ロシアNIS経済速報(2019年)

No.1781 1月15日号 ロシア経済は悲観論を払拭できるか
No.1782 1月25日号 2018年のロシアの乗用車販売動向
No.1783 2月5日号 2018年の日ロ貿易(速報値)
No.1784 2月15日号 2018年のロシア経済と鉱工業生産

No.1781 2019年1月15日号

ロシア経済は悲観論を払拭できるか

ロシアNIS経済研究所
副所長 服部 倫卓

はじめに
 本稿では、2019年の年頭に当たって、2018年のロシア経済を振り返りながらその実情を探り、さらに2019年以降の展望を試みる。
 以下で見ていくように、現時点で、ロシアの専門家の間では、ロシア経済についての悲観論が強まっている。その悲観論とは、どのようなものなのだろうか。そしてプーチン政権は今後の経済発展の道筋をどのように描いているのか。以下では、現地有識者の分析やコメントを紹介しつつ、また図表も活用しながら、ロシア経済を概観していく。

 その他の記事
◎2018年1〜11月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2018年1〜11月の日ロ貿易
月例報告会「ロシアビジネス契約」
◎カザフスタンで投資・発展省が改組
◎カザフスタンで外相および軍需・産業大臣が交代
◎北海道総合商事がロシア野菜生産に追加出資
◎北海道総合商事がヤクーツク空港改修に参画
◎西部ガスがLNG輸送で露ノヴァテクと連携
◎ANA、モスクワおよびウラジオストク便就航へ


No.1782 2019年1月25日号

2018年のロシアの乗用車販売動向

はじめに
 『経済速報』では、欧州ビジネス協会(AEB)が毎月発表しているロシアの乗用車販売データを、抜粋のうえ「統計速報」のコーナーで定期的に紹介している。AEBは1月14日、2018年通年のロシアの乗用車販売データを発表したので、今回の速報ではいつもよりも図表を拡充して、AEB発表のロシア乗用車販売データをご紹介する。
 図表1に見るように、2018年のロシアにおける乗用車(新車に限り、小型商用車を含む)の販売台数は180万591台(20万4,854台増)となり、前年比12.8%増加した。過去最大を記録した2012年(約294万台)以降、2016年(約143万台)まで減少が続いていたが、5年ぶりの増加となった2017年に続き、2018年も増加を維持した。
 図表2は月別の販売動向を示したものである。2018年は通年で前年同月の需要を上回り続けた。図表3に見る2018年12月および2018年のブランド別の販売台数では、日系メーカーの販売台数は合計で33万5,986台であり、前年比16.7%増加している。
 さらに、図表4は、ブランド別の販売台数を、企業グループ別に整理したものである。ロシアにおける販売台数トップのブランドはAvtoVAZ(Lada)であり、2018年の市場シェアは20.0%に上るが、図表5にまとめた2018年の主要なグループ別の販売シェアに見るように、AvtoVAZ=Renault=Nissanという企業連合全体では市場シェアは33.5%に達する。最後に、図表6は、モデル別の販売動向である。LadaのGrantaおよびVesta、KIAのRio、HyundaiのSolarisといったモデルに加え、HyundaiのCreta(2016年下半期から販売開始)が、引き続き上位を占めている。

 その他の記事
「ロシアビジネスセミナーin愛媛」のご案内
『ロシアNIS調査月報』2019年2月号のご紹介
◎丸紅が在大阪カザフスタン名誉領事館を開設
◎ロシアの2018年対日食品輸出が増加
◎モスクワで日ロ首脳会談を実施
◎日本航空が成田〜モスクワ便を増便


No.1783 2019年2月5日号

2018年の日ロ貿易(速報値)

はじめに
 日本財務省から2018年の貿易統計が発表されたことを受け、当会では2018年1〜12月の日本・ロシア間の貿易に関して、米ドルに換算するとともに、輸出入商品構成をまとめた。そこで、今回の速報では、早速この資料をお届けする。なお、今回紹介する2018年のデータはすべて速報値であり、確定値は当会『ロシアNIS調査月報』5月号に掲載する予定である。また、ロシア以外のNIS諸国との2018年の貿易額速報値を今号の統計速報のコーナーに掲載しているので、あわせてご参照いただきたい。
 2018年の日ロ貿易は、輸出入合計で228億8,547万ドルとなり、前年比15.5%増加した。うち、日本側の輸出が73億113万ドルで21.6%増、輸入が155億8,434万ドルで12.9%増であった。収支は82億8,322万ドルの日本側の入超であり、これで10年連続の入超となった。

 その他の記事
◎2018年の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績(速報値)
東京福岡でノヴォシビルスク州ビジネスセミナー
東京名古屋で「モスクワ州投資プレゼンテーション」
◎駐ウクライナ新大使に倉井高志氏
◎TECがロシアで石油化学プラント受注
◎米国がルサール等ロシア企業の制裁を解除
◎島根県のカニ漁船がロシアに連行される
◎ロシアの2018年2.3%成長に驚き広がる


No.1784 2019年2月15日号

2018年のロシア経済と鉱工業生産

はじめに
 ロシア連邦国家統計局より2018年のロシアの主要経済指標が発表されたので、本速報ではそれらを図表にまとめてお届けする。鉱工業生産については特に詳しく紹介していく。なお、2018年のロシアの貿易統計に関しては、ロシア連邦関税局のデータに基づき、後日より詳しくお伝えする予定である。
 2019年2月4日にロシア連邦国家統計局が発表した速報推計値によると(図表1)、2018年のロシアのGDP成長率は前年比2.3%増となり、2013年以降の最高値を記録した。経済発展省の予測(1.8%増)やロシア中央銀行の予測(1.5〜2%増)を超えた2018年のGDP成長率について、経済発展省は「多くの単発的要因に起因しており不安定なもの」とコメントしている。また、オレシキン経済発展大臣はヴェードモスチのインタビューで、「明快な肯定的結論を出すのはまだ早い」と述べた。成長に主な影響を与えたのは鉱業や卸・小売、輸送・保管、金融、建設分野等とされる。
 鉱工業部門の生産指数では(図表3)、鉱業は前年比で4.1%、製造業は2.6%増加し、鉱工業全体で2.9%の増加となった。品目別の内訳をみると(図表4)、天然ガスや石炭、化学分野、工作機械、乗用車、バス、鉄道貨車などで成長がみられ、全体的に多くの品目で生産が増加した。
 2018年の鉱工業生産を連邦管区別・地域別に見てみると(図表5)、地域別データではヤマロ・ネネツ自治管区が大きな伸びを示した。なお、ブリヤート共和国とザバイカル地方は2018年11月にシベリア連邦管区から極東連邦管区に転籍しているため、両地域の2018年11月以降の数値は極東連邦管区としてカウントされている。

 その他の記事
◎2019年1月のロシアのブランド別乗用車販売台数
◎新設のウズベク投資・対外貿易省にウムルザコフ大臣
◎三井住友海上がロシア損保大手と提携
◎みずほ銀行がモンゴル国家開発庁と協力覚書
◎プライメタルズが高炉システム等を受注