ロシアNIS経済速報(2019年)

No.1781 1月15日号 ロシア経済は悲観論を払拭できるか
No.1782 1月25日号 2018年のロシアの乗用車販売動向
No.1783 2月5日号 2018年の日ロ貿易(速報値)
No.1784 2月15日号 2018年のロシア経済と鉱工業生産
No.1785 2月25日号 2019年のプーチン教書は国民の不満に配慮
No.1786 3月5日号 2018年のロシアの貿易―日本の地位は引き続き低下―
No.1787 3月15日号 2018年のロシア極東の貿易
No.1788 3月25日号 ナザルバエフ・カザフスタン大統領辞任
No.1789 4月5日号 ノヴォシビルスク州ビジネスセミナー開催報告
No.1790 4月15日号 2018年のロシア・NIS諸国の経済(上)
No.1791 4月25日号 2018年のロシア・NIS諸国の経済(下)
No.1792 5月15日号 ロシア政府が一連の「国家目標」を設定
No.1793 5月25日号 2019年1〜3月のロシア経済
No.1794 6月5日号 日ロ間の「カルチャーマーケティング」
No.1795 6月15日号 カザフスタン大統領選でトカエフ当選も変化の兆し

No.1781 2019年1月15日号

ロシア経済は悲観論を払拭できるか

ロシアNIS経済研究所
副所長 服部 倫卓

はじめに
 本稿では、2019年の年頭に当たって、2018年のロシア経済を振り返りながらその実情を探り、さらに2019年以降の展望を試みる。
 以下で見ていくように、現時点で、ロシアの専門家の間では、ロシア経済についての悲観論が強まっている。その悲観論とは、どのようなものなのだろうか。そしてプーチン政権は今後の経済発展の道筋をどのように描いているのか。以下では、現地有識者の分析やコメントを紹介しつつ、また図表も活用しながら、ロシア経済を概観していく。

 その他の記事
◎2018年1〜11月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2018年1〜11月の日ロ貿易
月例報告会「ロシアビジネス契約」
◎カザフスタンで投資・発展省が改組
◎カザフスタンで外相および軍需・産業大臣が交代
◎北海道総合商事がロシア野菜生産に追加出資
◎北海道総合商事がヤクーツク空港改修に参画
◎西部ガスがLNG輸送で露ノヴァテクと連携
◎ANA、モスクワおよびウラジオストク便就航へ


No.1782 2019年1月25日号

2018年のロシアの乗用車販売動向

はじめに
 『経済速報』では、欧州ビジネス協会(AEB)が毎月発表しているロシアの乗用車販売データを、抜粋のうえ「統計速報」のコーナーで定期的に紹介している。AEBは1月14日、2018年通年のロシアの乗用車販売データを発表したので、今回の速報ではいつもよりも図表を拡充して、AEB発表のロシア乗用車販売データをご紹介する。
 図表1に見るように、2018年のロシアにおける乗用車(新車に限り、小型商用車を含む)の販売台数は180万591台(20万4,854台増)となり、前年比12.8%増加した。過去最大を記録した2012年(約294万台)以降、2016年(約143万台)まで減少が続いていたが、5年ぶりの増加となった2017年に続き、2018年も増加を維持した。

 その他の記事
「ロシアビジネスセミナーin愛媛」のご案内
『ロシアNIS調査月報』2019年2月号のご紹介
◎丸紅が在大阪カザフスタン名誉領事館を開設
◎ロシアの2018年対日食品輸出が増加
◎モスクワで日ロ首脳会談を実施
◎日本航空が成田〜モスクワ便を増便


No.1783 2019年2月5日号

2018年の日ロ貿易(速報値)

はじめに
 日本財務省から2018年の貿易統計が発表されたことを受け、当会では2018年1〜12月の日本・ロシア間の貿易に関して、米ドルに換算するとともに、輸出入商品構成をまとめた。そこで、今回の速報では、早速この資料をお届けする。なお、今回紹介する2018年のデータはすべて速報値であり、確定値は当会『ロシアNIS調査月報』5月号に掲載する予定である。また、ロシア以外のNIS諸国との2018年の貿易額速報値を今号の統計速報のコーナーに掲載しているので、あわせてご参照いただきたい。
 2018年の日ロ貿易は、輸出入合計で228億8,547万ドルとなり、前年比15.5%増加した。うち、日本側の輸出が73億113万ドルで21.6%増、輸入が155億8,434万ドルで12.9%増であった。収支は82億8,322万ドルの日本側の入超であり、これで10年連続の入超となった。

 その他の記事
◎2018年の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績(速報値)
東京福岡でノヴォシビルスク州ビジネスセミナー
東京名古屋で「モスクワ州投資プレゼンテーション」
◎駐ウクライナ新大使に倉井高志氏
◎TECがロシアで石油化学プラント受注
◎米国がルサール等ロシア企業の制裁を解除
◎島根県のカニ漁船がロシアに連行される
◎ロシアの2018年2.3%成長に驚き広がる


No.1784 2019年2月15日号

2018年のロシア経済と鉱工業生産

はじめに
 ロシア連邦国家統計局より2018年のロシアの主要経済指標が発表されたので、本速報ではそれらを図表にまとめてお届けする。鉱工業生産については特に詳しく紹介していく。なお、2018年のロシアの貿易統計に関しては、ロシア連邦関税局のデータに基づき、後日より詳しくお伝えする予定である。
 2019年2月4日にロシア連邦国家統計局が発表した速報推計値によると(図表1)、2018年のロシアのGDP成長率は前年比2.3%増となり、2013年以降の最高値を記録した。

 その他の記事
◎2019年1月のロシアのブランド別乗用車販売台数
◎新設のウズベク投資・対外貿易省にウムルザコフ大臣
◎三井住友海上がロシア損保大手と提携
◎みずほ銀行がモンゴル国家開発庁と協力覚書
◎プライメタルズが高炉システム等を受注


No.1785 2019年2月15日号

2019年のプーチン教書は国民の不満に配慮

ロシアNIS経済研究所
研究員 中馬 瑞貴

はじめに
  2019年2月20日、プーチン・ロシア大統領は毎年恒例となっている大統領教書演説を行った。前回の教書演説は、大統領選挙(2018年3月18日実施)の直前、2018年3月1日に実施されたのだが、今回もクリミア併合(3月18日)5周年に合わせて3月前半に行われるのではないかとの憶測が強かった。しかし、結果的に少し早まって2月後半となった。その背景には、急速に落ち込む国民の大統領に対する支持率をできるだけ早く回復させたいとの意向があるとの見方が強い。そしてこうした政権サイドの事情を裏付けるかのように、教書演説の内容は国内問題、特に社会政策が中心であった。軍事政策に多くの時間が割かれた前回の教書演説とは大きく異なった。
 年に一度の大統領による施政方針演説ということで、国内外のメディアの注目を集める大統領教書であるが、平和条約についても言及されたためか、日本の報道は対外政策が中心であった。一方、経済やビジネスについて語られた時間は短かったが、ロシア経済やビジネスに関わる本紙の読者にとってはこの点に最も関心があるであろう。また、対外政策についていえば、投資環境に大きく影響を与える欧米との関係も重要だ。そこで、本号では今回の大統領教書演説について、経済・ビジネス関係、日本との関係、欧米との関係を中心にその要旨をご紹介することとしたい。

 その他の記事
『ロシアNIS調査月報』2019年3月号のご紹介
◎ロシア進出日系企業、3年連続で黒字率更新
◎丸紅がロシアで鉱山用ゴム資材販売会社設立
◎ノヴァテクが三井物産・三菱商事に出資要請


No.1786 2019年3月5日号

2018年のロシアの貿易
―日本の地位は引き続き低下―

はじめに
  ロシア連邦関税局が2018年のロシアの通関統計の概要を発表したので、今号の速報ではこれにもとづき2018年のロシアの商品貿易概況を図表にまとめてお届けする。なお、2018年のロシアの貿易統計については後日、『ロシアNIS調査月報』でより詳細に報告する予定である。
 ロシアの貿易統計には、大別すると、@国際収支ベースのものと、A通関統計ベースのものの2種類がある。マクロ経済的な分析を行う上では前者の方が有益だが、商品別や相手国別といった中身を知ることができるのは後者である。以下に掲載する図表のデータは、すべてA通関統計ベースのデータである。
 さて、2017年に回復に転じたロシアの貿易は、2018年も引き続き拡大した。2018年のロシアの輸出入総額は6,881億1,510万ドルで、前年比17.6%拡大した。うち、ロシア側の輸出が4,499億6,370万ドル(25.8%増)、輸入が2,381億5,140万ドル(4.7%増)であった。

 その他の記事
◎カザフスタンでマミン新内閣が成立
「GUAM+日本」投資促進ワークショップのご案内
◎極東発展省が「極東・北極圏発展省」へ改称
◎モルドバ議会選、単独過半数の党なし
◎アルメニアとIT分野での来日就業支援協力


No.1787 2019年3月15日号

2018年のロシア極東の貿易

ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所
研究員 M.マジトヴァ

はじめに
  ロシア政府は極東地域の発展を重要課題と捉え、現在、先進社会経済発展区(TOR)やウラジオストク自由港等、極東発展省を中心として極東開発政策を積極的に進めている。また、2018年9月に承認された「政府活動方針2024」の中では、経済成長の戦略的重点地域として極東が挙げられおり、同地域の重要性はさらに高まっている。  このたびロシアNIS貿易会では、ハバロフスクにあるロシア科学アカデミー極東支部経済研究所のマジトヴァ研究員より、「2018年のロシア極東の貿易」に関するレポートを寄稿いただいた。同稿ではロシア極東の主な貿易動向の解説、2010〜2018年の通商活動における品目上、地域上、地理上の構成に関する考察がなされている。本速報では、その内容をご紹介したい。

 その他の記事
◎2019年1〜2月のロシアのブランド別乗用車販売台数
月例報告会「医療における日ロ協力の可能性」のご案内
「ROBOTICS FORUM 2019」参加者募集のご案内
◎松屋フーズ、モスクワに「松屋」1号店
◎シベリア鉄道パイロット輸送、海上の半分に
◎豊通とNEC、ウズベク基幹通信システム受注


No.1788 2019年3月25日号

ナザルバエフ・カザフスタン大統領辞任
―政治的影響力は保持へ―

はじめに
  2019年3月19日、ナザルバエフ・カザフスタン大統領が国民向け演説で辞任を発表した。突然の発表は国内外を驚かせた。1989年に当時ソ連の構成共和国であったカザフスタンの共産党中央委員会第一書記に就任して以来、約30年間、同国の指導者として君臨してきたナザルバエフは、2016年9月に隣国ウズベキスタンのカリモフ前大統領が逝去して以来、旧ソ連の中で最長の就任期間を誇っていた。同国の憲法規定に従い、2020年に予定されている次の大統領選挙までトカエフ上院議長が大統領に就任した。
 ただし、カザフスタンの法律によってナザルバエフには「国家の指導者(Leader of Nation)エルバスィ」という称号が与えられており、初代大統領として特別な地位が認められている。そのため、現職大統領のポストを退いたものの、政権与党である「ヌル・オタン」の党首や国家安全保障会議の議長のポストを維持することになり、カザフスタンの政治の舞台から完全に引退するわけではない。
 本稿では、ナザルバエフの辞任に関する事実関係をまとめると同時に、今後の体制や政策への影響およびトカエフ大統領のパーソナリティなどに関する専門家の見解を現地の報道から紹介する。

 その他の記事
『ロシアNIS調査月報』2019年4月号のご紹介
◎カビケノフ・カザフ産業・インフラ発展省次官が解任
◎ロシアでフェイクニュース禁止法が成立


No.1789 2019年4月5日号

ノヴォシビルスク州ビジネスセミナー開催報告

はじめに
  情報技術分野で著しい研究・技術蓄積があり、良質なITエンジニアを豊富に輩出しているロシアの地域として、シベリアのノヴォシビルスク州が挙げられる。同州には、つくば研究学園都市のモデルともなったロシア最大級の学術都市アカデムゴロドクがあり、多数の研究機関が集積している。
 2018年にプーチン大統領が同地を訪問した際、「アカデムゴロドク2.0」構想を打ち出し、その機能強化を訴えた。同州のソボレフ数学研究所はロシア研究機関の中でも常に上位に位置づけられ、優秀なITエンジニア・起業家育成の母体となっている。また、ノヴォシビルスク州内のIT企業はすでに欧州、中国、インドから様々なプログラム構築、AI設計等を請け負っており、実務面での実績も多い。
 今般、日本における協力パートナーの模索と関係構築に強い関心を示す、ノヴォシビルスク州経済省傘下の州政府機関であるノヴォシビルスク州投資発展エージェンシーおよび同州アカデムゴロドクのITクラスターを代表する団体「シブアカデムソフト」から幹部を日本に招き、ビジネスマッチング事業を実施した。また、この機会を捉え、2月25日(月)には都内でノヴォシビルスク州ビジネスセミナーを実施した。以下、その概要をお伝えする。

 その他の記事
◎2019年1〜2月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2019年1〜2月の日ロ貿易
◎ウクライナ大統領選、タレント候補が首位
◎イシャエフ・ロシア元大統領全権代表を拘束
◎アブィゾフ元大臣が詐欺容疑で逮捕
月例報告会「シベリア鉄道の利用促進に向けて」
「第13回日本トルクメニスタン経済合同会議」のご案内
◎サケ・マス試験操業継続で日ロ合意
◎キョーリン製薬がモンゴルで医薬品販売
◎牧草と木材燃料ペレット輸入でロシアと合意


No.1790 2019年4月15日号

2018年のロシア・NIS諸国の経済(上)

はじめに
 『経済速報』では毎年この時期、前年のロシア・NIS諸国(旧ソ連の新独立諸国)の経済統計を紹介し、各国の最新の経済動向について論評するという企画をお届けしている。本年も2018年のデータがほぼ出揃ったので、早速それを試みたい。なお、モンゴルは一般的にはNISの範疇に入らないが、本レポートの対象に加えている。
 まず今号では、全13カ国の主要経済指標を図表にまとめて掲載するとともに、ロシア・NIS全般、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバについての解説をお届けする。中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)、南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、ジョージア)、モンゴルのレビューは次号で扱う予定である。各国レビューの執筆は当会ロシアNIS経済研究所のスタッフによるものであるが、ロシアについては本年も北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターの田畑伸一郎教授にご寄稿いただいた。

 その他の記事
「ロシア工業団地セミナー」のご案内
◎2019年1〜3月のロシアのブランド別乗用車販売台数
◎日ロ200カイリ漁獲割当量、2年ぶりに増加
◎カザフスタン大統領選、6月に前倒し
◎日ロ間のスタートアップ支援を担う協会設立


No.1791 2019年4月25日号

2018年のロシア・NIS諸国の経済(下)

はじめに
 前回に引き続き、CIS統計委員会および各国統計局発表のデータ等に基づき、2018年の経済実績を中心に、NIS諸国の最新の経済情勢についてのレビューを行う。
 前回は、全13カ国の主要経済指標を表にまとめて掲載するとともに、ロシア・NIS全般、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバについての解説をお届けした。今号では中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)、南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、ジョージア)、モンゴルを扱う。

 その他の記事
『ロシアNIS調査月報』2019年5月号のご紹介
◎ウクライナ大統領選決選、タレント候補が勝利
◎INPEXがアゼルバイジャンで追加開発
◎カザフ次期大統領選、与党候補にトカエフ氏
◎日野自動車、ロシア新工場の起工式を実施


No.1792 2019年5月15日号

ロシア政府が一連の「国家目標」を設定

はじめに
 ロシアで2018年5月7日に第4期プーチン政権が発足してから、1年が経過した。この間ロシアでは、プーチン大統領が就任日当日に発令した「5月大統領令」にもとづき、12本の「ナショナルプロジェクト」(およびそれと同等の位置付であるインフラ計画)が策定され、政策が推進されている。
 それに関連し先日、2019年5月8日にロシア政府は、「ロシア発展国家目標達成統一計画」と称する文書を採択したので、以下ではその概要を紹介する。

 その他の記事
◎2019年1〜4月のロシアのブランド別乗用車販売台数
◎2019年1〜3月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2019年1〜3月の日ロ貿易
月例報告会「ロシア自動車産業の今後を読み解く鍵」
◎東洋トランスがモスクワ向け混載サービス開始
◎シベリア鉄道利用の貨物輸送実証企画を募集
◎ロシア・サハ共和国で温室野菜栽培事業拡大


No.1793 2019年5月25日号

2019年1〜3月のロシア経済
―成長が再び減速―

はじめに
 2019年第1四半期(1〜3月期)のロシアの主要経済指標が出揃ったので、ロシア連邦国家統計局による発表データを表にまとめてお届けする。
 統計局が5月17日に発表した暫定推計値によると、2019年1〜3月のロシアの国内総生産(GDP)は、前年同期比で実質0.5%成長した。2018年の成長率2.3%から、大幅に減速したことになる。

 その他の記事
『ロシアNIS調査月報』2019年6月号のご紹介
セミナー「ベラルーシ投資の魅力とグレートストーン工業団地」
◎日ロが北方領土での共同経済活動を協議


No.1794 2019年6月5日号

日ロ間の「カルチャーマーケティング」
―国際ショーディエフ財団ロシア支部長に訊く―

はじめに
 2016年12月のロシア・プーチン大統領訪日の際に、日ロ間における人的交流の拡大に向けた方策の1つとして定められ、様々な二国間行事、文化イベント、人的交流が行われた2018年の「日本におけるロシア年」および「ロシアにおける日本年」(日ロ交流年)の閉会式が、来る6月の大阪G20サミットにあわせて行われる。2018年5月26日にモスクワ・ボリショイ劇場で行われた開会式には両首脳をはじめとする日ロの政府関係者や企業関係者、分化・交流関係者等、約1,100名もの参加者が集まった。文化はこれまでも日ロ関係の重要な要素であり、近年のロシアにおける日本のポップカルチャー(J-POP)の影響力の著しい拡大には注目せざるを得ない。
 21世紀におけるナショナルカルチャーの役割は質的に変わりつつあり、例えば、国家の「ソフトパワー」や「文化GDP」といった概念がこれに関連する。このような形で、文化交流は政治においても経済においても影響力をもち出している。
 1996年に設立された国際ショーディエフ財団は、おそらくロシアで唯一の「日本向けの」民間財団である。長年にわたり日ロ間の文化交流を支援してきた実績をもち、日ロ交流年では多くのイベントにおけるキーパートナーとなった。このたびロシアNIS貿易会では、同財団のモナホヴァ・ロシア支部長へのインタビューの機会を得たため、本速報では、その内容を紹介したい。

 その他の記事
◎2019年1〜4月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2019年1〜4月の日ロ貿易
◎「中央アジア+日本」対話・第7回外相会合
◎新潟クボタがモンゴルで農機販売開始
◎カザフスタンとの直行便就航、年内に実現か
◎日ロ欧間の鉄道コンテナ輸送に係る日ロ協力


No.1795 2019年6月15日号

カザフスタン大統領選でトカエフ当選も変化の兆し

ロシアNIS経済研究所
研究員 中馬 瑞貴

はじめに
  2019年6月9日、カザフスタンで臨時大統領選挙が行われ、70.96%の得票でカスィム・ジョマルト・トカエフが当選を果たした。2019年3月、任期満了まで約1年も前に大統領職の辞任を表明したナザルバエフの後任として大統領に就任したカスィム・ジョマルト・トカエフは、次期大統領選挙が行われるまでの約1年間、大統領を務めることができるはずであった。しかし、4月9日に行われた国民向けの演説の中で、大統領選挙を前倒しで行うことを発表した。4月23日、ナザルバエフ初代大統領(エルバスィ)が党首を務める与党「ヌル・オタン」がトカエフを大統領候補者として推薦したことから、彼の当選は選挙前に明らかであった。一方で、ナザルバエフの「院政」とも見られる動きに対して最近は国内で反発の声が高まっており、トカエフがどの程度の支持率を獲得できるかという点に注目が集まっていた。大方の予想通りトカエフが再選を果たし、得票率も決して低くはなかったものの、選挙当日もその後もヌル・スルタン(旧アスタナ)市やアルマトィ市で国民によるデモが起こり、ナザルバエフ政権が誇りとしてきた国内の政治的安定が揺らぐ側面が垣間見られた。
  そこで本稿では、今回の大統領選挙の結果とその後の政治情勢についてまとめる。

 その他の記事
◎2019年1〜5月のロシアのブランド別乗用車販売台数
「第15回日本ウズベキスタン経済合同会議」のご案内
◎日野自動車がモンゴル市場に本格参入
◎商船三井がロシア海事大と船員育成で覚書
◎ロシア北極圏LNG参加に向け最終調整
◎ペテルブルグに自動車部材の生産拠点
◎モスクワで松屋1号店がグランドオープン