ロシアNIS経済速報(2013年)
No.1583 | 1月15日号 | 岐路に立つロシアを展望する |
No.1584 | 1月25日号 | ロシアの産業政策が掲げる数値目標 |
No.1585 | 2月5日号 | 2012年の日ロ貿易(速報値) |
No.1586 | 2月15日号 | 2012年のロシア経済と鉱工業生産 |
No.1587 | 2月25日号 | 2012年のロシアの貿易 |
No.1588 | 3月5日号 | スヴェルドロフスク州の経済とチタンバレー特区 |
No.1589 | 3月15日号 | ロシア直接投資基金の概要と役割 |
No.1590 | 3月25日号 | 沿海地方の投資プロジェクト |
No.1591 | 4月5日号 | 国家プログラムの採択が相次ぐロシア |
No.1592 | 4月15日号 | 2012年のNIS諸国の経済(上) |
No.1593 | 4月25日号 | 2012年のNIS諸国の経済(下) |
5月2日号 | 安倍総理のロシア訪問の成果 | |
No.1594 | 5月15日号 | 新・極東開発プランを読む |
No.1595 | 5月25日号 | ロシアの最新の地域総生産 |
No.1596 | 6月5日号 | ロシア商工会議所プレゼンテーション |
No.1597 | 6月15日号 | 低成長からの脱却をめざすムルマンスク州 |
No.1598 | 6月25日号 | 2012年のロシアの石油産業 |
No.1599 | 7月5日号 | 北極海航路の虚と実 |
No.1600 | 7月15日号 | ロシア・NIS諸国100大銀行ランキング |
No.1601 | 7月25日号 | ベラルーシの概況とベラルースバンク |
No.1602 | 8月5日号 | 2013年1〜6月の日ロ貿易 |
No.1603 | 8月25日号 | 2013年1〜6月のロシア経済と鉱工業生産 |
No.1604 | 9月5日号 | 2013年1〜6月のロシアの貿易と外国投資受入 |
No.1605 | 9月15日号 | イシャーエフの退場と極東開発の行方 |
No.1606 | 9月25日号 | ロシア地方選とソビャニン・モスクワ市長再選 |
No.1607 | 10月5日号 | ロシア・イノベーション政策の現状 |
No.1608 | 10月15日号 | カザフスタン・ビジネスマン影響力ランキング |
No.1609 | 10月25日号 | モスクワ市投資プレゼンテーションin東京 |
No.1610 | 11月5日号 | 2013年1〜9月の日ロ貿易 |
No.1611 | 11月15日号 | ロシア・NIS諸国のビジネス環境比較 |
No.1612 | 11月25日号 | ロシア消費財市場と決算書の留意点 |
No.1613 | 12月5日号 | 2013年1〜9月のロシアの貿易と外国投資受入 |
No.1614 | 12月15日号 | 2013年ロシア都市ビジネス環境ランキング |
No.1615 | 12月25日号 | 2013年のロシア経済10大ニュース |
No.1583 2013年1月15日号
岐路に立つロシアを展望する
ロシアNIS経済研究所 所長
遠藤寿一
はじめに
世界の主要国の指導者が新しく選ばれ、復活し、留任した2012年は波乱に富んだ1年であった。ギリシャの財政破綻に端を発し、欧州大陸を覆った金融不安は今もなお解決せず、長期化の様相を呈している。北米大陸のシェールガス・オイルに象徴されるエネルギー革命は、世界の外交・産業政策に重大な影響を与えた。資源依存型のロシアにとっては、国家財政にもかかわる深刻な問題でもあった。APEC主催国になったロシアは、アジア太平洋地域に確固たる地盤を固めることになったが、国内では官僚の汚職問題が大きくクローズアップされて、海外からの投資に影響がでることが懸念され、長期政権のひずみを垣間見ることにもなる。
2012年は日露関係にとっては、近年では各方面の人事交流が最も盛んになった年でもあった。12月26日安倍内閣が誕生すると、プーチン大統領は、間髪を入れず祝電を送り「二国間関係をさらに広げるための活発な共同作業を続ける」ことに関心を示している。東進するロシアにとって、日本には最も信頼のできる「東のドイツ」の役割を期待しているからである。
2007年6月ハイリゲンダムのG8サミットで実現した日露首脳会談で、安倍総理(当時)は「東シベリア・極東地域における日露関係協力強化に関するイニシアテイブ」を提案し、プーチン大統領(当時)から高い評価を受けている。
しかし、実現への戦略が欠如し、その後のフォローもなく残念な結果に終わったが、2012年末第二次安倍内閣が成立すると、直ちにプーチン大統領と電話会談を行い、北方領土問題の解決に向け平和条約締結への作業を活発にする必要があるとの認識で一致した。
その他の記事
◎ウクライナの新内閣の名簿
◎2012年1〜11月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2012年1〜11月の日ロ貿易
◎富士通ゼネラル、モスクワに駐在員事務所
◎医療機器アドテックがロシア企業に販売権供与
◎日ロの査証手続き簡素化へ
◎ロシア・カルーガ州に工業生産経済特区
No.1584 2013年1月25日号
ロシアの産業政策が掲げる数値目標
ロシアNIS経済研究所 次長
服部倫卓
はじめに
ロシア政府は2012年12月27日付の政府指令で、国家プログラム「鉱工業の発展とその競争力向上」を採択した。この文書は、今後のロシアの産業政策にとって根幹的な文書になると予想される。同プログラムに関しては、拙稿「2020年までのロシアの鉱工業発展プログラム」『ロシアNIS調査月報』(2013年2月号)で事実関係と概要を紹介済みだが、同レポート執筆時にはまだプログラムのテキストそのものは発表されていなかった。そして今般、当該のテキストが産業・商業省のウェブサイトに掲載された。プログラムとその付属文書には、ロシア政府が同プログラムを実施することによって達成しようとしている具体的な数値目標が示されている。そこで今回の速報では、これらの数値目標を紹介することを中心に、ロシアが新たに打ち出した産業政策の方向性を概観してみることにしよう。解説部分は、前掲のレポートと重複する部分が多いが、ご容赦願いたい。
その他の記事
◎カザフスタン政府組織改編と人事異動
◎ロシアの乗用車販売、2012年実績と2013年見通し
◎三菱自動車、ロシア販売会社に資本参画
◎JBICがガスプロムバンク向け輸出融資枠
◎ゲームのサイバーステップ、ロシアに子会社
◎カザフスタン、2013年にもWTO加盟か
◎「第4回日本カザフスタン経済官民合同協議会」のご案内
◎「ロシア・ナノテク投資セミナー」のご案内
No.1585 2013年2月5日号
2012年の日ロ貿易(速報値)
―過去最高達成も下期に減速―
はじめに
日本財務省から2012年の貿易統計が発表されたことを受け、当会では2012年1〜12月の日本とロシア間の貿易に関し、米ドルに換算するとともに、輸出入商品構成をまとめた。そこで、今回の速報では、早速この資料をお届けする。
2012年の日ロ貿易は、輸出入合計で334億7,079万ドルとなり、前年比8.8%増となった。ドル表示の総額は、2011年に引き続き、2012年も過去最高額を記録した形だ。輸出入別に見ると、2012年の日本側の輸出が126億3,875万ドル(前年比7.1%増)、輸入が208億3,204万ドル(同9.8%増)であった。ただし、日ロ貿易のパフォーマンスを月単位で跡付けると、2012年夏頃までは大きく伸びていたのに対し、下期に減速したことが見て取れる。
その他の記事
◎2012年1〜12月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績(速報値)
◎ウクライナの新駐日大使にハルチェンコ氏
◎トヨタ車ウラジオストク工場で試験生産開始
◎三河港・ウラジオストク港コンテナ定期便就航
◎JALがシベリア航空と共同運航
◎モスクワに讃岐うどん1号店
◎ミニストップがカザフで1号店を出店
◎JBIC、北カスピ海油田開発事業向け融資
◎東京と大阪で「日露石油ガス・セミナー」
◎スヴェルドロフスク州(チタン・バレー特区)プレゼンテーション
◎北九州と名古屋でロシア・ビジネスセミナー
◎第11回日本ウズベキスタン経済合同会議のご案内
◎『調査月報』2013年2月号のご案内
No.1586 2013年2月15日号
2012年のロシア経済と鉱工業生産
―3.4%成長するも景気減速鮮明に―
はじめに
ロシア連邦国家統計局より、2012年のロシアの主要経済指標が発表されたので、図表にまとめてお届けする。鉱工業生産については、特に詳しく紹介する。
1月31日に統計局が発表した速報値によれば、2012年のロシアの国内総生産(GDP)は62兆3,569億ルーブルだった。GDPは前年比で実質3.4%成長したものの、時とともに景気の減速が鮮明になっている。所得の伸びもあって家計の消費支出は堅調に推移したものの、輸出および政府支出の伸びが低調だった。GDPを産業部門別に見ると、製造業が3.2%増であるのに対し、鉱業が0.9%増にとどまった。
その他の記事
◎トヨタ、カザフスタンでのCKD生産で合意
◎釣り具のフジワラがロシア向け輸出
◎「ロシア医薬産業視察団」団員募集のご案内
No.1587 2013年2月25日号
2012年のロシアの貿易
―日本の順位・シェアは小幅に上昇―
はじめに
ロシア連邦関税局等から、2012年のロシアの貿易統計データが発表されたので、今回の速報では早速これらのデータを図表にまとめてお届けすることにする。なお、『ロシアNIS調査月報』では後日、2012年のロシアの貿易統計をより詳細にご紹介する予定である(2013年9-10月号掲載予定)。
2012年のロシアの貿易に占める日本のシェアは3.73%で、順位は8位となっている。前年は3.61%、9位だったから、2012年に日本のシェア・順位とも小幅ながら上昇したことになる。
その他の記事
◎アルメニアでサルグシャン大統領再選
◎ロシア日通イジェフスク営業所が開設
◎トヨタ、ロシア極東で生産開始
◎ルノー日産がイタリア金融大手とロシア合弁
◎「ロシア沿海地方投資プレゼンテーション」のご案内
◎モスクワ市政府によるロードショーのご案内
◎『調査月報』2013年3月号のご案内
No.1588 2013年3月5日号
スヴェルドロフスク州の経済とチタンバレー特区
ロシアNIS経済研究所 次長
服部倫卓
はじめに
2月20日に東京の如水会館において、当会主催のロシア・ビジネスセミナー「スヴェルドロフスク州(チタンバレー経済特区)投資プレゼンテーション」が開催された。スヴェルドロフスク州と言えば、ロシアのウラル圏の中核的な存在であり、鉄鋼および非鉄金属産業を中心に、ロシア屈指の経済力を誇る地域である。そのスヴェルドロフスク州から、Ye.クイヴァシェフ知事を団長とする代表団が来日したのを機に、州の投資機会をPRしてもらうセミナーを開催したものだった。とりわけ、スヴェルドロフスク州のヴェルフニャヤサルダ市に2010年に創設された工業生産経済特区「チタンバレー」のプレゼンテーションが、セミナーの柱となった。
そこで今回の速報では、2月20日のセミナーの模様をご紹介するとともに、スヴェルドロフスク州経済に関する基礎的な情報を補足的にとりまとめてお届けすることにする。
その他の記事
◎米国トヨタがロシア、ウクライナへ輸出
◎医療法人北斗がウラジオストクに検診施設
No.1589 2013年3月15日号
インタビュー
ロシア直接投資基金の概要と役割
ロシア直接投資基金 理事
K.ルィシコフ
はじめに
このほど、ロシアの政府系ファンドである「ロシア直接投資基金(RDIF)」のK.ルィシコフ理事にインタビューを試みたので、今号ではこのインタビューの模様をお届けする。
3月4日、ホテルインターコンチネンタル東京ベイにおいて、KPMG主催の「モスクワ市政府によるロードショー」が開催され、ロシアNIS貿易会ではこのイベントを後援した。同イベントの眼目はモスクワ市の投資機会をPRすることにあったが、モスクワに投資を誘致する上でもRDIFが現地パートナーとして機能しうるということで、RDIFのプレゼンの機会も併せて設けられたということである。そして、その目的のためにルィシコフ理事が来日した機会を捉え、理事から直接お話をお訊きしたというわけだ。
なお、ロードショーにおけるモスクワ市のA.シャロノフ副市長によるプレゼンの概要も、簡単にまとめて末尾に掲載したので、そちらもご参照いただきたい。
その他の記事
◎「モスクワ市政府によるロードショー」の模様
◎2012年のウクライナの乗用車販売は6.4%増
◎ロシアの北西連邦管区大統領全権代表交代
◎日本精工がロシアに進出
◎日本サーモエナーがウクライナでボイラ受注
◎「ロシアビジネスセミナー in 宮城」のご案内
No.1590 2013年3月25日号
沿海地方の投資プロジェクト
―APEC後の開発の行方―
ロシアNIS経済研究所 主任
齋藤大輔
はじめに
大開発に沸いたロシア極東の沿海地方はAPEC後、どこに向かい、何をしようとしているのか。そんな疑問から沿海地方の投資プログラムをまとめた。ここで紹介するのは沿海行政府がAPEC時に発表した20の優先プロジェクトである。ただ、そのまま掲載するわけではない。現地での調査やヒアリングを踏まて、より詳細な情報をお届けする。
その他の記事
◎TECがロシア製油所近代化プロジェクトを受注
◎ジヤトコ、モスクワ市に駐在員事務所
◎日ロ交渉でサケ・マス初の上限なし
◎2020年のロシアの天然ガス輸出の15%はLNGに
◎ロシア政府、15のイノベーション地域クラスターを選定
◎『調査月報』2013年4月号のご案内
No.1591 2013年4月5日号
国家プログラムの採択が相次ぐロシア
ロシアNIS経済研究所 次長
服部倫卓
はじめに
ロシア政府は現在、実に42本に上る国家プログラムを策定するという課題に取り組んでおり、その作業が大詰めを迎えている。ロシアのこうした政策文書に関しては、「実効性が低い」として、冷ややかに見る向きも多いかもしれない。それでも、現政権の政策体系の全体像を把握しておくことは、今後のロシアの行方を見極める上で、決して無駄ではあるまい。そこで、速報の今号では、ロシアで策定されつつある42本の国家プログラムの一覧を掲載し、若干の解説をお届けする。なお、一連のプログラムの中でも、おそらく読者の最大の関心事は、極東開発プログラムであろう。難航していた極東プログラムも、2013年3月29日付で採択されたので、それについても簡単に言及してみたい。
その他の記事
◎2013年1〜2月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2013年1〜2月の日ロ貿易
◎日揮、ロシアのヤマルLNGプラント設計を受注
◎テルモがロシア現地法人を設立
◎河合楽器、モスクワに販売会社開設へ
◎「日露医療フォーラム」のご案内
◎カムチャッカ地方・経済投資プレゼンテーションのご案内
◎日本トルクメニスタン投資環境整備ネットワークのサイト開設
◎ロシアNIS貿易会のFacebookページ開設
No.1592 2013年4月15日号
2012年のNIS諸国の経済(上)
はじめに
『経済速報』では毎年この時期、前年のNIS諸国(旧ソ連の新独立諸国)の経済統計を紹介し、各国の最新の経済動向について論評するという企画をお届けしている。本年も2012年のデータがほぼ出揃ったので、早速それを試みたい。
まず今号では、全12ヵ国の主要経済指標を表にまとめて掲載するとともに、NIS全般、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバについての解説をお届けする。中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)および南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア)のレビューは次号で扱う予定である。各国レビューの執筆は、当会ロシアNIS経済研究所のスタッフによるものであるが、ロシアについては本年も北海道大学スラブ研究センターの田畑伸一郎教授にとくにご寄稿いただいた。
その他の記事
◎ブリヂストン、ロシア工場建設を発表
◎エーザイがモスクワに医薬品販売会社を設立
◎不動産事業のスターツ、ロシア現地法人を設立
◎サハリン州ビジネスフォーラムのご案内
◎極東開発国家プログラム公開される
No.1593 2013年4月25日号
2012年のNIS諸国の経済(下)
はじめに
前回に引き続き、CIS統計委員会および各国統計局発表のデータにもとづき、2012年の経済実績を中心に、NIS諸国の最新の経済情勢についてのレビューを行う。
前回は、全12ヵ国の主要経済指標を表にまとめて掲載するとともに、NIS全般、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバについての解説をお届けした。今号では中央アジア諸国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)および南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、グルジア)を扱う。
その他の記事
◎丸紅とロスネフチの戦略的パートナーシップ契約
◎北海道銀行がウラジオストク事務所設立へ
◎NEC、ロシアの携帯事業者に無線基地局納入
◎旭化成フェローの吉野氏にロシア・エネルギー賞
◎ロシア政府が食品輸入停止一部を解除
◎ロシアの医薬品市場トップ20に日系が2社
◎ロシアの中銀総裁にナビウリナ元経済発展相
◎グルジアの新大使に貝谷氏
◎『調査月報』2013年5月号のご案内
号外 2013年5月2日号
安倍総理のロシア訪問の成果
はじめに
周知のとおり、我が国の安倍晋三首相は4月29〜30日にロシアを訪問し、V.プーチン・ロシア大統領との会談後、「日露パートナーシップの拡大に関する共同声明」が発表されました。また、両国首脳の立会いのもと、両国間の協力関係に関する一連の文書が署名されました。
本『経済速報』は5月5日が休刊で、次回発行は5月15日号ですので、だいぶ間が空いてしまいます。今般の日ロ首脳会談の重要性にかんがみ、今回は特別に号外を発行することにいたしました。取り急ぎ、両国間で署名された一連の文書について、いち早くご紹介いたします。
その他の記事
◎家具のカンディハウスがロシアに販売拠点
◎商船三井・FESCO定期航路に苫小牧を追加
◎2013年1〜3月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2013年1〜3月の日ロ貿易
◎ロシア経済、第1四半期はわずかにマイナス
◎「ROTOBOロシア経済ミッション」参加募集のお知らせ
No.1594 2013年5月15日号
新・極東開発プランを読む
ロシアNIS経済研究所 主任
齋藤大輔
はじめに
ロシア政府はこのほど、2025年までの極東・バイカル地域が発展していくための施策を盛り込んだロシア連邦国家プログラム「極東・バイカル地域社会経済発展」を承認した。そこで今回の速報では、この国家プログラムを紹介するとともに、解説をお届けする。
この国家プログラムは、これまでの開発計画とはかなり違う。まず、12年という長期にわたる社会・経済分野に限定した開発計画は、戦略文書ならあるが、ロシアでは例がない。プログラムには数百にもおよぶ具体的なプロジェクトが記載され、予算措置や実施期間が示された。長期にわたる文書は、投資額が概算であったり、金額を明示しないのが通例のロシアとしては珍しい。
今回は、アジアシフトを鮮明にしたプーチン政権の極東開発にかける意気込みが表れている。それを国民と諸外国に提示した点が大きい。「ロシアにとって、極東開発は最優先課題である」との強いメッセージを示すものである。
その他の記事
◎アルメニアで新政権・内閣が発足
◎ロシアでスルコフ副首相・官房長官解任
◎日露共同声明のテキスト公開される
◎日立建機がロシア、カザフから鉱山機械を受注
◎武蔵野フーズがウラジオストク企業と提携へ
No.1595 2013年5月25日号
ロシアの最新の地域総生産
―さらに広がった地域間格差―
はじめに
ロシア連邦国家統計局は先日、2011年の同国の地域総生産の統計を発表した。地域総生産は国内総生産(GDP)を地域別に(州などのレベル)ブレークダウンしたものだが、GDPよりも発表が遅いので、このほどようやく2011年の数字が発表されたというわけである。そこで今回の速報では、この最新データを図表にまとめて紹介することにする。
本『速報』の2012年7月15日号(No.1567)でお伝えしたとおり、2010年に住民1人当たりの地域総生産という指標で、極東のサハリン州が初めてトップに立った。言ってみれば、公式統計上、サハリン州がロシアで最も「豊かな」地域に躍り出たわけである。そして、2011年にも、引き続きサハリン州がトップとなった。全体として、2011年の地域総生産の諸データは、前年のそれから大きな変化はない。ただ、最も「豊かな」サハリン州と、最も「貧しい」イングーシ共和国の格差が、2010年には18.8倍であったのに対し、2011年には19.5倍に広がっている。この尺度で見る限り、地域間の格差がさらに広がった形だ。もっとも、地域総生産という指標でロシア諸地域の経済力を測るのには、特有の難しさもある。
その他の記事
◎ロシアでプリホチコ副首相兼政府官房長官就任
◎日立物流のロシア現法、6月に営業開始
◎北海道銀行とVTB24銀行の協力協定
◎神栄と応用地質が中央アジア事業で業務提携
◎第1回日露農業対話開催
◎NEC、ウクライナに現地法人設立
◎『調査月報』2013年6月号のご案内
No.1596 2013年6月5日号
ロシア商工会議所プレゼンテーション
―近代化と戦略的協力におけるパートナーシップ―
はじめに
ロシア商工会議所ロシア経済近代化・技術発展促進委員会に所属するロシア企業・組織からなる代表団の来日を機に、当会およびロシア商工会議所主催による「ロシア商工会議所プレゼンテーション−近代化と戦略的協力におけるパートナーシップ−」が5月29日、東京のホテルニューオータニで開催された。ハイテク、科学技術、鉄道、石油ガスなどテーマは多岐に渡ったが、日ロ間の協業の可能を探るという姿勢は一貫している。今号では個々のプレゼンテーターの報告の概要を紹介する。
その他の記事
◎2013年1〜4月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2013年1〜4月の日ロ貿易
◎INPEXとロスネフチがオホーツク海油田開発
◎アークレイのモスクワ州新工場が稼働
◎NECがロシア大手通信事業者に装置納入
◎医療法人北斗のウラジオストク画像診断センター開設
◎新潟空港発着のロシア極東チャーター便が今夏運航
No.1597 2013年6月15日号
低成長からの脱却をめざすムルマンスク州
ロシアNIS経済研究所 次長
服部倫卓
はじめに
先日、ロシア北部のムルマンスク市を訪問し、現地調査を実施する機会があった。これまで当会の刊行物では、ムルマンスク州の港湾セクターについて断片的に言及したことがあった程度で、同州の経済について個別に詳しく取り上げたことはなかったかと思う。ムルマンスク州は非常にユニークな経済を抱えた地域であるし、潜在的な重要性は高いと言える。そこで今回の速報では、現地調査で得た見聞や、入手した資料などを活用しつつ、ムルマンスク州経済の概要と最新動向について紹介することとしたい。
その他の記事
◎モルドバでリャンカ新首相就任
◎双日と川重、ロシア向けガスタービン供給契約
◎JBICが大手銀と連携し日ロ合弁事業に融資
◎ジヤトコ・モスクワ駐在事務所の開所式
No.1598 2013年6月25日号
2012年のロシアの石油産業
―ロスネフチ拡大後の業界地図―
はじめに当会では毎年、本『経済速報』または『調査月報』で、前年のロシアの石油生産量を、生産企業別に詳しく紹介している。やや遅くなってしまったが、本年もこのデータを掲載する。
昨年の『経済速報』でこのデータをお伝えした際には(2012年6月15日号、No.1564)、ロシアの業界1位ロスネフチが、同3位のTNK-BPを買収するシナリオが浮上していたので、それがもたらす業界地図の変動の可能性についても論及した。その後、ロスネフチはTNK-BP買収に正式に名乗りを挙げ、本年に入って吸収合併の手続きは完了している。そこで本速報では、本件がもたらす業界勢力図の変化についても、改めて整理してみたい。
その他の記事
◎ロシアで経済発展大臣交代
◎2013年第1四半期のロシア経済は1.6%成長
◎日立とロシア送配電公社との包括協定
◎日本の5社がウラジオLNG基地覚書を締結
◎丸紅とロスネフチ、LNG売買契約を締結
◎大気社子会社がロシアで自動車塗装設備受注
◎日ロ沿岸ビジネスフォーラムのご案内
◎『調査月報』2013年7月号のご案内
No.1599 2013年7月5日号
北極海航路の虚と実
坂口泉
はじめに
ノルウェーから日本の北九州までのLNGのトライアル輸送が成功したことなどを契機に、一部で北極海航路に対する評価が急激に高まっている。ただ、その客観性にはやや疑問が残る。北極海航路の優位性やトライアルが成功したという事実のみがクローズアップされ、同航路が抱える数多くの問題点が軽視あるいは看過されているとの印象を受けるのだ。これでは、客観的な判断は難しいのではなかろうか。そこで、本稿では、北極海航路が抱える様々な問題点も視野に入れながら、同航路の現実的ポテンシャルについて考察してみる。
その他の記事
◎カザフスタンで石油ガス大臣交代
◎2013年1〜5月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2013年1〜5月の日ロ貿易
◎三菱自がロシア工場でパジェロスポーツ生産
◎旭川医大の遠隔医療システム、ロシアに輸出へ
◎ESPO原油、日本が輸出先1位
◎極東プログラム、最低の質との評価受ける
◎ガスプロム、LNGの世界シェア15%めざす
No.1600 2013年7月15日号
ロシア・NIS諸国100大銀行ランキング
はじめに
ロシア・ノーヴォスチ通信によるランキング・格付けサイトである「RIA REITING」はこのほど、CIS諸国(ロシア・NIS諸国)の100大銀行ランキングを発表した。ロシアの銀行ランキングの類は様々なメディアでよく目にするが、今回のように他のNIS諸国まで含め横並びで比較した資料となると、大変に貴重である。同諸国の経済事情を知るための基礎資料として有益と思われるので、今回の速報ではこのロシア・NIS諸国100大銀行ランキングを、図表にまとめて紹介し、解説をお届けすることとしたい。
その他の記事
◎重工と双日、ロシアでアンモニアプラント受注
◎住友電工と住友電装がロシアで合弁設立へ
◎北海道食品産業協議会、サハリンに技術PR
◎西部ガスがサハリン2からの売買契約改定
◎イービストレードがロシア向けに静岡茶輸出
◎サンギ、ロシアで子供用歯磨きを販売
◎フォードのロシア工場、今年の夏季休業は長め
No.1601 2013年7月25日号
ベラルーシの概況とベラルースバンク
V.ノヴィク
はじめに
「ベラルースバンク」は、ベラルーシ最大の国営銀行であり、前回の速報でお伝えしたとおり、ロシア・NIS諸国全体の中でも第17位の規模を誇る。そのベラルースバンクのウラジーミル・ノヴィク取締役副会長より、ベラルーシの国家・経済の概況とベラルースバンクについて、特別にご寄稿をいただいた。本号ではその日本語訳をお届けする。日本であまり知られていないベラルーシを知っていただく機会になれば幸甚である。(編集部)
その他の記事
◎「ロシアビジネスセミナー in 宮城」のご案内
◎『調査月報』2013年8月号のご案内
◎ロスネフチとサハリン州、LNGプラントなどで協力推進
◎アークレイがロシア新工場にて出荷式
◎日本とベラルーシ、原発事故処理で協力
No.1602 2013年8月5日号
2013年1〜6月の日ロ貿易
―輸出が減少に転じる―
はじめに
日本財務省から、2013年上半期(1〜6月期)の貿易統計が発表されたことを受け、当会では上半期の日本とロシア間の貿易に関し、輸出入商品構成をまとめたので、早速これを紹介したい。なお、ロシア以外のNIS諸国との輸出入動向も「統計速報」のコーナーに掲載しているので、あわせてご参照いただきたい。
2013年1〜6月期の日ロ貿易をドル換算したところ、輸出入合計で172億4,598万ドルとなり、前年同期比0.4%増と、かろうじてプラスを維持した。日本側の輸入が111億5,950万ドルで、前年同期比6.9%増となったのに対し、輸出は60億8,648万ドルに留まり、前年同期比9.6%減を記録した。その原因は明白であり、日本の対ロシア輸出の大黒柱である自動車輸出が減少に転じたことにある。2013年2月以降、新車の乗用車の輸出が前年同月の水準を下回って推移しており、特に5、6月は大きく落ち込んだ。ロシアの景気が減速し、自動車販売市場でも在庫過剰感が生じて、日本からの輸出抑制に繋がったものと推察される。ただ、自動車以外の輸出は、現在のところ概ね増勢を維持している。
その他の記事
◎2013年1〜6月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎北海道銀行とロシアVTBが協力協定
◎モスクワみずほ銀行が増資
◎小糸製作所、ロシア・メーカーに技術支援
◎横浜ゴム、ロシアの国民的キャラクターでPR
No.1603 2013年8月25日号
2013年1〜6月のロシア経済と鉱工業生産
はじめに
ロシア連邦国家統計局より、2013年上半期(1〜6月期)のロシアの主要経済指標が発表されたので、図表にまとめてお届けする。鉱工業生産については、特に詳しく紹介する。
ただ、8月21日現在、統計局からは上半期の国内総生産(GDP)がまだ発表されていない。四半期別のGDPはすでに出ており、2013年第1四半期が前年同期比1.6%増、第2四半期は速報値で1.2%増とされている。他方、経済発展省が8月16日に発表した推計値によれば、上半期のGDPは1.4%のプラスとされている。ロシア経済は、現在のところリセッションは回避しているものの、成長率は目に見えて鈍化している。上半期には投資も輸出も落ち込んでおり、家計消費が景気を支えるという構図が強まっている。経済の柱である鉱工業生産は、2013年上半期に、前年同期比わずか0.1%増にとどまった。
その他の記事
◎『調査月報』2013年9-10月号のご案内
◎三井物産がロシア製材加工会社に出資
◎三菱重工、ロシアでごみ処理プラント建設
◎三島光産がロシアで生産開始へ
No.1604 2013年9月5日号
2013年1〜6月のロシアの貿易と外国投資受入
はじめに
2013年1〜6月のロシアの貿易と外国投資受入の統計データが出揃ったので、今回の速報では恒例によりこれらのデータを表にまとめてお届けすることにする。
ロシア中央銀行の国際収支統計によると、2013年1〜6月のロシアの商品輸出総額は2,525億ドル(前年同期比3.8%減)、輸入総額は1,609億ドル(4.4%増)で、収支は916億ドルの黒字であった。ロシアの貿易は、2012年に輸出入とも伸び率が鈍化していたが、2013年に入ってついに輸出が前年割れとなった形である。
その他の記事
◎京都で日ロ沿岸市長会議開催
◎静岡茶をウラジオストクで販売
◎JICAがウズベキスタン発電事業で円借款
◎東北電力がウズベク熱電併給の運転開始
◎ロシア極東、洪水で収穫の半分が壊滅
◎フォードのフセヴォロシスク工場、需要低迷で減産
◎ロシア・ウクライナの「通商戦争」
No.1605 2013年9月15日号
イシャーエフの退場と極東開発の行方
齋藤大輔
はじめに
イシャーエフがついに退場した。プーチン・ロシア大統領は、8月末にイシャーエフ極東連邦管区大統領全権代表を解任。後任には大統領側近が就任した。そこで今回の速報では、解任の背景を探るとともに、彼の20年を振り返り、今後の極東開発の行方についてコメントする。
その他の記事
◎極東管区の新代表、トルトネフ氏の経歴
◎2013年1〜7月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2013年1〜7月の日ロ貿易
◎モスクワ市投資プレゼンテーション in 東京のご案内
◎カザフスタン原子力ミニ・プレゼンテーションのご案内
◎JBICの極東インフラ開発業務協定
◎タカタのロシア新工場開設
◎三菱自が新世代EVをロ大統領府へ納車
◎北洋銀と道銀がサハリン州と協力覚書に調印
◎国際石油開発帝石がカザフ油田で生産開始
◎23区清掃組合、ごみ処理施設カザフに移転
No.1606 2013年9月25日号
ロシア地方選とソビャニン・モスクワ市長再選
中馬瑞貴
はじめに
2012年10月に復活したロシア連邦構成主体首長選挙を受け、2013年9月8日に統一地方選挙が実施された。8連邦構成主体首長選挙、16連邦構成主体の議会選挙他、地方自治体合わせて80の連邦構成主体で選挙が行われた。昨年同様、すべての連邦構成主体で現職首長が再選、統一ロシアが議会第一党という結果となったが、エカテリンブルグ市やペトロザヴォツク市など、いくつかの地方自治体では「統一ロシア」以外の候補者が当選するなど、興味深い結果も見られた。そんな中、今年の統一選挙の最大の注目は、2015年の任期満了に先立って行われたモスクワ市長選挙であった。
ソビャニン市長の再選はほぼ確実であった一方、積極的な選挙活動を実施した対立候補の健闘は事前の予想以上であった。本稿では、連邦大統領・議会選挙とは独立した形で初めて実施されたモスクワ市長選挙の結果について報告するとともにモスクワ市以外の選挙結果についても言及する。なお、各構成主体の選挙結果についてはロシア連邦中央選挙管理委員会および各連邦構成主体のホームページの発表に基づいている。
その他の記事
◎JBICがズベルバンク向けに輸出クレジットライン
◎日立製圧縮機、ロシアでベストサプライヤー賞受賞
◎トヨタがロシア工場でのSUV生産を決定
◎ルノー・日産、AvtoVAZとロシアで購買共通化
◎エーザイがロシアで抗がん剤を販売
◎三菱重工がウズベキスタンでガスタービン受注
◎三井造船、トルクメン向け硫酸プラントを受注
◎JBICとトルクメニスタン政府が貸付契約
No.1607 2013年10月5日号
ロシア・イノベーション政策の現状
―モスクワ現地調査の成果から―
鳴沢政志
はじめに
現在、ロシアでは従来の地下資源依存型の経済構造からの脱却を図るため経済の近代化とイノベーション産業分野の発展が重点的に行われている。今回、当会事業の一環でロシアのイノベーション発展における日ロ協力の可能性を調査するために、2013年8月28日〜9月6日にかけモスクワ市とその郊外にある機関、見本市、経済特区などを訪れる機会を得た。本稿では訪問先で感じたことを中心に現地調査によって明らかになったロシアのイノベーション政策の現状についてご紹介する。
その他の記事
◎2013年1〜8月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2013年1〜8月の日ロ貿易
◎豊田織機がロシアに販売会社設立
◎帝人、ロシアに現地法人設立
◎国際帝石、イルクーツクの探鉱事業に参画
No.1608 2013年10月15日号
カザフスタン・ビジネスマン影響力ランキング
はじめに
2013年10月4日付の『Forbesカザフスタン』誌に、2013年、カザフスタンで最も影響力のあるビジネスマン50人のランキングが発表された。本稿ではこの資料を抜粋して紹介する。
同ランキングではあらかじめ選抜された50人のビジネスマンに対して以下4つの観点から評価をし、ランキング付けを行っている。
1.経済的な影響‐ビジネスマンの所有する資産の評価(『Forbesカザフスタン』誌による評価)
2.専門家の評価‐市場関係者、アナリストなどの専門家に対して行ったアンケートの結果
3.2012年1月1日〜2013年1月1日の時期にマスコミに取り上げられた頻度
4.各ビジネスマンが所有している企業の従業員数
以下、ランキング上位20名についての簡単な説明を載せる。20位以降のランキングについては図表1を参照していただきたい。
その他の記事
◎カザフスタンで中央銀行総裁交代
◎アゼルバイジャン・アリエフ大統領再選
◎電通、ロシアのデジタル・エージェンシー買収
◎住商がロシアで石英製造プロジェクトへ出資
◎ミキハウスのモスクワ1号店がオープン
◎日露交流促進官民連絡会議を設置
No.1609 2013年10月25日号
モスクワ市投資プレゼンテーションin東京
はじめに
ロシアの首都モスクワ市では、対外経済・国際関係局が中心となり、都市インフラ建設、医療・教育機関の改修・民営化、交通インフラ整備、同市の南西部への拡大に伴う新地区開発、電力システム、製造業(工場建設)、その他様々な分野への外資誘致を目的として、投資環境や具体的なプロジェクトに関する情報をロシア国外の潜在的投資家に紹介すべく、世界各国において投資プレゼンテーション「ロードショー」を展開している。2013年だけでも、アムステルダム、ソウル、デュッセルドルフ、ニューヨークなどの都市において投資プレゼンテーションを開催しており、モスクワ市の積極的な投資誘致の姿勢が伺われる。
その一環として、去る9月27日、マンダリンオリエンタル東京において「モスクワ市投資プレゼンテーションin東京」が開催され、当会もこのイベントを後援した。今号では、その概要をお伝えする。
その他の記事
◎アゼルバイジャン共和国で新内閣発足
◎三菱ふそう、ロシアでキャンター生産5,000台
◎ユニプレスがロシア新工場設立を決定
◎ヴォロネジ州投資プレゼンテーションのご案内
◎カザフスタン経済特区視察団参加者募集のお知らせ
◎『調査月報』2013年11月号のご案内
No.1610 2013年11月5日号
2013年1〜9月の日ロ貿易
―輸出の前年割れが続く―
はじめに
日本財務省から、2013年1〜9月期の貿易統計が発表されたことを受け、当会では1〜9月の日本とロシア間の貿易に関し、輸出入商品構成をまとめたので、早速これを紹介したい。なお、ロシア以外のNIS諸国との輸出入動向も「統計速報」のコーナーに掲載しているので、あわせてご参照いただきたい。
2013年1〜9月期の日ロ貿易をドル換算したところ、輸出入合計で255億1,999万ドルとなり、前年同期比0.4%増と、かろうじてプラスを維持している。日本側の輸入が168億5,263万ドルで、前年同期比8.8%増と堅調だったのに対し、輸出は86億6,736万ドルに留まり、前年同期比12.8%減を記録した。その原因は、日本の対ロシア輸出の大黒柱である自動車輸出が減少に転じていることにある。表3に見るように、2013年2月以降、新車の乗用車の輸出が前年同月の水準を下回って推移している。2013年に入ってロシア乗用車販売市場に陰りが見えることに加え、ロシアでの現地生産の拡大や、日系メーカーの第三国工場からの輸入への切り替えといった要因が重なっているものと見られる。
その他の記事
◎2013年1〜9月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎グルジアでマルグヴェラシヴィリ新大統領誕生
◎日露都市環境協議会が発足
◎日本政府がウクライナをWTOに提訴
No.1611 2013年11月15日号
ロシア・NIS諸国のビジネス環境比較
―Doing Business 2014より―
はじめに
2013年10月末、世銀グループの国際金融公社は報告書『Doing Business 2014』を発表した。これは世界各国(今年は189ヵ国)の政府の企業活動に対する規制、つまりビジネスのやりやすさ、を10項目で評価しランキング形式にまとめて毎年秋に発表しているものである。ロシアのプーチン政権が同ランキングでの順位を2018年までに20位以内に引き上げることを目標にするなど、各国にとっても同ランキングは重要な指標として認識されている。そこで今回の速報では報告書『Doing Business 2014』から、当会の事業対象国であるロシア・NIS諸国のデータを抜粋し、各国の最近のビジネス環境と同ランキングにおける順位の推移などをお知らせする。
その他の記事
◎2013年1〜9月のロシア経済
◎ロシアで建設・住宅・公共事業省創設
◎タジキスタンでラフモン大統領が再選
◎カザフスタンの政府人事
◎三井物産とロスネフチ、資源開発協力で覚書
◎小樽・ウラジオストクに貨物航路
◎赤羽副大臣がトルクメン・エネルギー相と会談
◎カルーガ州投資プレゼンテーションのご案内
No.1612 2013年11月25日号
ロシア消費財市場と決算書の留意点
はじめに
2000年以降のロシアにおける消費財市場の活況は、同国消費者の「メイド・イン・ジャパン」に対する厚い信望を喚起した。しかし、いわゆる「消費ブーム」が始まって十余年を経た現在、これまで大きく伸びた日本の消費財に陰りが見えるとともに、情報産業系企業の進出が目立つようになっている。また、ロシア進出日本企業の本社からは現地法人の作成する決算書の内容がよくわからないという声や、ロシアのWTO加盟に伴う駐在員事務所での入国管理、税務、労務などに関する当局の対応についての質問も増えている。そこで当会は10月23日に当会会議室において表題のメンバーズ・ブリーフを開催した。同ブリーフでは、スガハラアソシエーツ代表取締役の菅原信夫氏、ミナト国際コンサルティング代表取締役の上村雅幸氏、同ロシア法人代表のアンドレイ・ムサエフ(Andrei Musaev)氏より、ロシアにおける日本企業の動向を様々な角度からフォーカスして報告いただいた。今号ではその概要を紹介する。
その他の記事
◎『調査月報』2013年12月号のお知らせ
◎日露エネルギー・環境対話イン新潟が開催
◎北海道・サハリン州両知事が会談
◎ロシアWTO加盟に対する中小企業の評価
No.1613 2013年12月5日号
2013年1〜9月のロシアの貿易と外国投資受入
―ほぼ前年並の水準で推移―
はじめに
2013年1〜9月のロシアの貿易と外国投資受入に関する各種統計データが出そろったので、恒例通り、今速報ではこれらデータを図表にまとめてご紹介する。
ロシア中央銀行の国際収支統計によれば、2013年1〜9月のロシアの商品輸出総額は3,828億ドル(前年同期比で1.3%減)、輸入総額は2,492億ドル(同3.3%増)となり、1,336億ドルの黒字であった。図表1は国際収支ベースにおける2008年1月〜2013年9月までの輸出入額の月次の推移を表したものである。2012年頃より、ロシアの貿易は頭打ちの傾向が見えていたが、2013年に入ってもその傾向は変わることがなかった。2013年の輸出入の推移を見てみると、輸出では2013年1〜4月は前年同期よりも低い水準で推移しており、輸入では2013年5、8月は前年同期よりも低くなっている。
その他の記事
◎2013年1〜10月の日本の対ロシア・NIS諸国輸出入通関実績
◎2013年1〜10月の日ロ貿易
No.1614 2013年12月15日号
2013年ロシア都市ビジネス環境ランキング
はじめに
先般、ロシア版『フォーブス』誌(No.111)に、ロシアの主要都市のビジネス環境を比較しランキング形式にて発表している記事の2013年版が掲載されたので、今回の速報ではこれを抜粋してご紹介する。
同ランキングは2008年から発表されており、今回で6度目となる。同ランキングで比較の対象となっているのはロシア国内にある都市のうち、人口が多く、住民の平均給与が高い30の都市である。そして企業がビジネスを行うのに影響を及ぼす要因となる「労働力の豊富さ」、「クレジットの利用のし易さ」、「インフラ整備」、「税務調査の適切さ」、「都市の閉鎖性」という項目によりこれら都市を評価しランキング付けしている。
その他の記事
◎『ロシアNIS調査月報』2014年1月号のご紹介
◎JTがロシア大手物流会社に出資
◎日ロ漁業委、サンマ漁獲枠大幅増で合意
◎ロシアのガスプロム幹部、新潟県庁を訪問
No.1615 2013年12月25日号
2013年のロシア経済10大ニュース
はじめに
今号の速報は、2013年最後の号である。そこで昨年と同様、先日発表されたロシア・ノーヴォスチ通信の2013年のロシア経済10大ニュースを紹介し、今年1年間のロシア経済を総括・回顧してみたい。
ノーヴォスチ通信では毎年暮れに、経済・政治・社会といったジャンルごとの10大ニュースを発表している。しかも、各ニュースに寸評も付されるので、旧年の同国の国情を回顧するうえで非常に有益である。以下では、本誌読者の関心がもっとも高いと思われる経済10大ニュースにフォーカスし、各ニュースについての簡単な説明も添えながらご紹介したい。それに加え、政治・社会・地方・スポーツに関しても、それぞれのジャンルの10大ニュースの一覧を掲載する。昨年は文化に関する10大ニュースも併せてご紹介していたが、今年は文化に関する記事が細かくジャンル分けされていたため割愛した。これらは必ずしもビジネスのお役には立たないかもしれないが、ロシアの世情を知るためのご参考にしていただければ幸いである。
その他の記事
◎ルノー・日産アライアンス、ロシアでダットサン復活へ
◎WINPROが極東連邦大学と再生エネ研究