劇 ―ルシコフからソビャニンへ
No.1511 11月5日号 ロシアのブリヤートを訪問して
No.1512 11月15日号 第4回日露投資フォーラム開催
No.1513 11月25日号 日ロ経済関係拡大への期待
No.1514 12月5日号 2010年1〜9月のロシアの貿易と外国投資受入
No.1515 12月15日号 アルジグループに聞く日ロビジネスの可能性
No.1516 12月25日号 FIFAワールドカップ・ロシア大会開催決定に寄せて

No.1484 2010年1月15日号

2010年の日露経済協力を展望する

ロシアNIS経済研究所 所長
遠藤寿一

はじめに
 昨年(2009年)の新春は、前年秋のリーマン・ショックを受けて、世界経済が海図なき航海に船出するような不安の中でスタートした。ただ、ロシアは諸外国と比較しても金融レバレッジが低いことで、欧米で騒いでいるような金融危機とは無縁であると平静を保っていた。むしろ今後の世界経済は、BRICsが主導権を握ることになり、ロシア経済は安泰であると豪語してきた。
 だが、時間の経過とともに、ロシア経済は苦戦を強いられることになった。結果的に、BRICsの中ではロシアの一人負けに終わることで、2009年を終了した。
 それでも、年末もぎりぎりの12月28日、沿海地方コズミノ港から、太平洋原油パイプラインで運ばれてきた(一部鉄道)原油の積み出しが開始され、プーチン首相が式典に参列した。東アジア太平洋地域へロシアが積極的関与を宣言した瞬間でもあった。
 2010年の日ロ経済協力は、対岸への地域協力が再び脚光を浴びることになるだろう。

 その他の記事
◎2009年1〜11月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎川重子会社と双日、トルクメンから肥料設備受注
◎日立製作所、カザフからガスタービンを受注
◎林野庁がロシア産丸太輸出税引上延期を確認
◎キルギス兼勤駐在官事務所が大使館に格上げ
◎千歳・ハバロフスク直行便
◎2009年ロシア10大ニュース
ワークショップ「ロシアのエネルギー政策とその気候変動政策への影響」


No.1485 2010年1月25日号

太平洋沿岸への石油パイプライン開業
―ロシアの新しいアプローチ―

ロシアNIS経済研究所 研究員
齋藤大輔

はじめに
 シベリアの油田地帯からロシア極東の太平洋沿岸へ石油を送るパイプラインが中間地点まで完成し、昨年末、プーチン首相が出席して開業式典がナホトカ郊外の積み出し施設で行われた。
 このパイプラインをめぐっては、エネルギー供給源の多様化と中東依存からの脱却を図りたい日本と、急激な経済成長で、いまや資源輸入国となった中国が、太平洋沿岸と中国向けのどちらを優先着工するかで激しく争ってきた。最終的に両方建設することで落ち着いたが、着工前から注目を集めてきた。
 年の瀬ということもあって、注目されていたわりには日本で話題になることは少なかったが、原油のほぼすべてを輸入に依存する日本にとって、新たな供給源の確保はエネルギー安全保障上、大きな意味をもつ。これまでもサハリン大陸棚での石油・ガス開発プロジェクトから石油や天然ガスを購入してきており、ロシアからのエネルギー輸入はこれが始めてではないが、今回の規模はそれを大きく上回る。日本がどれくらい購入するかは、価格や需要動向にもよるが、将来的に重要な供給源になることは間違いない。

 その他の記事
◎2009年のロシアの鉱工業生産は10.8%減
◎日本海洋掘削がガスプロムから新規受注
◎住商が独ロパイプライン用鋼管を受注
◎積水ハウスがロシアで分譲住宅
◎在キルギス日本国大使に丸尾眞氏
香川県ロシアビジネスチャンスセミナーのご案内
◎RBS主催「ロシアCIS・中東欧セミナー」
『調査月報』2010年2月号のご案内


No.1486 2010年2月5日号

2009年のロシアの経済実績

はじめに
 ロシア連邦国家統計局は2月1日、2009年の同国のGDP速報値を発表した。そこで、今回の速報では統計局の発表にもとづき、2009年のロシアの経済実績値を表にまとめてお届けする。
 2009年のロシア経済は、速報値で、7.9%のマイナス成長という結果に終わった。ロシアにとっての基幹産業である鉱業は微減にとどまったものの、製造業や建設業の不振が際立った。また、支出面に着目すると、過去数年ロシア経済を牽引してきた家計消費がマイナス8.1%と縮小に転じ、また投資の大幅減が生じている。純輸出は前年比でプラスになっているものの、エネルギー・資源価格が下落したので、それによるデフレショックの方が大きかったと言えるだろう。

 その他の記事
◎2009年の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績(速報値)
◎日本の対ロシア月別輸出入通関実績
◎住金と住商が独ロガス・パイプライン向け鋼管受注
◎2009年のロシア向け中古車輸出激減
◎JICA四国支部がウクライナ視察団を招聘
◎名古屋でウズベク投資セミナー


No.1487 2010年2月15日号

2009年の日ロ貿易
―過去最大の縮小に見舞われる―

はじめに
 日本財務省から2009年の貿易統計が発表されたことを受け、当会では2009年1〜12月の日本とロシア間の貿易に関し、輸出入商品構成をまとめた。そこで、今回の速報では、早速この資料をお届けする。
 2009年の日ロ貿易は、輸出入合計で121億4,855万ドルとなり、前年比59.0%縮小した。とくに輸出の落ち込みが激しく、前年比79.8%減の33億68万ドルに終わった。輸入の落ち込みはそれよりは小幅だが、それでも前年比33.4%減であり、88億4,787万ドルにとどまっている。いずれも、日ソ/日ロ貿易の時代を通じて、史上最も大きな縮小率を記録してしまった。

 その他の記事
◎東邦ガスがサハリンからLNG受け入れ
◎北海道銀行とサハリン州が経済協力協定
◎仙台でロシアセミナー開催
◎札幌でサハリン水道セミナー


No.1488 2010年2月25日号

2009年のロシアの鉱工業生産

はじめに
 本誌2月5日号で、「2009年のロシアの経済実績(速報)」と題する記事をお届けしたが、その後ロシア連邦国家統計局の月報が発行され、2009年のロシアの鉱工業生産に関する詳しいデータが明らかになった。そこで今回の速報では、2009年のロシアの鉱工業生産統計を図表にまとめて掲載するとともに、データに関する簡単な解説をお届けする。
 2009年のロシアの鉱工業生産は、前年比実質10.8%縮小した。ロシアの鉱工業生産がマイナスになったのは、1998年以来、11年振りのことである。世界金融・経済危機の打撃を受け、とりわけ製造業が深刻な不振に陥った。

 その他の記事
◎三井物産とエクソン、東シベリアから原油輸入へ
◎SBIがロシアでのネット銀行業に参入
ロシア貿易物流セミナーin千葉のご案内
日露石油ガス技術交流セミナー(東京)
日露石油ガス技術交流セミナー(大阪)
『調査月報』2010年3月号のご案内


No.1489 2010年3月5日号

ロシア極東における中ロ経済関係の新動向

ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所
V.クチェリャヴェンコ

はじめに
 当会『ロシアNIS調査月報』2007年4月号では、「ロシアと中国」と題する特集を組み、その一環として、ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所のクチェリャヴェンコ研究員に「ロシア極東と中国の通商・経済関係」と題する論考を執筆していただいた。今回クチェリャヴェンコ氏より、ロシア極東における中ロ関係のその後の動向に関する論考を寄稿していただいた※。以下で、その邦訳を紹介する。(編集部)

 その他の記事
◎日本郵船グループがカザフに事務所
◎ヤヌコヴィチ・ウクライナ新大統領就任


No.1490 2010年3月15日号

2009年のロシアの貿易と外国投資受入

はじめに
 2009年1〜12月のロシアの貿易および外国投資受入の統計が明らかになった。そこで今回の速報では早速、ロシア連邦国家統計局、ロシア中央銀行、ロシア連邦関税局のウェブサイトに掲載された関連統計を図表にまとめてお伝えするとともに、データに関する解説をお届けする。なお、2009年のロシアの貿易および外国投資受入統計については、例年どおり『ロシアNIS調査月報』においてさらに詳細に紹介する予定である。
 2009年は、ロシア経済が大きな落ち込みに見舞われ、それに伴い対外経済関係も大幅な縮小を余儀なくされた1年であった。国際収支統計によれば、2009年のロシアの輸出は3,040億ドル(前年比35.5%減)、輸入は1,919億ドル(同34.3%減)であった。また、2009年のロシアの外国投資受入総額は819億ドルで、前年比21.0%減であった。ただ、貿易も外資受入も、2009年後半にはパフォーマンスが改善に向かっている。

 その他の記事
◎2010年1月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎日本の対ロシア月別輸出入通関実績
◎NTTコム、ロシア全土でVPN提供
◎JBICがインペックス北カスピ海石油向けに融資
◎インペックス、カスピ海域での追加開発決定
◎損保ジャパンがロシア大手損保と提携
◎ポーラ、ウクライナに進出
◎新潟・敦賀・ウラジオストク間を試験運航
◎日本とカザフが原子力協定に署名


No.1491 2010年3月25日号

2010年ウクライナ大統領選と新政権

ロシアNIS経済研究所 次長
服部倫卓

はじめに
 1月17日にウクライナ大統領選挙の第1回投票が行われ、事前の予想どおりヤヌコヴィチ地域党党首とティモシェンコ首相が決選投票に進んだ。そして、2月7日に行われた決選投票の結果、ヤヌコヴィチが48.95%を得票し、45.47%のティモシェンコを僅差で退け、大統領に当選した。最高会議(議会)では地域党を中心とする新たな多数派が形成され、3月11日にはアザロフ新内閣が成立している。
 今回の速報では、2010年ウクライナ大統領選挙と、その後の連立・組閣の動きを整理し、分析・論評を試みる。

 その他の記事
◎住友商事がカザフでレアアース回収合弁
◎住友商事がロシア銀と提携
◎ユニクロのモスクワ第1号店が4月2日開店
◎日立建機、ロシアに販社設立へ
◎秋田県と沿海地方が包括友好協定
『調査月報』2010年4月号のご案内


No.1492 2010年4月5日号

カザフスタンの省庁改編と閣僚人事

ロシアNIS経済研究所 研究員
中馬瑞貴

はじめに
 2010年3月12日、カザフスタン共和国で経済関連の省を中心に行政府の改編が行われた。経済・予算計画省、産業・貿易省、エネルギー・鉱物資源省、文化・情報省、情報化・通信庁が廃止され、経済発展貿易省、産業・新技術省、石油・ガス省、文化省、通信・情報省が新設された。カザフスタンで1度に5つもの省庁が改編され、相互に権限の移譲も行われるなど、これほど大々的な変化は珍しい。さらに、今回の省庁改編は、2010年からカザフスタンで実施されている「2010-2014年のカザフスタン共和国産業・イノベーション発展促進プログラム(以下、2014年プログラムとする)」の実現に向けたものであると考えられる。
 そこで、今回の速報では、カザフスタン共和国の省庁改編について整理し、新設された省の機能や権限、人事等について分析する。

 その他の記事
◎2010年1〜2月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎日本の対ロシア月別輸出入通関実績
◎ユニクロのモスクワ第1号店が4月2日開店
◎新日石がモスクワに販社設立
◎沖データ、ロシアに本格進出
◎横浜ゴム工場の起工式
◎JBICがズベルバンクと業務協力
◎JBIC、カザフ硫酸製造プロジェクト向けに融資
◎成田・ロシア極東間に初の定期路線
◎ロシアの時間帯9に削減される
国際コンフェレンス「ウズベキスタンの新たな投資チャンス」
「極東ロシアビジネスフォーラム」のご案内


No.1493 2010年4月15日号

2009年のNIS諸国の経済(上)

はじめに
 『経済速報』では毎年この時期、前年のCIS諸国の経済統計を紹介し、各国の最新の経済動向について論評するという企画をお届けしている。本年も2009年のデータがほぼ出揃ったので、早速それを試みたい。
 ただし、2009年にはCISからグルジアが脱退するという新たな動きがあった。CIS統計委員会の刊行物やウェブサイトにも、グルジアの最新データは掲載されなくなってしまった。とはいえ、本誌読者の皆様にとって、グルジアは引き続き一定の関心事のはずであり、本企画からグルジアを外す理由もない。そこで、本年からは「NIS諸国の経済」とタイトルを変え(NISであれば当然グルジアも含まれる)、CIS諸国にグルジアも加えた形で、最新統計と経済情勢のレビューをこれまでと同様にお伝えすることとしたい。
 まず今号では、全12ヵ国の主要経済指標を表にまとめて掲載するとともに、NIS全般、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバについての解説をお届けする。中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)および南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア)のレビューは次号で扱う予定である。各国レビューの執筆は、当会ロシアNIS経済研究所のスタッフによるものであるが、ロシアについては本年も北海道大学スラブ研究センターの田畑伸一郎教授にとくにご寄稿いただいた。

 その他の記事
◎JOGMECがサハリン1の債務保証
◎日立AP、ロシアで家庭用エアコン事業を強化
「ROTOBO ロシア・ウラル経済ミッション」参加者募集のご案内


No.1494 2010年4月25日号

2009年のNIS諸国の経済(下)

はじめに
 前回に引き続き、CIS統計委員会および各国統計局発表のデータにもとづき、NIS諸国の最新の経済情勢についてのレビューを行う。
 前回は、全12カ国の主要経済指標を表にまとめて掲載するとともに、NIS全般、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバについての解説をお届けした。今号では中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)および南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア)を扱う。
 なお、前号発行後、各国の鉱工業部門別の生産指数、石油・ガス生産、輸出入額のデータを新たに入手したので、それらをまとめた表を追加で掲載する。

 その他の記事
◎大気社がロシア現法を設立
◎三菱ふそう、ロシアで小型トラック販売
『調査月報』2010年5月号のご案内


No.1495 2010年5月15日号

2009年の極東発展プログラム実施概況

ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所
O.プロカパロ

はじめに
 ロシア極東地域では、「極東ザバイカル地域経済社会発展連邦課題プログラム」が実施されている。ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所のO.プロカパロ氏に、同プログラムの2009年の実施状況と、加えられた修正点についてまとめていただいたので、翻訳のうえご紹介する。(編集部)

 その他の記事
◎2010年1〜3月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎日本の対ロシア月別輸出入通関実績
◎日本の対ロシア月別乗用車輸出動向
◎三菱自、プジョーのロシア工場竣工式
◎千代田化工がサハリンで設計業務サービス
◎双日がロシアでコジェネ化プロジェクト
◎丸紅、ロシアから小麦輸入
◎日通がロシア内陸向け最短ルートを開発
◎富山県ビジネスサポートデスクの開設
◎センコー、カザフの国家プロジェクトに参画
◎JOGMECが鉱物資源・エネルギーでウズベクと覚書
◎JICA、ウズベク向け円借款締結
第6回日本アゼルバイジャン経済合同会議のご案内


No.1496 2010年5月25日号

ガスプロムの困難
―非在来型ガスという「黒船」―

高知大学 人文学部
塩原俊彦

はじめに
 ロシアの国営企業ガスプロムは世界有数のエネルギー企業である。それだけに、ガスプロムの帰趨は今後のロシア政府のあり方にも少なからず影響をおよぼすだろう。そこでここでは、ガスプロムが最近、非在来型ガスという「黒船」に直面して苦しい立場に置かれている現状について、天然ガスの需給バランスやパイプライン敷設戦略などを詳しく分析するなかでその問題点を明らかにすることにしたい。

 その他の記事
◎東北電力がサハリン2からLNG受入
◎商船三井、ロシア航路をウイークリー化
◎宮城県とニジェゴロド州の経済協定
◎東電設計コンサルによるアルメニア火力竣工
『調査月報』2010年6月号のご案内


No.1497 2010年6月5日号

2009年のロシア極東を振り返って

ロシアNIS経済研究所 調査役
齋藤大輔

はじめに
 大規模な経済開発が進むロシア極東に注目が集まっている。そこで今号では、ロシア極東の2009年を振り返ってみる。主要経済指標や主な出来事も合わせて掲載する。

 その他の記事
◎HISモスクワ支店オープン
◎アネスト岩田モスクワ事務所が現法化
◎ウラジオに秋田県ロシアビジネスサポートセンター
◎北九州市とチェリャビンスク州との経済協力協定
◎道産食品のロシア向け輸出促進
「マガダン州プレゼンテーション」開催のご案内


No.1498 2010年6月15日号

ロシアの工業生産特区入居企業詳報

ロシアNIS経済研究所 次長
服部倫卓

はじめに
 当会発行の『ロシアNIS調査月報』では、2010年3月号で「ロシア・NIS諸国の経済特区」と題する特集を組んだ。その一環として、2009年末現在でロシアの経済特区に入居している全207社のデータを掲載した。ただ、出所として利用したロシア連邦経済特区管理庁(すでに廃止)のデータベースが、企業名とごく簡単な事業内容を記したものにすぎなかったので、網羅性はあったものの、入居企業を詳しく知るための資料としてはやや物足りなかったのも事実である。
 そこで、ロシアの経済特区のうち、とくに重要と考えられる工業生産特区に関し、このほど入居企業のより詳しい情報を取りまとめ、一覧表を作成した。今回の速報では、この資料をお届けする。

 その他の記事
◎2010年1〜4月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎日本の対ロシア月別輸出入通関実績
◎日本の対ロシア月別乗用車輸出動向
◎コマツ・ロシア工場が稼動開始
◎川重がロシアの極東電力から発電設備受注
◎東芝、カザフ国営企業との合弁設立


No.1499 2010年6月25日号

ロシア原子力産業におけるBank Rossiya人脈

東京財団 研究員
畔蒜泰助

はじめに
 「エトセトラ」のコーナーで紹介しているとおり、今般発行された当会『ロシアNIS調査月報』7月号では、ロシア・NIS諸国の原子力産業の特集を組んでいる。実は、この特集に向けてはいずれ劣らぬ力作が集まったため、すべての論考を月報に載録することができなかった。そこで、月報原子力特集のいわばスピンオフ企画として、異例の大部となるが、本速報では東京財団の畔蒜泰助氏よりご寄稿いただいたロシアの原子力産業の人脈に関する論文をお届けする。
 なお、月報7月号には藤森信吉氏による「ウクライナの原発と核燃料供給源 ―ロシア依存は続くのか―」と題する論文が掲載されているが、同論文脱稿後大きな動きがあったとのことなので、藤森氏からは補足情報をご寄稿いただき、本速報に掲載している。
 さて、畔蒜氏によれば、「プーチンの友人たちの銀行」として知られるBank Rossiyaの最大株主であり、取締役会議長を務めるユーリー・コバルチュクとプーチン首相との関係は、1990年代初頭、当時のサプチャク・サンクトペテルブルグ市長の下で、プーチンが同市の対外関係委員会議長の任にあった時代まで遡るという1)。ここ数年のロシア原子力産業の再編・再統合の過程を丹念に検証していくと、要所要所で、このBank Rossiyaに深く繋がる人脈が重要な役割を果たしていることに気づくとのこと。ロシア原子力産業に張り巡らされたBank Rossiya人脈の実態を明らかにすることが、本稿の目的となっている。(編集部)

 その他の記事
◎ウクライナ原発部門への進出を強めるロシア(藤森信吉)
◎丸紅がイルクーツク石油と包括提携
◎日本光電、ロシア医療機器販売大手と契約
◎第1回日ロ官民石炭ラウンドテーブル開催
『調査月報』2010年7月号のご案内


No.1500 2010年7月5日号

1500号記念座談会
新時代のロシアNIS貿易会の刊行物のあり方

はじめに
 (社)ロシアNIS貿易会のニュースレターである本『経済速報』は、今回発行の7月5日号で、第1500号を迎えることになりました。この節目を迎えるに当たって、当会では先日、会員企業の代表と外部有識者にお集まりいただき、当会の刊行物および情報提供サービス全般のあり方に関する座談会を開きました。『経済速報』1500号の記念座談会ということではありますが、むろんそれにとどまらず、『調査月報』や『Moscow Business News』も含めた当会の刊行物全体をテーマに、議論を交わしていただきました。そこで、今回の速報では、この1500号記念座談会の模様をお届けいたします。

 座談会参加者(五十音順・敬称略)
今田正之:三菱自動車工業潟鴻Vア組立事業推進室室長
大野正美:朝日新聞論説委員
加藤志津子:明治大学経営学部教授
久保田三郎:双日且s場開発部海外市場担当アドバイザー
服部倫卓:ロシアNIS貿易会・ロシアNIS経済研究所次長(司会)

 その他の記事
◎2010年1〜5月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎日本の対ロシア月別輸出入通関実績
◎日本の対ロシア月別乗用車輸出動向
◎JSPがモスクワに販社設立
◎日本興亜とロシア損保大手の提携
◎ニコンの最新機材、ISSロシア区画へ
◎エヌ・エル・シー、カザフ教材販売会社と提携


No.1501 2010年7月15日号

マガダン州プレゼンテーション

はじめに
 6月22日に、ロシア極東からドゥドフ知事を団長とするマガダン州の代表団が来日し、在日ロシア大使館にて、日本向けにプレゼンテーションを実施した(マガダン州行政府と在日ロシア大使館が主催、ロシアNIS貿易会とジェトロが後援)。
 今回の速報では、本プレゼンテーションで披露された配布資料の一部を、鉱物資源に関する報告を中心に、簡単に紹介する。

 その他の記事
◎三菱自、プジョーのロシア工場竣工式
◎千代田化工がサハリンで設計業務サービス


No.1502 2010年7月25日号

ロシア経済の未来像
―「2020年までの長期社会経済発展コンセプト」を読む―

ロシアNIS経済研究所 次長
中居孝文

はじめに
 2010年6月18日、ロシアのメドヴェージェフ大統領は、サンクトペテルブルグ国際経済フォーラムにおいて、今後10年の間に経済発展のモデルを原料輸出型からイノベーション型に移行し、経済の構造転換を図ることによって、ロシアの「近代化」を実現する旨の演説を行った。この演説は、ロシアにおける事実上の危機終息宣言及び新政策への移行宣言とも読み取れ、内外のメディアでも注目された。
 「近代化」の対象は政治・経済・社会など多岐にわたるが、経済面での「近代化」政策の大本となっているのが、2008年11月17日にロシア政府によって承認された「2020年までのロシア連邦の長期社会経済発展コンセプト」(以下「2020年コンセプト」と略)である。
 「2020年コンセプト」は経済危機の真っ只中に採択され、またその後ロシア政府も危機対策を優先し、本コンセプトの実行を後回しにせざるを得なかったために、これまであまり注目されてこなかった。だが、上記の通り、ロシアは危機を克服して新たな段階へ踏み出そうとしており、その方向性は「2020年コンセプト」の内容とほぼ符合する。本号では「2020年コンセプト」に改めて着目し、その要旨を紹介することによって、経済に関してロシア政府がいかなる未来像を描いているかを探ることとしたい。

 その他の記事
◎2010年上半期のロシア経済
◎国民投票終了後のキルギス新政府体制
『調査月報』2010年8月号のご案内
◎日産・ルノー、AvtoVAZに投資
◎JOGMEC、カザフの鉱物資源探査・開発


No.1503 2010年8月5日号

ウラル国際フェア&フォーラムに参加して
―ロシアの「イノベーション」とどう向き合うか―

ロシアNIS経済研究所
岡田邦生

はじめに
 ロシアNIS貿易会(ROTOBO)では本年6月初旬に西岡会長を団長とする総勢40名の経済ミッションをウラル地方に派遣した。その際、ミシャーリン・スヴェルドロフスク州知事から、連邦政府と共催で7月15日〜19日に「産業と技術革新・ウラル国際フェア&フォーラム(INNOPROM-2010)」を開催するので、是非参加されたいとの要請を受けた。その時は、ミッションのわずか1ヵ月半後ということもあり、多数の日本企業の参加は難しいとも思われた。ただ、連邦政府が主催するイノベーションをテーマとする初の大規模行事ということもあり、ROTOBOから代表を派遣することで要請をお受けし、筆者がこれに参加することとなった。そこで、本速報では、INNOPROMの概要についてお伝えするとともに、そこから垣間見えたロシアのイノベーションの課題と、日本としてそれにどう向き合うかという点に関し、所感を述べてみたい。

 その他の記事
◎2010年1〜6月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2010年1〜6月の日ロ貿易
◎2010年1〜6月のロシアの鉱工業生産
◎バンドー化学、モスクワに事務所
◎バルブメーカーの金子産業、ロシアに拠点
◎ウラジオストク講演会のご案内


No.1504 2010年8月25日号

ロシアの穀物輸出禁止がもたらすもの

ロシアNIS経済研究所
坂口泉

はじめに
 穀物輸出大国としての地位を確固たるものにしつつあったロシアに、現在ある異変が生じている。沿ヴォルガ連邦管区等で干ばつ被害が広がり穀物の収穫量が大幅に減少することが確実になりつつあるのだ。そのような状況を受け、8月5日にロシア政府は小麦をはじめとする穀物の輸出を一時的に禁止することを発表した。この発表は世界中に大きな衝撃を与え、小麦の先物取引価格も高騰した。日本への影響も取りざたされるようになっており、当会への問い合わせも多くなっている。以上の状況を踏まえ、本稿では、ロシアの穀物輸出の実態、干ばつ被害の状況、輸出禁止措置の背景にある諸事情を紹介した後に、ロシアからの穀物輸出量の減少が日本に及ぼす影響についての考察を試みる。

 その他の記事
◎2010年1〜6月のロシアの貿易と外国投資受入
◎トリヤッチ支援に向け経済特区を設立
◎三菱商事、JXエネルギーがロシアから排出枠取得
◎伊藤忠と帝石、アゼル油田権益拡大
◎岡田外相がウズベク、カザフ訪問
『調査月報』2010年9-10月号のご案内


No.1505 2010年9月5日号

ロシア向け日本産果実輸出の可能性

ロシアNIS経済研究所
芳地隆之

はじめに
 わが国の農林水産省は平成18年(2006)度の重点政策のひとつとして「攻めの農業への転換を支援する基盤整備」を挙げた。具体的には(1)集落営農の育成など基盤整備を契機とした担い手の育成・確保や農地の利用集積の促進、(2)輸出や地域ブランドの確立など地域の多様な農業戦略の実現に資する基盤整備やソフト施策の推進、である。とくに(2)では「輸出や地域ブランドの確立の支援」として、農作物の高付加価値化による輸出の効果的促進を掲げている。
 そうした政策の一環として、近年、地方自治体や生産者団体もロシアを日本産高級果実の輸出先として注目し、トライアル輸出やロシアのバイヤーを招聘した商談会、見本市への出展支援等を行っている。いまでは、りんご、柿、マンゴー、キウイ、梨、ブドウ、ビワ、みかん、メロン、スイカ、いちご、キンカン、文旦、オレンジ、グレープフルーツなど様々な品目がロシア向けに出荷されるようになった。とはいえ、現在のところ、輸出量は限られており、日本産果実のロシア向け輸出を継続かつ拡大するために越えるべきハードルは少なくない。そこで今号では、ロシアにおける果実市場の概要を押さえつつ、同国向け輸出促進に必要なポイントについて考えてみたい。

 その他の記事
◎2010年1〜7月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2010年1〜7月の日ロ貿易
◎カザフとウズベクに新大使
◎三菱自動車がモスクワ国際モーターショーに出品
◎酒田市で極東ロシア花卉市場セミナー
◎カザフ向け円借款契約の調印
◎ロシア・エネルギー戦略の詳細な解説
◎シャポヴァーロフ氏、情報会社の東京事務所に


No.1506 2010年9月15日号

ウズベキスタン大企業ランキング

はじめに
 ロシアの情報機関「RBC」のウェブサイトに、ウズベキスタンの50大企業ランキングという資料が掲載されている。当会では、ロシア・NIS諸国の大企業ランキングの類が発表された際には適宜その紹介に努めているが、ウズベキスタンの大企業ランキングというのは非常に珍しく、当会の刊行物でも取り上げた前例がない。その意味で今回の50大ランキングは貴重なものであり、同国の経済情勢を理解するうえでの有益な手掛かりと思われるので、今回の速報ではこの資料を紹介することとしたい。

 その他の記事
◎上半期のロシア経済は4.2%成長
◎プーチン首相、大統領選出馬に意欲か
◎パナソニックがロシアの放送局と提携
◎富山県とウラジオストク港が合意書
◎7月の中古車輸出、ロシアが首位


No.1507 2010年9月25日号

世界政策フォーラムと千年祭に沸くヤロスラヴリ

ロシアNIS経済研究所
中馬瑞貴

はじめに
 2010年9月9〜12日、モスクワ近郊の地方都市ヤロスラヴリにロシア国内外から注目が集まった。9月9、10日に政治版ダボス会議と称される「世界政策フォーラム」が開催され、続く10〜12日にはヤロスラヴリ建都1000周年祭が開催された。フォーラム、記念祭にはメドヴェージェフ大統領の他、各国の政治家、ビジネスの代表者、研究者らが参加し、日本からも鳩山前首相が出席した。
 そこで今回は、ロシアで歴史的にも、現在の経済・政治的にも重要な都市であるロシアの地方都市の1つヤロスラヴリについて紹介する。

 その他の記事
◎コマツのロシア工場開所式
◎三菱自がロシア工場でSUVの生産を開始
◎ユニ・チャームのロシア紙おむつ工場竣工
◎旭硝子のガラス窯、ロシアで稼働
◎資生堂、グルジアで販売開始へ
メンバーズ・ブリーフ「ロシアビジネス戦略の新展開」


No.1508 2010年10月5日号

ゼレノグラード経済特区の挑戦
―エレクトロニクスと医薬品産業―

ロシアNIS経済研究所
服部倫卓

はじめに
 当会では昨年度、ロシアの経済特区に関する調査事業を実施し、その成果をまとめた報告書を作成したが、その後も特区に関するフォローを継続している。筆者は本年6月、ゼレノグラード経済特区に出向き、視察および聞き取り調査を行う機会を得た。ゼレノグラードはロシアに4箇所設けられている「技術導入特区」の1つであり、マイクロ・ナノエレクトロニクスとバイオ・医薬品産業の産業クラスターを形成することをめざしている。本稿では、6月の現地調査の成果、特区のプレゼンテーション資料、各種の報道等にもとづき、ゼレノグラード経済特区の現状・展望につき論じることにする。

 その他の記事
◎2010年1〜8月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2010年1〜8月の日ロ貿易
◎2010年1〜6月のロシア・NIS諸国の経済
◎ルシコフ・モスクワ市長解任
◎ロシア版シリコンバレー「スコルコヴォ」立法化される
◎東京製綱がロシア向け初受注
◎SBIホールディング・モスクワ事務所開設
◎秋田でロシア荷主会設立
◎第2回日本カザフ官民合同協議会開催
◎駐日アルメニア大使館開設
「ロシア・ウクライナ投資セミナー:実務法の観点から」のご案内
◎鳥取県主催「ロシアビジネスセミナー」のご案内


No.1509 2010年10月15日号

ロシアビジネス戦略の新展開
―代理店および駐在の諸問題―

スガハラアソシエーツ 菅原信夫
ミナト国際コンサルティング 上村雅幸

はじめに
 2009年の大幅なマイナス成長から脱却したロシアの経済には好転の兆しが見え始め、ロシアビジネスを展開する日系企業の多くは、新たな成長戦略の検討段階に入っている。金融危機後のロシア市場における商品の流通経路や現地代理店政策についても、従来とは異なるアプローチを検討する動きがみられ、また、外国人駐在員に関する税制・法制度の変更に対応した人材戦略の見直しも進められている。
 そこで当会では10月5日、これらの事情に詳しいスガハラアソシエーツ代表取締役の菅原信夫氏、ミナト国際コンサルティング代表取締役の上村雅幸氏を招き、「ロシアビジネス戦略の新展開」と題したメンバーズ・ブリーフを開催した。現在のロシア経済はどのような状況にあるのか、時代に即した代理店政策をどう進めていくべきか、最新のロシア駐在員に関する税務・法務にいかに対応すべきか。両氏の報告は、日本からは見えない現地の状況を知る貴重な機会となった。ここにその概要を掲載する。

 その他の記事
◎サハリンに新総領事
◎ティラドの合弁が稼働
◎センコン物流とロシア物流会社が業務提携
◎カネボウがロシア子会社にカウンセラー派遣
「第4回日露投資フォーラム」のご案内
セミナー「ベラルーシの投資・ビジネスの可能性」のご案内


No.1510 2010年10月25日号

モスクワ市長の交代劇
―ルシコフからソビャニンへ―

ロシアNIS経済研究所
中馬瑞貴

はじめに
 9月28日、ユーリー・ルシコフ・モスクワ市長が解任され、10月21日、セルゲイ・ソビャニン副首相兼官房長官が新市長に就任した。18年間市長を務め、世界有数の大都市の1つにまでモスクワを発展させたルシコフ前市長の功績はプーチン首相をはじめ多くの人が評価する一方、今回の解任理由は、「大統領の信用を失った」ことであった。一方、「統一ロシア」およびメドヴェージェフ大統領の推薦を受けて市長の重責を引き継ぐことになったのは、連邦中央の中でも比較的中立的な立場と考えられているソビャニン。彼はかつて、地方自治体の要職やチュメニ州知事を務めた経験もあり、連邦中央と地方でその手腕を発揮してきた。提案された4人の候補者の中でも就任が最も有力であった人物である。
 今回は今や世界経済にも大きな影響力を持つロシアの首都モスクワの市長交代劇について、その経緯を紹介するとともに、今後の影響について展望を試みる。

 その他の記事
◎JOGMECが東シベリア大規模油田を発見
◎シャボン玉石けん、ロシア輸出を本格化
◎ウラジオで秋田県産品フェア
◎ムルマンスクに港湾特区
『調査月報』2010年11月号のご案内


No.1511 2010年11月5日号

ロシアのブリヤートを訪問して

ロシアNIS経済研究所
高橋浩

はじめに
 8月2〜6日に、ロシア連邦のバイカル湖の東岸に位置するブリヤート共和国政府を日本のビジネスマンなど約20名が訪問した。この企画は同共和国政府が、同地域で鉱山開発などを実施しているロシアの民間企業メトローポル社との共同企画による招聘事業である。当会からは、ロシアNIS経済研究所の高橋浩・副所長および齋藤大輔・調査役が参加した。今号ではブリヤート共和国における視察内容を報告したい。

 その他の記事
◎2010年1〜9月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2010年1〜9月の日ロ貿易
◎OKIのモスクワ販社
◎ぺんてるがモスクワ販社設立へ
◎ユニクロ ロシア2号店


No.1512 2010年11月15日号

第4回日露投資フォーラム開催

はじめに
 去る11月12日に「第4回日露投資フォーラム」が東京のホテルニューオータニにおいて開催された。日露投資フォーラムは、2005年11月の二階経済産業大臣(当時)とグレフ経済発展貿易大臣(当時)のバイ会談での合意を受けて、翌年、開催が実現した。日露経済関係の発展を目的とする同フォーラムは、2006年9月の第1回サンクトペテルブルグ開催を皮切りに、日ロ交互にこれまでに3回開催されている。
 今次フォーラムでは、「日本とロシアの経済成長戦略:その共通点」のテーマの下、日本の『新成長戦略』とロシアの『近代化プログラム』の連携と経済関係の将来について、両国の政府関係者・民間企業等で発表・討議を行われた。また、全体会合の後には、テーマごとに分科会が開かれた。参加者は日本側約350名、ロシア側約250名、計約600名に上り、日ロの政府およびビジネス関係者が一堂に会したことから、情報収集のみならず、具体的な商談や人脈の形成といった機会ともなった、今号では「第4回日露投資フォーラム」のプログラムならびに当日の様子を紹介する。詳細については、当会『ロシアNIS調査月報』2011年1月号にて報告する予定である。

 その他の記事
◎2010年1〜9月の日本の対ロシア輸出入品構成
◎双日と川重、ロシア向けGT2基追加受注
◎重工と双日、ロシアから大型肥料プラントを受注
◎モスクワに電通ニューアイディアズ販社
◎日立建機がトヴェリ州に生産設立
◎阿部長商店、ロシアに合弁設立へ
◎新千歳・ハバロフスク便12月就航
ロシア投資セミナーのご案内


No.1513 2010年11月25日号

日ロ経済関係拡大への期待
―フォーラムにおけるナビウリナ大臣講演―

はじめに
 前回の速報で第一報をお伝えしたとおり、11月12日、東京のホテルニューオータニにおいて第4回日露投資フォーラムが開催された。同フォーラムには、E.ナビウリナ・ロシア経済発展大臣がロシア側の代表として出席し、全体会合の冒頭で基調講演を行った。この講演は、ロシア側が日本との経済関係に何を期待するのかを正式に表明したものとして、重要度がきわめて高いので、今回の速報では同講演の日本語訳をお伝えする。
 なお、本フォーラムのプログラム及び各分科会のプレゼン資料については、フォーラム専用サイトに掲載しているので、ご関心のある方はダウンロードしていただきたい。

 その他の記事
◎2010年1〜9月のロシア経済と鉱工業生産
◎IFC発表のビジネス環境、ロシアは123位
◎日産がロシアのAvtoVAZに出資へ
◎富山県企業がウラジオで商談会
講演会「ロシアのウラルおよび極東の経済状況」のご案内
仙台市さいたま市で「ロシア自動車産業セミナー」
『調査月報』2010年12月号のご案内


No.1514 2010年12月5日号

2010年1〜9月のロシアの貿易と外国投資受入

はじめに
 2010年1〜9月のロシアの貿易と外国投資受入の統計データが出揃ったので、今回の速報では恒例によりこれらのデータを図表にまとめてお届けすることにする。
 ロシアの貿易は経済・金融危機の痛手から立ち直りつつあり、2010年1〜9月の輸出入総額は前年同期比35.3%増の4,593億ドルとなった。うち、輸出が2,870億ドル(同38.1%増)、輸入が1,722億ドル(同31.0%増)であった。
 一方、外資の受入は貿易に比べて回復が遅れているようである。

 その他の記事
◎メドヴェージェフ教書、経済外交強化唱える
◎東芝がカザフでレアアース回収実験


No.1515 2010年12月15日号

インタビュー
アルジグループに聞く日ロビジネスの可能性

Aruji Group取締役
古長谷聡さん

はじめに
 今号ではロシアのビジネス界に精通したコンサルティングサービスを提供するAruji Group株式会社の古長谷(こながや)取締役へのインタビューを掲載する。同社は日ロ間ビジネスの促進を目的として設立されたベンチャー企業であり、最近のロシアのビジネスマインドについても詳しい同社の古長谷・取締役は、新しい時代に入った日ロ経済関係の発展に貢献するため、様々なビジネスの可能性を探っている。

 その他の記事
◎2010年1〜10月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎日本の対ロシア月別輸出入通関実績
◎ロシア・NIS諸国の市場経済移行進展度
◎双日と重工のロシア極東プロジェクト
◎出光がロシアに潤滑油販社を設立
◎双日、ロシア材ベニヤを輸入
◎新日鐵がガスプロムから初受注
◎資生堂、モルドバに進出


No.1516 2010年12月25日号

FIFAワールドカップ・ロシア大会開催決定に寄せて

ロシアNIS経済研究所
服部倫卓
はじめに
 国際サッカー連盟(FIFA)は12月2日、スイスのチューリッヒで開いた理事会で、2018年および2022年のFIFAワールドカップ(W杯)開催国を決定した。その結果に接し、本誌読者の多くは、「1勝1敗」という思いを抱いたのではないか。2022年の開催地は中東のカタールに決まり、日本はあえなく落選した。しかし、2018年の開催地が、我々の関心対象国であるロシアに決まったからである。
 ロシアにとって2018W杯は、単に世界的なスポーツ大会が来るというだけでなく、国が近代化を遂げていくうえでの大きな節目になると予想される。また、関連需要により、日ロ経済関係が拡大することも期待されよう。
 そこで本稿では、ソ連時代から今日に至るまでのロシア・サッカーの歩みをおさらいしたうえで、2018ロシアW杯の開催都市および会場、投資コスト等につき報告し、さらに大会を成功させるための課題について論じることとする。

 その他の記事
◎ウクライナとキルギスの政権人事
◎日清食品、ロシア企業へ追加出資
『調査月報』2011年1月号のご案内